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刹那的虹色世界

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万能鑑定士Qの探偵譚

万能鑑定士Qの探偵譚


万能鑑定士Qの探偵譚



≪あらすじ≫
『わたしは横領着服などしていません……』無実を主張し、波照間島から去った謎の女性。樫栗芽依と名乗った彼女は、未使用の偽札を残して姿を消した。
鑑定家に徹しきれない自分を恐れ、事件に関わることを避ける凜田莉子。だが、小笠原悠斗には島からの撤退命令が出ていた……。悠斗への想いと自らの道を確かめるため、莉子は再び「万能鑑定士Q」として、羽ばたけるのか? ヒロイン・コージーミステリの原点、最高傑作!
(単行本裏表紙より抜粋)


感想は追記からどうぞ。



≪感想≫
『推理劇』から新しく始まる『探偵譚』。ただし、実質的には『推理劇V』と呼んで差し支えないだろう。


内容は、劇中で真のコピアが語るように挫折した鑑定家の再生と復活。ある意味で、この巻でコピアが本当に複製したのは硯なんてものじゃなく、「凜田莉子」という名のフリー鑑定家だったようにすら思う。そのために手を尽くしていた部分もあるのだから。

ストーリーとしてはいつも通り、というのが一番妥当な表現な気がする。真贋を求められるものがそこにあって、それにまつわる依頼者なりなんなりがいて、真相を解き明かすために奮闘する。それはいつも通りのQシリーズの姿だ。
そこに凜田莉子の再生が終始付きまとっていたのがこの巻の特徴と言っていい。

そもそもにして前の巻であのような終わり方をした莉子。読者の目から観ても、結果的にコピアに負けて逃げ帰ったようにしか見えなかったが、それでもああいう終わり方をしたわけだ。
結果がどうあれ綺麗に纏めたはずの終わり。

それが最初から想定していたことなのか、それとも終わらせるつもりが編集者からせっつかれて新シリーズを作ることになったからなのか、綺麗に纏まったモノを壊すところから始めなければならなかったのは、作家としてはもしかしたら苦痛に近いものがあったんじゃないだろうか。
なんというか、それくらい読んでて毛色が違う、とハッキリ分かった感じがずっとしていた。

綺麗に『推理劇IV』で終わったはずなのにそこから莉子と悠斗を再生させるため、敢えて綻びを生んでいく。とりわけ、莉子というキャラクターは今『事件簿』を読み返したらたぶん同一人物だとは認識しないくらい別人と化している。それが良いことなのか悪いことなのかっていうのは分からないのだけど。

話がゴチャゴチャしてしまったが、要するにちょっとキャラ作りが強引かな、というのが本音。コピアに関しても、確かに『推理劇IV』での終わり方は、私も感想で「ラスボスにしてはあまりに小者」と評していて、それもこのような真相があったのなら論理的には納得できる形だろう。ただ、後付け感はやっぱり否めないし、莉子が「推理劇の五回目はない」という発言の種明かしもちょっと腑に落ちない。

もっと単純に、『事件簿I・II』のように最初からシリーズとして前後編だと決めておくとまた印象は違ったんじゃないかな、と思う。そして前編の最後のエピソードは、今のようなグッドエンドみたいな描き方ではなく、コピアの真の姿や、莉子が波照間島に「経験を持ち帰った」のではなく「逃げ帰った」ことを強く示すようにして物語はここでは終わらない、いや終われないし終わってはいけない、みたいにしておくときっと印象は違ったんだろうなと。

あるいは『推理劇IV』と『探偵譚』の間に一つ短編集IIIでもを挟んでおくのも良かったのかもしれない。その短編集やら何やらを一つ挟んでその中で、莉子が「自分は本当に島の中での暮らしだけで満足なのか」を自問自答したり、あるいは悠斗がなかなかスクープを出せずに苦しんでいる姿をみたりとか、そういうのを経ているとまた違ったかもしれない。

結果的に内容に大きく変更がないのだから巻名や発行タイミングなんて関係ない、とおっしゃる方もいるかもしれないが、私はそうは思わない。タイトルは作品にとってその「看板」なわけだからやっぱり重要だし、どのタイミングで発行するかも重要なはずだ。重要だと分かっているから『事件簿』のIとIIは同日発行だったはずではないか。

そう思わずにはいられない。



キャラクターとしては、基本的に上記で書いた通り。「感受性豊か」が「感情の極ぶり(極端さ)」みたいな解釈で描かれているのはちょっと納得いかないというか、その感受性の豊かさを知識量の吸収の裏付けと莉子が情緒不安定になる「免罪符」みたいな使われ方をし始めているのがどうかな、とは思い始めている。莉子は確かに感受性豊かでそれを逆手にとって高校時代の万年最下位の地位から脱却したのは間違いないが、そこには彼女自身の努力もあるし、瀬戸内陸や小笠原悠斗を始めとした多くの人々との出会いがあってこそなのに、それを感受性豊かのひと言で片づけているのはどうなんだろう。

悠斗に関してはとにかくもうただただ尊敬するだけだ。というか、良くこの莉子と一緒にいて支えることが出来るものだと(笑 まぁ、その信じる力と根気こそが悠斗の良さであり、同時に彼が記者として万年ジュニアスタッフ扱いだった中で得たものなのかもしれない。

さて、最大の問題はコピアだろう。今後彼をどう扱うのか、によって物語の道筋も変わる。というか、下手に莉子と対峙させてしまったために、作家としてももう後に引けない気がするのだが(苦笑



評価は★★★☆(3.5点 / 5点)。悠人の成長っぷり、真のコピアこと黎弥のラスボスにふさわしい言動などを高く評価しているつもり。ミステリー要素は真相究明よりも、犯人グループを追い詰めて逮捕するまでの流れの良さが面白かった。巻名や刊行順のマネジメントがしっかり出来ていればもっと高い評価を与えても良かったかもしれない。

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