翠星のガルガンティア 総評
- ジャンル:[アニメ・コミック]
- テーマ:[翠星のガルガンティア]
宇宙(そら)から来た少年、船団都市(ガルガンティア)と出会う遠い未来
表面のほとんどを大洋に覆われた星、地球
宇宙で育ち
戦いしか知らなかった少年兵レドは
そこで初めて海を見た
広く、淡い翠に光る海
人々は巨大な船団を組み、
つつましくも生き生きと暮らしていた
通じない言葉
異なる習慣
レドは孤独な異邦人
だが、彼は一人ではなかった
ここで生きてゆくためになにができるのか
そして、なんのために生きるのか
翠の星で過ごす日々が、レドに問いかける
(公式HP イントロダクションより抜粋)
そんな『翠星のガルガンティア』の私の評価ですが...
A-
です。(SS、S、A~Dの評価)
では、詳細は続きをどうぞ。
※あくまで評価は、私的主観によるものですのでご了承下さい。
翠星のガルガンティア 総評
放映日:2013年04月~2013年06月(全13話)
私が視聴した放映局:TOKYO MX
総評
※評価についてはこちらからどうぞ→評価について。
シナリオ構成 評価:C
終盤に構成と脚本は破綻した。ヒディアーズ(クジライカ)問題も途中経過を曖昧にしてエンディングでなんか勝手に共存っぽくなってるし、統治論の議論も結局最後は機械同士の論議で終わるなど、とにかく「もう終わるから、エンディング数分だけで纏めよう」みたいな感じ。
そもそも「共存すべきだ」という結果がガルガンティアの価値観なので、「相手を絶対的武力で殲滅した方の価値観を押し付ける(正しい)」となり、やってることはクーゲルやストライカーと全く同じという最低な形だった。
良く言えば尺不足。悪く言えば管理能力の欠如。
もう少し作る前の会議か何かで結末をある程度決めてちゃんと逆算した上で出来ることをして欲しい。
でも、本当に勿体ないと思う。『ヴヴヴ』があんなだったから言うわけじゃないが、『ヴヴヴ』と予算と放映クール入れ替えてあげて欲しいよ(笑
演出 評価:A
終盤は先のストーリー上の問題と尺不足があるのでアレだったが、序盤から中盤にかけては丁寧に描写・演出されていて非常に好感が持てる。
いわゆるネット上での「虚淵(さん)、こんな物語も書けるんじゃないか」って感じで。いや、私は虚淵さんのこと良く知らないので何とも言えないけど、でも丁寧にレドが宇宙人でチェインバーがAIである意義がちゃんとあった演出だったと称賛している。
作画 評価:S
日常・マシン・バトルとどれをとっても優秀で、クオリティを維持した能力も高い。特に評価したいのはやはりガルガンティアの絵の綺麗さだろう。独特の船体構造、大部分が海と言う地球の地理の関係から来るサビや劣化、あるいは草の生えた外壁など細かい部分でこの世界観を表現してくれていた。
CAST 評価:A
キャスティングは非常に秀逸。最近はラジオやら何やらの言動から完全にネタ声優になりつつある杉田さんをチェインバーに抜擢したのは、称賛されるべきw 一歩間違えば非常に危険な賭けだった気もするがwww
OP/ED/BGM 評価:A
本当ならSをつけてあげたいくらいだったんだけどね。EDに関しては申し分なし。次回予告をED内に組み込むという手法を取りつつも、楽曲と共に余韻を与えてくれる良いEDだった。
OPも良かったのだけど、中盤以降は完全に物語と雰囲気が合致しなくなっちゃったのが勿体ない。
総合 評価:A-
内訳:S評価(5点)×1+A評価(4点)×3+C評価(2点)×1=A-(3.9点 ※平均値3.8点+物語を完結させた点を評価し0.1点)
言うまでもなく、終盤以降の展開に難を残した作品。「失速した」とは思っていない。面白かったよ、本当にね。でも、どんなに面白い途中経過だったとしてもそれをちゃんと閉じて締めることが出来なかったら意味がないのだと感じた。
それでも昨今の二期を想定したような終わり方ではなかった点は、「締め方」として評価もしているが(内訳参照)。
終盤以降の展開の問題点は二つ。一つは尺不足。もう一つは展開力に対して十分な収束力が監督とシナリオライターになかったこと。
ネットを見てると多くの人が「虚淵、虚淵」と崇拝してるみたいな感想も目立つけど、そんな言うほどシナリオライターとして上手いか、この人? 鬱展開・ダーク展開が出来るのはアイディアが良いのであってシナリオライターとして「上手い」とは何も関係ないと思うのだが。
別に私はそこまで虚淵さんの作品に精通しているわけではないけど、確かに話の風呂敷を広げる力(展開力)や暗い話をするためのアイディアは超一級だと思う。けど、自分で広げた風呂敷を畳む力(収束力)はあり得ないくらい下手だと思っているし、今回改めてそう感じた。
もちろん、このシリーズ構成・シナリオ構成は虚淵さんじゃなくて大部分を監督の村田さんが決めているのだとしたら、虚淵さんにはお門違いの批難になってしまって申し訳ないが。
仮にも原案やシリーズ構成や脚本を担当しているので少なからず虚淵さんが決めていることも多いことを前提に話を続けるが、まぁそれも今さらと言われればそうなんだけどね。『まどマギ』の時から感じてたけど、思い返せば『Phantom』の時もそうだったからなぁw いやアニメ版『Phantom』も好きだったけどね。
なので、この人はたぶん自由に書かせるよりも、『Fate/Zero』みたいに結末が最初から決められている上に話の展開上の制約がある中で、逆算して物語を書かせた方がずっと素晴らしい作品を生み出す可能性が高いと思う。
そんなわけで、もう少し監督や他のマネジメントをするスタッフが虚淵さんの能力を最大限に引き出す方法をしっかり考えてマネジメントした方が良いのかもしれない。これは別に虚淵さんや「シナリオライター」に限ったことではないけれど。
というのも、スタートから中盤までは文句なしに面白かったのだ。だからこそ勿体なく感じる。
先に述べたのようにこの終わり方では続編はないだろう。スピンオフや番外編は多少あるだろうが、ちゃんと物語を締めたのは良かった(まぁ、何一つ問題は解決していないので作ろうと思えば作れるだろうけど)。
とにかくまずは1クールと言う時間的・予算的制約が多かっただろう中で奮闘したスタッフの皆様に「お疲れさまでした。ありがとうございました」とお礼を言いたい。
おまけ
ベストキャラTOP3
1位 チェインバー
いや、もうこれは文句なしでしょ(笑
2位 ベローズ
姉御肌なところを見せた彼女はエイミーと共に序盤でのキーキャラであり、「話が分かるお姉さん」だった。終盤に見せ場が少なくなったのは勿体ない。
3位 ラケージ
良いキャラだった。序盤は本当に使い捨てのキャラなんじゃないかとも思ったがwww
- at 19:37
- [アニメ(放送終了):翠星のガルガンティア]
- TB(0) |
- CO(6)
- [Edit]
NoTitle
大失速の末に投げッパって最悪のアニメでしたね
もう記憶から消してしまいたいwww