新機動戦記ガンダムW フローズン・ティアドロップ 8巻「寂寥の狂詩曲(中)」
- ジャンル:[アニメ・コミック]
- テーマ:[新機動戦記ガンダムW]

≪あらすじ≫
ピースクラフト・ファイルを閲覧する決意を決めたリリーナ。そこに記されていたのは、自分の祖母にあたる二人のピースクラフトの王女たちの「戦い」の記録であった。
カテリナ・ピースクラフトを名乗り莫大な借金の返済のために苦悩するサブリナと、カテリナの名をサブリナに預け自らはシス・マーキスを名乗り死の最前線で《ワイバーン》に乗って戦い続ける。
流転していく世界情勢。薄幸だったサブリナが一人娘を授かり幸せの絶頂の中でテロの被害に遭うと、その真相を知ったカテリナは一つの決断を迫られていた。
そして、その時ヒイロ・ユイは――
感想は続きからどうぞ。
≪感想≫
自分で「一か月前後に」とか言ってたくせに大幅に予定はずれ込んですでに八月という体たらく(苦笑 でも、九巻まではお盆休暇中に仕上げてしまう予定です。
さて、八巻は最後のを除けばほぼ過去編と言っていい。自分でも知っているページもあったので、その辺は二度目くらいの気分で読めた。
最初から分かっていることだが、ピースクラフト・ファイルの最後は悲劇しか待っていない。それはそうしなければTVシリーズに繋がらないからだ。サンクキングダムは滅亡し、ミリアルド・ピースクラフトは仮面をかぶって「ゼクス・マーキス」を名乗り、リリーナ・ピースクラフトは真実を知って完全平和主義のために武器ではなく言論の場で戦う。
故に、あらゆる結末は悲劇に収束するようになっているので、読んでいても希望がない。まぁ、希望がないっていう言い方は大げさなんだけど、読んでいて気持ちいいものではないよね、と。
まぁ、『W』の大ファンであるので、端々にTVシリーズに繋がる伏線(この巻だとガンダムを開発した五人の技師関連が多い)があるとニヤリとしてしまっている自分が、何とも編集部の手の平で踊らされているようで情けなくもあるのだが(笑
話は感想からそれてしまうが、巻末には著者であ隅沢さんの実情が書かれている。実情というか家庭の事情、あるいは脚本家としての半生と言っても良いかもしれない。
それもちゃんと読んだ。確かに同情の余地はあるし、それを考慮すれば度重なる休載も仕方ないと受け止めなくてはいけないのかもしれないとも思った。
だが、隅沢さん自身が自分にダメ出しをしているように、やっぱりその原稿料で金を貰っているプロの商売と仕事ならばやっぱり(いわゆる)「落とす」というのはいかなる理由があろうとプロとしてどうなんだろう、とも思ってしまう。
しかも読む限り、短編で良かったはずの『W』の小説をここまでの長編にしてしまったのは隅沢さん自身っぽいし。
もっと単純に短編の寄せ集めでよかったと思うんだよね、今更だけど。過去編やりたきゃやりつつ、TV本編からEWまでの間の別の場所での戦いを別のキャラで描けば良かったんじゃないかな、と(G-UNITの二番煎じと言われそうだけど)。連載も、短編だから三か月から半年分くらいの原稿を仕上げてから連載して、次の短編が出来るまでは休載にして~ならここまでの反発はなかっただろうし、何より新作のために本編のキャラを貶めて(ダメ人間にして)まで作っている新作がこんな現状では浮かばれる……って言葉の選びが正しいかは分からないけど、浮かばれない。
まぁ、八巻でこんな暴露話が出てくる辺り、隅沢さん自身は最後まで語りたくなかったけど、あまりの休載の多さに編集部にも批判が多くて言い訳しないといけない状況だった、って考える方が自然か。
当時、読んだ後放心しましたが、結論としては最後の一言と同じ感想を持っていました。
いづれにせよ、人気稼業は辛いものですね
実はあの後から毎週覗いていましたが、機械が壊れて昨日まで気付きませんでした。記事から日付が経ってからのコメント失礼致します。