翠星のガルガンティア 第6話
- ジャンル:[アニメ・コミック]
- テーマ:[翠星のガルガンティア]
『謝肉祭』
≪あらすじ≫
銀河道が輪のようになることで、その間に大量の魚たちが取り残された“祭り”の状態に入ったガルガンティア船団。レドは自力での漁業労働の従事を願うものの、AIを始めコンピュータによる補助があって当たり前のレドではユンボロを海中で上手く操縦することが出来ずに、またしても代わりにチェインバーが手伝うことに。
そんな彼を励まそうとエイミーはレドを食事に誘うが、サーヤやメルティと何やら約束もしている模様。一人になったレドは、ピニオンに連れられてビアガーデンのような場所へ連れて行かれる。
ピニオンにごちそうを振る舞われる中で、レドはガルガンティアの面々と自分との間に距離があることを悩みとして打ち明けるが、ピニオンは「それは当然」と言い切る。
レドって人間が見えねぇんだよ
兵士として特化育成されたレドには、戦闘以外のこと――それこそ人間として持っていて然るべき欲望や欲求すら自覚していない。そんなレドに「自分の欲望が何なのかわからない奴が、信用されるはずがない」と断言する。
「何かしたいことはないのか?」と尋ねられたが、同盟と合流して戦うこと以外のことなどレドにあるはずもない。そこでピニオン、さらに後からやってきたベローズの両名からそれぞれサルベージ業をやってみないかと誘われる。
別々の勧誘と、聞き慣れないサルベージと言う仕事内容に戸惑うレドだったが、そこに漁獲の手伝いをしていたはずのチェインバーからレドへの救援要請が入って――
≪感想≫
祭りの詳細はパッケージ版の特典映像ってことかな。
どうやらパッケージ版の一部には新規の話も入るようだし、祭りの様子を収録するとなれば特典映像としては申し分ないのだろう。
まぁ、裏を返せばそれくらいTV版では意味不明な脚本だったわけだw 「謝肉祭」の意味だって分からないし、大量に漁獲された魚の使われ方も、レドが持ってきた蛸のおもちゃも、そしてエイミーたちが踊っていた理由とメルティたちが言っていた「イケメン取られちゃう」という発言も。
全部は特典映像の話に入っているから買って観てね、ということなのだろうが……個人的にはあまりよろしくないかな、と思う。特典映像への伏線を本編に張れるのは凄いと思うが、ここまで全部肩すかしで終わると流石に苦言を呈さずにはいられない。正直、この話に関すれば脚本やシリーズ構成は良くなかった。
対称的に良かったのは演出と音響。むしろ、これで今回は面白さを魅せてきた。
チェインバーの漁獲や終盤でのサルベージ作業も機能を上手く使っていたと思うし、何よりエイミーのダンスシーン。背景のオーロラ風の夜空と、音楽と、ダンスが上手くマッチしていて自然と魅入ってしまった。
◆ヒトとマシン
さて、今回はレドとチェインバーの関係性がなかなか面白い。突き詰めるとそれはヒトとマシンの関係性ということになるのだけど。
マシン――機械はどこまで行っても機械だということだ。
チェインバーはロボであり、AIであり、機械であるのだが、その万能性とコミュニケーション能力(翻訳機能)によってレド以上のキャラクター性を今まで私たちに見せてくれていた。それこそ、ここまでの労働状態から見ても、今回のレドがユンボロを操縦していた時にチェインバーによる補助を求めたのを見ても、「もう、チェインバーだけでよくね?w」と思った視聴者も少なくないはずだ。
そんな中でのチェインバーからの援助要請。そりゃそうだ。チェインバーは対ヒディアーズの殲滅兵器なんだから。
レドとチェインバーは良く似ている。レドは兵士として特化育成をされたためにそれ以外のことに対してチェインバーに「適正はない」と言われてしまったが、それはチェインバーも似たようなもの。だってチェインバーも対ヒディアーズ用の戦闘兵器なんだから。
今までは高性能さを活かしてチェインバーだけでも結果を出せてきた。でも、ガルガンティアでは結果だけでなく過程も求められる。それは海賊船団の時からずっとそうだった。しかし、その誤魔化しもそろそろ限界と言うことだろう。
だが、機械は道具なのでそれは機械を扱うヒト次第。その加減や、過程を生み出すのがレドというのは良く出来た流れだと思った。
良くこういうサブカルだと、武器や兵器に対して「使い方次第で助ける道具になる」と綺麗事をいう主人公が多くて嫌気がさすことも実は少なくないけど、今回はそういう感じはしなかった。不要なように扱われてきたレドの活きる道があったことの喜びの方が強かったのか、別に綺麗事じゃなかったからか。
どちらにせよようやくレドがチェインバーと一緒に出来る仕事も見つけたのに、そこでヒディアーズの登場である。
◆ヒディアーズとヒカリムシの関係
冒頭でチェインバーが、ヒカリムシをナノマシンであることを分析している。まぁ、十中八九、宇宙に脱出した人類が地球に残した置き土産がこのナノマシンであることは間違いない。もしかしたら氷河期(?)に入った地球の解凍を早める結果となったのはヒカリムシによる発電に伴う発熱かもしれないけど、詳しいところはやっぱりわからない。
それらナノマシンが何の目的で散布されたものなのかは分からないが、少なからず海洋生態に影響は与えたはず。そうなると当然、蛸やイカがそれらのナノマシンを体内に取り込むことで少しずつヒディアーズへと進化してきた、という発想に至る。
肉体が巨大化していったのは体内でヒカリムシが電力というエネルギーを生み出してくれるので、その分だけ肉体の大型化が可能だったとも考えられる。さらに1話でレドたちが戦っていたヒディアーズの攻撃はどことなく銀河道の放電現象に似たものだったのも、ヒディアーズの体内に銀河道レベルの大量のヒカリムシによる発電能力を転用していると考えれば納得出来る。
だが、そうなるとこの仮説には一つの問題がある。
それは、ヒディアーズの宇宙進出である。ヒディアーズが地球生まれの海洋生物の変異体だとするなら、ヒディアーズが宇宙で繁殖していることには疑問がある。変異体で体内においてヒカリムシによって自力発電が可能と言っても宇宙に耐え得るのか。それは「進化」のふた文字で片づけることが出来ても、そもそも海洋生物が宇宙に上がることなんて可能なのか。
これについて考えられることは幾つかある。
一つ目は、本当にヒディアーズの原型となった地球の海洋生物が宇宙への脱出手段を得たケース。電力で飛行し大気圏を突破する、というのはさすがにアレかなぁとも思うがw ただ偶発的に、例えば転移能力を持つ変異体が出現した可能性もあるだろう。宇宙に脱出した人類の科学技術レベルにも寄るが、もしその時点で人類が転移装置(ワープ装置)を完成させていたのなら、ヒカリムシの取り込みによって変異した海洋生物がその装置を何らかの手段で解析・能力を取り込んだ可能性も考えられる。
二つ目は、宇宙に居るヒディアーズと現在地球の深海に居る海洋生物は似て非なる存在であるケース。つまり宇宙に脱出した人類が、同じようにナノマシン(ヒカリムシ)と海洋生物によって誕生させてしまったのがヒディアーズで、地球に同じ進化経路を辿ってヒディアーズに似た生物が誕生したのは偶然だったということだ。
宇宙に出た時に恒久的に必要になるのは、水・酸素・食糧、そしてエネルギー。ヒカリムシと呼ばれるナノマシンはおそらく水(海水限定か?)かプランクトンを使って発電していると考えれば、宇宙に進出した人類にとってエネルギー源の一つを確保出来ることになるわけだ。そのヒカリムシと呼ぶナノマシンを量産した過程での事故か実験によって宇宙ではヒディアーズが誕生し、人類が残していったヒカリムシを取り込んだ海洋生物が似たような進化によってヒディアーズのような個体に進化した、と。
まぁ、この考えが正しいか間違っているかは分からないが、ヒディアーズの登場によって物語は動く可能性を見せてきた。次回の展開で、この作品が最終回に向けてどこへ走っていくのかが見えてくるだろう。
次回はヒディアーズの登場。ピニオンやベローズが言っていたクジライカ(?)だと同義だと思うので、ガルガンティアでは人間との共存が可能になっているということだ。
問題は、そのイカが神聖視されていなければいいなと言うことだ。おそらくレドとチェインバーなら武装がなくてもあの程度のヒディアーズなら撃破出来そうなので、むしろ問題は海賊船団の時のように価値観の違いで殺したり傷つけたりしてはいけないような神聖に崇められていた生物だった場合に厄介ということ。
もしそうなってくると、今度は海賊船団を皆殺しにした時よりも酷い反感を買ってしまう可能性もあるわけで……。
重要になってくるのは、アレが本当にヒディアーズかどうか、ということだ。私の仮説における考察の一番目の場合、レドにとってあれは殲滅すべき対象になる。ガルガンティアにおいてあのイカが傷つけるべきではない対象だった場合に、そこでひと悶着起きる。
二番目の場合にはレドにとって殲滅対象にならないので、緊迫感を演出しておきながら次回も実は今回までと変わらないのんびり展開のまま最終回と言う可能性も。これが先に挙げた「次回の展開で、この作品が最終回に向けてどこへ走っていくのかが見えてくるだろう」という理由。あのイカの正体や捉え方でこの作品は分岐点を迎えるわけだ。
不安要素は次回予告で船長のアップが映っていたということ。あの人が映るってことはガルガンティアにとって一大事ということなので、どちらかというとレドとチェインバーによるあのイカの殲滅は再び揉め事の火種になりそうだが……。
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