映画けいおん(地上波放映版) 感想
≪あらすじ≫
受験、合格発表を終えて進路も決まり、あとは卒業式まで残りの高校生活を過ごすだけとなった梓以外の放課後ティータイムの面々。そんな中で唯は、ふとしたことから「あずにゃんに、先輩としての威厳を残せていないんじゃないか!?」と律たちに提案する。そして、律たちとの相談の結果、先輩として最後に梓に何かを贈ろう、ということに。
時を同じくして、登校日で集まった同級生たちがそれぞれの部活で卒業旅行を計画していることを唯たちは知る。まったくの無計画だった唯たちだったが、梓への秘密のプレゼント計画を隠蔽するために自然と話題は卒業旅行へ傾き、遂には軽音部も卒業旅行に行くことに。
しかも、行く先はロンドン!
卒業前の最後の思い出作り、そして唯たちの梓への贈り物とはいったい――
≪感想≫
地上波放映版の『映画けいおん』。まぁ、実際の映画・パッケージ版を視聴していないので違いがあるかどうかは定かではないのだが(苦笑
全体的には、新規のロンドン準備編で1/3~1/4、ロンドン本編が1/3~1/2となっており、残りの後半1/3はTV版アニメ第二期の最後となった卒業式のシーンのリメイクのようなものとなっている。実質的な新規は2/3くらいといったところか(もちろん、卒業関連のシーンもTV版からの流用ではなく全部新規・新録だろうが)。
シナリオとしては、なかなかに完成度が高い。劇場版としての特別感を持たせながらも、いつも通りのまったりのんびりな『けいおん!』が一本筋を通している印象で、少なからず同作のファンである人ならば相応の満足が出来る作りだと思う。
後半の卒業シーンの焼き直しに関しては評価が分かれそうなところではあるが、「梓への想い」を四人の先輩たちが形にして、それを私たち視聴者が分かりやすい形で理解するとなるとこういう形が妥当だったのだと私は考えている。
さて、次は個別に観て行こう。
まずは唯。原作からずっとそうだったとはいえ、改めて劇場版ではこの作品における「スターター」的役目を負っていた。梓へのプレゼント(曲への決定、最後の微調整まで)、卒業旅行と全て彼女の一言から始まったと言っても過言ではない。「天然でゆるいけど、やる時はやるキャラ」になったって感じかな。音楽への情熱や愛情を感じることが出来たのも好感触。
次は澪。第二期からの梓推しが響いていることとシナリオの時系列的に第二期に当てはまってしまうので、せっかくの個性強いキャラクターだが、劇場版でもあまり目立った感じはなかった。それでも、唯以上の音楽への造詣の深さと愛情を準備編では感じることが出来たし、ロンドン編でも「回る(廻る)ものは怖い」という変な設定が追加されるなど、随所に存在感を示してくれた。
続けて律。リーダーにしてムードメーカーなのだが、その手の役割をスターターとして唯が取って代わってしまう部分が多いのが残念。りっちゃんに「英会話得意」という設定でもあれば、リーダーらしく翻訳して立ち振る舞えたかもしれないがw(実際、そういうシーンもないわけじゃないが) でも、TPOを弁えていることがりっちゃんらしいといえばらしいのかもしれない。何気に飛行機機内シーンで髪下してたのはベストショットwww
さらに紬。お金持ち設定のムギだが、さすがに卒業旅行ばかりはそういった側面は控えめだったのは良かったのかもしれない。ムギは安定してシリーズの集大成だった。天然ボケっぷりも、コロコロ変わる表情も、みんなの背中を押す頼もしさも、どれもこれもシリーズで少しずつ成長し培われてきた部分だっただろう? そういった部分が詰め込まれていた感じ。
そして梓。第二期から引き続き、影の主人公。基本的には澪の部分でも書いたように時系列が第二期に分類されるため、第二期の路線を引き継いでいる感じだ。彼女の中で、先輩たちの卒業と独りぼっちになってしまう部活に関しては本編を観ろという感じか。卒業シーンも先にあげたように焼き直されているが、唯たち卒業生視点がメインなのでねw なので意外と純粋に第一期のように彼女の可愛さを堪能するのが良いのだろう、きっとwww 寝起きの彼女などなかなかレアな姿が見れたのではないだろうか。
サブキャラクターたちも見せ場があった。さわ子はまさかのロンドン上陸。その割、ロンドン退場も早かったので野外ライブ後から帰国まではもう少し尺を取って、ちゃんと描いて欲しかったかもしれない。それでも卒業シーンでは、学生時代とのリンク、そして学生時代に卒業ライブをして咎められた教師との何気ない会話シーンはさり気なく感動シーンだったのかもしれない。
さわ子の登場によって彼女の代名詞であるコスプレシーンも。とはいっても、コスプレしたのは日本に残った憂・和・純で、くのいちっていうwww コスプレではないが唯たちも私服数種、制服などいろいろなコスチュームを観ることが出来たのも、劇場版ならではの「特別感」と言えるかもしれない。
憂、和の出番も相応にあり、さらに第二期で特に人気だった唯たちのクラスメイト(特に唯の隣の娘こと立花やいちごなど)も台詞があり、最終的には第二期オープニング演出につながる教室ライブを行うなど、『けいおん』シリーズらしい伏線回収があったのは良い意味でサプライズだった。
さて最後になるが、なるほど、これは『けいおん』だと思える劇場版だったと思う。劇場版だからと言って特別過ぎることをしない。劇中で彼女たちが「いつもの私たち(の演奏)で良いんだ」と答えを得たように、この作品も「劇場版だからって特別じゃなくて良い。いつもの『けいおん』で良いんだ」と言っているような気がした。
さすがに当時の感想や評価はほとんど覚えていないので何とも言えないが、これは劇場で千数百円の入場料を払って観るくらいの価値はあったと思う。ちょっと劇場の大きなスクリーンと整った音響環境で観なかったことを後悔したくらいw
劇場公開から約一年くらいだっけ? その短期間で地上波で放映してくれたTBS様関係各位に感謝。ただ、一つ苦言を呈するなら、CMがあることは仕方ないが、CMの区切り方はもう少し工夫が欲しかったかな(苦笑 最初のパートが終わって、次のパートが入ったらオープニングとか、「おしまい」が表示されてCM入ったと思ったらCM明けにエンディングだけとか、もう少し普通の邦画・洋画の地上波放映と同じくらいの配慮はすべきだったと思う。まぁ、良い教訓だと思ってもらえれば良いのかな。
とにかく、聖夜に良いものを観させてもらいました。今年は寂しくなんてなかったやい(爆
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