境界の彼方 総評
「ある一族」たった一人の生き残った少女と、
存在しないはずの「半妖」の少年。
二 人 の 物 語 。
半妖の少年 神原秋人(かんばら・あきひと)は、
ある日の放課後、屋上から今にも飛び降りそうな少女と出会う。
少女の名前は栗山未来(くりやま・みらい)。
異界士の中でも特異な呪われた血を持つ一族の最後の生き残りだった。
変わらない部室。変わらない日常。変わらない世界。
そんな毎日を過ごすはずだった。
だが、一人生き残った少女と半妖の少年が出会ったとき――世界が一変する。
(公式HP あらすじより抜粋)
そんな『境界の彼方』の私の評価ですが...
B
です。(SS、S、A~Dの評価)
では、詳細は続きをどうぞ。
※あくまで評価は、私的主観によるものですのでご了承下さい。
境界の彼方 総評
放映日:2013年10月~2013年12月(全12話)
私が視聴した放映局:TOKYO MX
総評
※評価についてはこちらからどうぞ→評価について。
シナリオ構成 評価:D
序盤での未来の不可解な言動の回収に時間がかかった上、中核人物たち以上に騒いでいた泉姉さん含めて外野の正体ややりたかったことが不明瞭なまま、さらに「境界の彼方」というタイトルにもなっている存在も結局何も変わらないまま終わった。中盤に入れてきた日常回やライブ回も出来は良いのに、ストーリーとしてのオチがイマイチでとてもプロが作ったものとは思えないほど纏まりがない。
続編製作を視野に入れているのかもしれないが、そんな未確定のもののために曖昧な終わり方をするようではこの会社も地に堕ちたと言わざるを得ないと思う。
アニメオリジナルキャラもほとんど活かせず終わっており、アニメオリジナル分も多いようなので「原作が自社レーベルの若手だからストーリーが作画や演出に比べて弱い」という言い訳は通用しないだろう。
あとサブタイトルのセンスがない。
演出 評価:A
戦闘は『中二病』でやっていたことを本格化した形で、そこは「画で魅せる」ことに定評がある京アニらしいところ。とはいえ、キャラクターの内面は踏み込みが浅い。
作画 評価:S
仮にどんなに京アニやこの作品が嫌いだったとしても評価せざるを得に部分だろう(笑
実際に先に挙げたように演出を具現化出来るだけの能力をこのスタッフたちは実力として持っている点は疑いようがない。そういう意味では意外と異能バトル物と京アニの相性は意外なほど良かったのかもしれない。
CAST 評価:C
全体的に作画や演出に比べて力不足な感じは否めない。特に「叫ぶ」演技が多かった終盤は、そこが如実に出てしまった感じは否めず、また美月役は声とキャラの違和感が最期まで拭えなかった。
OP/ED/BGM 評価:B
OPは茅原実里さん。これは美月役の決定が先行したのか、OPとのタイアップが先行したのか……。EDは個人的にとても好きな部類で、今期のEDの中でもトップクラスに味がある出来だったと思う。
総合 評価:B
内訳:S評価(5点)×1+A評価(4点)×1+B評価(3点)×1+C評価(2点)×1+D評価(1点)×1=B(3.0点)、○○の点につき~点加減点
珍しくSからDまで全ての評価が一個ずつというw それくらい一つの作品の中で「出来」というものにバラつきが大きかった作品でもある。
簡潔に結論だけをいえば「ストーリーが作画に対して力不足」ということか。ここ数年、京アニはオリジナルや自社レーベルの作品をかなり優先してアニメ化している。これは版権に伴う著作権のコストを抑えるためなのか、別の意図があるのかは分からないが、総じて言えることは京アニやその自社レーベル作品のストーリーのクオリティは低いということだ。
思えば京アニのブランド力が爆発的に広がった『ハルヒ』や『CLANNAD』は既存のしっかりとしたストーリーがあったからこそ、京アニは京アニたりえた部分があったのかもしれない。もちろん、そこには原作からアニメに対してのシリーズ構成という作業の巧さ、も含んでいる。そこは巧いんだけど、自分たちでイチから形成したり、そもそもの出来がそんなに良くなかったりするとクオリティが下がった(ように見えて)しまう。
「京アニ」といえばもうかなりのブランド力を持った看板だ。オリジナルや自社レーベルでのアニメ化はチャレンジとしては面白い試みかもしれない。しかし、すでに「京アニが作ってくれるなら安心」というある種の神話は崩壊し、「京アニが作ればとりあえずキャラは萌える」だけの存在に落ちぶれてしまったのが残念。
おまけ
ベストキャラTOP3
1位 名瀬博臣
名瀬家としての立場、秋人との個人的な関係など出番の数や実力など美味しいポジションにいた。姉に代わって最期は名瀬家の当主となったが、結局爺の傀儡となりそうでカタルシスはないのが残念。
2位 名瀬美月
中盤にちょろっとスポットライトが当たっただけ。もうちょっと出番や見せ場を。
3位 名瀬泉
結局謎を明かさぬまま姿を消した。この程度なら出す必要はなく、出す必要があるなら泉にもっと焦点を当てるべきだっただろう。
- at 21:20
- [アニメ(放送中):総評(カテゴリのない作品)]
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