アクセル・ワールド 第9話
『Escalation ; 激化』
≪あらすじ≫
ハルユキ(シルバー・クロウ)のハトコと偽ってまで彼に接近してきた赤毛の少女・ニコこと上月由仁子(スカーレット・レイン)。《ブレインバースト》でなし崩し的に始まったハルユキとのバトルで、“赤の王”の称号と地位に相応しい力で勝利を収めた彼女は、あろうことか「リアルで“黒の王”に逢わせろ」とハルユキに要求を突きつけた。
ハルユキから事の顛末を聞いた“黒の王”こと黒雪姫(ブラック・ロータス)は、自分たちのもう一人のレギオンメンバーであるタクム(シアン・パイル)とも相談し、ハルユキの自宅で会談を持つことを決める。
当初はハルユキ一人で会談の進行役を務めるつもりだったが、やっぱりハルユキはリアルではてんでダメ。タクムに泣きつき急遽来てもらうことで、なんとか黒の王と赤の王のリアルでの会談が始まる。
自己紹介を終えたところでニコは黒の王――というよりも、そのレギオンメンバーであるハルユキに、とある事件解決のために協力をしてほしいと要請してきた。
それは、災禍の鎧《クロムディザスター》の討伐。
《クロムディザスター》は自分を含めた当時の王たちで討伐し消滅を確認したと言う黒雪姫だったが、ニコは自分のレギオン《プロミネンス》の一人が五代目《クロムディザスター》となって他のレギオンに襲いかかり暴れていると主張。
レギオンマスターとして討伐しなくてはいけないが、飛行アビリティに近い空中機動を行う相手を捕獲するため、《加速世界》唯一の飛行アビリティ所有者であるハルユキに接近したのだ、と告白するニコに黒雪姫は協力を承諾。しかし、タクムは「Lv.10を目指すのであれば、他の王は全て敵。罠の可能性もあるのでは?」と苦言を呈するが――
≪感想≫
お泊りイベント勃発www
いや、普通イベントって「勃発」って単語使わないんだけど、今回はそんな感じw ケーブルの長さに嫉妬し、自分の好きな相手が自分以外の女性と一つ屋根の下で寝泊まりすると聞けば「自分も泊まる」と言い出す辺りは、年相応の乙女。まぁ、それもニコの台詞を考えればおかしな話なんだろう。1秒を1000倍にした《加速世界》へのダイブを繰り返し、Lv.9にまで到達しているのであれば、そのために要したプレイ時間は膨大なはず。
《ブレインバースト》のプレイ時間がどのように計測されているかは分からないが、例えばリアルで1時間分のプレイ時間だったとしても、それは《加速世界》で1000時間プレイしていることに等しいはず。
おそらくこの先も、年齢や容姿とギャップが大き過ぎる大人びた言動のキャラは多々出てくるのだろう。そもそも黒雪姫にしたって、彼女は本来中学二年なわけだからそれを考えれば、彼女の言動はひどく大人びているのも、こういうところに原因があるのだろう。
彼女が梅郷中で絶大な人気を得ているのは、思春期特有の大人に憧れる一般生徒の感覚と、《加速世界》での体験で見た目よりも、もしかしたら五年も十年も年を重ねていて実質上大人に近い存在とがマッチした結果なのかもしれない。
でもまぁ、そうは言っても所詮は《ブレインバースト》。ゲームや戦闘感覚だけは積み重ねられても、積み重ねることが出来ない恋愛経験だけは年相応の中学二年である点が、黒雪姫の魅力なのかもしれないね(まぁ、《ブレインバースト》でもデュエルアバター同士で恋愛が成立すれば経験値を積み重ねられるのだろうけど)。
あと料理スキルもかw でも、これは単純にニコが優秀なだけな気もするけれどね。《ブレインバースト》で料理することってないだろうしw と言うよりも、黒雪姫がカップ麺を手に取ったのはマジだったのか(料理スキルゼロなのか)、それとも自分よりも先に一晩すでに同じ屋根の下で過ごしていたニコへの当てつけなのかwww
さて、とりあえず物語として今後の短期的指針と、中・長期的指針が示された今回。
短期的には、まずは《クロムディザスター》とやらの討伐。これを果たせれば赤の王のレギオン《プロミネンス》とは不可侵条約が結べるようだ。いずれ倒すんだから不可侵条約の必要性も疑問視されるべきだが、まぁ王たちが集結して特定のデュエルアバターを討伐することもあるわけだから(それこそ先代の《クロムディザスター》はそうやって討伐されたわけだから)、自分たち以外の全てのレギオンに、同時に攻撃を受けないようにする意味はあるのだろう。
ニコはハルユキを割り出すのに200ポイント(とたぶん限りなく黒に近いグレーな犯罪行為)を消費した、その労力ももしかしたら買ったのかもしれない。200ポイントって言われても重みが良く分からんね。黒雪姫の時みたいにパーセンテージで示した方が原作未読には分かりやすかったんじゃないかな。「だいたい200ポイントくらい」って言われるより、「持ってたポイントの7割くらい使った」とか(もちろん7割というのは例えね。実際にスカーレット・レインのポイント総数なんて知らないし)。
《クロムディザスター》自体は、RPG系のゲームには良く存在している「呪われた装備」を巡る冒険と言うことか。まぁ、この手の装備はRPGでは「呪われた装備」で終わってしまうから、そこを掘り下げて見ていくと言うのは、面白い発想だと思う。「呪われた」わけだから、その呪われた経路やら使った者の末路やらがちゃんとあるのは、良いことだと思う。
そして、中・長期的にはLv.10を目指すこと。まぁ、物語的にはこれが最終目標な気もするが、Lv.10になったら「さらに上のマスターレベルがある」とか「Lv.11もあるんだぜ?」とかにならないとも限らないしw
それはさておいて、そう言う意味でタクムのような参謀的存在は視聴者にとってありがたい。目標をブレずに状況に流されずに今のところは捉えてくれているからね。
そしてタクムの台詞にハルユキとしても思うところがあるだろう。リアルでは一緒にゲームをして寄り添って寝るくらい仲が良くなったこの二人も、いずれLv.10を目指すならば戦わなくてはいけない可能性が高い。
情に流されやすいハルユキからすればそんなことは止めたいとも思うだろうが、それは黒雪姫のLv.10を目指す(高みを目指したい)という望みへの反抗であり反逆。さすがのハルユキもそれくらいは考えが至るだろう。
そこでどうハルユキが行動し、どういう結果になるのか。王道なら「黒雪姫を戦いながら説得して成功」って流れだが、「明らかに敵な新たなLv.9が出てきてそれを倒して行ったらLv.9を規定数倒してLv.10に到達」というウルトラCもなくは無いだろう。
まぁ、どのような展開と結末であれ、卑屈なハルユキがどう行動をするのかが楽しみである。
余談だけど、タクムはタクムで実は今のポジション、良い意味で充実してるんじゃないかと思う。ハルユキに泣きつかれて頼みごとをされ、ゲーム世界で王と呼ばれる二人の会談を取り仕切り、レギオンマスターは自分の意見も伺ってくれるわけだから。
まぁ、どの作品にも一人はいるよね、こういう出世キャラw いや、もともと重要ポジションだったわけだから出世じゃないのかもしれないけどwww
次回『Activation ; 出撃』
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たっくんがハカセにクラスチェンジ!
どちらかというと直情径行の向きがある黒のレギオンにおいて、感情を押し隠して冷静かつ適切な状況分析ができる参謀役としてシアン・パイルは重要なポジションを占めています。
最初の立ち位置こそ主人公のライバル的でしたが、クールに見えて奥底に熱い闘志を秘めるタイプはハルユキとのコンビ、というかヒロイン系相棒(笑)としてピッタリ。
・・・これ以上ハルの周囲にヒロイン増やしてどうすんだ作者。
薄い本でも作って欲しいのか。
さて、赤のレギオン内部で起きたクロム・ディザスター粛清問題の経過説明と共に描かれる黒のレギマスこと先輩の王の采配ならぬ王のデレツンが加速していくお話。
いやこれ中学一年生男子の家(親は出張中)に2人のかわいい女の子がお泊り、皆で買い物してご飯作って、風呂上りに深夜までレトロゲーム大会、で疲れてそのままリビングで雑魚寝とか。何ともジュヴナイル的で甘酸っぱい展開ですね。ハルユキの頭の中は一部Z指定のピンク色でしたが。
加速世界での戦いに没頭しリアルを果てしなく薄めてしまったと語る赤の王。
幼い容姿には似合わないどこかあきらめに似た態度と、それとは裏腹のはしゃいだ言動。
「これだからガキは」と言わんばかりに、それでもからかう様に面倒を見る黒の王。
そして祭りにも似たから騒ぎの後。月明かりの下で身を寄せ合って眠る姉妹のような二人の少女。
加速世界ではデュエルでの死闘をもってしか語られないバーストリンカーたちのリアルでの触れ合いを、まるで一夜の夢のようにはかなく描いた詩的なエンディングシーンは秀逸でした。
こういうせつないシーン描写で今後の激化する戦いを盛り上げる演出は使い古されていますが、このアクセル・ワールドには欠かせないものです。
以前黒雪姫が語った通りデュエルアバターとは深層意識から加速世界に抽出されるコンプレックス、つまりは「自己の欠落」の象徴と言えます。
欠落が生む痛みを未来を望む力の源泉とし、そこを拠り所に加速世界の自己を再構築(LvUP)していく。バーストリンカーのデュエルとは心の痛みを互いにぶつけ合う子供たちの物語でもあるのです。
まあ演出的には状況説明が恐ろしく駆け足で今後の話の整合性が激しく不安になりますが。このキャラクター同士の触れ合いについてきっちりと描く態度を崩さなければきっと楽しいアニメになるはず、と思いたい。
さあ次回からはクロムディザスター討伐戦、とおもったら放送一週飛ぶのか、残念。