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新機動戦記ガンダムW Frozen Teardrop メカニック用語詳細

新機動戦記ガンダムW Frozen Teardrop メカニック用語詳細



文字通り、モビルスーツや戦艦などのメカニック系の用語の詳細な解説です。オフィシャルな情報を参考に書かせていただいていますが、ネタバレ、憶測などを含みますので、それを容認できる方のみ、先へお進み下さいませ。


最終更新日:2019年10月18日



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新機動戦記ガンダムW Frozen Teardrop メカニック用語詳細
太字がタイトル、()内は私の憶測である。

青字が最新更新部分である(ただし初回は当然全て最新)。

説明文では、『Frozen Teardrop』を本作、『ガンダムW TV版』を本編、『Endless Waltz』をOVAないしEWと記す。

また兵器は基本的に年代順に並べておく。







-ガンダニュウム合金-


『ガンダム』などの高性能MSに使用されるガンダニュウム合金(Gundanum)とは、宇宙空間で初めて成立した精錬、生成、還元などの加工法に依拠した技術による複数のマテリアルのことである。つまり、特定の物質や素材のことではなく、『宇宙でのみ生成可能な特定の製法による特殊合金』類を指す。

名称の由来は、「“ガンダニュウム合金(GUNDANUM合金)”=Genetic on Universal Neutraly Different Alloy(電気的に中性な異種構造の宇宙製合金)」で、開発当初はGND合金とも呼ばれていた。その後同種の合金が多数開発されたため、その合金類を新たなマテリアルとして、既存の(地球上でも生成できる)合金類と区別するために接尾語“num”を付けたのである。

ガンダニュウム合金は宇宙でしか精製することができない種類の合金を指す。なぜなら、その加工に際して必要とされる条件を地球上では実現することが非常に困難だからだ。また、便宜上『合金』と呼ばれてはいるが、実際には多数の非鉄金属や稀土類、分析不能な物質などを含む組成もあるらしく、およそ金属とは呼べそうもないマテリアルも存在するらしい。

この合金の一般的な生成は、まず、重力の影響を排除した高温プラズマ中で行われる。さらに、分子単位の配列や同位体のマトリクスなどもナノ単位で調整する。これらの諸条件は、恒常的に重力が安定しているラグランジュポイント以外では実現できないとされる。また、太陽から放射される電磁波も直接、間接的に利用しているとされ、いわゆる『焼きなまし』のようなエージングの工程でも、重力や太陽の入射角などの多様な影響を排除(あるいは制御)しなければならない。さらに核構造の配列を変更することで、同一の素材に複数の特性変異を引き起こさせることもできる。つまりガンダニュウム合金とは、周辺環境によって有り様を変える素材なのだ。このことが、MSに使用する場合の諸条件をほぼ完璧に満たす最適の素材とされる最大の要因である。

素材の名称の由来でもある『電気的に中性』であるという特徴(多くのバリエーションが生み出された現在ではガンダニュウム系の素材全てに適用できる概念ではなくなっている)は、この合金が種類や環境によって物理的に様々な振舞いをすることによっている。基本分子が同じでも、その配列や組成、電荷を変えただけで、各種の電磁波を吸収、撹乱したり、耐食性、高温強度、クリープ強度が変化する。さらに、金属反応の喪失やプラズマ、荷電粒子による界面変化の減衰、相殺、位相転換なども可能にするという特性が確認されている。まさしく『夢の素材』なのだ。

しかし、この合金は生産性が低く、量産効果によるコストダウンもほとんど見込めないうえ、そんな高性能な戦闘兵器は必要とされていなかったため、一般的な素材とはなっていない。開発当時は、この合金の軍事転用の検討さえ放棄されていた。なぜなら、既存のチタニュウム系の合金で、兵器には十分な強度や機能は得られていたからである。ことに、原子炉の炉心や、そのタービンのファン以上の強度が必要な戦闘など、想定されてはいなかったのである。逆に、この素材はMSの構造以外にこれといった使い途(みち)がなかったのだということもできるだろう。

ただし、実際にはガンダニュウム合金のスペックは、意図的に隠蔽されていたという説もある。OZは、MSを兵器としてよりも工業製品として把握していた側面があり、トールギスの完成と並行して、人が扱えない兵器には商品価値がないという判断が下されたという記録もある。

同じ時期に、この機体を開発した科学者たちがOZを出奔したのも、これ以上のOZの軍事的な突出を嫌ったからだとされているが、実際にはガンダニュウム合金を使用したMSの開発に専念するためにOZを離れたという見方も不可能ではない。ガンダムの開発はコロニーにおいて極秘裏に行われ、オペレーションメテオによって『ガンダム』は誕生から十数年を経て真価を発揮した。しかし、兵器として観た場合、ガンダムはある意味で破綻している。その圧倒的な性能は、優秀なパイロットなしには成立せず、戦略を背景としない単体の戦力として完結してしまっているからだ。
(新機動戦記ガンダムW オリジナルサウンドトラック OPERATION3およびメディアワークス発行「新機動戦記ガンダムW」データコレクション1より抜粋)


本作のトレーズ・ファイルにて本合金がAC180年前後にはすでに連合(ロームフェラ)、コロニー側の双方でそれぞれ実用化寸前まで行っており、MSへの転用が検討されていたことが追記されている。しかしながら、コロニー側の技術者が連合にガンダニュウム合金の精錬方法が確立される危険性を感じ、ガンダニュウム合金の生成を目指していたマリウス・プラントを消滅させる計画を立てた。

それが、マリウス・プラントを舞台とした最初の大規模宇宙戦「第一次月面戦争」が勃発した本当の理由である。また、ヴァン・クシュリナーダは雇ったエージェント(アオイ)から得たガンダニュウム合金製MSの零号機(『ウイングゼロ』)の設計図を入手すると、連合軍の首脳に対して「これに対抗するためには50機のMSが必要(50倍の戦力が必要になる)」と訴え、連合軍やOZのさらなる軍備拡張を巧みに促した。

前述のように本来の設定では「特定の物質や素材のことではなく、『宇宙でのみ生成可能な特定の製法による特殊合金』類を指す」はずのガンダニュウム合金だが、本作ではGND原石なるものが登場し、それが第一次・第二次月面戦争において鍵を握ることになる。




-モビルスーツ-


MS(モビルスーツ)はもともとコロニー建設に際して開発された作業用の動力付き宇宙服の名称だった。その時期の機体の特徴から、腕を持つ有人式の作業用機器全般がモビルスーツ(『MOBILE SUITManipulative Order Build and Industrial Labors Extended SUIT【建設及び工業労働用有腕式拡充型宇宙服】』)と呼ばれるようになっていった。それがいつからか武装化されるに至り、現在のMSへと発展したのである。

本来宇宙用に開発されたMSは、後に人間を模した形状を獲得していき、地上でも圧倒的な汎用性を発揮した。その戦闘能力は既存の兵器体系をはるかに凌駕しており、連合各国は競ってこの新兵器を調達していった。そして、MSのさらなる性能向上のため模索として極秘裏にトールギスが開発された。しかし、MSの各種機能を限界まで推し進めたトールギスは、兵器としては破綻していた。その機動性と運動性能は、人間の限界を超えていたのである。トールギスの開発は一体の試作機の完成をもって終了したが、それに付随して開発された各種の新技術はスピンオフされ、リーオーをはじめとする現在のMS体系が成立した。

トールギスを開発していたスタッフのうち幾人かは、さらなる高性能の機体を開発しようとしていた。それが、すべての『ガンダム』の素体となったウイングゼロである。
 
ウイングゼロは、ガンダニュウム合金の使用を前提としていたため『ガンダム』というコードネームで呼称されていた。しかし、その開発途上で研究者たちがOZを出奔したため、その名前のみが『次世代の高性能MS』として語り継がれていたのだった。結局のところ、OZによるMS開発は生産性の向上とコストダウンに重点が置かれるようになっていき、MS自体の性能向上は停滞していた。

『ガンダム』系のMSには、トールギスを超える機体として設計されたウイングゼロの開発ノウハウが投入されている。その後のOZのMS開発が、基本的にトールギスを頂点としたチューンダウンあるいはバリエーション化であったのに対して、ウイングゼロは徹底的な機能向上を目標とした。それは、パイロットとのインターフェイスに始まり、稼働環境(宇宙及び陸海空)を選ばない圧倒的な汎用性の獲得と特殊化を推し進めるものだった。

構造材や装甲材には標準的なMSと次元の違うスペックを達成しており、性能的に単体で拮抗しうるMSは存在しない。通常のMSとは、機体全体や部品単位での破壊係数からして異質のものだったのだ。ウイングゼロの完成は、設計の完了からかなり後のことだった。それでも、現時点において最強と呼べるMS群の原器となったのである。

OZのMS単体の性能向上は、ウイングゼロの開発者たちが出奔したことで頓挫したかに見えたが、OZが生産するMSが製品として非常に優秀であることには変わりはなかった。その後も頻発する各地の紛争調停やコロニー鎮圧などを目的とする軍備増強は地球圏全体の傾向であり、OZの、ひいてはロームフェラ財団の思惑通り、MSは優秀な兵器として流通していった。

当然、OZは商品としてのMS開発に余念がなく、陸戦兵器として十分以上のフレキシビリティを持つトラゴスや、航空戦力としてのエアリーズ、海上、海中兵器として使用できるパイシーズ、キャンサーを次々と生産していった。そして、地球圏の軍備を有する勢力は、その全てが何らかの形でOZの関与を受けていた。既存の兵器体系はそのほとんどがMSを基幹として刷新されていったのである。

ウイングゼロの開発に携わっていた科学者たちは、開発時点から十数年を経ても最強のMSであるウイングゼロを原器として、それぞれが独自に『ガンダム』を開発していた。なぜなら。OZによる軍需産業の寡占状況に脅威を感じていたからだ。統一連合は組織の維持のためだけに紛争を起こし、コロニーを今も強圧的に軍政下においている。

そんな状況を打開するため、コロニー居住者の自衛手段として、彼らは『ガンダム』を開発し、『オペレーションメテオ』を発動したのである。
(新機動戦記ガンダムW オリジナルサウンドトラック OPERATION3およびメディアワークス発行「新機動戦記ガンダムW」データコレクション1より抜粋)


ただし、本作やその後の設定改変によっていわゆるガンダムを開発した五人の技師がウイングゼロを開発しようとしたタイミングはヒイロ・ユイ暗殺直後のOZを出奔したあとに改変されている部分があるなど、あくまでテレビ放映時点での設定だと注記しておく。



-ビーム兵器-


『ガンダム』の多くが携行するビーム兵器は、既存のビーム兵器とはケタ違いの威力を持っている。それは、ガンダニュウム合金の採用によってビーム発生に必要とされる各装置の性能や耐久性が向上しているためである。

まずメインジェネレータ自体がガンダニュウム合金の採用を前提とした構造であるため、動力系の稼働効率が劇的に改善されている。また、高エネルギーを物質化寸前まで縮退させたままカートリッジ化する技術の完成によって、ウイングガンダムのバスターライフルは、周辺の大気をイオン化し、ビームの光軸を中心として半径150mにおよび激烈なプラズマ過流と高熱を巻き起こすほどの威力を持つ。
(※その後の設定追加によって、このバスターライフル最大出力時のエネルギーは中規模都市の一日の消費量に匹敵すると言われるが、それがどこまでオフィシャルなのかは不明)

さらに、通常のビームサーベルは、ビーム放射が障害物に当たると著しく減衰してしまうのだが、『ガンダム』のビームサーベル(サイズ、グレイブも含む)は、強力な磁界と高熱のフィールドに加え、意図的に電離領域を生成し制御している。そのため、例えば海中のような環境の中でも高熱のビームや荷電粒子は水分子などと直接界面を接することなく対象物に到達し、それを溶断することができる。

こういった複合的なビーム束を生成するのはバスターライフルなども同様で、中心の破壊力の高い低速の粒子束を、高速で貫通力の高いビームが覆っている。事実上、現時点でこの攻撃を防御できる装甲は存在しない。唯一ガンダニュウム合金製の装甲やアクティブ・クローク、メリクリウスやビルゴが装備するプラネイト・ディフェンサーなどだけが、アンチフィールドを展開することによってビームを回避、あるいは減免することができる程度である。

ちなみに『ガンダム』系MSの装甲やプラネイト・ディフェンサーに採用されているガンダニュウム合金は、周辺の状況で特性を変異させることで、圧倒的な耐衝撃性や耐高熱、耐食性を獲得しているらしい。実際、デスサイズヘルに装備されるアクティブ・クロークは、ハイパージャマーとの相乗効果によって、ほぼ完璧に金属反応を消失させることができ、視認、あるいは形状が確認できるほどまでに接近したソナーなどでなければ、発見することは不可能に近い。

さらに、巨大な電荷を受けたときなど、装甲材に絶縁域と導体域を偏在させ、放散あるいは蓄積したり、衝撃(爆発の加圧や荷電粒子の衝突など)そのものをエネルギー化して分散させることさえ可能としているという説もある。それでも、ビームが持つ運動量そのものを完全に相殺することはできず、機体には相応の加速が加わる。つまり、ガンダム同士によるビームの応酬は、基本的には打撃に似たダメージやビーム圧の加重を意味しているのである。
(新機動戦記ガンダムW オリジナルサウンドトラック OPERATION3およびメディアワークス発行「新機動戦記ガンダムW」データコレクション1、マスターグレード ウイングガンダム取り扱い説明書より抜粋)


-ヒート兵器-


(『ガンダム』シリーズにおいてビーム兵器と並んで登場する兵器。

刀身など部位の一部を赤熱化するほど高熱状態とし、それによって対象を溶断する武装の総称である。作品によってはビームサーベルなどビーム兵器と切り結ぶことも可能な熱量と耐久性を有するが、やはり最終的にはビーム兵器に劣るとみなされるケースも多い。

ガンダムWという作品において、ヒート兵器が採用されているのは《ガンダムサンドロック》系統と《ガンダムエピオン》、《トールギスIII》であり、外伝を含めれば《スコーピオ》《キャプリコーン》も装備しているものと思われる。

《サンドロック》のヒートショーテルや《エピオン》のヒートロッドはMD《ビルゴ》を難なく溶断していることから、その性能・熱量はビーム兵器に決して引けを取るものではないと推察される)



-ゼロシステム-


トールギスの開発によってMSの性能の一応の頂点を極めた開発者たちだったが、その機体を十分に制御できるパイロットがいないという問題に突き当たった。つまり、この時点で最高性能のMSは、人間が操縦する機動兵器としては破綻していたのだ。そのため、彼らは制御する側の性能を引き上げることにした。

トールギスのスペックは、平均的なパイロットの身体機能限界を拒絶する。これに前後して、開発者たちは二つの選択を行った。ひとつは、MSから『パイロット』という生体部品を、除外する方法(これが後のモビルドール=MOBEIL Direct Operational Leaded Labor【直接指揮及び作戦用機動作業機】)であり、もうひとつは、人間自体の身体機能を向上させる方法であった。そのうちのひとつが発展し、MSの制御とトータルなシステムとして設計されたのが『ゼロシステム』およびウイングゼロのコクピットである。

ゼロシステム(ZERO Sysytem = Zoning and Emotional Range Omited System【領域化及び情動域欠落化装置】)は、単純に言えば、コクピットに高性能なフィードバック機能を持つポジトロンCTに近い機器を搭載し、脳内の各領域の生体作用を走査(スキャン)し、逆に刺激を与えることもできるというインターフェイスシステムである。つまり、人間の身体機能を操作、制御し、MSの機体稼働に耐え得る状態まで向上させようというものなのだ。

ゼロシステムは、走査された脳内の活動状況からパイロットのコンディションを読み取り、MSの機動や運動によって発生する衝撃や加重などの刺激情報の伝達を緩和あるいは欺瞞し、人間の限界を超えた環境下での機体制御を可能とするものである。概念的にはMSを操縦するための別人格を創出することも不可能ではないとさえいわれている。その際に照射される陽電子(プロトン)などの影響で、中脳から視床下部、側座核や前頭連合野に至るA10神経やA6神経のニューロンが誤作動し、記憶障害や感情、体験によらない高揚感、認識齟齬などが惹起されることもあるという。これは大げさでなく人倫に抵触する。そのこともあって、このシステムの搭載を前提としたウイングゼロの開発は凍結されていたらしい。

人間とコンピュータのインタラクティブなインターフェイスとして開発されたゼロシステムは、システムが分析、予測した状況の推移に応じた対処法の選択肢や結末を搭乗者の脳に直接伝達する。その予測の中には当然、搭乗者の死傷も含まれる。そして、その目的と深層意識がアンビバレンツな場合、搭乗者の精神状態に深刻な影響をもたらす。ある局面では個人的な行動規範の放棄を強要することもあるという。

つまり、感情と戦術を秤にかけ、勝利するための行動を優先させようとするのである。このシステムを克服するためには、その選択肢に従うか、個人の欲求を追求する強靭な精神力を持つ以外にないらしい。そのことがこのシステムの扱いを非常に困難とした。なぜなら通常の人間ではシステムに取り込まれてしまう恐れがあったのだ。

しかしこのシステムはウイングゼロの完成を契機として実用化され、エピオン、サンドロック、そしてリーブラのMD集中制御などにも採用されるに至った。

余談だがゼロシステムが搭載されたウイングゼロのコックピットは球形のカプセル状となっており機体の頭部と連動して稼働する(これはその後のガンダムにも「ゼロフレーム(XXXGフレーム)」の一環として継承されている)。その内壁にレティクルを投影する端末がパイロットの頭部走査(スキャン)に兼用されており、上記のことを実現させている。またゼロシステムの発動が前提のウイングゼロは、設計通りに建造し、機体各所のオペレーションソフトが全て稼働しなければ起動しないという報告もある。

ゼロシステムはMSのインターフェイスとしては確かに優秀だが、搭乗者への負担が大きいため、一般的な制御装置として普及することはないだろう。また、この装置が必要とされる時代もまた、再び訪れることはないはずである。
(新機動戦記ガンダムW オリジナルサウンドトラック OPERATION3およびメディアワークス発行「新機動戦記ガンダムW」データコレクション1より抜粋・一部加筆)


しかしながら本作で明らかになったように平和を維持する地球圏とは裏腹に争いが加速度的に増していく火星圏においては後述のMD同様に必要な装置として登場。特にゼロシステムはその安全性などを劇的に向上され、イメージトレースシステムとして一般的にも普及している。

ヒイロ曰く「ZEROシステム同士がシンクロすると脳内に送られるデータ量が倍増して通信することが不可能に近い」らしいが、AC195年時にはヒイロとミリアルドは通信をしていた節もあるため具体的な部分は不明。

また最新型のZEROシステムは追加でマイクロチップ入力装置があるようで、W教授は《白雪姫》のZEROシステムにマイクロチップを挿入することで、《白雪姫》に保存されていたヒイロの残存意識をダウンロードすることが出来るようになった。その場合、「ZERO」の表記は「Asttro Boy(アストロ・ボーイ)」となるようだ。カトルは、ヒイロの「技術」と「覚悟」をこれによって自身にダウンロードし、ヴァンと対峙した。

加えてコンピュータとしての有能さからか、MC暦ではモビルドールや無人兵器をクラッキングし制御を奪うことも可能となっており、ZEROシステム同士の戦いはある意味でそのフィールドに存在する無人兵器の制御機能の奪い合いであるともいえる。





-モビルドール-


先のゼロシステムの項目によって目指された方針のもうひとつ、それがMSから『パイロット』という生体部品を、除外する方法(これが後のモビルドール=MOBEIL Direct Operational Leaded Labor【直接指揮及び作戦用機動作業機】)である。

MDは、MSを工業製品として見た場合、稼働ソフトとオペレーターを備えた究極のパッケージである。しかも、人的資源の消耗は皆無であり、パイロットの養成も習熟も必要としない。ある意味では理想の兵器だともいえる。

戦争に伴って起こる悲劇の最たるものは、死傷者の発生であって、MDはその悲劇を戦争から払拭する。一見すると人道主義の則った兵器であるかのように見えるが、一旦、その彼我が逆転すれば、実際にはMDというシステムが、単なる大量殺戮兵器であることが判る。

また双方がこのMDを投入したケースを考えれば、戦争という行為そのものが、まるで現実感を伴わない、破壊のための破壊を無為に繰り広げる膨大な浪費であることになってしまう。

MDの導入は、事実上、連合を乗っ取ったOZの実質的な母体であるロームフェラ財団によって推し進められた。財団は地球圏の実質的な支配権を掌握し、その地歩を確実なものとするため、MDの生産と普及を図ったのである。MDの概念が提出された当時、OZはMSの機能向上と量産に伴う各国への普及を優先としていたため、自動制御による兵器の投入には積極的ではなかった。また、当時は連合を構成する各国家が依然として大きな発言力を維持していたため、戦略の根幹に関わる兵器選定にまで干渉することができなかったという事情もあったのだ。

リーオーやトーラスなどの量産機によってMDシステムの実験が行われ、ガンダムの開発者たちによって作られたヴァイエイトとメリクリウスをベースとして本格的なMDビルゴが完成した。量産されたビルゴは、ロームフェラ財団の台頭に反抗する勢力をことごとく制圧していった。そして、膨大なMDの実働データの蓄積は、優秀なパイロットのトレースさえ可能としていた。

後にホワイトファングもビルゴIIを量産し、破壊のための破壊が繰り広げられた。しかしながら、EVE WARSを契機にその後の歴史に置いてマリーメイア軍を始め地球圏においてMDは一気に戦場から姿を消し始めた。MDは完成から時を置かずして、究極の進化である「自滅」へと向かっていったのである。
(新機動戦記ガンダムW オリジナルサウンドトラック OPERATION3およびメディアワークス発行「新機動戦記ガンダムW」データコレクション1より抜粋・一部加筆)


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