LUPIN the Third -峰不二子という女- 第10話
- ジャンル:[アニメ・コミック]
- テーマ:[LUPIN the Third~峰不二子という女~]
『死んだ街』
≪あらすじ≫
ルパンの前に現れたのは、ルパンに不二子を盗んでほしいと依頼した梟頭の老伯爵の従者。ルパンは、依頼など関係なく自分の意思で盗むのだと告げるが、彼らがなぜ峰不二子の存在に執拗にこだわっているのか、ルパンも気にはなっていた。
その折、ルパンが訪れたのは十三年前にグラウコス製薬という会社の策略で街ごと地図上から消失させられた都市オイレン・シュピーゲルだった。そこで精製される麻薬はフロイライン・オイレ。
それは以前、ルパンが同じ名前の島でフラフラ様という偽りの教祖が使っていたものと同じ麻薬だった。
一方その頃、ルパンを追う銭形は同じくかつての事件からルパンが盗もうとした宗教集団の麻薬の結晶は、宗教組織に造れるモノではないと感じていた。それが可能なのは、薬を造れる製薬会社のみ。
歴史の裏で暗躍し巨万の富を得ていたグラうコス製薬を牛耳るアルメイダ伯爵の存在に辿り着いた銭形は、伯爵とルパンが何らかの目的――峰不二子によって通じていると推察し、伯爵の別邸へと足を運ぶ――
≪感想≫
早めのネタバレ回。後はここから、『ルパン』通りの結末を描けるか、と言うことになるだろう。それこそこれが全部誰かの妄想や夢オチでない限り、変な結末は用意されていないだろうし、むしろ視聴者だってそういうことは多かれ少なかれ折り込み済みで観ているわけだから、この作品に限って言えば大切なのは結果よりも過程と言うことが出来るのかもしれない。
ルパンと梟たちとのやり取りは、麻薬と言う要素による幻覚作用があるので、どことなく『VS複製人間』のマモーなんかを強く感じさせる。オイレン・シュピーゲルで出てきた博士の初登場の台詞は、『カリオストロの城』に出てくる庭師のお爺さんとほぼ同じ台詞で、この辺りは人気の高い作品からのオマージュを新キャストの新しい物語に取り入れている、と言うことなのかもしれない。
今回、個人的にはとても難しいコトに挑戦しているな、と言う印象を受ける。と言うのも、先に上げたように麻薬に限らずこの手の幻覚作用ネタは、物語としては多用されている古典的なネタであるが、その特性から「どこからが現実でどこからが夢虚ろなのかの境界線を曖昧にしてしまう」という部分がある。
境界線が曖昧になると、決着の付け方が難しくなる。今回だってルパンや銭形の銃弾は命中しても幻覚だった彼らには何の致命傷にもならなかったわけだ。そして、何よりそんなシーンを、しかも時系列がコロコロと変わる中で見せられている視聴者は戸惑う。偉そうに書いている私だって、今回の細切れエピソードを時系列順に完璧に並び直せるかと問われれば、それは無理だと答える。幻覚ネタの上に時系列シャッフルなんてされたら、どれが正しい並びか、なんてのはほとんど見出すのが難しい。
と言うわけで、物語的にもそういう相手に対して立ち向かい、作品的にも戸惑う視聴者に対して勝利(成功)を収めると言うのは、一言で言えば「説得力ある解決法」がなければならない。
ここで説得力のない解決法で物語が完結すれば視聴者は肩透かしを食らうだろうし、だからと言って幻覚を使う相手に対して立ち向かい方など早々、簡単に見いだせるものでもない。
おまけに前述のように、この作品はあくまで『ルパン』だからその終わり方にはある程度、『ルパン』らしさが求められるので、奇をてらった終わり方も難しい。『ルパン』らしい終わり方を用意しつつ、そこに辿り着くまでに幻覚と言う目に見えぬ厄介な敵に対する有効打がなくてはいけないのだ。
と言うわけで、新しいコトに挑むと言う意味ではなく、難しいと分かり切っているコトに敢えて挑んでいると言う意味で、この作品、物語の結末に向けて自らいばらの道に突き進んでいる。
私としては、内容も雰囲気もここまではとても良いと思う。良くも悪くも視聴者を突き離し、混乱させているのは成功と言っていいだろう。あとは一度突き放した視聴者をどうやってもう一度惹きつけられるか、と言うところか。このいばらの道の先にはちゃんとした素晴らしいゴールが待っているのだと信じるばかりではあるが……。
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