Free! 第7話
『決戦のスタイルワン!』
≪あらすじ≫
いよいよ県大会が迫ってきた。着実に自己ベストを伸ばす遙は、日に日に凛へのライバル意識を隠さなくなっていく。
一方、凛はルームメイトである似鳥から「どうして本職のバッタじゃなく、100mのフリーにしかエントリーしないのか」と詰め寄られ、自分が父親の「オリンピック選手になる」という夢を継ぐためにどうしても越えなくてはいけないヤツ――七瀬遙の存在――がいることを明かし、決戦に臨む。
そして……県大会当日。
互いに100mフリーだけにエントリーした遙と凛。「お前が決勝に来れるとは限らない」とわざわざ申告タイムを落としてまで予選からレーンを並べて泳ぐ凛と「今日で自由になれる」と意味深な発言を遺した遙。
そんな二人の勝負の結末は――
≪感想≫
◆晴れて「ただの人」になったが
凛に負け、さらにまさかの予選落ち。「コーチ不要」発言も見事なフラグで実際にはやっぱりコーチがいないとダメってことだ(ダメというより、タイムを目指すなら個人だけには限界があるということか。タイム目指さないなら不要だけど)。そのコーチがあのピザ屋のバイトになるのか、それともあまちゃんの隠された過去に起因するのかは分からないがw
さて、遙のベストタイムが一体いくつで、それに比べてこの県大会予選のタイムがいくつだったのかが分からないので何とも言えないが、当たり前と言えば当たり前の結果。
仮に遙が順当にこの予選でもベストタイムを更新し、それでも予選落ちなのか、それともベストが出せなかったのかは分からないが、かれこれ三年半近いブランクをそもそも二、三カ月で取り戻せるはずもない。それでもずっと水泳をやっていた凛との勝負はタッチ差に近かったように見えたので、それは遙の才能による急回復でもあるだろうし、同時にそのタッチ差=コンマ二桁のわずかな中に何人も競合した選手がいたということだ。
とはいえ、これで遙は自身が誰よりも望んでいた「ただの人」に晴れてなったわけだ。二十歳にはまだ四年近く前倒しとなるけれど、これでもう自由だ。記録やタイムを「才能」という枷で狙えと言ってくる人もいなくなる。
遙は遙の価値観のまま、ただ水を感じて自由に泳げばそれで良くなったのだ。
しかし、最後のカットを見る限り遙の本当の目的は別にありそう。「お前と一緒に泳ぐことはない、二度とな」という凛の発言の果たしてどの部分にショックを受けたというのか。当たり前じゃん、だって。本職が違うんだもの。
そもそも「俺はフリーしか泳がない」と言っていた以上、バッタが本職の凛と泳ぐには凛がフリーに転向するか、遙がバッタに転向しないとそもそも一緒には泳ぎ得ない。そしてオリンピックを目指す凛が自ら本職から転向するとは思えないし、かといって遙がそうやすやすとポリシーを曲げるとも思えない。
つまり、そもそも二人が何らかの大会で同じ種目でライバルとして泳ぐこと自体があり得ないのだ(だから凛は本職ではなくフリーにエントリーした上で、さらに万全の状態で遙に勝つため本職へのエントリーすら捨てて練習もフリーだけにしたわけで)。まぁ、バッタの選手がフリーにエントリーすることもないわけじゃないけど、凛が本気でオリンピック目指すなら今後はバッタに専念するだろうし、むしろ凛からすればオリンピックを目指すため高二の夏の大会を敢えて捨ててでも遙へのこだわりを払拭したかった、ということだろう。
じゃあ遙はあの凛の発言のどの部分にショックを受ける要因があったのかと言うと、結構悩みどころ。もともと遙の目的は「ただの人」になることで誰も(凛も)傷つけずに泳ぐことだったはず。だから遙にとって勝敗自体は問題ではなく、勝っても負けても良かったが二度と一緒に泳げないのはイヤだったとか、そんなBL的理由なのか。
でも、上記のようにそもそも専門が違うしなぁ、と結構その辺が曖昧で、かなり視聴者としては(ある意味想定の範囲内でも)ショッキングな終わり方のはずなのにそれよりもモヤモヤ感が強いというwww
どちらにせよ、ここからの展開が作品の成否を分けると言っても過言ではない。
これで遙がタイムだけを追い求めて凛化して、最後にまた公式なり非公式なりでレースをして凛に勝って和解して終わりなら駄作に落ちるだろう。この前の6話までで描いてきた遙のキャラクター像を悪い意味で壊すようではその程度ということ。
あるいは私の今回の感想が無駄になるくらい、実は次回始まってみるとあっけらかんとしていていつも通り勝敗にもタイムにもこだわらない遙の姿があったのなら、それは凄いことだと思うし、私はむしろそうあって欲しい。
次回のサブタイを考えると、実はこっそりエントリーしていたメドレーリレーにやっぱり出ることになってそこで遙は「自由になった」ことや「仲間たちと泳ぐことで凛との勝負では見えなかった新しい世界を見れ」てタイムや勝敗ではなく水を感じるためだけに泳ぐ、みたいな展開だと面白いかも。
というか、遙にオリンピックを目指すくらいの気概がない限り、こういう落とし方が一番無難なのかもね。遙がオリンピック目指すなら凛とライバル関係張っても良いけど当人にその気はさらさらなさそうだし。凛の中にタイム云々ではなく楽しく泳ぎたいという気持ちがあるなら、凛はオリンピックのための戦いをしつつ、遙と再会した時だけはタイムではなく楽しく泳ぐことをするとか、そういう和解と言うか住み分けの道も。
◆これ、むしろ「海」や「水」は凛や江の方がトラウマなんじゃw
この辺は設定が甘いというか、わざわざ重ねる必要性がなかったようにも思う。この水難事故の過去は真琴が背負っていたものの上に、むしろ真琴よりも海に対してトラウマがありそうなのは実父を亡くしている凛や江の方じゃん、と(笑 これで真琴の持っていた過去と言うかトラウマはだいぶ薄れてしまって、じゃあ前回までは何だったのかと言う感じ。
普通に松岡父は交通事故とかなんとかそういうので良かったと思うんだけどなぁ。あるいは真琴のトラウマの方を変えるとか。
「真琴、大丈夫なのか」といった凛だけど、むしろこんな設定あるなら凛は妹の江に「お前、海来てるけど大丈夫なのか」と口にした方がよっぽど自然だし。それともこの兄妹、父親が死んだ程度では海に何の感慨やトラウマを抱かないほどのハガネメンタルなのか?(まぁ、そう言われればそんな気もするがw
余談だが、水泳のこと詳しくないんだけど予選のレース配置、おかしくね? だってタイムがほとんど同じだったら別の組になるんじゃ(最初は有力選手を別々の組にして、その後は勝ち残り順に中央レーンから配置していくもんじゃなかったっけ?)。
あとは前から指摘もあったけど、凛のあの水着、国際大会では確か違反のはずだけど、高校生の地方大会だと認められてるんだっけ?
相変わらず水泳のアニメなのに水泳について脆いというか、描写にダメだしあったらダメだろうというw
追記 2013/08/22 23:00
次回に回しても良かったんだけど、忘れちゃいそうだし、ネタがタイムリーじゃないと困るので。
唐突だけど、凛にとって遙はたぶん「父親」代わりだったんだと思う。才能があり、高校時代に数多くのタイトルを取った優秀なスイマー。けれど、(具体的な経緯は分からないが)夢を諦め自らの才能を捨ておいて漁師として働き、結婚し、凛と江を授かって育てた。もしかしたら、結婚や出産が決まったからスイマーとしての自分を終わらせたのかもしれない。
どちらにせよ、おそらく凛にとってはそんな父親と同じように才能ありながらそれを無駄にしている遙がダブるのだろう。
息子にとって父親に追いつき、追い越し、乗り越えて行くのは必然。でも、父親は亡くなってしまった。乗り越えるべき相手を見失った凛にとって、自分よりも水泳の才能があると感じた遙はライバルであり、同時に乗り越えるべき父親の代わりだった。だからこそ、凛は知らず知らずのうちに遙に父親の面影を投影し乗り越えることに躍起になっていたんじゃないだろうか。
だからこそこの大会で凛は、自分の専門を捨てたのだ。そして遙以外の他者を一切気にしなかった。彼にとって重要なのは他の誰に負けるのも構わないが、遙にだけは――その遙を通して見ている、才能がありながら夢を諦めた父親の面影に負けてはいけないと言うことだけ。
「ハル、お前とは泳がない、二度とな」という台詞は、もう二度とこんな遊びはしないという誓いでもあるのだろう。彼にとって専門はバッタで、オリンピックを目指すなら当然得意種目が良いに決まっている。もう二度と、自分が遙にわざわざ合わせてフリーで勝負することはなく、俺はバッタで世界を目指す!
そんな宣言だったのだろう。
個人的には、あと江がどう感じているかが興味深いかも。勝手な推論だけど凛にとって遙はライバルであり父代わりだった。高校になって接するようになった江から見て遙は、どう映っていて、これからどう映っていくのだろうね。
次回『逆襲のメドレー!』。 「メドレー」と言っている以上メドレーリレーは泳ぐだろうし、「逆襲」と言っている以上、遙が惨敗だった個人種目の借りを返すはず……なんだけど、どうなのかね(笑
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