[終]銀河機攻隊 マジェスティックプリンス 第24話
- ジャンル:[アニメ・コミック]
- テーマ:[銀河機攻隊 マジェスティック プリンス]
『宇宙に散る花』
≪あらすじ≫
シモン司令はゲート破壊のため、現有戦力最大の質量を誇る、自らが乗るスター・ローズを特攻させることを決意し、命令を下す。
一方、ジアートとの戦いの中でジュリアシステムを介してアッシュに身体を乗っ取られてしまったイズル。
「戦え、戦え、戦え」
そう叫び続けるアッシュに応えてしまうように、彼の両手は操縦桿を握ったままジアートとの戦いを続ける。
繰り返される退避命令。それでも戦い続けるイズルに、ケイとパープル・ツーは回収へ向かうがもともと直接戦闘向きの機体ではないため割って入ったところで逆に損傷を受けてしまう。
ケイ、タマキ、アタル、そしてアサギ。
みんなの呼び掛けに応えるように、戦いの中でイズルはようやく自分を取り戻す。
「戦いたくて戦うんじゃない。生きたい。自分だけじゃなく大切なみんなと」
アッシュの呪縛を乗り越えるよう、新たな境地に達したイズルにレッド・ファイブは新たな形態へと進化を遂げて応える。
スター・ローズ突撃まで残りわずか。小破したケイのパープル・ツーをみんなに託し、イズルはゲート付近でジアートと最後の戦いに挑むが、白熱する戦いの中ではイズルが離脱するのは難しい。
そして、イズルとジアートはスター・ローズ特攻の余波に巻き込まれるが、それでも二人は戦い続け――
≪感想≫
良いラストバトルだった
うん、そうだよね。ロボット物のラストバトルってこうだよ、うん。観てて、観終えて、とても納得した。これは王道の「ロボットアニメ」だ。最後の最後まで熱くなる展開。前回まで艦隊戦をやってて、それはそれでもちろん良かったんだけど、そうした一方で主人公とライバルの果てしない一騎打ちもまたロボットアニメの王道。 いや、ロボットアニメと言うよりバトルアニメの王道か。
一回の有効打だけであっさり引くわけがない。共に限界を乗り越え、共にどんな環境だろうと相手を見据え、自分が望む掴み取りたい未来のために戦い抜く。そこには主義だったり、信念だったり、あるいは譲れぬ想いだったりがあるわけだ。くどくなると、そこは論理のぶつかり合いになってしまって実際の戦いはどこ吹く風になってしまうこともあるが、この作品はそういう意味では最後は魂のぶつかり合いみたいなところがあったので最後の最後まで“戦い”という感じが色濃く残ってくれた。
しかし、レッド・ファイブの再覚醒は驚いたけど冷静に考えれば王道なんだよね。たぶん、90年代なら黄金に輝いてたwww そういう、ある意味でのお約束的なものだったわけだし。
そこが黄金化じゃなくて光の翼になる辺りは、ロボットのスタンダードも黄金化(ハイパー化など)よりも有翼化に移ってきた証なのかもしれない。
まぁ、さすがに光の翼を触手みたいに使って戦ったり、ジアート機がドラゴンボールの元気玉みたいにエネルギー弾撃った時はちょっと笑ったけどw 前述のように艦隊戦や他のアッシュではリアルロボット風味で描いている分だけ、主人公とライバルだけは色んな意味で別次元の戦いをしていた方が際立つかもねwww
レッド・ファイブの再覚醒がどのような理由付けかは分からないが、私はジュリアシステムの生存本能・防衛本能が極限に達した結果だと考えている。
今までの覚醒はジュリアシステムの闘争本能が極限に達した結果だった。故に、「闘うために作られたアッシュ」の方がイズルよりも権限が強かったし、だからこそアッシュの人格がイズルを乗っ取ることが出来た。
だが「生きたい」という防衛本能を極限に高めた最後の覚醒は、「生きたいと願うイズル」の方がアッシュよりも強かったわけだ。
つまり既存の覚醒をさらに乗り越えたというよりは、覚醒する際において必要なベクトルが真逆だったと言う感じ。たぶんアンジュは今までもこれからも前者だったんだと思う。闘争本能で覚醒するのがアンジュ、そうじゃなく生存本能で覚醒するようになったのがイズル。その境地に最終話で達する辺りはさすが主人公。
そして最後の決着は、外装パージからの貫手。これは上手いと思った。一本取られた。『劇場版ナデシコ』のブラックサレナの時をちょっとだけ思い出した。
レッド・ファイブの特性を最大限に活かせば当然ここに帰結するのが必然なのかもしれないけど、それは光の翼を捨てることだしね。そのいい意味で、演出のためにせっかくの覚醒を切り崩せるのは良い判断。
さっきまでスーパーロボットで戦っていたレッド・ファイブが、爆発後はリアルロボットで壊れながら戦うシーンは、『マジェプリ』だから出来ることかな。あくまでアッシュが兵器だから壊れ行く美学を描ける。例えば『ガルガン』や『ヴヴヴ』でも描けないことはないけど、ここまで兵器としての壊れざまはたぶん描けない。
『ガルガン』も最後は特攻・自爆だったけど、あれは“壊れるさま”じゃなく“死に行くさま”になってたからね。それだけあの作品はロボットに兵器ではなくキャラクターと言うものを求めていたからだと思うんだけど。
話はそれたが、分離しての攻撃っていうのは上手な戦い方。捨て身の戦いにおいて切り札になり得る説得力があるし、アッシュの情報に疎いだろうジアートがそれに驚いて動きが鈍くなったのも理解出来る。っていうかジアート機をぶち抜くし、あの爆発にも耐えるしコアモジュール、意外と頑丈だねw
でも、ずっとシリアスにバトルしていたわけじゃないんだよねw 途中でザンネンな会話が入ってくる辺りがこの作品らしい。ピットクルーも、おやっさんも、もちろんアサギたちも。結局ヒーローに行きつくイズルも。チラッとあのキャラの眼が見えたり、あの幼女は「ブルー・イチ」だと思ってたり、ネタも豊富www
ただ、とても良かった最終回だけど、個人的に満点じゃない。不満も実はそれなりにあった。
例えばケイとパープル・ツーの扱い。電子戦の機体で回収とか、アサギは気を利かせたつもりなんだろうけど、考えられない。行くならアサギのブルー・ワンか、タマキのローズ・スリーじゃないと(ましてイズルが敵対しているのはジアート。その性能はチームラビッツなら分かっていたはず)。
その後も退避勧告や通信はずっとイズルに入り続けていたけど、あの状況じゃ逃げようがないだろう、とも思うw 援護射撃もなくなり、スター・ローズ衝突に備えて退避していく中で敵だけは執拗に追ってくるわけだから。おまけに実力が拮抗していれば、逃げ出そうとして背中を見せればその瞬間に斬られていてもおかしくない。じゃあ、逃げられるわけがない。逃げたら死ぬかもしれないのだ。
アサギ達はしょうがないにしても、リンがそれを言うならそれが出来るだけの策を提示しないと……。ホント、気がつけば潰れたシュークリームの後釜にすら見えるほど酷い。
そういう部分を含めてイズルたちのいい意味でのザンネンさとは裏腹に、スズカゼ・リンというキャラクターには悪い意味でザンネンさを覚える。いろいろな面があるのが人間らしいと言えば人間らしいけど、軍人としてのリンと人間としてのリンが真逆にいるだけに、見せる顔で取る言動まで真逆なのがちょっと苦しい。
そのつながりじゃないけど、理想をいえばシモン司令はアサギが命令無視をしてでも助け出して欲しかったなぁ、とw 「お父さん」って呟いた時は、行ってくれるかとも思ったが……。
ちょっとケイの恋愛の側面を強く出し過ぎかなぁという感もあるが、それは重箱の隅をつつくようなもので全体的にはとても満足。最終回でここまで満足したロボットアニメ・バトルアニメはかなり久しぶりかも。
それだけにあそこで終わっては
後日談が気になるw
だって最終回っぽくないじゃん、サブタイ(そこか!? ちゃんとした話をすれば、イズルは生きているっぽいけど、下手したらカミーユ状態もありそうだし不安もあるからその辺は払拭しておきたいかな。どちらにせよ、生きててもしばらくは入院・治療の日々かも。まぁ、どの道全戦力を投入した地球側はしばらく体制立て直しと軍事力整理で忙しいし、ウルガル側もそれはそれで幹部クラスが半減、ジアートも地球圏に取り残された(?)ろうし、立て直しかなぁ。
っていうか、ジアートってどうなったん?(笑 まぁ、死んではないだろうけど。
その辺含めて「来週まだですか?」状態だけど、真面目な話をすれば、後日談はパッケージ盤の特典映像かなぁ。結局、犠牲はドーベルマン二人と敵幹部と言う具合で生存率も高いし、このまま二期も出来そうだけどね。ジュリアシステムもジュリアさんが作ったみたいだし、ウルガル皇帝の発言などイズル要素以外にも伏線はたくさん張っていたし。あぁ、でもその前にどうやら進んでいるらしいゲーム企画があるのか。それがひと段落したらかな。
二期は新キャラになるか、あるいはスポットライトが当たる機会の少なかったアタルやタマキベースで薦めるのも面白いかもね。他のアッシュの覚醒も観てみたいし。
後日総評はするが、私は本当に2クール愉しむことが出来た。正直、ここまでのロボットアニメは近年ほとんど目にしなかったし。二期があるかどうかは分かりませんが、とりあえず監督以下スタッフの皆様、お疲れさまでした。
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- [アニメ(放送終了):銀河機攻隊 マジェスティックプリンス]
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- CO(8)
- [Edit]
内容の詰め込まれた最終話でしたね
そんなアニメに出会えて本当に幸せでした。思えば3月末の先行上映会からはや半年。同時期に始まった2作品と比べられ、地味だ地味だといわれたのが懐かしく感じますね。
イズルの真の覚醒を含め、最終話はこれまで積み上げられてきたものを生かした展開だったと思います。
半年間、面白い感想と考察ありがとうございます。
最後にもう1つ。これだからロボアニメはやめられない!