人類は衰退しました 第7話
『妖精さんたちの、じかんかつようじゅつ』
≪あらすじ≫
どうも、“わたし”です。
またしても過去回ってヤツなんですよね。繰り返しやるなよって? それは察して下さいよ。何せアニメ化する際に1話に持ってきた話は、原作だともっと先のお話だったんですもの。
コホン。失礼。今の発言は忘れて下さい、ええ、こんなメタな発言をしたことが知れたら“おじいさん”になんて言われることか。
今回はそんな口うるさい“おじいさん”がいつも以上に口うるさいって話です。
ゴメンナサイ、違います。
まぁ、間違ってないんですけどね。本当は私が、“助手さん”と逢うお話だったはずなのですが、気がつけばまた“妖精さん”です。
そういうことなので、皆さん、察して下さい。
あ、“妖精さん”。これを見ていたら、今後「バナナの皮を踏んづけて転ぶ」というあまりに古典的を通り越して「ふとんは、ふっとんだー」くらいに化石みたいなネタを“わたし”で多用するのは辞めてください、はい――
≪感想≫
ループ物。アニメなりのカットがあるのか、原作通りなのかは分からないが、テーマとしては面白いもののアニメーションとしては延々同じシーンが間延びするように続くので演出が難しいものだが、小気味良いテンポでサクサクと進んでいくので観やすい。
最初は「なんのこっちゃ?」状態な主人公の“わたし”がその聡明さで状況を少しずつ理解し、その腹黒さを活かして抵抗を試みるもその斜め上を行く“妖精さん”の力の前には無力に終わる点も、フィクション作品としてはシュールで面白い。
そう。
結局、“わたし”はこの“妖精さん”が仕掛けたタイムループ現象においては何も出来なかった。辛うじて残っているわずかな記憶と感覚を活かして、ループの引き金になっているバナナを加熱したりしてみたが、どれもこれも無駄で終わる。ループが終わるその瞬間まで、彼女は“妖精さん”の手のひらで踊らされ続けた。
まぁ、そんなことは今さらと言えば今さらか。同類誌に取り込まれた時だって彼女は無事クリアすることは叶わなかったわけだ(脱出したのはクリアしたからではなくリタイアしたからで)。
そうやって観ていくと、個人では抗いようがない巨大な力に結局個人は負けるのだ、と言うのを何となく突きつけられている感じがするw
特にアニメやラノベなどサブカル作品に多いのは、個人で多数の敵を相手に出来て、おまけに勝ててしまうと言う描写。圧倒的な強さ、それは時に武力であり、時に権力であり、時に人脈かもしれないが、そうしたモノによって「どう考えても不利」な数的劣勢を跳ね除けてしまうのだ。
そうした“あり得ないこと”を描いて、勝利を収めてしまう主人公たちに爽快感を覚えるようなこともあるが、同時にそれはやっぱりフィクションでしかない。フィクションなのだからフィクションで良いのだけど、そのフィクションを使って何らかのメッセージを伝えようとする作品になればなるほど、それは困ってしまうと思うのだ。この作品もそんな作品たちの一つだと思う。
「数的不利や相手が巨大権力だった場合、個人の力では勝てない」と言うのは、どこまでも残念なほど非情で冷酷で、そして現実的な結論である。1:10で戦って勝てるかと言われれば、普通の人はたぶん無理。場馴れしてたり、何らかの訓練を受けたりしてスキルがあって戦い方を工夫すれば何とか五分五分レベルだろうか。
だが、1:100になった時に勝てるかと言えば、たぶんどんな達人にも策士にも個人だけで打ち勝つ術は出てこないだろう。
悔しいけれど、それがやっぱり現実なのだ。フィクションを使って現実を描くと言うのはそれ自体が皮肉ではあるが、現実に生きる作者がフィクションと言う二次元を使って何らかのメッセージを表現するのだから、そのメッセージ性が強ければ強いほど残酷なほどの現実を表しているのはもしかしたら必然なのかもしれない。
そして、それは正しく“わたし”と“妖精さん”だったわけだ。どちらかと言うと“妖精さん”は数的不利な相手と言うよりは、巨大な力を持った相手と言う意味合いの方が強いと思うが。
15Fのような「非常に危険な半面、非常に安全。あなたはトラブルに見舞われるだろうが、一方で死ぬこともない」という状態がコレ。“わたし”の命運は“妖精さん”の手のひらの上なわけだ。
(・ワ・)<ばなな、たべます?
コレに命運を預けているわけだから、何とかしようと奮闘する彼女の気持ちも分からなくもないがw
さて、話は脱線しているが、『人退』において一つ、他の作品と一線を画す要素は主人公である“わたし”たちが、“妖精さん”の企みに勝てることがまずないということ。別に“妖精さん”はライバルではないし、ある種のお助けキャラでもあるので、そうした感覚は薄いとは思うのだけど……それでも、他の作品ならもっと主人公である“わたし”は、“妖精さん”をアッと驚かせるような秘策や行動でドヤ顔をしてもおかしくない。しかし、この作品にソレはない。
(もちろん、いつでも“妖精さん”は完璧でもない。1話や6話では弱点なんかも見えたりする)
それはつまり、“わたし”では“妖精さん”に太刀打ちできないと言う事実が、そのまま数的不利や圧倒的な力の差に個人で太刀打ちする限界が、皮肉な形でこめられているのではないかと思ってしまう。
≪TB先 参照リンク(URLアルファベット順)≫
赤字はTBが現在弾かれてしまっているBlog様です。
現在、nifty系、so-net系はほぼ全滅。livedoorは調子がいいと送れます。
・http://84870.blog13.fc2.com/blog-entry-2539.html
・http://akikakeru.blog117.fc2.com/blog-entry-1490.html
・http://animedouganews.blog44.fc2.com/blog-entry-2214.html
・http://blog.livedoor.jp/puzzlize/archives/51851096.html
・http://chunou2.blog97.fc2.com/blog-entry-1251.html
・http://fanblogs.jp/gyobayashi/archive/2817/0
・http://go9sai4kio.blog.fc2.com/blog-entry-145.html
・http://hienkyaku.blog50.fc2.com/blog-entry-2866.html
・http://khstar.blog110.fc2.com/blog-entry-418.html
・http://kouyanoblog.blog61.fc2.com/blog-entry-4640.html
・http://luvnail.blog46.fc2.com/blog-entry-1549.html
・http://nanohana0103.blog.fc2.com/blog-entry-526.html
・http://natusola.blog105.fc2.com/blog-entry-316.html
・http://nobufu.blog.fc2.com/blog-entry-186.html
・http://norarincasa.blog98.fc2.com/blog-entry-1019.html
・http://picoro106.blog39.fc2.com/blog-entry-6187.html
・http://timediver2010.blog27.fc2.com/blog-entry-3117.html
・http://wendykai.blog60.fc2.com/blog-entry-1847.html
・http://yamitarou.blog75.fc2.com/blog-entry-3556.html
もしよろしければ、拍手ボタンをポチッと押して下さいm(_ _)m 管理人のモチベーションが上がります(ぉ
Web拍手に頂いたコメントは後日『Web拍手レス』にてお返事させていただきます。
(・ワ・)「さくしゃは、たなかろみおですからきっとなにかあります?」
ロミオ氏はエロゲ&ギャルゲ業界からとてつもない人気を誇り、エロゲのシナリオライターランキングを作ればかならず1位になるほど(そのぶんアンチもいますが)。
Fateの奈須きのこ氏は、ロミオのCROSS†CHANNELには届かないと言っているらしいです。ソースはわかりませんが。
↓プレイ動画です
家族計画
http://www.nicovideo.jp/watch/sm1229804
おたく☆まっしぐら
http://www.nicovideo.jp/watch/sm725002
神樹の館(双子のみ。残りは希氏)
http://www.nicovideo.jp/watch/sm2085770
ロミオ氏の作品はメッセージ性が四方八方から殴りつけてくるような作品で、考察は腐るほど出来ます。興味が沸いたら少し覗いてみてみてくだいさい。ロミオワールドを。
それと、妖精さんはホントとんでもないことしますけど、とても優しいですよ!
11,12話である「ひみつのおちゃかい」が放送されれば分かることだと思いますけど。……多分。多分、よほど下手な調理をしないかぎり、ですがね。
長文、失礼しました。