[再]新機動戦記ガンダムW 第29話
- ジャンル:[アニメ・コミック]
- テーマ:[新機動戦記ガンダムW]
『戦場のヒロイン』
≪あらすじ≫
サンクキングダムの元首に就任したリリーナは、かつてのピースクラフト王が提唱していた完全平和主義を各国に唱える。しかし、権力から財団の傘下に入る国も少なくなかった。
ヒイロとカトルは、南海小国の将官タウンゼントの庇護の元、つかの間の安らぎの時を過ごしていた。しかし、財団からガンダム抹殺命令が下され、タウンゼントにガンダムパイロットの身柄の引渡しを要求してきた。しかし、財団反対派のタウンゼントは、そのことをヒイロに通告し逃亡を手助けするが、ヒイロは迎撃してしまう。
ウイングガンダム回収に成功していたサリィは、輸送中OZに捕らえられてていた。しかし、ノインが救出され互いにガンダムパイロットを知る者同士として協力する。サリィは、サンクキングダムのためにガンダムを譲り渡すことにした。
翌日、サンクキングダムの学園にひとりの転校生が現われる。ロームフェラ財団幹部デルマイユ公爵の孫娘、ドロシー・カタロニアだった。戦争を愛する彼女に警戒心を抱くノインだったが、リリーナは彼女を暖かく迎えいれた。
(公式HP TVSeries Story 第29話より抜粋)
感想は追記からどうぞ。
≪感想≫
総集編を挟んで本編再スタート。
しかし、その間に何があったんだと思うようなヒイロ・カトルとワンワンたちの青春エピソードw あれか、腐女子狙いなのか、そうなのか!? 思えば、どことなく作画もそんなオーラが漂っていたような(マテコラw
ヒイロとカトルは互いに感化されているように見えて次回はあっさり別行動と、根本の部分では対極に位置していることはこの時点で変わらない。逆に言えばここからどうなっていくか、がヒイロの新たなパートナーとなったカトルの存在価値が問われているというところだろう。
そんなキャラクター描写とは裏腹に、世界情勢は生々しい。理想を求めるサンクキングダムとその傘下の国家も勢力を伸ばしつつあるものの、それでも世界の大半は圧倒的な権力と武力を兼ね備えるロームフェラ財団とOZの傘下も同然。ただ、傘下に入ったからと言って絶対的な忠誠を誓っているわけでもない。
結局のところ、腕力にものを言わせた同盟なんてのはその程度ってことなんだろう。そうした一方でサンクキングダムのような精神性を重視した同盟は時に腕力や武力に屈することすらない。反戦思想というか、そういった思想がこの作品にはやはり根付いているというか、どこかでちゃんとあるんだと思う。ガンダムという兵器を使い、戦争を取り扱っているアニメだからこその反戦思想ってのはちょっと矛盾しているようにも見えなくはないが、戦争を描くことで逆にその悲惨さを伝えることで反戦への想いを視聴者の中から呼び起こそうとしているのかもしれない(そうした発想や思想は、今後のトレーズやミリアルドにも見られる部分である)。
もちろん、だからといってサンクキングダムとリリーナ・ピースクラフトが完全無欠の絶対的な「正義」かといえばそうでもない。戦うという意識、競うという想いは人々が古来、太古より抱き続けてきた野生としての本能であるとするならば、それを完全否定することが果たして完全平和主義に繋がるのかと言えば、そこにも当然疑問はある。
ドロシーが指摘したように、仮にサンクキングダムが攻め入れられた時、サンクキングダムはどうするのか。リリーナは「話し合えば分かり合えない人はいない」といったが、それはかつて滅亡したサンクキングダムの過去から何の教訓も学んでいないようにすら思う。性善説こそが人間の真理だと思うのは勝手だが、それが絶対的な基準になっている彼女の在り方にはやはり疑問がある。
そういった疑問の結果がどうなるのか、というのがこの第三クールの一つの見どころかもしれない。ある意味で、この第三クールは思想的なるいは政治的な部分が色濃く出ていて、今見てもいろいろと考えさせられるシーンも少なくないのかもしれない。
NoTitle
他にも結構過激な発言をしてましたし・・・W
それを思うと、正直、この時点でのリリーナの理想は上っ面だけの綺麗事と言われても仕方ない部分がありますね。