人類は衰退しました 第9話
『妖精さんたちの、ひょうりゅうせいかつ』
≪あらすじ≫
どうも、“わたし”です。
世の中の中間管理職の皆さま、大変ですよね、ほんと。「年単位になると思う」なんて脅迫ですよ、脅迫。そうやって転勤族を増やすから地域のコミュニティは崩壊するんです。
今になってみれば、あのような里と事務所も私にとってはかけがえのない場所だったのだと思うわけですよ。
そう。
私は見事、上司の一言で島流しです、島流し。文化的生活の重大さを知るには良い経験かもしれませんが、それはせいぜい三日でいいのでは?と思う次第です――
≪感想≫
久々の1話完結の短編。でも、中身はかなり濃密で面白い。
しかも、ネタ的にも「島国」「威圧外交」「イジメ⇒死亡」「共産主義」「資源枯渇」「麻薬」「遺伝子操作」などかなり際どいラインの選択肢。原作の時の話だろうから今、ちょうどそれらのネタがタイムリーになったのは本当に偶然なんだろう。はっ、まさかこれが妖精さんパワーかΣ(゚Д゚;≡;゚д゚)
大学時代はちょっとだけ環境系の学問をかじっていた身としては、豊かになっていく生活とは裏腹に切り倒されていく木々の姿はやっぱり思うところがある。妖精さんが口にしたようにコンクリート詰めになれば、当然土地の保水能力は下がるので地面に水は残り続ける。まぁ、さすがに雨水がたまって湖と化すことはないだろうが(笑
ただ、日本人はその経験が皮肉にもある、しかも今年。九州北部の大雨は数十年そこに住んでいた人ですら「こんなことは初めて」と口にする。それはもちろん降水量の大幅な増加という要素があったからなのだが(その要素も、地球温暖化に一因があるのなら人類としては自業自得なのかもしれないが)、今と昔では違うところがあった。
それは土地。多くが農地だったが今は宅地となった場所に限って冠水被害が拡大した。それは宅地として家を建てるのに必要な要項を満たすため、アレコレと地盤を固めコンクリートで土を覆った結果の保水能力の低下。
今回は、衰退し始めた「ダメな国」は結果的に滅びて終わるシュールなオチと笑いで終わるが、現実世界の私たちはそうはいかない。それこそ国内問題でいえば電力問題含め、今の生活レベルを落とすことは「そうしても問題ない」と証拠や裏付けがあるのか分からないが簡単に声をあげている人たちが想っている以上に厳しいはずで、理想ばかり語って現実から目をそむけるようにしか見えず、それは最後に懲りずに建国しようとし「新人類には教訓ってものがないんですかねー」と“わたし”が愚痴った妖精さんとなんら変わらないこと。
文化的生活が大好きな“わたし”はある意味で私たち現実世界の人類の代弁者だ。今の文化的生活からランクを下げるのは、やっぱり嫌だし難しい。周囲の施設や設備だってその文化的生活レベルに合わせられて造られているいるのだし、物価も含めて一度上がったモノを下げるのは経済面・インフラ面等も考えれば非現実的なわけだ。
衰退したところで限界を悟った“わたし”が現実を見て妥協し妖精さんに脱出を告げるシーンでのドンヨリ加減を見ると、なんかそういう部分が圧縮されてるような気がして苦笑を浮かべたw
話は脱線したが、例えば北九州の豪雨を見て「その一因に宅地増加によるコンクリート化がある」と言われても「じゃあコンクリート剥がして保水能力を上げましょう」とはなるわけがない。コンクリートが敷かれ整備された道路に慣れた私たちからすれば、その文化的生活レベルの低下は苦痛である不便でしかないし、コストやその結果残されるコストパフォーマンスを考えても最善の策ではないのは火を見るより明らか。
まぁ、苦痛や不便といったストレスで妖精さんのように極端に能力は低下しないだろうけど(笑 でも、モチベーションのない人類が導き出せるイノベーションなんてきっとたかが知れているのだろう。
ただやっぱりそこで現実を見ないといけないわけだよね。災害を防ぐ「防災」だけでなく災害による被害を減らす「減災」って形とかね。
環境開発、自然汚染の結果、自然と寄り添うのではなく自分たちの文化レベルの向上だけを目指して滅亡した「ダメな国」。幸いなのは、そうした形は良くないのだということを現実の人類の一部は知り、なんとかしようとしていることだろう。
まぁ、そこにも先進国と発展途上国での摩擦やらなんやらと相変わらず一つになりきれない人類の愚かさが見え隠れする部分でもあるがw
なんか妙な感想になったなぁw しかし、たくさんの妖精さんが出てきてて本当に面白かった。妖精さんの間にイジメがあることはちょっとさみしかったけどwww
ただ、勤労で増殖する妖精さんを見ると、やっぱり人は多かれ少なかれ労働という存在は不可欠なのだと思い至る(ぉ
でも、妖精さん増加の責任って“わたし”にあるんだ(爆 それが一番意外だったかもw
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NoTitle
あれは、人民統治システムの一つだと思っているのですが、妖精さんはそんな事に興味なさそうなので、「お菓子は大切に」とか、そんな長閑な教義になりそうな予感がします。
木を切り過ぎて、モニュメント作り過ぎたら、文明が滅亡。
確かイースター島も、モアイ像作りすぎて衰退したという経緯が。
歴史は繰り返すとは、名言です。
しかし妖精さんって、“自発的に動く”ってないですよね。
これまでの所、どれも人類を助けたり、面白そうなのを真似たりで、妖精さん自身が率先して面白いことをしているというのは無いです。
楽しい事がなければ増えない妖精さんですが、人類が無くなった後ってどうなるんでしょう。
あ、それと、妖精さんのいじめですが、あれは正しくはいじめごっこです。
ほら昨今よく聞くじゃないですか。
ストレス溜まった人間がやるアレです。「いじめのつもりはなかった。ちょっと遊んでいただけだ」っていう。
要するに、人間が遊んでいた“いじめっぽいこと”を、形だけ真似ていただけです。
なので、やっている方には当然悪意も無く、何の問題ありません。
……誰だ!妖精さんにそんな碌でもないこと見せたの奴はぁ!!遊びってのは一方が楽しいだけじゃ成立しないんだよっ!!