アクセル・ワールド 第10話
『Activation ; 出撃』
≪あらすじ≫
ニコこと上月由仁子(スカーレット・レイン)によって、ネガ・ネビュラスに持ちかけられた「災禍の鎧《クロムディザスター》」への討伐協力。必要なのは、ハルユキ(シルバー・クロウ)の持つ飛行アビリティ。
それを承諾した黒雪姫(ブラック・ロータス)。タクム(シアン・パイル)も加え、災禍の鎧《クロムディザスター》の討伐ミッションに挑む。
一方、ハルユキとタクムは「自分も《バーストリンカー》になる!」とどこまで本気なのか、そう口にしたチユリに頭を悩ませていた。《ブレインバースト》をコピーインストールするのは、その成否にかかわらずただの一度きり。故に、《バーストリンカー》にとって親と子という関係は、他のどの関係よりも強固になると言う。
チユリへのコピーインストール問題はタクムに一任されたものの、ハルユキは黒雪姫の親が誰なのかと言う疑問と好奇心に襲われ、彼女にそう問いかけるが、彼女は「今はまだ話す時ではない」としてハルユキにその正体を口にはしなかったが、特別な関係ゆえに相手を強く憎むこともあり、それが自分なのだと彼に打ち明けるのだった……。
いよいよ始まろうとした《クロムディザスター》討伐ミッション。ニコによって出現ポイントが割り出されたが、そこに向かう途中、彼らは思わぬ襲撃を受けてしまう。その中心にいたのは、黒雪姫らと同じLv.9の王の一人である黄の王《イエロー・レディオ》で――
≪感想≫
二週間ぶりの『アクセル・ワールド』。割とラブコメ要素が強い内容で、仕切り直しの「災禍の鎧編(?)」の再スタートとしてはなかなか悪くないだろう。最初からド派手に戦いまくってくれるのも悪くは無いと思うが、相変わらず物語の区切り方が巧く、気になるところでのエンディング挿入と次回予告は今期のアニメの中でもかなり上手な部類だと思う。
大きな要素は三つだろうか。一つ目は、《バーストリンカー》における「親」と「子」の関係、あるいはその条件。チユリに関する部分はどう考えても、チユリが《バーストリンカー》になるフラグだろうが、重要なのは黒雪姫の「親」だろう。
言動から察すれば、
・《現実世界(リアル)》では女性である
・黒雪姫の、《現実世界》への影響力が大きい
・まだ《加速世界》に存在している
・おそらく敵対している
この四つが推察できる部分か。
もしかしたらハルユキが知っている人なのかもしれない。そうでなければ、黒雪姫は「女としての醜い嫉妬~」とは口にはしないだろう。彼女が、親の正体をハルユキに口にした時に彼が《現実世界》でも《加速世界》でも、その「親」である彼女に接触する可能性がないのであれば、口にしても問題は無かったはず。
つまりは、割と近くにいる可能性がある、と言うことなのだろう。おまけに、《バーストリンカー》としてもリアルな女性としても、ハルユキが自分と同等に執心してしまうのではないか、と怖れ嫉妬するほどに。黒雪姫に自信があるのなら、そうした嫉妬は生まれない。嫉妬が生まれると言うことは、嫉妬する状況(つまり、ハルユキが黒雪姫の「親」に心ひかれ、それを見ている黒雪姫が嫉妬する)が生まれる可能性がそれなりにあるのだ、と黒雪姫が考えている証拠だ。
まぁ、親の親はリアルなら祖父母に当たるわけだから、その辺りの関係性を人情の厚いハルユキなら下手に感化されやすい、と考えただけなのかもしれないが。
可能性としては、ハルユキと黒雪姫の両方の間近にいる女性……と考えると、今のところ黒雪姫の生徒会関係か、学校関係くらいだが……その可能性はあまり高そうではないので、また後付けで新キャラ出てくるような気もする。
憎悪渦巻く黒雪姫の「親」に対する感情とは裏腹に、ハルユキの「親(黒雪姫)」への感情は愛情や尊敬。その対比が、たぶん今回やりたかったことの一つなのだろう。「彼女と戦うくらいなら、戦う前にアンインストールする」とまで口にしたハルユキ。それは、その後ニコに口にした「エンディング~~」の話とはかなり矛盾する話のような気もするが、彼にとってはニコに話したゲーム論よりも黒雪姫への恩義や情の方が単純に優先度が高いと言うことか。
ハルユキにとって「ゲーム」と言う存在の大きさを考えれば、黒雪姫への好感度はすでにMAXなのだなと思うが、黒雪姫としてはその好感度が「恋愛」ではなく「恩義」「忠義」に傾いているのが悩ましいところなのだろうねw
二つ目は、無限フィールドの出現。Lv.4以上と言う条件があるようだが、それを差し引いたとしても《加速時間》にとどまれる時間に制限がないのは大きいな、と。例えば、《バーストリンカー》が休日に丸一日そのフィールドにいるだけで、体感時間で三年が経過するのだ。
肉体の刻んだ時間と、精神(魂)の刻んだ時間のズレ。それは黒雪姫やニコのように、本来の年齢からかけ離れた精神年齢を持つことの原因になっている。
もし仮に、あのフィールドに丸一日(《加速世界》で三年換算)いたとしたなら、それなりに人格は成長なり変化なりするだろう。大幅な時間の経過は嫌でも精神年齢を助長させるし、同時にレギオンに属しての行動やチームでの“狩り”をしているのであれば、相応の人間関係が発生するわけだからそこで三年も過ごしていれば必然的に精神年齢は上がっていく。NPCだけのRPGを前にずっとゲームしているのとはワケが違う。ある意味でオンラインゲームなわけだから、そこの人間関係は現実世界と同義……とまで行くかは分からないが、それに近い要素はある。
ただ丸一日(三年)いたから、三歳年を取ると言うわけではない。
それは黒雪姫やニコがどれほどの時間、《加速世界》にいたかを考えれば分かる。丸一日いて三年なら、Lv.9の彼女たちがそのレベルに到達するために必要なだけのポイントを得るだけの年数は数十年、下手をすれば百年近いのかもしれない。
それを考えると、まだ二人も精神的には若いw 当たり前だが、ゲームの中で一年経てば精神年齢が一歳年を取るというわけではないのは、当たり前と言えば当たり前か。
最後の三つ目は、《イエロー・レディオ》の目的だ。あれは全部、黄のレギオンメンバーなのか、そうではないのか。
青のレギオンが青ばっかりだから、個人的にそう錯覚しないようにしようとずっと思っていることなのだが、別にレギオンの色はそれを統治する王の色なわけだから、組織として「青色のデュエルアバターを持つ《バーストリンカー》は青の王に仕えないといけない」と言うわけではないのだから、一応全部あるいはほとんど黄のレギオンのメンバーである可能性もあるのか。
そこで襲われたハルユキたち。狙いは……ニコ(スカーレット・レイン)だろうか。タクム(シアン・パイル)が狙われる理由はないはず。ハルユキ(シルバー・クロウ)も唯一の飛行アビリティ持ちとはいえ、自陣に強引に引き込むほどの能力かと言えばそうでもないから、狙われるとは思えない。
そう考えれば必然的に《イエロー・レディオ》の狙いはLv.9のどちらか、あるいは二人ともと言うことか。もし、今回の《クロムディザスター》の一件が全て仕組まれていたことなら、当然あぶり出されおびき出されたのは黒雪姫ではなくニコの方、ということになる。
Lv.9を倒した時に得られるポイントはおそらく相応のもの。もしかしたら、この無限フィールドを使ってLv.9を狩ってLv.10ないし周囲の側近(?)のものたちの効率的なレベルアップを狙っているのかもしれない(その前の黒雪姫たちの台詞が伏線になっているのならなおのこと)。
まぁ、いかにもなピエロ風のアバターで、どんな計略をその胸の内に抱いているのかは、次回以降のお楽しみと言うことにしておこう。
次回『Obligation ; 宿命』
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レディオさんのセリフが、ない・・・だと。
どんな声かと期待していたのですが、来週までおあずけか、むむむ。
さて、上級加速コマンド「アンリミテッド・バースト」ついに解禁となりました。
通常加速対戦とは異なる「無制限中立フィールド」でのハルユキの初陣です。
このアニメではゲームシステムに関わる用語説明を極力短くしてセリフの増加を避ける演出方針のようですね。小説の地の文全てをセリフ化できない以上、至極妥当な手法だと思います。ゲームルールの演出が少々わかりづらくなるかもしれませんが。
大雑把にいうと「ヴァーチャロン(懐かしいなオイ)」がいきなり「モンハン」になった感じ(?)。
「通常対戦フィールド」の単一エリア内1800秒一本勝負に対して、時間無制限・対戦相手無制限・対戦人数無制限・対戦回数無制限・移動距離無制限(+エネミー退治によるボーナスポイント支給あり)という、懐かしの格ゲーから最新MMOへのルール変更でした。
シルバー・クロウの視界内ステータス画面にタイムカウントが表示されず、またカウンター横の対戦相手ステータスゲージも取り払われていました。
ここではデュエルボタンによる対戦申込ではなく、フィールド内で見つけた相手に直接アタックできます。不意打ち・待ち伏せ・多人数による殲滅なんでもありです。タイムアップもないので、敗北によるポイント損失が保有ポイントを上回るまでひたすら戦い続ける無限デスマッチが可能です。
そんな危険極まりないゲームに参加するバーストリンカーたちの目的は「より強大な敵を討つこと」あるいは「より多くのポイントを得ること」。ただ本来この二つは加速世界にいる全バーストリンカーにとってイコールで結ばれている理由であったはずです。
しかし現状は相互不可侵条約により六大レギオン所属リンカーの領土外への遠征対戦が制限され、かつて七王旗下の精鋭として覇を競い、大量のポイントを保有した7Lvオーバーのハイランカー達の多くは通常対戦フィールドを去り、週末の領土戦においてさえ今や1Lvの初心者から5、6Lvの中堅ランカーたちがなけなしの保有ポイントをかけて不毛な小競り合いを繰り返すばかり。
そんな中をコツコツと6Lvまで積み上げ、赤の王旗下に名を刻もうとしたであろうチェリー・ルーク。
数多の対戦を経ても未だ見えない先行きに絶望する彼にとって、無制限中立フィールドでのバーストリンカー狩りは禁断の果実であったことでしょう。それを自分のせいだと責めるニコと何も間違っていないと認めるハルユキのやりとりがなんとも切ないです。
第5話で黒の王が復活に際して「剣をとれ、炎を掲げよ」と叫んだのは、かつての栄光を失った自身を奮い立たせるためだけでなく、自分たちの未来を望み続ける力を信じられなくなった全てのバーストリンカーたちへの叱咤であったのかもしれません。