[再]新機動戦記ガンダムW 第30話
- ジャンル:[アニメ・コミック]
- テーマ:[新機動戦記ガンダムW]
『リリーナとの再会』
≪あらすじ≫
地球では、トレーズ派とロームフェラ財団との対立は、激しさを増してきつつあった。戦いを求めるヒイロは、トレーズ派の兵士コードネーム"レッドワン"として戦いに参加していた。
カトルは、ヒイロの真意がわからず、戦いから逃れた静かな町に身を置く。そこは、長い戦争に疲れた民衆が完全平和主義にかすかな希望を抱くい町だった。その町で、完全平和主義を貫くサンクキングダムの存在を耳にする。サンクキンダムを守ることが地球で自分がなすべきことだと悟ったカトルは、ヒイロに共に旅立つよう促す。
傷つきながら戦いを続けていたヒイロは、サンクキングダムに所属しているノインと遭遇する。
ヒイロたちの居場所をようやく探し当てたリリーナは、サンクキングダム元首ではなく、年相応な少女の笑みで彼らを迎えた。
(公式HP TVSeries Story 第30話より抜粋)
感想は追記からどうぞ。
≪感想≫
徹底抗戦を訴えるヒイロと、完全平和主義を求めるカトル。人は戦うものだというドロシーと、戦わずに分かり合えるというリリーナ。
ガンダムのパイロットたちやメインキャラで意思が異なるのは珍しいことではないが、互いの主義主張が独立していてそれらがしっかりしているのは『W』の良いところだろう。『SEED』シリーズは途中までキラとアスランの立場の違いからくる主義主張の違いはあったものの終盤は同化しその救済策としてラスボスに据えられたクルーゼが頑張ったり、『Destiny』も中盤以降は厳しかったし、『OO』はガンダムのパイロット同士による主義や思想のぶつかりあいは序盤で終わってしまったし。
さてリリーナとドロシーのディスカッションは今見てもなかなか面白いし興味深い。人が戦い続けて来たことは、確かに歴史が物語っているのが事実だ。有史以来、人々は競争を続け、その延長線上や娯楽の一部として「戦い」というものを常時自らの傍らに置き続けた動物だ。まぁ、動物も自分の縄張りにそれ以外の同属が来れば戦うが、人は縄張りの範囲が決まっておらず、あるいはおそろしく広く、さらに「縄張り」と一言にいっても領土以外にも宗教的、文化的、経済的など別個の「縄張り」を理由に戦うという動物でもある。
それに対して完全平和主義を唱えるリリーナの返答は、やや心許ないと言わざるを得ない。人は分かり合える、話し合えば戦いは避けられるというのは、あまりに理想論だ。まぁ、「完全平和主義」というものがそもそも理想論なのだから、その返答が理想論になってしまうのは当然と言えば当然なのかもしれないが。
あまり先々のことを語っても仕方ないが、ここでのドロシーとのディスカッションに端を発し、さらにサンクキングダム崩壊、女王に祀り上げられてからのトレーズの台頭による失脚、実兄の挙兵と大罪未遂など、理想論の完全平和主義をどうすれば「理想論」から脱却させるかをリリーナは学んでいくのだろう……たぶん(笑
いや、だって「武器を持って攻め込まれたらどうするのか」に「話し合えばわかる」、「殺されそうになったらどうするのか」に「死んでも貫く。この意思は後継に受け継がれるはずだから」ではさすがに説得力が……。いや、説得力がないけどリリーナの覚悟は感じるんだけどね。でも、リリーナ個人の覚悟としてはそれでいいだろうけど、それが国というレベルになって国民を従えるときにその覚悟が国民全員にあるのかとか、そういうところが欠けているのかな、と。まぁ、だからこそこの後の展開になるんだけどさ。
そういうところは、『SEED』のオーブという国の在り方にも近いものがある。「他国に侵略せず、侵略を許さず、他国の争いに介入しない」という中立国としての理念や思想は立派だとは思うが、じゃあそれが国民レベルで浸透していて国民一人一人がそれを承諾し覚悟したうえでオーブという国に住んでいるかというと、第二世代、第三世代以降は必ずしもそうではないわけで、それに近いのかなと(それ故に、シン・アスカというオーブに住みながらオーブの「理念を守った(結果国は滅んだが)」功績ではなく、「国民を守れなかった」という罪をカガリに向けて非難するという、ある種の筋違いの抗議をしていたわけで)。
それにしても、ビルゴって本当恐怖w あの大群がコンピュータ制御され寸分くるわぬ陣形で攻めてくるとは恐怖以外の何物でもない。そういったものが良く分かる。ヒイロがリーオーに乗っていたこともあるだろうが、量産機として性能も物量も兼ね備えたビルゴは、歴代ガンダムシリーズの中でも屈指の量産機としてのあるべき姿なのだろう。
面白いのが、その量産機が「強大な力を持つガンダムを量産化したもの」ではない点だ。あくまでOZの体系の中で進化し発展した中で造られたものであってガンダムの量産機ではない。まぁ、ヴァイエイトもメリクリウスもガンダムを開発した五人の科学者がOZに捕えられて開発を強要されながらも対OZ用に開発したからある意味ガンダムなのかもしれないけど。ただ純粋な意味で「ガンダムの量産機」が存在しないのがこの『W』なんだよね。
『X』はビットMSあるし、『SEED』はストライクダガー、『Destiny』は……インパルスの量産機はないか。まぁ、他のガンダムの量産機はあるけど。『OO』はガンダムの量産機はないけど太陽炉は量産されてるし、セカンドシーズンで「GN粒子の効率を重視したらガンダムそっくりになったから外観だけは変えた」アヘッドもあるしね。
その他のメカニック面でいうと、バスターライフルのフル出力でビルゴが破壊される点、かな。メリクリウスだとツインバスターライフルを防ぐことが出来ていたからね。そこは、プラネイトディフェンサーの数が少ないことや、使用している材質のガンダニュウム合金がある程度コストを考慮した純度(?)の低いものだという設定があるけど、実際詳しいことは解らないw なにせ、搭乗するパイロットによってMSの強度が変わるエレガント度が採用されているアニメだからなぁwww
さて、そういえば最近、真っ当に動いているガンダムを観ていない気がするんだけど気のせいかな?(笑 今回はゼロ、前回のウイングは無人だし、その前は総集編だったし。まぁ、次回は久々にそのウイングの出番ですよ!
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