ブラッディ・クロス 第8巻

ブラッディ・クロス　第8巻



≪あらすじ≫
久しぶりに迫る番号付きの遺産争奪戦。第六の遺産「聖錫」、第七の遺産「聖冠」が同時に出現する今回の聖戦は、すでに続が最初に獲得した第一の遺産「預言書『王冠の章』」を解読したことでその情報を獲得していた。

続はこれを好機と見て確実に遺産二つを入手するため、アルカナと協力して対堕天使用の遺産を使った皐用の結界を張り巡らせ、自身も対天使用の遺産対策も万全。
今度ばかりは続が有利かと思われた聖戦だったが、出現するはずの第六・第七の遺産はすでに皐の手にあった！？

聖戦の仕組みや枠組みを壊しかねないほどの行動に怪訝さを示しながらも同盟を結んだ者として続とアルカナに襲いかかるのは神葬の部隊。

一転して不利な戦いを強いられる続側。そんな中で、一時的に止まっていた尚の烙印の発作が再発。あまりに強力な発作に尚自身も、例え今、烙印を解いたとしても余命幾ばくもないことを察する。

そんな中で尚の生存本能の強さを利用しようと再び声をかけてくる皐。一度は裏切られながらも自分を赦して再び傍においた続を裏切ってでも生きるべきか、それとも今度こそ例え命の灯火が消えたとしても続に尽くすべきか。

究極の選択に迫られる中、臨時の聖戦が開始される。出現される第八の遺産「時計」を巡る戦いの中で、尚はついに最期の決断を下す―――


≪感想≫
半年に一度の楽しみのブラクロ最新刊。ガンガンを毎月買えば良いんでしょうけど、コミックス派にはそれはそれで楽しみがあるんですよね。まぁ、それはさておいて。


これより先、ネタバレあります。ネタバレが嫌な方は今すぐ戻ってくださいね。

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ネタバレOK？　では、感想どうぞ。


尚･ﾟ･(ノд｀)･ﾟ･


嘘だと言ってほしいほどの結末。ネタバレを宣言しているとはいえ、まだ読んでない人には「手の指が崩れる描写があったりしてて生存確率ゼロに等しい」あの描写はさすがに言うのを憚ってしまう……。


初登場の時には、こんなキャラになるとは全く思わなかった。最初は闘い方や性格から考えても、いろいろな意味で日向への（当てつけ的）ライバル役でしかない印象だった。言い方はアレだけど日向の引き立て役。実際彼は同じ他戦い方をする日向に対して、だいたい一枚上手を行かれるシーンが多かった。

裏切ったシーンも続がそれを完全に見抜いていて、「このシーン（結構良いところがなかった続も「実は凄い」と思わせる）ためのキャラだったのかー」と思っててっきりそこでリタイアだと思っていたくらい。
でも、読者人気が高かったのか、最初から予定通りだったのか、意外にも日向と相打ちみたいになって生き延びて……そこから数えると、だいぶ長い登場だけどね。

ロマンティストで日向曰く「頭の中がお花畑」で、「悪人嫌い」と言いながらも自分は生きるために裏切り者やったりしてて……でも、その尚が、最後に花村や神葬の隊長たちなんてかすんで見えてしまうほどの忠誠心を魅せて特攻するなんて誰が思うだろうか。

最期の最後でこれ以上ないほどキャラ上げたよ、尚。まぁ、もともと日向に救われた辺りから薄倖っぷりも気に入っていたキャラなんだけど、その上、コレだもんなー。続も日向もなんやかんやで信用していたみたいだし、続なんか遺産の重要性が低いと分かるや否やそれを尚の烙印の解除に使おうとするくらいで、なんか『ブラクロ』らしくないほどの純粋な熱血なストーリーを魅せられた。
騙すとか、陥れるとか、裏切るとか、そういうのがメインのはずなのにね、『ブラクロ』ってw　でも、だからこそ、そうした世界の中で本当の絆ってものはより一層輝きを増すのかもしれない。


余命も結構厳しかったみたいだし、今回ばっかりは「実は生きてました」オチは正直なさそうだなぁ……。生きてたとしても寿命が決定的に足りないしね。それこそ、第八の遺産「時計」が実は時間を巻き戻すような能力があるとか、続が神様になった時に特権で復活したりする可能性が本当にコンマ数パーセントあるくらいなのかなって。

断言はできないけどあの展開だと間違いないだろうなぁ。あー、メインのレギュラーキャラでの死亡って初めてだから、結構堪えるよ。大間さんは登場期間が短かったからメインって感じしないしね。

でも、あれで皐は絶対生きてるんだよなーwww　せめて尚の特攻で片腕喪っているとか、しばらくはまともに動けなくなってるとかになってて欲しい。そうじゃないと尚が報われん・゜・(ノД`)・゜・



さて、尚の追悼もほどほどに他のキャラも書いていきましょうかね。

月宮はさっさと洗脳解かれないかなー、と。結構、厳しい洗脳だよね。「負担」とかフラグに見えるのだが、これでフラグだったら月宮、もしかしたらもう二度と普通の人格に戻らないままリタイアとかありそうだから、そうならないことを祈るばかりw
そして里堂、今すぐその立場変われ。うらやま、けしからん（ｹﾞﾌﾝｹﾞﾌﾝ

日向は……日向らしい？（笑　いやー、月宮がいたからセクハラもしてたしねー（爆

続は尚への想いがね。さっきも書いたけど、彼も彼で一度裏切った相手を割とマジで信用してたんだなって。皐の方は割とチートだから、そういう意味で続はもっと幸運とか人望的な意味でチートであってほしいなと思うw

アルカナと香撫はもう裏切りフラグビンビンなのですが(ﾉ∀｀)ｱｲﾀｰ　絶対良い死に方しないな、香撫はwww

その代わりに皐を見切って続と手を汲んでもおかしくないのが神葬だと思っている。というか、聖戦をちゃんと聖戦として戦っている続と、正しい形での聖戦を遂行したい神葬の方が同盟の相性は絶対良いはずなんだよね。裏を返せば皐と本当に相性が良いのは手段を選ばないアルカナなんだけど、ここは一度決裂しているから、再同盟ってあり得るのか分からんけど。

今回、常盤は皐の命令聞きながらもちょっと不信感抱いているみたいだし、ここのフラグは結構近々回収されないかなーと思ってみたり。香撫も裏切りフラグだし、彼女の場合「神葬⇒続+アルカナ」ときてるから、新組織・新キャラが出ない限り裏切り先は皐確定だしね。香撫が向こう行く代わりに神葬がこっち来る、みたいな？


っていうか、巻末にもあったけど、花村さんの出番、はよぉwww



ひと月分の休載があったので、毎年四月と十月だった『ブラクロ』。今回十一月だから、次は五月？