Free! -Eternal summer- 第9話
『失速のフォーミング!』
≪あらすじ≫
鮫柄学園では気合の入った練習が続く。
一方、日が落ちるまで練習に精を出す岩鳶高校水泳部。
ギリギリまで練習を続けたいと言う遙たちを心配する天方先生。
そこへ生活指導の先生と校長先生がやってきて……。
(公式HP STORYより抜粋)
≪感想≫
◆何のために
遙 が キ レ た ー ! ?
それくらい、彼にとって周囲からの期待は自らが望んだものではなかった、ということなのだろう。周囲から期待されるタイム、順位、結果。しかし、日を追うごとに遙は「何のために」を募らせていった。それはきっと進路を訪ねられた時からずっとだったに違いない。
遙が進路調査希望表に「フリー」と書いたのは、何者にも縛られたくないという彼の自由を求める精神ゆえだったとすら今なら考えられる。遙は水の中では「自由」だったのだろう。決して「無敵」であることを望んだのではなく、水の中で陸上で感じる重力の枷を解き放って、自在に泳げることとその時に感じられる水に心地良さを感じ、それを追い求め続けて来た。
水泳部を作ったことも当初はそのためだけだった。しかし、気が付けば「余計」なものが遙には増えていたのだろう。仲間のために泳ぐ。それすら遙の本来の目的からすれば「余計」なものだ。でも、一方で遙は人間関係の中で真琴、渚、怜という三人との絆を大切にも考えていた。「水の中の遙」にとってそれが「余計」なものであっても、「陸の上の遙」にとってその関係は「必要」なものだった。
だから遙は言ったのだ、
「俺は俺と仲間のために泳ぐ」と。
自分のために泳ぐというのは要するに水をどこまでも求める「水の中の遙」が求めることであり、仲間のために泳ぐというのはつまるところ「陸の上の遙」が求めることだ。だから、遙はその両方のために泳ぐ。
ならタイムは? 順位は? そして将来の夢は?
そんなものに遙は価値を見い出さないのだろう。刹那主義なのだ、遙は。将来のために今を犠牲にすることを遙はたぶん「善し」とはしない性格なのかもしれない。一期一話から登校直前まで水風呂の中にいたり、サバを食したりしたのも刹那主義だというのなら納得できる言動だ。
ただ唯一、遙にとって刹那主義の外にあったのは自分が傷つけた幼い頃の凛の姿だったのだけどね。
遙と凜は別人だ。ゆえに、その夢も目標も抱いているものは違う。瞬間的にはメドレーリレーで泳ぐという目的を共通することが出来ても、数年先を見据えた進路や五輪なんてものは共有することが出来なかった。
それはある意味でとても自然なことで、そして結論は目に見えていたことだった。なぜなら遙は一度もそんな目標を口にしたことはなかったのだから。真琴ですら「もしスカウトが来たら」というのを考えている。今回、凜に「真琴なら一校や二校、スカウトが来るだろ」といって目を輝かせていたのだ。
でも、それすら遙にはないのだ。
それはある意味で彼が最初からずっと言い続けていることの体現でもある。「俺は泳げればいい」それが彼にとって最大にして最高の答えなのだろう。
才能なんていうものは、自分と周囲の両方が評価しなければ意味がない。自分だけが「才能がある」といってもそれは周囲の目からは自惚れに映り、周囲だけが「才能がある」といってもそれは当人からすれば迷惑千万以外の何物でもない。相手は勝手に自分を持ち上げ、そして記録が出なければ勝手に手の平を返して落胆して行くだけなのだから。
遙にとって「速く泳げる」才能にはきっと大した価値がないのだろう。遙がもしそこに価値を見い出すのであれば、それはメドレーリレーを公式戦で一本でも多く泳ぐためだけ、なのかもしれない。
そこも遙がずっと言ってきたことなのだろう、何せ彼はずっと「ただの人」になることを第一期一話まで言い続けて来たのだから。
まぁ、問題はそれを9話でやってしまった、ってことなんだけどね。このことは、遙が物語の最後、自分がスランプに陥った時に気付くことだと思っていたから……第一期がそうだったように。ここでやってしまうってことは、
もしかしたら最終的に遙のこの考えは逆転してしまうかもしれないね。真琴とか渚辺りに何か言われて、「仲間のために五輪を目指す」とか言い出しそうで怖い。怖いっていうか、遙というキャラクターを考えれば今回出した答えこそが真理だと私は思っているんだと思う。それが覆された時、そこにいるキャラクターは本当に「遙」と言えるのかどうか、と。そうなったらたぶん、私は評価しないと思う。
だって、他人の理想を押し付けられてそれに応えて生きることは絶対的に正しいことではないのだから。地方大会に進んでのレースの途中棄権はそれだけ大きな意味があったはずだ。ほかの方の感想だと「メンタル弱い」とか結構書いてあったが、私から見れば逆にメンタルが強い。そもそも、あそこで「メンタルが弱い」というのは「タイムや結果が出せなかったらどうしよう」と不安になってああなったら正しい指摘だが、遙はそうではなかったはずだ。遙はあそこで泳ぐのを止めて、直後に凛に追い詰められた時には遙には自分が何のために泳ぐのか、というのが答えられたのだから。そもそも遙は一度だって世界を目指すとも何とも言っていないし、それこそこの展開は「スポーツアニメの主人公なら上を目指すものでしょ」という先入観がありがちな私たちへの皮肉なのかもしれない。
もちろん、実際どうなるかは分からないんだけどね。第一期も遙が答えを見い出したのは中盤くらいで終盤は凛がメインだったし、今回も遙の答えはここでのことで完結して、あとは凛と宗介がメインになるのかもしれないし。
さて名前を出したが、その宗介はやはり肩が完治はしていない模様。もしかしたら、今後の治療も難しいか、時間がかかるかだったので「最後の一年は好きなところで泳ぐ」という彼の言葉は文字通り「競泳生活最期」という意味だったのかもしれない。
次回はメドレーリレー。一年前と同じく個人戦ではスランプを見せた遙は今年のメドレーリレーでどういう姿を見せるか、そして宗介はどうなるのか。物語の展開としては次回がある意味で山場なのかな。
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