翠星のガルガンティア 第11話
- ジャンル:[アニメ・コミック]
- テーマ:[翠星のガルガンティア]
『恐怖の覇王』
≪あらすじ≫
「ヒディアーズは文明を否定した存在であり、文明と共に生きる人類とは相容れず、人類の尊厳を守るために戦わなければならない」と、同盟にプログラムされた内容ではなく自ら導き出した結果でレドに発破をかけるチェインバー。
そんな折、あり得ない味方機からの同盟基準の通信。
そこに映し出されたのは謎の船団に祀り上げられている指揮官用マシンキャリバー・ストライカーの姿だった。
嬉々としてストライカーの下へ合流するレド。そこで待っていたのは、地球の風土病に冒されストライカーの滅菌コックピットから一歩も外に出歩けなくなったクーゲル中佐の姿だった。
クーゲル中佐はレドに「俺と一緒に、この星を変えてみないか?」と提案され、上官からの言葉に二つ返事で頷く。
一方、周囲をクーゲル中佐が統率する船団に取り囲まれてしまったフランジとピニオンたち。彼らは「霧の海のピニオン」を代表者として指定し、船団の統合を要請する。だが、それは地球の慣例とは一切異なる、“同盟”式の統合方法で――
≪感想≫
クーゲル中佐、ずいぶんゴツくなりましたね(笑
あれ、それとももともとクーゲル中佐ってこんな感じだったっけ? ずっとパイロットスーツ姿しか記憶にないからそういえば素顔知らないや……。
ん? もしかして、この辺がまんまフラグなんじゃ……。
◆目線をそらしてしまった構成
さて、全体を通して正直なところ、私はこの構成や脚本を評価しない。理由は、「目線をそらされてしまった」から。
前回までレドを通して私たち視聴者は、ヒディアーズの正体を知り、人類とヒディアーズの関係性はどうあるべきかを問われてきたのではなかったのだろうか。にもかかわらず、ここに来てクーゲル船団(仮称)の登場と同盟方式の統治の仕方を見せつけられ、ヒディアーズの存在は完全に二の次・三の次の存在になってしまった。
言ってみれば「知能を持たず意思疎通が出来ない異種生命体と人類との関係性はどうあるべきか」というテーマと、「人間同士はどのような形で支え合い、統治し、統治されるのが良いのか」というテーマは本来全く違う別物のはずが、
「同盟方式=ヒディアーズ殲滅=でも使えない人間は切り捨てられていく世界」「ガルガン方式=クジライカと共存=弱者を含めて支え合っていく世界」と一纏めにされてしまった感じが否めない。
また、精神的に追い詰められたレド、武力的に追い詰められたピニオンがそれぞれ深く考えもせずクーゲル船団に与してしまった“軽さ”も悪い意味で前回までの雰囲気との強い違和感を覚える要因だった。
レドのあの悩み続けた姿とはなんだったのか。もちろん、前回のチェインバーの説得で「そうだな、お前の言う通りだ。俺は心を入れ替えるよ!」となったのならそれはそれで構わないのだが、そういった演出や描写がないのでその辺りも良く分からない。
結局、このまま行くとクーゲル曰く「大規模な啓蒙活動」と言う名の粛清の対象がガルガンティアになって、レドはどうしてもそのことに納得出来なくて、クーゲルに反旗を翻して、勝利なり相討ちなり何なりの結末で終わってしまいそうだ。
そうなると「あれ、ヒディアーズと人類の関係はどうなってんの? あの“巣”を全滅させたらもう地球上にヒディアーズ一匹もいないってこと?」と肩すかしになりそうだが……。
◆IFの物語
さて、物語本編は「IFの物語」と称していいのではないかと思う。
「もし、レドがチェインバーから降りて現地住人と交流を図らなかったら」というIF
今回のクーゲル中佐の姿は、現代日本人の私たちから見ればとても異質なものだった。でも、クーゲル中佐やレドがいる人類銀河同盟の在り方を考えると、これが自然な流れだったのだろうとも推察出来る。
マシンキャリバーから降りて現地住人と交流を持ち、情報を収集しながら現地の文化を知って学び敬意の念を払うことで打ち解けたレド。
対してマシンキャリバーから降りることが出来ず、“マシンキャリバー”というガルガンティア世界の地球人からすれば神にも等しき力を持つ姿を利用し、同じ人類として同盟方式の統治方法を教え込もうとしているクーゲル。
もしも、レドが「チェインバーから降りて、現地住人と接触を図る」という選択肢を選ばなかったら、今のクーゲル中佐のポジションは彼ではなくレドかもしれなかったのだ。
ここの対比は面白い。同じ宇宙人(ガルガンの地球人から見れば)で、同じ組織出生で、似たようなマシンに乗っているだけに、その対比はより際立っている。
◆キーワードは「文化」か?
結局は残り2話(?)で決着するためのポイントはたぶんそこだろう。クーゲル中佐+ストライカーとドンパチをした際にレドとチェインバーの勝率はおそらく五割未満(総戦闘時間数で少尉と中佐では絶対的に違うはず)。まぁ、それを今回伏線だったピニオンの旧文明兵器の修復による支援砲撃や、あの海賊船団の助力によって足りない勝率を補って最後に勝つor相討ちという展開かな、と。
(裏技としてはクーゲル中佐が実は死んでいてくれると、現場における最高責任者は人間の少尉であるレドになるから、それによってストライカーを従わせることが出来るかもしれない)
戦闘的にはそういう終わり方をするだろうが、物語的にはどういう終わり方をするのか。いうなれば、レドがクーゲル(同盟)の統治方式を否定し、エイミーたちガルガンティアの仲間を守るための“大義名分”はどこにあるのか、ということだ。
それが、私は「文化」だと考えている。
クーゲルからすれば「文化」は教えるモノだと思っているはず。それは地球人類と同盟人類では技術レベルに雲泥の差があり、「技術レベル=文化レベル」と結論付け、「衰退している地球人類に同盟の文化(技術や発想)を教え込むことが正しい」という論理だ。
一方で、レドは「文化」を育むモノだと思っているはずなのだ。それは彼が海賊船団員を殺した時に、ガルガンティア船団から強く非難された際、「人命を極力尊重するというのが現地球人類の文化」だと認識し、それを尊重したからだ。それ以外にも食事や祭事などでレドは自身のアイデンティティを失わない部分までで妥協し、敬意を払い続けてきた。つまり、文化とは完全に共通の統一化されたものではなく、地域地域で違う特性があり、それに対して尊敬・敬意の念を払わないといけないのだ、と彼は少なからず想っている。
「じゃあ、クジライカ(ヒディアーズ)の件は?」と思うかもしれないが、「相手の文化を尊重すること」と「自分の文化を捨てること」はまた違うことだ。そこで話し合ったり、すり合わせたりして価値観や考え方でどうしても妥協点を見いだせなかった時、二つの文化は互いに距離を取る。場合によってはどちらか一方の文化のみが生き延びるために闘ったりもするのだけど、まぁそれは置いておいて。
なので、レドにとっての大義名分はその辺かな、と。
結末は前述の通り。それによってマシンキャリバー同士のどちらかの勝利あるいは相討ちというのは、地球人から見れば「神ないし神の使いの戦い」であって、それは現代人である私たち視聴者が知る数多くの神話と似たような終わり方。その戦いや姿を教訓に、エイミーたちは日常を生きて行く終わり方じゃないかな、と。
個人的にはレドとチェインバーのコンビは好きなので、チェインバーが破壊されるエンディングはあんまり観たくないけどwww
※お知らせ
次週12話はTOKYO MXが20時からの放映になるそうです。毎週、ほぼ最速で記事を書いていますが、来週は所用によってそれが適いませんので、最速で感想記事は挙げることが出来ないことを、一応ご報告しておきます。
感想が書けるのは、たぶん早くて日付が変わる前後か、日付が変わった後くらいだと思います。
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- [アニメ(放送終了):翠星のガルガンティア]
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