2014 FIFAワールドカップブラジル大会 一次リーグ 日本 1 - 4 コロンビア
- ジャンル:[スポーツ]
- テーマ:[FIFAワールドカップ]
勝ち点1が突きつける現実
追記からどうぞ。
◆主力を温存した相手にこの結果
実際にこの結果がいかに悲惨だったかはこの事実が物語っているだろう。大部分の主力を温存したコロンビア相手にこの程度のパフォーマンスしか示せないのが今の日本の実情なのだ。しまいには、最後にW杯最年長出場記録達成のお膳立てになってしまった。なんと情けない話ではないか。
コロンビア自体が出場を確定させていたこともあって、おそらくどの道、どのような展開であってもそのようなことはあったのかもしれないが、少なくとももっと接戦で日本が押した展開ならこんなことはそうそう容易には出来なかったはずだ。それを許してしまった現状なのだ。
4失点を数字として非難するつもりは実はあまりない。もちろん、4点奪われてしまったことは良いことではない。だが、日本は勝たなくてはいけなかった。仮にギリシャとコートジボワールが引き分けた場合には、2点差以上の勝利が必要だったわけで前半で1-1だったので、あと2点取らないといけなかった。
そうした状況でリスクを負って攻めていくのは致し方ないことだ。ここでリスクを背負って攻める「勇気」がなかったら、それこそこの四年間でこのチームはいったい何をしていたのか、と思ったことだろう。今までの日本はそのリスクを背負うことが出来なかった。それはこのチームだから、ではなく歴代の日本代表も似たようなものだった。
そこでリスクを負って攻め続けたことはこの試合での数少ない収穫なのかもしれない。そしてリスクを負った分だけ、カウンターアタックを喰らい、コロンビアはそのカウンターを確実にものにした。これはカウンターをしっかりとしてきた組織力と、カウンターで出来たチャンスで確実に点を取る個の力あってこそ。FIFAランクに恥じない実力というわけだ。
さて、実際の試合内容というか日本についてなのだが、果たして何を語ればいいのかというのが本音。それくらい、あまり目立ったところがないんだよね。もちろん、日本はここ二試合に比べればずっといい試合はしたのだろう。攻撃的なサッカーは今の日本代表がしたかったことでもあるし、攻めて攻めて、とりあえず点は取った。後半も攻め続けて幾度かチャンスも作れた。
でも、それが視聴していて心を打つような試合だったかというと、たぶんそうでもないんだよね。良く戦った、と思わないわけじゃないけど、でもそもそも「良く戦った」と呼べるほど選手たちは実力を発揮していたのか。その辺りが疑問だからなのかもしれない。
まぁ、終わってしまったものは仕方ない。代表引退を示唆している選手もいるようだし、そもそも監督はどうなるかなどいろいろとまだサッカー関連の話題はワールドカップが終わるまでの間、あるいは終わってからも続きそうだが、次を見据えていないといけない。
終わった過去を振り返ってもしょうがない。今、日本代表は次のワールドカップのスタートラインに立ったのだ。また過酷で熾烈な地区予選へ向けてチーム作りをしないといけないわけだ。
少なくともこの2敗1分けの事実と経験が無駄にならないことだけを、今は祈るばかりである。
◆個人的ガゼッタ式採点
あくまで素人目で個人的なものです。どちらかというと、自分で書いておいてあとで有識者の方の採点とを見比べて自分の見る目をさらに養うためのものなので。
チーム:4.5 過去二試合よりは攻撃的に出れたが、結果も内容も伴ったとは言いづらい。これが世界との差。優勝を目指すのはいいが公言する出来るほどだったのか、今一度選手たちは考えるべきだ。
GK
川島永嗣:5.0 リスクを負って攻めなくてはいけなかった現状での4失点は彼の責任ではない。
DF
内田篤人:5.0 何度か前線に顔を出して決定機を演出。しかし疲労の色も濃く、リスクを負って前に出たこともあって後半終盤のカウンターには対応しきれず。
長友佑都:4.5 攻めの姿勢が活きる一方で守った時には、誰がボールに詰めるのかがあいまいでやはり左サイドがウィークポイント化。一対一の仕掛けはいいのかもしれないが、相変わらず攻め方やクロスが一辺倒なので相手は守りやすかったのではないか。
今野泰幸:4.0 良い流れだった前半にPKを献上して流れを完全に悪化させ、チームを試合後者にさせた。ここまでの今大会のPK率の高さは目に見えていたはずで、それを考えるとあまりに不用意な守備だったと言わざるを得ない。
吉田麻也:5.0 体を張ったプレーを続けていたが、リスクを負って攻撃に転じた後半の終盤はさすがに独りでカウンターには対応しきれなかったか。
MF
青山敏弘:5.5 大抜擢のスタメンだったが、献身的に動き回っていた。縦パスへの意識の高さが攻撃においてアクセントに。
長谷部誠:6.0 フル出場しチームを鼓舞し続けた。攻守に顔をだし存在感を示したが、出来ればこのパフォーマンスはコートジボワール戦で観たかった。
山口蛍:6.0 リスクを背負ったチームでボランチに途中で入るという難しさだったが、何度か決定機を防ぐ。彼がいなければ点差はもっと開いていた。
FW
本田圭佑:5.5 相手に徹底的にマークされた中でも1アシスト。しかし、ボールを収められず攻撃にそこまで貢献出来たかというとそうでもない。マークされているなら囮として動いてスペースを作るなどもっと工夫を。
岡崎慎司:6.5 豊富な運動量と、唯一の得点となったヘディングは見事。
香川真司:5.0 気迫は伝わってきたし、攻守にわたってコートジボワール戦よりは良かったと思うが、結果はまるで伴わず。あまりに低調なパフォーマンスでW杯を終えた。
大久保嘉人:4.5 前へ前へという行動力こそ見事だったし、シュートにもどんどん行っていたが、ギリシャ戦に続いて内田選手からの決定機を再三外す。チャンスがあった分だけ、ストライカーとしては落第点と言わざるを得ない。
柿谷曜一朗:5.0 途中出場であまり時間がなかったので仕方ないと言えば仕方ないのだが、ほとんど絡めず。それでも裏に飛び出そうとする意気込みは、これまでのどの試合よりも感じた。
清武弘嗣:-.- 出場時間が短いので採点なし。多少ボールには絡めたが、それ以上は出来ず。
監督
アルベルト・ザッケローニ:3.5 結果がすべての世界。内容も伴っていない。選手たちのパフォーマンスがベストとは思えず戦術的にも、精神面においてもチームを監督することは出来ていなかった。
ウチの母親なんかは「恥ずかしいかWCなんか出るな」とお怒りでした、予選突破したのが奇跡みたいなものだと(笑)
自分も大差ない意見で、親子の絆を確かめ合った瞬間でしたな――――え?内容?
別に……(沢尻感