アクセル・ワールド 総評
2046年、ニューロリンカーと呼ばれる携帯端末を用いることで生活の多くが仮想ネットワーク上で行われるようになった世界。
だが、どんなに時代が進んでも「いじめられっ子」はなくならない……。
ハルユキもそんな中学内格差(スクールカースト)最底辺に位置する一人であった。
ローカルネットワークの片隅で、ひたすらにスカッシュゲームに打ち込むだけの暗く陰鬱な日々を過ごしていた彼だったが、ある日突然、校内一の有名人《黒雪姫》に声をかけられる。
「もっと先へ――《加速》したくはないか、少年」
彼女から謎のプログラム《ブレイン・バースト》を託され、《加速世界》の秘密を教えられたハルユキは、黒雪姫の『騎士』として戦うことを決意する……!!
(公式HP あらすじより抜粋)
そんな『アクセル・ワールド』の私の評価ですが...
A-
です。(SS、S、A~Dの評価)
では、詳細は続きをどうぞ。
※あくまで評価は、私的主観によるものですのでご了承下さい。
アクセル・ワールド 総評
放映日:2012年04月~2012年09月(全24話)
私が視聴した放映局:TOKYO MX、テレ玉
総評
※評価についてはこちらからどうぞ→評価について。
シナリオ構成 評価:C
えっと、原作既読者によると原作四巻分+αらしい。ただし三巻と四巻が能美編とのこと。
というわけで、序盤の1クール目なら文句なしにSだった。物語の“引き”、テンポ、バトルと駆け引きのバランスなど総合的に見ても非常に「アニメ向け」とも感じられる内容だったと思う。
一方で能美編が始まると、さすがに中弛みしてしまった感じは否めない。実質2クール目のほとんどを費やしてしまったわけだから、それも仕方ないと言えば仕方ないのか。スタッフとしてはテコ入れのつもりだったのかもしれないが、途中で毛色の違う外伝が入ったこともやはり高くは評価出来るものではなかったのではないだろうか。
敵は不正や裏技を使う敵ばかりで、《心意》なんて新設定まで持ち出されてしまうなどアニメスタッフとして変更したくても出来ない「原作」としての部分とはいえ、1クール目に感じた本作独自のアドバンテージが失われてしまった感じがある。
演出 評価:S
さすがサンライズというべきか。ロボットではないが、メカ系のアバターを動かすことはロボットの延長線上にあるのか、動かし方が凄く手慣れている感覚を受ける。シルバー・クロウの翼と飛行アビリティ、スカーレット・レインのミサイルやビームといった固定砲台といった部分は特にそうしたロボット要素が色濃く受け継がれ、演出面でも光ったと言える部分だと思う。
強いて言えば終盤の《心意》の登場を考えて必殺技と《心意》技がもう少し目に見えて“違う”演出が出来ればなお良かったのかなとは思う。
作画 評価:S
レベルは高い。主にメカ作画、それに伴うバトルシーンでの演出を丁寧に魅せる作画とエフェクトの完成度は高い。個人的には“災渦の鎧”編での黄の王が絡んでの各々の戦闘シーンは素晴らしかったと思う。この辺りは、ロボットではないがSFテイストの強いこの作品をより良く出来た。
また日常パートでは黒雪姫をとにかく可愛く描けたと思う。
CAST 評価:C
まぁ、なんて言うか成長を期待したヒロイン役の三澤さんが「成長したかな」と思っていたが、最終話での演技がちょっとアレだったのがガッカリだったかな、というか何というか。人は半年では成長しないってことなのだろうか、それとも音響監督が妥協したのか。とはいえ、序盤ではかなり違和感を覚えた「叫び」の声は終盤改善されていたと思うし、あと一歩だったのかもしれない。
キャストに関しては適材適所だったのかは正直良く分からなかった。素人目にもハッキリ「適材適所だった」と言えないことが、良いことなのか悪いことなのか……。
ただ、能美役の小林沙苗さんは最高のキャスティングだったと思う。
OP/ED/BGM 評価:S
OP・EDともに楽曲・演出含めて総合的に見れば間違いなく今季No.1だったと思う。1クール目は王道に、2クール目はやや変化を着けて、っていうのが個人的な印象。特に後期EDの演出は、黒雪姫の出番の少なさと本編の内容を考えれば良い緩和剤になって良かった。
総合 評価:A-
内訳:S評価(5点)×3+C評価(2点)×2=A-(3.8点)
なんか両極端な評価w シナリオCはやや酷かな、とも思ったがまぁいろいろな新設定や敵の作り方など原作に起因にする部分や「詰め込み過ぎ」と目に見えて分かるほどの最終回の展開もあったので。
面白い作品であるのは間違いない。あとはアニメ化されているこの2クールで、特に後半戦となった能美編をどう評価するかによって人によってその評価はかなり上下することも間違いないだろう。1クール目の面白さというかテンポの良さ、黒雪姫やニコの可愛さによる魅力ってのは誰もが認めるところだと思うので。
素材としては最高品質のものが揃っているので、あとは調理次第なわけだが、そこは原作がある作品としてのしがらみを少なからず感じた部分でもある。
当然、原作はいまだ続いている作品なので先の展開やそれに伴う伏線ももちろんあって良いとは思う。けれど、アニメとして一つの区切りをする以上、アニメ化された部分だけで評価しないといけないことも事実だと思ってほしい。
そうして考えるとこういう評価になる。細かく分析すれば、、物語としては前半(1クール目)と後半(2クール目)でここまで明暗分かれてしまった珍しい作品と言えるのかもしれない。
おまけ
ベストキャラTOP3
1位 黒雪姫
うん、やっぱりねw 終盤の出番の少なさだけが残念だった。願わくは、第二期があるのならその時までにさらなる演技のレベルアップを願うファンもきっと少なくない? まぁ、演技って言っても普段の時の演技と声質はバッチリはまっているわけだから、あとは起伏を伴う時(叫びとか驚きとか)そういうピンポイントな時だけなんだけどね。
2位 タクム
序盤で改心した後のハカセくんポジションになってからの彼が最高に好きだった。あの不憫さというかなんというかねw
3位 アッシュ・ローラー
やっぱり何だかんだで良いキャラクターだったと思うんだよね。出番が増えることに期待w
総評読みました
細かい分析、とても参考になりました。
1話だけでなく全体的な流れもよくわかりました。
自分としては、ストーリーからOPEDへの流れがとてもいい作品だなといつも思ってました。2クール目は確かにちょっと詰め込みすぎで、スピード感に欠けるところがありましたね。
ではー