アクセル・ワールド 第21話
『Insurrection ; 反逆』
≪あらすじ≫
能美(ダスク・テイカー)に寝返ったチユリ(ライム・ベル)。それには事情があったのだと捉え、チユリを信じて能美を倒す手段をハルユキ(シルバー・クロウ)は模索する道を選ぶ。そして、能美を倒すため、自分だけでなく幼馴染で親友で戦友であるタクム(シアン・パイル)も自分たちが使う《心意》システムを習得するべきだと考え、その習得のため“赤の王”であるニコ(スカーレット・レイン)を頼る。
彼女から指定のあった喫茶店で落ち合った三人。《クロムディザスター》討伐の際、協力要請をした“仮”も相まって、タクムの《心意》習得に協力することをニコは承諾。電波が遮断される部屋で無制限中立フィールドにダイブした二人は、改めてニコから《心意》システムについて説明を受ける。
「《心意》システムの本質は、自分の心の傷と向き合うこと」というニコ。そんな彼女の言葉を受けて、タクムは自分が小学生の頃に当時通っていた剣道道場で受けていた“とあるイジメ”について告白する。
本格的な実戦型の修行が始まった余所で、ハルユキは喫茶店でバイトをしていたメイド服の女性につかまる。彼女は「《スカーレット・レイン》から話は聞いている」と告げ、自身も《ブラッド・レパード》というデュエルアバターを持つ《バースト・リンカー》であるのだと伝える。
レパードは、「ローカルネットに表示されていない相手が出現する」という現象はハルユキたちの周りだけでなく、現在《加速世界》そのもので問題視されているのだと教えると、そのまま彼を秋葉原へと連れていく。
黄のレギオンの本拠地である秋葉原だが、そこに黄の王ですら手が出せない絶対中立の場所があった。《アキハバラ・バトル・グラウンド》。「対戦の聖地」とまで言われるそこにダイブした二人は、その聖地にも出現した謎の《バースト・リンカー》がいることを知る。
その名は《ラスト・ジグソー》――
≪感想≫
シリアスな展開が多い本筋においては、タクムのイジメ告白などの要素はあったものの、基本的にはそんな重い本筋からはやや外れた緩衝材的な一話。ハルユキとタクムは、乗ったバスが悪かったね。あのバスにはきっと腐女子しか乗って――おっと失言www
ニコに向けて発揮されるハルユキの足フェチっぷりとか、ニコやレパードとのイチャイチャっぷりとか、むしろ覗きよりもこっちを録画しておいて黒雪姫に見せると言った方が、よほどハルユキにとっては脅しのネタになりそうなのだがねw いやー、惜しかった。本当にああいう場面に黒雪姫がいないことが悔やまれるwww
いたら絶対、Lv.9同士のガチバトルが見れたのにね(ぇ
◆心の傷と向き合うこと
目に見えない部分なので、どういった処置が正しい処置や対処法であるかというのは正直私にも分からない。そもそも目に見えない・形に出来ない「心」というものを取り扱うことに対して「正しい」ことなんて今の人間に分かるのだろうか。別にカウンセラーや精神科医の存在や能力を否定しているのではなく、単純に解き明かされていないことが多いそうした分野だけに素直にそう思うのだ。
そう考えていると、今回の展開は限りなくアニメ的でラノベ的でゲーム的だと思わされる。いや、ラノベでアニメなのだから「こうあるべきだ」とまでは思わないが少なくともコレで良いと思う。
ただし、それを見ている私たちはこれがフィクションだから出来ていることを実感しなくてはいけないような気がした。
結論からいえば、心の傷やトラウマがあった時に、それに立ち向かっていくことが本当に解決になるのだろうか、という疑問が率直にあるのだ。
そうしたものを「克服」する形だって、何も真正面から受け止めるだけではないかもしれない。それこそそれは千差万別で忘れることで克服する人だっているだろうし、真正面からではなく遠回りをしながら最終的に乗り越えていく形で克服する人だっているだろう。時には逃げることも大切だろうし、そうした部分にばかり向きあい続けずに気分転換をすることも必要かもしれない。
でも、そんな現実とは裏腹にフィクションの世界では立ち向かうことを(監督や脚本家によって)強要されている。良くも悪くも実に「フィクション」だと思わされた。当然だ。だって『アクセル・ワールド(以下AW)』はフィクションの創作物なのだ。
だから、もしこんな私の記事を読んで下さった方がいたとするなら、この論考が別に『AW』の批判ではなく、むしろフィクションとノン・フィクションの明確な線引き・差別化をしなくてはいけないのだという私たち自身に対する提言だということを見逃さないで欲しいと思う。
「そんなことは当たり前だろ」と思うかもしれないが、人間は「当たり前のことを当たり前にやる」ことが実は難しいことも時には存在しているのだ。ゆえにその「当たり前」とはどんなものだったかを知り、心に留めておくこともまた大切なのだと思っている。
正直、難しいところなのだ。
私自身は、フィクション(アニメなど含む)から得られる教訓や何やをノン・フィクション(現実世界)へフィードバックすることが出来ると思っているし、そうであることが理想だと思っている。その作品にスタッフの方々のメッセージが込められているのだとすれば、そのメッセージは現実世界に反映されるべきものだと考えるからだ。
でも、必ずしもそんな作品や話ばかりではない。今回の21話はまさにそんな感じだと思えた。
心の傷に立ち向かっていくことは、その傷を治して乗り越えていく上で理想的な手段かもしれないが、それが普通に出来てしまうのはフィクションだからこそで、現実世界にそう簡単に物事が進むかと問われればたぶん私は「そんなに甘くない」と答える。
イジメと一緒だ。「そういうものには毅然として立ち向かわないといけない」と言う人も中にはいるが、立ち向かえるなら立ち向かっているはずだ。そこには何らかの力関係で不利な部分や負い目な部分があるからこそ、立ち向かえていないのではないか。
フィクションならそこでそうした問題に立ち向かっていけるだろう。立ち向かって良い結果が出せるように(基本的には)物語が神の手(作者)によって作られているからだ。
しかしノン・フィクションはそうはいかない。立ち向かったからと言って良い結果になるとは限らない。時には逃げること、自分以外の味方をたくさん作って相手よりもさらに強い力を計略によって得ることなんかも必要なのだと思う。
作品や話によって線引きを要する部分、現実に反映出来る部分はいろいろある。そうした中で、今回は線引きを要する話だった気がする。だからこそ今回の話が私たちに強く求めたのは、「私たちには、線引きをする場所ではなく線引きそのものの有無の判断すら求められているのだ」ということではないだろうか。
◆《心意》システム
ニコの解説によると、《心意》システムとは
・必殺技ゲージを消費しない
・《心意》は《心意》でないと防げない
・光る
ということらしい。
1番目は既出だが、2番目は正直なところ個人的には好ましくない設定だった。《心意》の仕組み上、《心意》を通常の物理プログラムや物理現象で防げてしまうわけにはいかなかったのだろうが、これでは《心意》習得者と未習得者の溝があまりに大き過ぎてしまう。極論を言えば《心意》習得者は、最悪《心意》を習得していない《バースト・リンカー》相手ならば絶対的な優位性を持っていつでも倒せてしまうことになり、ゲームバランスが悪いとかそんな生温いモノではなくここまで何巻分かは知らないが積み上げてきた『AW』の世界観の崩壊だ。
作者がどんな意図で《心意》というシステムを導入したのかは知らないが、少なくともこの段階で言わせてもらうならば(ここまでの設定は作品にとって)間違いなく失敗だと思う。あんな射程拡張だとか移動拡張だとか決める余力があったのなら、もっとバランスを調整すべき重要な部分はあっただろう。
私なら少なくとも上から2番目の設定は盛り込まない。出来るなら1番上も入れない。《心意》が物理法則すら超える力を発揮するのは構わないし「心の傷と向き合った結果得られる“ご褒美」であることも構わないが、それはもっと諸刃の剣であるべきだったと思うのだ。「使えば必殺技ゲージは空になる」「反動で多大なバーストポイントを消費する」「使用後にデュエルアバターの能力やアビリティが著しく低下する」などなど。
それらがないから「チート」なんて言われるし、実際にそうした制約がないから「チート」なわけだ。少なくとも《心意》習得者と《心意》未習得者が戦って「戦い」になるレベルの調整は必須だったと思う。
まぁ、そんな中では実は「光る」という要素は悪くないなと思ってるw というのも「光る」という3番目の要素を真面目に考えると「光る」ことで相手に居場所が特定されてしまうので弱点になりうる部分だと思うからだ。まぁ、そんな「光って場所が特定される=不利」な戦いをこの作品でやるとは思えないけどねwww 少なくとも隠密行動やそれ系のアビリティを持つアバターからすると、「光る」という特性を持つ《心意》は相性が悪いのだろう。
次回『Detamination ; 決意』 タクムが《心意》を習得して、ハルユキが能美の秘密を暴いた上で最後の方で「バトル!」になって、次々回で最終決戦・決着の流れかな。
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