翠星のガルガンティア 第4話
- ジャンル:[アニメ・コミック]
- テーマ:[翠星のガルガンティア]
『追憶の笛』
≪あらすじ≫
女海賊・ラケージが率いる大海賊船団を、今度はガルガンティアの流儀に従い、可能な限り人命に配慮した戦い方で見事撃退した少年兵レドと愛機チェインバー。そのことで今までは警戒心を示していたガルガンティアの一般船民たちはレドたちを好意的に受け入れ、レドの処遇を一任されたリジットは、レドの住民権については検討中としたまま、とりあえず水や電気といったライフラインの提供とチェインバーの積載税を免除する代わりに、チェインバーが破壊した倉庫代を請求。その支払い方法として、レドたちのガルガンティアでの労働を命じる。
戦闘だけの世界で生きてきたレドにとって、“労働”は似て非なるモノ。慣れない労働に苦戦していると、チェインバーそのものには疎くてもユンボロの扱いに長けた船民たちの方が労働に関してはチェインバーを上手く制御出来てしまう始末。
チェインバーへの労働時の命令権を一時的に船民に譲渡したレドだったが、そうなるとレドに出来ることはなく、完全に暇を持て余すことに。すると、レドは自分でも意識しない間に、チェインバーに刺さったままだったヒディアーズの牙で角笛を「精神統一のため」と言って作っていることに気づく。
そこでエイミーは、ガルガンティアで一番の物知りの老医師・オルダムと話して見てはどうかと提案する。街中を歩いていき、案内役のエイミーとの会話の中で「ガルガンティア」という組織体系にどうしても合理性を見いだせないレド。
そこでオルダムは、エイミーの弟・ベベルと話して見るといいと促す。戦闘に耐えられないほどの脆弱な者は淘汰されて然るべきだというレドにとって、病弱なベベルが生き続けていることも非合理的。
そんなベベルとの会話で、レドは「ヒディアーズとの戦いがもし終わったらどうするのか?」という問い、そして自身が精神統一として自分でも理解の及ばぬ内に自然と作っていた角笛を作り続けていた意味を思い出して――
≪感想≫
滞在の代価
もちろん労働ということは想定していたことだ。ただ、もっとレドとチェインバーに適した労働――ガルガンティアの護衛船団の手伝い(迎撃……はしばらくないだろうから、警戒や監視)をするのかと思っていたが、意外と労働らしい労働をしていた。
リジットの提案も妙案だと思った。倉庫の修理代としてあの請求額が何日分・何カ月分の労働に匹敵するのかが不鮮明だったものの、これは名目上は立派な取り引きになる。そう、あくまで名目上なんだと思ってる。
ここでリジットにとって大事なのは、内外に対してレドを特別視しているわけではなく、対等な取り引きであることを出来得る限り強調すること。
なのでリジットは「レドたちは働く、ガルガンティアはその対価に水や居住施設(お世辞にも良い場所ではない)を提供する」という相互扶助を条件にしてきたわけだ。これは「魚を釣ってきた者には、真水を与える」という理念に適っているし、かといって海賊船団を追い払ったレドたちを表面上は特別扱いしているわけではない。加えてレドには滞在権は与えられたけど、市民権は与えられていないわけだし。
しかし、それはあくまで表面上の話。実際にはチェインバーの積載税を免除してもらっているので、レドからすると倉庫の修理代を完済すれば実質タダでガルガンティアへ滞在・最低限のライフラインの提供をしてもらえるわけだから、(例えその事態を招いたのがレドだったとしても)海賊船団を追い払ったレドの顔も立てている、というか悪くない条件もリジットは提案出来たことになる。まぁ、レドに英雄的認識がないのでその辺を意識しているかは不明だが、どちらにせよ悪くない取り引きだったわけだ。
◆応用力のないレド
労働に苦心していたレドが良かった。彼は「兵士」として育成されてきたわけだから、貨物の運搬やチェインバーの戦闘外運用もそつなくこなしてしまう方が実はおかしな話なのだという意図を感じた。あくまでレドは戦うために生きてきたわけだから、この辺りの応用力のなさは逆に彼の「兵士」として特化育成されてきた部分をより強調してくれたように感じる。
そして、だからこそその後のベベルとの会話が際立つ。病弱なヒロインの弟、という設定だったために存在意義を疑っていた。しかし、だからこそ自分をしっかりと見つめ直していて、良い意味で年不相応に聡明で、主人公であるレドを最初に「兵士」から「人間(ヒト)」へ導くきっかけとなったのは、なかなかキャラ配置が秀逸。
レドの「待機中」という意味を、ベベルが解釈すると「(次の命令があるまで)生き続ける。それは僕たちと同じだね」となるのは面白い発想で、監督の案なのか、脚本家の案なのか、シリーズ構成者の案なのかは分からないが凄いなぁと感嘆するばかり。もちろん、スタッフは皆、プロなのだから当たり前だと言われればそれまでなのだが、そのプロらしい当たり前の仕事を当たり前にこなすことが難しいのではないだろうか。
1話から何気なく作っていた角笛の真相も、ありふれていると言えばそうなのかもしれないが、グッと来るものがある。レドの記憶が操作されている中でも記憶・精神の根底にその残滓が残っていたからこその角笛って、良い演出と設定だなぁと感じる。
さて、ここから物語は動き出すのだろう。レドがガルガンティアに乗船する口実が出来、「兵士」である彼がガルガンティア船団の「人間(ヒト)」たちとの交流で人間味と言うものを知りながら、チェインバーというお目付け役や自分が今まで生きてきたことへの葛藤なんかが描かれそう。
この展開だと最後には「レドがチェインバーから完全に自立し、レドだけがガルガンティアに残り、チェインバーは銀河同盟に帰還する」という別れENDもあり得るか?
次回はまさかの水着回?
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- [アニメ(放送終了):翠星のガルガンティア]
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突然の建造物…
(だいぶ前から、たぶんガンダムOOの頃から楽しく読ませていただいています)
ガルガンティア、構成や脚本等、かなり大満足です。
近年多くのテレビドラマ、実写映画が「スカスカ感」でガッカリな中、アニメ、特にガルガンティアは、
自分の感情の奥深くを揺さぶってくれます。
(チェインバーの頭でっかちなデザインも、中の方の声もあってか、可愛くて可愛くてたまらないですw)
で今話気になったのが、サイトをちゃんとチェックできていないからかもしれませんが、
オルダムさんのところへ向かっている時や、オルダムさんの部屋から見えていた「黒い起動エレベーター」みたいな建造物です。
船団ほとんどの建造物が錆びついた感じなのに、あれだけが異質でした。
(てっぺんにはコナンにでも出てきそうな小屋付きw)
当然今後何かしらの役割を果たしそうな感じですが……電力関係?……それとも「失われた技術」の遺物?……