地獄少女 二籠 第3話
地獄少女 二籠 第3話「愛しのけいちゃん」
<あらすじ>
坂下多恵(さかした・たえ)は、隣に住む幼馴染である高田啓(たかだ・けい)に並々ならぬ、そして異常な愛情を注いでいた。啓には、花村弓枝(はなむら・ゆみえ)と言う恋人がいた。だが、それでも多恵は構わない。むしろ、啓と弓枝が上手く行くことをどこまでも願っていた。
だが、それは全て啓のため。啓が無事に幸せになってくれればの話。だから多恵にとって啓を傷つける可能性を確信があった。啓を傷つける者。それは、多恵にとってどんな者よりも許せない極悪人。
その想いが届いたのか、多恵からの地獄通信へのアクセスは成功。あいとの仮契約の証に輪入道が変身した黒い藁人形を手にする。
藁人形を手にした多恵。果たして彼女が依頼しようとしている怨みとはいかなるものなのか。同じ女として、骨女が調査に乗り出した。
続きはOPENからどうぞ。
<あらすじ・ネタバレ>
酔った女性OLに扮して、夜公園のブランコに独り乗っている多恵に近づく骨女。目の前には彼女の家、彼女の部屋。部屋の主がここにいるのに、部屋には灯りがついたままだ。
「啓ちゃん、軽くあしらわれてないかな」
どうやら、多恵は啓のために弓枝と2人っきりになれるホテル代わりとして自分の部屋を提供したようだった。「信じられない」と繰り返す口にする骨女だが、「古いよ、お姉さん」と彼女は彼女なりのやり方で彼を愛しているのだと告げる。「彼を自分のものにしたいとは思わないのかい?」と言う問いかけにも、「あの窓と窓の距離(隣同士家が隣接していて、ノック出来る程度の距離で互いの部屋がある)が私には一番良い」と呟く。
だが、どうも雲行きが良くない。啓が弓枝からの愛情に、多恵は確信的な疑問を持ち、啓自身も薄々感じ始めていた。さらに弓枝から啓へ求めるものも大きい。「初めてはハワイが良い」などと言って啓を振り回す弓枝に、多恵はいよいよ行動を起こす。
多恵の確信には裏づけがあった。忍者のようにマンションを渡り、はしごを上って辿り着いた視線の先、そこには弓枝が別の―――本命の彼氏と会っているところだった。
しばらくして、啓は弓枝が二股かけていることを知りショックを受ける。そして多恵はとうとう、窓と窓の距離を越えて近づいた2人。悲しみにくれる啓は、多恵を押し倒し、多恵はただそれを受け入れた。
その夜。
多恵は再び出会った骨女に事情を説明する。「良かったじゃないか」と言う骨女の言葉に、多恵はハッとする。
―――近づき過ぎた!
駆け出す多恵。窓と窓の距離。それが縮まった今、自分たちの関係はもう昔のままではない。
「多恵ぽん? 多恵ぽん?」
一番近くにいたからこそ、気づかなかった想いに気づいた啓。より近づこうと想いが高まる啓とは対照的に窓と窓の距離を保とうとする多恵。
それでも。
啓の想いに閉めた窓を開けてしまった。
啓は多恵の部屋の窓に足をかけていたから、そのまま落下。打ち所も悪く、そのまま他界してしまう。悲しみに暮れる多恵だが、弓枝の「私たち付き合ってたわけじゃないし」と言う言葉に、悲しみが全て怨みへと変わる。家に帰るまでの時間さえもったいないと言わんばかりに、学校の校舎裏で藁人形のヒモを解いた。
本命の彼氏と会っている弓枝。いつものように愛の囁きを……と思えば、相手は気がつけば一目連に変わっていた。ベッドに扮した輪入道によってグルグルと回転させられ、それを骨女が的にして投げナイフをする。そして、そんな弓枝の頭上には静かにたたずむあいの姿。
「いっぺん、死んでみる?」
船の上。気がついた弓枝は逃げ出そうとするが、船から沸く黒い腕に捕われて動けない。さらに耳元にまで近づく骨女。その本当の姿を徐々に見せ始めて弓枝の恐怖を与えながら、あいは弓枝を地獄へと流す。
それからしばらくして。
引越しをした多恵。窓を開ければ、そこにはまた手を伸ばせば届く位置に別の部屋の窓がある。それでも、もうそこには啓はいないのだと涙を流す。それを遠くから見守る一同。それが愛しい者を喪ったからの涙なのか、孤独の寂しさによる涙なのか、骨女には解らなかった。
でも。
彼らが去った後。窓を叩く音が。開ければそこには、元々そこへいた住人がいた。その人は啓にそっくりだった。多恵はそっと微笑んだ。
<感想>
なんかスゴイ展開でした。いや、まさかこんな話とは。良くある……のか? これを書いている最中、某テレビ局でやってた「容疑者○○○○」と言う映画を観ていたこともあって、まぁルックスの良い人ならきっと良くある話なんでしょうね(偏見?
多恵の異常さも異常さだけど、啓も似たようなものだな、って。と言うか、今回のメイン3人はだいぶ異常。異常と言うより……ちょい外道?情けない? 多恵は語るまでもなく。啓の気の弱さもそうだし、あそこまで多恵に付きまとわれて何も想わなかったんだろうか? と言う鈍さでも。逆に鋭敏で上手く自分が楽しめるよう世渡り。何と言うかとにかく凄かった。
多恵がどうしてあのような愛し方を選んだのかは解りません。ただ、一見すればあの容姿が影響してるんじゃないかなぁ、って。啓の方はまぁまぁだし、幼き日の(?)多恵からすれば、啓は手の届かない存在だと思い込む。だから、何があっても『幼馴染』としての位置を保ちかったと言う想いが根底にあったんじゃなかろうか、と。ちなみに、その土台の上にはよほどドロドロな恋愛模様を身近で見たのか、はたまたそんな小説を読んだのか、「愛情(おそらく愛情を含む全ての情)」に永遠なんて無い、と言う追加要素もあって、ああなってしまったんじゃないでしょうかね。
さて、骨女とコンタクトを取った謎の少女。いよいよ、あい御一行様とも接触を試み始めましたね。あれは前々から登場しているあの童女(?)なんでしょうか??
ちなみに、あいの日常パート。
「あっ、切り過ぎちゃった」
……ってそれだけ!Σ( ̄□ ̄|||)
次回は「秘密」。また、何とも凄い内容っぽいですね、こりゃ。
<MVC>
骨女
「同じ女として興味があるのよ」
まぁ、今回唯一の常識人ってところですかね( ̄∇ ̄;) まぁ、でも毎回色っぽいですね。そういう設定とは言え。とは言え、今回の中ではMVCに値する……かな。どうしても多恵とか啓にMVCを与える気にはなれなかったので(ぇ
<TB先 参照リンク(URLアルファベット順)>
・http://blog.livedoor.jp/kabekabe123/archives/50769590.html
・http://blog.livedoor.jp/koubow20053/archives/50654501.html
・http://blog.livedoor.jp/kuma_road51/archives/50795552.html
・http://blog.livedoor.jp/natsu_ki00/archives/50446020.html
・http://blog.livedoor.jp/poohreeter55/archives/50732918.html
・http://blog.livedoor.jp/radical_weapon/archives/50741310.html
・http://chalcograhie.blog21.fc2.com/blog-entry-1755.html
・http://endless-space.jugem.jp/?eid=1188
・http://firelife.blog55.fc2.com/blog-entry-352.html
・http://omochiyasan.blog69.fc2.com/blog-entry-295.html
・http://raitoningu.at.webry.info/200610/article_28.html
・http://rincolu.blog15.fc2.com/blog-entry-927.html
・http://takoyaki-tako-tako.de-blog.jp/takotako/2006/10/post_7ef6.html
・http://yuima.blog6.fc2.com/blog-entry-598.html
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