鬼灯の冷徹 第11話
『「一寸だった法師」「お山の泥沼姉妹」』
≪あらすじ≫
「一寸だった法師」
閻魔殿には図書館もある。
倒錯系本棚の前で本を読む鬼灯の元に、「一寸法師」の絵本を口にくわえたシロがやってくる。
図書館にあった「桃太郎」のお供の犬がアフガンハウンドだったとひとしきり不満を語るシロ、
今度は「一寸法師」に書かれた漢字の読み方をきいてくる。
漢字に四苦八苦しながら、子犬たちに絵本を読んでやるシロを見た鬼灯、代わりに読んでやることにしたのだが…
ところで一寸法師は今どこに?
「お山の泥沼姉妹」
醜女はよし!美人が山入ったら大木倒してマジ殺す!!! と山神のイワ姫は今日も不機嫌。
ところかわって閻魔殿の食堂では、TV特集の「容姿が原因で起こる女の諍い」を話題に鬼灯とお香が食事をとる横で、木霊が深い深い溜息をついていた。
現世の山に住むはずの木霊が地獄に来た理由は二つ。
一つは花粉症。もう一つは、山神ファミリーツートップであるイワ姫とサクヤ姫の不仲にあると言うのだが?
(公式HP ストーリー 第11話より抜粋)
≪感想≫
◆自分を通して自分を評価するか、他人を通して自分を評価するか
極論を言ってしまえば全てはここに尽きる。
自分を通して自分を評価する――つまり、他人の眼なんて気にしないという人からすれば、周りの人が自分をどう噂していようと気にしない。とはいえ、人間とは完全に個人で生きていくことは難しく、複数のコミュニティや組織に属していることが普通だから、他者の視線や評価を全て無視することは難しい。それこそ「家族」だって突き詰めれば所詮は「個人」という意味で他人であり、家族からの評価は他者からの自分の評価ということになる。
その他人を通して自分を評価する、っていうのが言ってみれば良くも悪くも人間らしいというところでもある。他人が自分をどう想っているか、というのが多かれ少なかれ気になってしまうと言いかえればいいだろうか。無論、誰だって他人には少しでも良く思われていたいものだ、仮にそれがどんなに嫌いな相手だったとしても、である。
だから人はストレスを感じるんだよね。
自分に出来ること・出来たことと、相手から望まれること・望まれたことのギャップが出来て「そんなこと言われたって、できねーよ」ということだってある。相手からの望みが無理難題であることや、出来なかったことに事情もあるわけで、そういう時にストレスを感じてしまう。
じゃあどうすれば、というと他者の評価を気にしない――つまり最初に挙げた自分を通して自分を評価すれば良い。でも、これもまた先に書いたようにそんなことは複数のコミュニティの中で生きている以上、人間にはとても難しいことなのだ。
そんな堂々巡りの中で言われるのが、まず今回のように同じ境遇の仲間たちと会って愚痴るということ。自分の境遇に共感し、自分の考えに賛同してくれる人っていうのも、これまたやっぱり人間は欲してしまう。誰だって孤独や孤立は嫌なのだ。そういうところにも、人間は群れで生活する動物の仲間なのだということが良く分かる。
それはさておいて、ここに私なら問題も感じている。
なぜなら「愚痴る」ということは、自分が他者に対して悪い評価をしているということだからだ。他人からの評価が悪かったり、自分の思っていたようなものではなかったりしたら自分は精神をすり減らしストレスを感じている被害者だったのに、他者に愚痴るというのは今度は自分が誰か違う人に同じことをしていることに他ならない。被害者から加害者に変わっただけだ。
もちろん、それが100%悪いわけではない。組織では「嫌われ役も必要」という人もいるように、特定の「敵」を作って周囲がそれに愚痴ったり共感したりすることで組織が一体化することも、悲しいことにないわけではない。でも、それが常套手段になってしまうのはやっぱり悲しいことだし、もし自分が望まぬうちにその「敵」になってしまった時に悲惨だ。
愚痴や悪口をいう人は自分もそれを言われている、というのは小さい頃に良く言われたこと。もしかしたら今の子供たちはあまりそういうことは言われないのかな。どちらにせよ、自分がしたことは自分に返ってくるということ。出来ればそういった愚痴をあまりこぼすことなく、それでいてストレスを抱え込まないようにしたい。
それ故に、私なら「(いい意味での)鈍感力」を身につけたいと考える。つまり、先にも挙げたように「気にしない」こと。でも、「気にしない」ことを気にしているとこれもまたストレスやプレッシャーになる。そういう時には、自分がのめり込めるものを見つけることが良いだろう。
何でもいいんだよね、それは。ペットでも良いし、アニメでも良いし、映画でも良いし、ゲームでも良いし、スポーツ観戦でも良いし、ただのテレビ鑑賞でも良い。何か飲める込めるもの――理想を言えばペットみたいに自分だけの味方になってくれそうな存在が作れるのが理想だけどね。
そういったこと含めてストレスの多い現代社会で、実は最も評価されるべき才能はそのストレスを溜めこまない鈍感力を身につけている人なのかもしれない。
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