アクセル・ワールド 第19話
『Revolution ; 変遷』
≪あらすじ≫
沖縄への修学旅行へ来ていた黒雪姫(ブラック・ロータス)。自らの不注意から親友である若宮恵の期待を裏切ってしまったことに心を痛めながらも、彼女は東京圏以外では珍しい沖縄の《バースト・リンカー》である安里琉花(ラグーン・ドルフィン)、糸洲真魚(コーラル・メロウ)の頼みを断り切れず、彼女たちが「師匠」と呼ぶ《バースト・リンカー》と逢うことになった。
そこにいたのは、赤いネジのような頭部をもつアバターであるクリムゾン・キングボルト。なんとブラック・ロータスの知り合いで、彼女が「クリキン」と呼ぶほど気心知れた仲だった。
そんな彼が悩んでいたのは、突如沖縄に現れた《バースト・リンカー》の存在。サルファ・ポットを名乗るその《バースト・リンカー》は、高位の竜型エネミーをテイムし、己の配下とすることで戦力として活動させ、沖縄圏の他のエネミーを略取していた。
三人しかいない中では主だった対戦が出来ず、クリキンたちにとって加速し続けるためのポイント獲得の生命線はエネミー狩りで得られるポイントのみだが、それすらサルファ・ポットによって独占されようとしている。
現状を知ったロータスは、クリキンたちと協力しポットを打ち倒そうとするが、竜型エネミーの強力な必殺技の前に苦戦。
そんな時、彼女たちの前に現れたのは――
≪感想≫
なんというか、感想が難しい。
何も気にしないのであれば、クリキンの巨大ロボットへの変形合体のクオリティはさすがサンライズ、と言える。合体するときの排気やドッキング時の固定(クリキンの場合は、ネジの高速回転での連結だった)、変形してマニピュレータが出てくるところは、お決まりだけどカッコいい。
分離していた個々のメカが合体して一つのロボットとなり、足ができて、手ができて、そして頭部が最後に形成されていくさまは、勇者ロボットっぽくてまさかこんな演出をこの作品で見ることができるとは思わなかったので、いい意味でのサプライズだった。
まぁ、その後の見せ場はそんなに多くなかったのが勿体ない感じではあったかな。ニコ(二代目赤の王)が登場するまで加速世界最大の遠距離火力を持っていた描写くらいかな(やっぱりニコに抜かれただけあって、演出もニコに比べれば控え目だった気がするし)。
あそこまでやったら、せめてサンライズバースと呼ばれる大剣を持った独特の部分も演出してほしかったが、クリキンのロボットモードには剣はないのかもしれないし、そこは難しいところか(もともと遠距離型みたいだし)。
ストーリーとしても王道かな? ピンチに救世主が現れて、物語の終わりには黒雪姫と恵がいつもどおり、あるいはそれ以上の仲となって終わるところとかね。
ポットにも、因果応報というわけでもないが、必罰と言わんばかりにテイムしていた外装は没収され、いろいろと不正の原理も喋らされたようだし、悪者は悪者として制裁を受けたみたいだしね。
しかし、その一方で引っかかるものもある。テイムだとか、モード・グリーンだとか、恵のアバターの技(ゲージがたまっているとは思えないのでゲージ不要の常時発動タイプのアビリティか、あるいはゲージを必要としない《心意》技だと思うが)とか、とにかく専門用語が多すぎる上に大した説明もないので、『AW』この19話の中で最も初見殺しとなった。原作が、今の能美編が終わったあとに刊行された外伝の話なので、刊行されるまでにいろいろと説明があったのだろう。その辺りのフォローがないのは、ここのスタッフらしくない。
(これらの用語に関しては、今後出てくるかもしれないので補足は不要)
さらに《加速》中の黒雪姫たちの描写はあれでいいのかと悩むところでもある。《加速》中に、《加速》していない人間が《加速》している人視点で物語が進むとどうなるか分からないので、アレで正しいのかもしれないが、少なくとも《加速》したときの体制を考えれば、前のめりになる方が自然じゃないかとも思うし、なんか違和感を覚えてしまう。これに関しては今までそういう描写がなかったせいでもあるのだけどね。だから、これはこれでいいのかもしれないので考えすぎかも。
またストーリーとしては王道だったが、この『AW』という作品を考えた時に、アンインストールされている(?)恵が再び《加速世界》にどんな形であれ出現してしまうことも、要素としてどうなのかと感じてしまう。《心意》というシステムが出ているので、強い思念や執念が何らかの形でプログラム上に残っていてそれが影響して~~とこじつけすることはできるだろうが、やっぱり客観的に意見を言わせてもらえばそれはこじつけになってしまうのではないかな、と。
今回の敵はまたしてもバックドアを利用した不正で、『AW』に出てくる敵は不正するようなヤツしかいないのかとあまりに一辺倒な話の作り方に(外伝とはいえ)いい加減ひと工夫、ふた工夫必要ではないかと思うのである。
話が進めば進むほど、初期に綿密に組まれているように感じた世界観に綻びが出てしまうような設定やコピペのような敵ばかり出てくることが、せっかくの『AW』の素晴らしさを損なっているようなことを感じさせる沖縄編だった気がする。
(追記)
今回の黒雪姫役の三澤さんの「デス・バイ~」という必殺技の叫び声はなかなか良かったと思う。私だけかもしれないけど、初期の頃の叫び演技を考えれば(素人なので僭越な言い方だが)改善されてて十分聞けるレベルになった感じがする。
次回『Domnation ; 支配』 能美編へ戻るw とりあえずあの場はなんか凌ぐなり、何なりで話は進みそうか。次回解決はなさそうなので、展開的に能美編で2クール終了かな。
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合体シーンが勇者すぎるぜクリキンロボ
ニコの戦闘スタイルと言い、このままだと赤系バーストリンカーは皆ロボ持ちだとか誤解されるんじゃ(笑)。いやちゃんとしたのもいるんですよ、普通に赤くて速いのとかも。
クリムゾン・キングボルトはかつて紫のレギオン「オーロラ・オーバル」に所属したハイランカーでした。黒の王とその配下とは領土戦でこそ敵同士ながら、手強い好敵手として互いに認め合い、暇を見つけては一緒にエネミー狩りに出かける等レギオンの垣根を越えた戦友として長く付き合ってきたようです。
メガマシーン・アウェイクニングはロボの材料として金属オブジェクトを必要とするため、彼が領土戦に参加すると「味方は鉄を集める」「敵は集めるのを妨害する」という展開で鉄が集まってしまったら勝負確定という感じだったそうで。ステージによっては鉄がない(草原・砂漠など)あるいは鉄ばっかり(工場・鉄鋼など)とステージ属性で脅威度が激変するちょっと変わったバーストリンカーです。
名前のカッコよさと普段の外見のギャップから「史上最強の名を持つ男(ストロンゲスト・ネーム)」という微妙な二つ名で呼ばれていましたが、もちろん名前倒れということではなくロボになれないステージでも強いことに変わりはありません。
ちなみに紫のレギオンに入団した経緯について周囲では「名前がキングでボルトだから自分と同じ電撃使いではないかと紫の王が誤解した」説と「クリキンが紫の王にホレてた」説があるとか。
ふむ。だとすると先代赤の王とは恋敵ということか。紫の王については原作でも描写が少ないのですが、どうせなら「実は紫の王はツンデレどじっ娘属性で二人が振り回されてた」展開を個人的に希望したいところです(笑)。
彼が突如失踪したのは三年前。各レギオンではリアルで付き合いがなくても連絡がつくように匿名アカウントやメーリングリストを作っているようですが、クリキンは誰にもリアル事情を説明しなかったらしく、PKにリアルアタックされてポイント全損したのではないかと噂されていました。
付き合いの長かった黒雪姫も当時はそれなりにショックだったようです。そんな相手と修学旅行先で偶然の再会・・・というドラマチックな経緯にも関わらず、甘酸っぱい展開がまるで想像できないどころかエネミー戦はじめちゃうのがこの人達らしいというべきか(笑)。
上記エピソードは「黒雪姫が(面白おかしく)語る昔日の栄光」的な流れですが、アニメでは過去話全カット。むむむ。尺的に手抜きとは言わないけど、もうちょっと何かオリジナルエピソードでもいいからフォローが欲しかった。
なんというかクライマックスで恵のアバター(オーキッド・オラクル)が告げる「私ももう後ろは見ないから」が浮いてしまったような感じが。「失われた黄金の日々に心惹かれ続けた少女がもう一度前を向く」がテーマだと思うんだけど。既読者的にはもったいない展開にしたなあと思ってしまいます。
今回アニメ初のエネミー戦があったので少しエネミーについて補足。
エネミーはAI(?)による自立行動力を持つ加速世界の住人で、通常これを狩る際にはターゲットをとる(正面攻撃を受ける囮)役とダメージを与える役の二人以上が必要です。クリキンはルカを子にすることで狩りの最低条件を満たし、ちまちま稼いだポイントでルカとマナを鍛えています。
エネミーの戦闘力は弱い順に
「小獣級(レッサー)」
「野獣級(ワイルド)」
「巨獣級(ビースト)」
「神獣級(レジェンド)」の4階級に分かれます。
大雑把に小獣級エネミーはLv7ハイランカーと同程度の戦闘力です。というかソロで小獣級を狩れる実力がハイランカーの条件のようです。
今回のような神獣級になると大レギオンから数十人規模で選抜メンバーを出してようやく戦いになる程の凶悪さで、まずまともに相手をするレギオンはありません。(黒雪姫が率いた第一期ネガ・ネビュラスは神獣級狩りをやった経験があるらしいですが)青の王は神獣級をソロで狩った偉業により「神獣殺し(レジェンド・スレイヤー)」の二つ名で呼ばれています。
エネミーの飼い馴らし(テイム)は特定のアビリティ又はアイテムにより可能という噂はあったのですが、実際の成功例は知られておらずテイムエネミーを戦闘に使用したのは今回のサルファ・ポットが初。
さすがにブラック・ロータスもエネミーが必殺技を使うことは想定していなかったようです。素でさえ強力なエネミーが必殺技持ちとか普通なら心が折れますが黒の王は普通じゃなかった、というかルカマナに「自分がターゲットとるからお前ら攻撃しろ」とか漢らしすぎます先輩。
辺境ファーミングの発想はともかく言動が小物っぽいサルファ・ポットは一応ポイント全損することもなく、黒の王の尋問を経てログアウトした模様。
彼の使ったチート手段はタクムの使用したものと同一ですが、非加速者のニューロリンカー経由ではなくBrainBurst2039の入ったニューロリンカーを経由することで修正パッチのロジック(非加速者のリンカーからは対戦フィールドに入れない)を回避したようです。
ニューロリンカーは扱いとしては免許証と保険証とキャッシュカードと住基カードを一緒くたに携帯端末に入れたようなもので、一人で複数所持はできません。固有脳波でイニシャライズされている為他人のリンカーを使うことも技術的に不可能とされ、紛失等による再購入には役所の手続きが必要です。
つまり無記名の(所有者のいない)ニューロリンカーというのはまっとうな手段では手に入らないのです。クリキンが「とことん最低だ」と言っていたのは非合法の(恐らくは暴力的)手段に訴え入手したことを想像したものと思われます。
どうにもきな臭い連中の影が見えはじめたこの辺の展開からがアクセル・ワールドの本筋です。
東京に残されたハルユキ達にもその暗い手が伸びてくる次回以降が楽しみです。