翠星のガルガンティア 第10話
- ジャンル:[アニメ・コミック]
- テーマ:[翠星のガルガンティア]
『野望の島』
≪あらすじ≫
ヒディアーズは人間が人工的に進化した元人間の生命体だった……。
驚愕の真実に対して完全に打ちのめされるレド。戦う意義を完全に見失った彼は、ピニオンからのサルベージの協力依頼を全て断って茫然とするばかり。
一方、クジライカを殲滅出来たピニオンはさっそく大量の古代文明の遺品をサルベージしていく。ピニオンに同行したフランジは「これでより多くの英知で人々を豊かに出来るかもしれない」と考えるが、ピニオンは「これは俺たちのお宝だ」と完全に独占するべきだと進言。
過去の遺産は人類共有の宝であるべきだとするフランジは強く反発するが、無尽蔵に残された遺産の多さから強気に出るピニオンにはフランジの船団内部からも同調者が。
さらにピニオンは大々的に無線を使って自分たちの戦果を報告した挙句、「近づいてきた船舶は撃墜する」と強硬路線に転ずると、実際に接近してきた海賊たちを撃退。その中から自分の下に着く者だけを吸い上げて、大船団を築き上げようと目論む。
その頃、茫然自失としていたレドにチェインバーはヒカリムシがヒディアーズに近い構造をしている解析結果を報告し、レドとチェインバーが観た過去の資料が正しかったことが裏付けられる。
ロボットなのだから当たり前と言えば当たり前だが、あまりにも冷徹に物事を進めるチェインバーにレドは激昂。ヒディアーズは元人間で、銀河同盟の大義名分はもう意味がなく、「自分には戦う理由がない」と項垂れるレド。
そんな彼にチェインバーは「貴官の認識は誤りがあると認められる」と断言する。理由を問うレドに、チェインバーは同盟によって記憶された“知識”ではなく、チェインバーが独自に解析した結果と言う名の“意思”を伝える――
≪感想≫
再び得た戦うべき理由
そして、再会の時は近い?
後半は、ある種のカタルシスみたいなものがあって最高だった。先週の終わりから続いた鬱憤に近いものは今週も続いていて、Aパートでのレドの失意、ピニオンの暴走、ガルガンティアの面々の相も変わらない様子で積もりに積もり続けていた。正直、ストレスが溜まる一方だったし、レドは完全に戦う理由を見失ってしまっていて「あぁ、このままなし崩し的にヒディアーズと共存の道かなぁ」と失望したほど。
だが、それをチェインバーがひっくり返してくれた。
アニメに対してこう言うことを言うのはどうかとも思うが、例えそれが創作物だったとしても、私たち視聴者も意思を持って生きている人間だからあたえられた情報に対して意見が出てくるものだ。でも、得てしてアニメのキャラっていうのは創作物の中の存在だから、そういった現実的なモノの考え方をしてくれないことも少なくなく、ヤキモキすることもある。そうした「不一致」が結果として作品に対する、勝手な失望だったり、低評価だったりするのだけど……。
その中で、ズバッと視聴者が想っていることを代弁してくれるキャラがその作品の中に居てくれるっていうのは、爽快感があるというか、先に挙げたように一種のカタルシスに近いものがあってステキだと思う。
チェインバーの考察もなかなか面白い。私たちはどうしても「根源を同じとする種族なら仲良く共存すればいいじゃない」と安易に言いがちだが、長い生物の歴史の中でそれが成立したのって一体どれほどの事例があるのだろう? チェインバーの指摘は正しくソレで、「根源を同じとするからこそ、敗北した側に待っているのは淘汰のみ」というのはたぶん的を射ているんだろうな、と思う。
「地球」という環境の中で、多くの生物が生まれ、時に進化をしてその系譜を残す生物もいるが、一方で多くの生物は絶滅しているわけだ。これは「地球」というリングの中での生存競争をしているようなもので、それぞれに互いに生存戦略を立てている。その中でいろいろな理由によって既存ないし新規の種族に負け、数を減らし、次第に淘汰され絶滅したのかもしれないと考えると、チェインバーの考察の正論さっというのはとても強い。
チェインバーの考察が100%正しいのか、というとそれはまた違ってくるのだけど、それでもチェインバーの考察が100%間違っているとも言えない。
少なくとも、完全に戦意喪失状態だったレドが再び立ち上がりヒディアーズと戦える“かも”しれないだけのきっかけにはなっただろう。
そして、その背中をさらに後押ししてくれる存在がいるとすれば、クーゲル中佐の影だろう。まだ当人が出てきていないので何とも言えないが、マシンキャリバー・ストライカーの存在があるのであれば、おそらくはちゃんと存命だろう。これによってレドはまだ戦えるはず。
一方で、視聴者としての不安もある。あのカルト教染みた集団たちだ。あれを先導しているのがクーゲルだとすると雲行きは怪しくなってくる。まぁ、クジライカを日干しにしていたくらいだからヒディアーズ殲滅の認識は変わっていないのだろうけれど、レドとチェインバーが持つ真実を知ってどう動くか、というところか。
実はクーゲルの存在は非常に物語にとって重要で、これまでレドが独自の行動を取れてきたのは彼が現場における最高階位者であるところが大きい。当然、クーゲルと合流すれば“少尉”であるレドよりも“中佐”であるクーゲルの発言権や決定権の方が圧倒的に上回ることになる。
つまり、この先レドがどういう行動を取るかというのはクーゲルの思惑一つで決まってしまうということ。もちろんレドがクーゲルの決定に異を唱えることも出来るだろうが、それでクーゲルを論破し納得出来なければレドにはなにも出来ない。現場の最高階位者であるクーゲルの決定ならレドは逆らえてもチェインバーは逆らえない。ならばレドに出来ることはない。
だからこそ、次回以降でのクーゲルの言動というのは物語のクライマックスに大きな影響がある。
考えられるのは、クーゲルとストライカーが真実を知った後、二人で同盟に帰還するという可能性。もちろんワープ装置がなければ不可能だが、クーゲルがクーゲルで別途海底に眠るかつての文明の遺産から見つけていてくれている可能性もある。一部ではスタッフから「普段の虚淵さんの作品から見れば“白い”終わり方だけど、普通の人がみれば“グレー”な終わり方だと思う」みたいな発言もあるので、これによって「レドとチェインバーが地球から立ち去る=安易にエイミーと結ばれたり仲直りしたりするハッピーエンドではない」という可能性があるのかな、と。
あとはクーゲルとストライカーと共に地球でのヒディアーズ殲滅に一生をささげるENDかなぁ。レドはレドの生きる道を見つけ、その他の人もそれぞれ生きる道を見つけるっていう離別ENDっぽいのも可能性としてはありそう。
クーゲルと何らかの形で意見が対立した場合には、チェインバーを説得できればクーゲルvsレド戦がボス戦となるかもしれない。
あるいは説得出来ない場合には、チェインバーが「当機はパイロット支援啓発インターフェイスシステムである」と口にしていたので、クーゲルたちの目を誤魔化すため自分は自爆してレドだけを生存させてガルガンティアに漂着させてENDっていうのもグレーな終わり方と言えば終わり方か。
どちらにせよ、良い意味で予想を裏切られた。ここでのチェインバーのあの説得は大きな意味があると信じて、次回以降も楽しみにしたい。
余談。
ピニオンはもうこれ最後は破産END確定だろ(笑 この手のキャラは調子に乗り過ぎて最後には全部失ったところで腐れ縁(この場合はベローズか?)に拾われて一から出直しって感じだし。そうじゃなきゃ死んじゃいそうだがw
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- at 23:06
- [アニメ(放送終了):翠星のガルガンティア]
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NoTitle
独占欲が強い、あと意外に野心家だった。
政治的な判断も出来ず、その場のノリで人材の選別もできないとかもうねアホかと。
内部分裂したのに、裏切り者が出てまた分裂するフラグですよ、これは!
あとクジライカの巣には旧人類文明の武器が出てきて、あ、これやばいなと。
こんなオーバーテクノロジーが出たら、船団の拮抗が間違いなく崩れる。
そう考えるとクジライカって相当重要なポジションにいたんですね。共存は不可ですけど。