もやしもん リターンズ 第10話
『すれちがう想い』
≪あらすじ≫
父親が用意した追手を掻い潜ってマリーの家までたどり着いた遥と美里。その日はマリーの手料理をご馳走になるが、その席で直保はワイン特有の菌の有無からマリーの父親だけ飲んでいるものがワインではなくブドウジュースであることを見抜いてしまう。
食後、遥と二人でカーヴにやってきたマリーは、「薄々勘付いていた」と父親が下戸で酒が飲めないことに気づいていたことを遥に告白する。
発酵自体は化学なので飲めなくても問題ない。
そう口にするマリーだったが、遥には時折彼女の言葉の端々から飲めない父を認め切れていない感情を察するが、一方で遥もマリーから「お互い父親と向き合えていない」と核心を突かれる。
「今夜、一緒にやりましょう」
遥は、お互い今夜父親(遥は親同士が用意した婚約者の龍太)とちゃんと話し合うことを約束する。
マリーの家を出る遥は直保たちも一緒に強制連行。その理由は「恐いから」というモノで、「自分が逃げないように見張っていてほしい」とどこか一線を引いていた渡欧前の遥よりも、直保たちをどこか信頼している様子だった。
龍太のいる部屋までたどり着いた遥。話をしようとするが、アルコールが入って昂揚していた龍太は遥に向って本音をぶちまけた上に、急に倒れて……。
一方、遥と約束したマリーも父親と向き合っていた。しかし、アルコールが飲めない作り手であることに劣等感を抱く彼女の父親は激怒。マリーが伝えようとしている言葉も想いも伝わらない。
その時、直保が出発前にワインを使って用意していた“とある仕掛け”が発動して――
≪感想≫
物語はいよいよ佳境へ。
龍太の虚勢というか、自尊心というか、そういう部分は男としては理解出来てしまうところだ。「男としては」と言うよりも、男女問わずのことなのかもしれないけどね。「自分の良いところを他人に見せたい」という欲求は人として正常な証だと思っている。
人間は独りでは生きていけない。それは衣食住やエネルギー問題云々ではなく、もっと心理的な部分で、である。つまり、人は多かれ少なかれ他人に評価されて生きていく生き物だということだ。学校でも、会社でも、友人でも、それこそ親子であったとしても評価されて生きている。
「他人の評価なんて気にしない」という人だって、「他人から『他人の評価を気にしないという人格』を評価されて」いるのだと私は思っている。
そこで「良い評価を得たい」のは人として当然の欲求だと言える。他の動物と違い、なまじ知性があるので人によって評価の形も違うし、同じ物事でも評価そのものが違う場合も珍しくない。
例えば龍太と遥の幼少期の思い出である「木登り」。おそらく龍太は出来なかったのだろう。あるいは木登りが出来ないのではなく、高所恐怖症か、あるいはバランス感覚に自信がなかったか、まぁいろいろと要因はあるだろうけど。
そこで、龍太がとれた道は二つは。一つは「自分の得意なこと(出来ること)に話題をそらし、そこで相手から良い評価を得る」こと。そしてもう一つは「木登りが出来ないことを告白し、相手から良い評価を得る」ことだ。
前者は技能、そしてその技能を習得している自分を評価されるというある種の“絶対評価(出来るか、出来ないかの白黒判定)”であり、後者は正直さ、素直さ、あるいは弱点を告白出来るという相手への信頼を評価されるという“相対評価(相手による心理評価)”ということだ。
どちらの評価が良かったか、なんてのは無意味な論議だろう。一見すれば後者の評価の方が、重要だという意見もありそうだけどね。
龍太だって、もし木登りが出来ないことを告白していれば二人の関係はもっと違ったものになっていたかもしれないが、それは大きな“賭け”だ。なにせ後者の相対評価は、「正直に出来ないことを告白する」という行為につく点数が相手によって左右される。これを「正直者」と高評価する人もいれば、「出来ないのか」と結局弱みを告げるという勇気や決意は評価されず相手が技能的評価にとどまり低評価を下す人もいるだろう。そして、遥がそのどちらであるか、あるいはまったく違う評価を下すのかは、親同士が決めた許嫁では会える機会も少なかっただろうし、判断が出来なかったに違いない。
まぁ個人差のある部分だけど、男としてはそうなってくると目に見えた形で評価できる方を選んでしまう気がするね。あくまで個人的な感覚だけど。
そう考えていくと、彼としても苦しいところだったに違いない。最初は「面倒をみる」だけだったのが、気がつけば「許嫁」に仕立て上げられ、周囲が期待するから男としてその期待に答えようと奮起している内に、自分の感情がどこにあるのかを見失ってしまった感じだ。
その想いに触れた遥。龍太の本音を聞いて彼らの今後は分からないが、少なくとも今の段階で結婚を押し切られるような展開はなさそうだ。
そして、マリーの方も佳境。まさか菌が直保のまき散らしたワインを利用して発酵して文字として想いを表現するとはねw 正直予想外の展開だったが、こちらも次回まで、あるいは次回の話の中で一つの決着をみることが出来そうだ。
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