天使と悪魔(上)

≪あらすじ≫
ハーヴァード大の図像学者ラングドンはスイスの科学研究所長から電話を受け、ある紋章についての説明を求められる。それは16世紀に創設された科学者たちの秘密結社“イルミナティ”の伝説の紋章だった。紋章は男の死体の胸に焼き印として押されていたのだという。殺された男は、最近極秘のうちに反物質の大量生成に成功した科学者だった。反物質はすでに殺人者に盗まれ、密かにヴァチカンに持ち込まれていた──。
(単行本裏表紙より抜粋)
感想は追記からどうぞ。
≪感想≫
以前、コメントでおススメしていただいた文庫本の上巻。まさか、中巻、下巻の全三巻とは知らなかったw 今は昼休みにちまちまと読ませていただいています。諸葛鳳雛さん、紹介ありがとうございました。
さて、本編だが私は『ダ・ヴィンチ・コード』を読んでいないので、そこだけはあしからず、といったところ。なので比較とかそういうことは出来ないが、上巻は面白かった、のひと言に尽きる。
まだストーリーとしては中巻、そして下巻が残っているので今後どうなっていくかというのは想像出来る部分もあるし、きっとその斜め上を行くような展開をする部分もあるんだろうなとは思っているが、「起承転結」の「起」の部分としては申し分ない。
秘密結社イルミナティの存在、それに狙われた欧州のCERN、殺害されたCERNの科学者、そしてイルミナティに詳しい主人公と、少しずつ展開が繋がっていく。
当初は存在が存続していることに否定的だったラングドンが少しずつその存在を認めざるを得なくなっていき、最後のシーンでは反物質によるヴァチカン市国消滅を食い止めるため、自ら謎解きに率先するという流れも良い。ラングドンが謎解きに乗り出した理由も人命や倫理的な理由以上に、ヴァチカン市国に現存する多数の美術品が消滅することを恐れて、というところがいかにも学者らしくて面白いではないか。
物語も読みやすい。一つ一つの編は非常に短いパラグラフで区切られており、そのパラグラフ番号は確か30~40くらいのナンバリングがされるほどの多さだったはず。
そういった部分は、ここ最近ずっと読みふけっている松岡圭祐の『Q』や『α』といったシリーズに通じる部分もあったので、慣れもあってか私は非常に読みやすく、また取っつきやすかった。
ローマやヴァチカン市国については写真や図による補足もあり、その辺もしっかりしている。
評価は、★★★★☆(4.5点 / 5点)。これからどうなるんだろう、というドキドキ感やワクワク感を持たせたという意味で上巻としての役割は十二分に果たしてたと思う。
諸葛鳳雛
「天使と悪魔」読んでいただけましたか。
すいませんこの作品は上・中・下の三部作だということを
言い忘れてました。
自分も「ダ・ヴィンチ・コード」は読んでいませんが
この「天使と悪魔」はそれよりもおもしろいと聞きました。
中巻から本格的に謎解きがはじまります。
ヴァチカンの地図を頭に入れておくとより楽しめるかと。