Fate/Zero 総評
衛宮士郎がセイバーと共に戦い抜いた第五次聖杯戦争。その中で断片的に語られていた十年前に行われた第四次聖杯戦争の全貌が今、明らかになる!
第三次聖杯戦争で、「始まりの御三家」の一角ながら早々に敗退しプライドをズタズタにされたアインツベルン家は、第四次聖杯戦争では勝ち抜くため、誇りを捨て初めて外部から聖杯戦争の為だけに魔術師を一族に受け入れることになった。
その名は、“魔術師殺し”の異名を持つ衛宮切嗣。
妻として娶ったアイリスフィール・フォン・アインツベルンとの間に一子をもうけた彼は、いよいよ聖杯戦争に挑む。そのために召喚されたのは、アインツベルン家が総力を挙げてコーンウォールから発見・回収してきた“とある英霊”が使っていた剣の鞘。
それを触媒にして召喚されたサーヴァントは、最良のクラス・セイバー。その中でも、世界的に圧倒的な知名度を誇る政権の担い手アルトリア・ペンドラゴン(アーサー・ペンドラゴン)。しかし、戦いそのものの悲惨さを覚える切嗣にとって、戦いに騎士道精神を持ち込み神聖化する彼女との相性は最悪だった。
一方、父を介して知り合った魔術師・遠坂時臣から極秘裏に聖杯戦争への協力申し出を受けた言峰綺礼はそれを快諾する。聖杯は、聖杯を必要とする人を選ぶ。そう、言われたが綺礼には自分が聖杯を欲しているとはとても思えなかった。
そんな折、聖杯戦争参加者を調べ上げていた綺礼の目に留まったのは、衛宮切嗣と言う存在で――
そんな『Fate/Zero』の私の評価ですが...
S
です。(SS、S、A~Dの評価)
では、詳細は続きをどうぞ。
※あくまで評価は、私的主観によるものですのでご了承下さい。
総評
放映日:2011年10月~2011年12月、2012年04月~2012年06月(全25話※1時間SP含む)
私が視聴した放映局:TOKYO MX、テレビ埼玉
総評
※評価についてはこちらからどうぞ→評価について。
シナリオ構成 評価:B
原作が小説(おまけに二次小説)であるための弊害がちらほらと見える。最初から物語としての結末が決まっているため、いかにそこに至るまでの過程を描けるかという部分になってしまうので、じゃあこの作品を通して訴えかけたいモノを感じ取れるかと言うと、私にはちょっと難しいと思ってしまう。
既存の原作をアニメ化する際にも、1stシーズンと2ndシーズンの3か月の休止期間となる区切りも、あそこで適切だったのかと問われると、私はやっぱり首を捻ってしまう。
演出 評価:S
主に切嗣と綺礼という二人のキャラクターの内面を中心にそれぞれのキャラクターが、ある意味で魔術師やら何やらと言いながらもリアルな人間としての感情や信念、理念のぶつけ合いだったところが見れたのは良かった。特に1話や13話、24話がそうなのだけど、カメラワークの演出も光っている。
サーヴァント同士の近接戦闘も迫力があってとても良かったと思うし、何より魔法染みたサーヴァントたちの宝具演出は完璧だったと言えるだろう。
作画 評価:S
この作品の作画クオリティでSをつけないわけにはいかないだろうw パッケージ版では修正を必要とした部分ももちろんあったが、ハッキリ言って劇場アニメ相応のクオリティを毎週観ていたようなものだ(毎週ではないにせよ)。
スタッフの皆様はそれこそ血と汗の結晶であろうこの作画クオリティを週一で観れるというのは、贅沢な時代になったものだとしみじみと感じさせる。
CAST 評価:S
第五次聖杯戦争参加者ですでに確定しているキャストはともかくとして、新規で選出されたキャスト陣はかなり豪華で納得(当初はドラマCDが先だったので、この豪華さだったとも言えるが)。特にキャスター役の鶴岡聡には脱帽。あのキャラクターをあそこまで演じ抜いたのは、素人目にも本当に凄いことが感じられたし、プロの声優の実力を感じさせてくれる。
OP/ED/BGM 評価:S
楽曲も、第一期、第二期問わずクオリティが高い。BGMも場面を盛り上げるモノばかりで、これ以上のものはない。楽曲面に限らず、本当に「作品のクオリティ」と言う部分に関して言えば、昨今稀に見るほどの最高クラスと言えるだろう。
総合 評価:S
内訳:S評価(5点)×4+B評価(3点)×1=S(4.6点)
SSやS+に届くかとも思ったが、この評価方法ではどこか一つが伸び悩むと届かないねw
と言うわけで、演出・作画・CAST・楽曲はSだったが、及ばなかったのはシナリオ構成か。個別に批評しているが、原作の性質上どうしても及ばない部分があるし、アニメ化した際の弊害もあったので、個人的にはアレでも高く評価している方なのだけどね。そこは、個人差。アニメーションと言うモノに何を求めているか、と言う部分でもあるので、見る人によっては辛めの評価に見えるかもしれないが、ご容赦願いたい。
とはいえ、上記のようにほとんどの項目で最高のS評価。それにふさわしいだけのハイクオリティの作品だったと思う。そのために分割2クールと言う手法だったわけだが、『Fate/Zero』あるいは七月から分割後期クールの放映が始まる『境界線上のホライゾン』含め、こうした作品の評価(人気や売り上げなど)が高まれば、そう遠くない将来、こういう手法が(特に2クール程度の作品なら)増えてくるのかもしれない。
でも、ufoもそうだが最近のアニメ製作会社やスタッフは演出や作画のクオリティが高いので、あとは面白い原案や原作に出逢うだけかと思っていたのだが、必ずしもそうではないのだなと思ってしまう。
原作が面白くても、それをアニメ30分用に区切ったり、改変したりする作業で躓いてしまうこともある。むしろ、そこが大切であって、躓いてしまって原作の存在が逆に足かせになってしまう作品と言うのもやっぱり有るのだなと思う。振り返ればそういう作品も少なくは無い。
原作の有無に関わらず、感想Blogを巡っていると時折目にする監督や脚本家に注目している方々が、(時として放映されてる作品の内容以上に)そうした方々に注目しているのか、と言う理由がようやく私にも少しだけ感じられた気がする。
おまけ
ベストキャラTOP3
1位 ウェイバー・ベルベット
やっぱりベストキャラとなると彼だと思うんだよねw 主人公で、ヒロインで、サブキャラwww イスカンダルとのコンビが本当に良かった。
2位 イスカンダル
もう上位二人は完全にコンビ受賞みたいな感じかなw 従来の『Fate』シリーズにはなかなかいなかった良い形での先達と言う形が余計に良かった。
3位 衛宮切嗣
個人的には切嗣の言い分と言うのは、納得の出来る部分なのだよね。だからこそ、彼の辿った結末がああだったのは、悲しいし切ないけどきっと必然だったのかな、と。まぁ、でも切嗣は士郎の存在に救われている分だけ、救いがまるでなかった展開よりは何倍もマシだと思うw
セイバーやギルガメッシュといった前作からの引き継ぎ組の声優さん達も、SNの頃よりパワーアップした演技を聴かせてくれた様に思います。
音楽は、まどマギの時の様に楽曲単体で話題に上る様なインパクトある物ではなく、シーンありきで絶妙のタイミングで挿入される物が多かったですね。
第一話から「映画みたい!」と思わせてくれたのは、梶浦さんの音楽による所が大きいと思います。