[再]新機動戦記ガンダムW 第9話

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≪感想≫


O　Z　の　大　義


前々回にノベンタ元帥を始め連合の和平派を一掃したことでガンダムとそのパイロットたちを「悪」として描いたのが本作。それと連動するように今回、これまで敵として描いてきたOZを「正義」として描いたのが本回である。この辺りは、とても『ガンダム』シリーズらしいところだ。『ガンダム』シリーズが何十年も支持され、今なお新作が作られている大きな要素の一つはこの「勧善懲悪」にしないところも大きいだろう。　それをしたのがこの回だったわけだ。

OZの大義、あるいはトレーズの求めるもの。

そんなものが全てを観終えた私は分かるからこそそう感じるのかもしれないが、今まで以上にOZを「正義」として描いてきた回であることに間違いはないはずだ。

トールギスというじゃじゃ馬の登場、それを乗りこなすために必要な超人的な能力とそれを裏付けるかのようなゼクスの負傷とオットーの死。

全てが一連の流れとしてとてもスムーズで、オットーの特攻シーンは思わず涙ぐんでしまうほどだった。日本人だからなのか、以前のワーカーのシーン然り、『V』のリーンホースJr.の特攻シーン然り、決意ある特攻シーンにはどうしても涙腺が緩んでしまうんだよね。外人の人からすればそういった、ある種の美学・美徳的なものは通用しないのかなぁ。

というかOZにもカッコイイ奴はいるんだよ、この先クズみたいな連中ばかりになるけどw



さて、殺人的な加速を見せたトールギス。カッコいいのは言うまでもないが、実のところ、トールギスのスピードポイントアビリティはウイングガンダムと同じだ（ちなみに数値はリーオーを100とした時に150、初期で最高値はデスサイズの160）。ゼクスは「殺人的な加速だ！」と呻いていたが、もし単純にスピードアビリティが同じウイングに同等の性能があるのだとするなら、ヒイロはそれを平気で乗りこなしていることになる。まぁ、視聴者はほとんどそれを感じることはないのだろうけどw

ただ、改めて考えてみるとトールギスはエアリーズの三倍の旋回速度と計測不能な加速能力を持っているけど、アビリティポイント上だとリーオーの1.5倍の数値でしかない。もちろん、旋回速度以外にもスピードと言われれば最高速度、航続距離、加速度など多数の項目があるとは思うけど……。

よくWファンの中にも、この数値だけ見て「ガンダムって実際リーオーの倍以上の能力はないんだよな」と評価するファンも少なくない（評価しているというのは、ガンダムの性能が実はそこまで極端に高くないがテロ活動をして成果を出しているヒイロたちの能力を、ということである）。

しかし、実際にそんなはずはないのである。

先に挙げた劇中でのオットーの言葉を信じるならばだいたい倍率的には、そこにさらに倍以上の数値をかけたものが本来の「差」ということだ。つまりトールギスの旋回速度を含めた総合的なスピードに関する能力がエアリーズの三倍以上だと仮定するならば、エアリーズのスピードアビリティは110、トールギスが150なので本来の数値の2.2倍の差があることになる（エアリーズが110ならトールギスは少なくとも三倍のスピード性能があるので330でないといけない）。

そう考えると各ガンダムの本来のアビリティ数値もそういうことになるというわけだ。まぁ、それでも三倍程度の性能の差で十数から数十近い物量の差をカバーして、さらに上回るのだからやはりガンダムという性能とヒイロたちガンダムパイロットの技量というのは相当なものなのだろう。



次回『ヒイロ、閃光に散る』。　今考えても4クールのアニメで1クール経たない内に主人公とその愛機が自爆するって衝撃的だよねwww