ひぐらしのなく頃に #23
ひぐらしのなく頃に 第23話「罪滅し編 其ノ弐 還る処」
レナの取り戻した『還る処』……なんか、いつもの「ひぐらし」とはちょっと違うパターンになってきました。レナを皆で守っていく、と言う……。
ちなみに話題はちょっと変わりますが、とうとう『ひぐらしのなく頃に』のPS2版『ひぐらしのなく頃に 祭』が12月に発売されるようです。新エピソード追加となると、原作プレイ済みの方にも「買わなきゃ」と思わせる戦略で……おそるべし、アルケミスト( ̄∇ ̄;) と言うかね、Fateや連合vsZ.A.F.T.Ⅱが発売される12月に合わせなくても良いと思うわけですよ。もう12月だけで福沢諭吉さんが2人ほど家出の予定を立ててしまっていて……(つД`)
アニメの続きはOPENからどうぞ。
<あらすじ>
母に裏切られ、離婚した父。そんな傷心の父に近づく間宮リナの本当の正体と目的を知ったレナ。彼女の心には、もはやリナに対する敵意しかなかった。
レナは急いで家に帰る。確かめなければならないことがあった。
―――もし、リナの話が本当なら……リナの話の当事者が父ならば……
しかし、家に父はいなかった。
『急用が出来たので出かけます。晩御飯はいりません 父』
急用。もしかしたら、またリナ関係なのかもしれない。そう頭をよぎるレナだが、今はそれよりも確認しなければならないことがある。急いで、父の書斎に入り込み、手馴れたように金庫を開ける。中には通帳と、なぜか200万の現金。通帳の中身を見ると、その額は常に減り続けている。一度に下ろしている額も半端な額ではない。すでに、貯金の額は当初のものよりも激減していた。
改めて突きつけられた事実に、震えるレナ。思い起こされるのは、リナの言葉。
『何でも買ってくれるのよ』
レナの不安と推理は確信に至った。
翌日の学校。平和なことを退屈だと言う圭一に、レナは苦笑しながら答える。
「幸せな日々は有限」
いつもとは何処か様子の違うレナの疑念を抱くが、そこを魅音に茶化されてしまったため、圭一の頭には残らなかった。でも、レナの頭にはしっかりと残っていた。自分の言った言葉を、レナはただ反芻するだけだった。
家に帰ると玄関には赤いヒールの高い靴。明らかに女物であり、この家に出入りする自分以外の女性の存在など、今のレナには容易に想像がついた。
案の定、家の奥から出て来たのは間宮リナだった。どうやら今日は美味しいと評判のキーマカレーをご馳走させたようだ。手にはそのキーマカレーのレトルトだと言う。
「ちょっと3人でお話があるんだけど」
レナには話の内容がおおよそ想像がついた。それはすでにレナが経験している展開だ……そう、母との離婚の際に。
レナは帰ってきたばかりだったが、「友達を待たせている」と嘘をついて踵を返す。その本性を知った以上、リナを再婚相手として認めるわけにはいかなかった。
レナがいつもの秘密基地へ向かう途中、車の音。止まった車から出て来たのはリナだった。
―――まさか、追いかけてくるなんて
名前を呼ばれたレナは軽く返事をし、一言二言会話をすると逃げるように、その場から立ち去る。
だが、リナはレナの後をしつこく追ってくる。秘密基地にしているバスのところまで来たところで、レナは足を止めた。そこで、リナは改めて口を開く。自分のことを好きかと問われたところで、溜めていたものを吐き出す。
「再婚なんて許さないです」
それは誰の目から見ても明らかな拒絶の意思。そこでリナはようやくその本性を見せる。攻撃的な言動は正にその表れ。だが、レナもここで引くわけにはいかない。言い争っているうちに、リナの口から信じられない言葉が漏れる。
「妊娠してるの」
それはかつて母が父と離婚をするときにとった方法。身篭ってさえしまえば……そんな意思すら見え隠れする方法に、レナの幸せは壊された。それとまったく同じ展開に思わず、レナは叫ぶ。
「嘘だっ!」
そんなこと信じたくは無かった。だが、動揺した心は思いがけず、自分の知ったことを全て当人の前で打ち明けてしまう結果となってしまった。レナが全てを知っていると言う、予想外の展開にリナの行動がさらに過激になる。
平手打ちから髪をつかまれ、挙句押し倒されて首に手をかけられる。馬乗りのリナのレナでは対抗する術はない……かに思われた。レナが伸ばした手の先に、ガラスの破片を見つめるまでは。
リナの腹部を残された精一杯の力で切り裂く。その一撃で、リナはレナから離れた。リナから解放され、必死に呼吸するレナの目の前に鉄パイプが映る。
―――今しかない
チャンスだった。リナはレナの予想外の抵抗と思わぬ傷で蹲っている。そして目の前には格好の凶器。自分たちの幸せを守るには今しかなかった。
「それ……シャレにならない」
命乞いのように言葉を残すリナの声など耳を傾けず、鉄パイプをただ夢中で振り下ろす。そして、レナは力なくぐったりとしたリナの死体を近くの廃棄冷蔵庫の中に押し込めた。
帰宅途中、レナは鉄平を発見する。何とか言葉巧みに鉄平を誘導し、秘密基地まで連れてきたレナ。ここでの地の利は圧倒的にレナにある。それを生かしてレナは一瞬の隙をついて、鉄平の背後に回り、その頭を大鉈でカチ割った。
これで、レナの幸せを壊す者はいなくなった......
翌日。放課後、いつものように部活をやろうと躍起になるメンバーを尻目に、レナは独り先に帰宅することを伝える。口々に残念がるメンバー。最後まで声をかけてくれる圭一にも何とか苦笑で応え、レナはいつもの場所へと向かう。
黒のジャージ姿に着替えたレナは鋸で死体の切断を始める。小さなレナが死体を効率よく運ぶにはこの方法がベストだった。ジャージ姿に着替えたのは返り血を浴びた時のため。腕にはビニール手袋をし、死体を切断する足元には青いビニールシートを敷いている。出来る限り、自分とこの場に痕跡を残さないようしながら、レナは死体をばらばらにし、さらに黒いビニール袋に小分けをして冷蔵庫の中に戻す。
一方、レナ不在の部活動は麻雀牌の不足から、麻雀を断念。沙都子の提案を魅音が具体化し、今日は宝探しを行うことになった。
時は戻る。レナの一世一代の頑張り物語。その内容を聞いた仲間は絶句するしかなかった。
「谷河内(やごうち)の方に行ってたの」
それは死体を埋める場所を探すために。ゴミ袋の裂けた穴から見える人の手は、すでに腐敗が始まり虫が集っている。
「どうして相談してくれなかったんだよッ!?」
そんなレナに最初に口を開いたのは圭一だった。
「俺たちは仲間だろ!? 仲間ってのは、何があっても無条件で味方になってくれる、家族同然の存在じゃないのかよ!」
圭一の言葉も、今のレナには偽善にしか聞こえなかった。それでは、相談したとして、圭一に何が出来たのか? 他の皆に何が出来たのか? 誰に相談したって、誰にも何も出来ないのだ。レナにとって仲間は「楽しい時を過ごすためのもの」でしかない。最後はどんな時だって味方なんていなくて、自分で頑張らねばならない。
―――泣いてる?
気が付けば、圭一はぽろぽろと涙を流していた。それは、仲間として信じてもらえなかったことの悔しさ。自分にはたとえ相談されたとしても何も出来ないと知った上で、それでも圭一は叫び続ける。
「今より より良い未来に辿りつけたと信じてる!」
何を言うのか。これこそが、最善の未来であり、答えのはずなのに。
しかし、それを圭一に「嘘だ」と否定される。そして……
「レナは泣いてるじゃないか!」
何を言っているのか。泣いているのは圭一の方ではないか。だが、圭一の言葉に、レナの心は揺さぶられる。圭一はまだ言葉を続ける。自分のした犯罪を信じてくれると、理解してくれると、受け入れてくれると。
バスの上まで登ってきた圭一。思わず、退いてしまうが、そんな彼女に圭一はその手をさし伸ばす。気が付けば、そこに梨花が加わり、沙都子が加わり、そして魅音が加わった。圭一の手が伸びる。そして、最後にレナの手が皆の上に重なった。
もう、こみ上げるものを堪え切れなかった。今思えば、圭一は実に的を射た言葉を言っていた……自分はきっと泣いていたのだ、心の中で。人を殺してしまったことに、誰にも相談出来ないことに、そして誰も信じなくなってしまったことに。レナの『還る処』は他のどこでもなく、ここにあったのだ。
それから、レナのしてきたことを全員でやった。死体をレナが見つけた場所に隠す。レナを見送ってから、全員で今日見たことを全て忘れて振舞おうと誓いを立てる。それが、いつか、自分たちとレナの記憶から今日の日の出来事が忘れて言ってくれることを願って。
時は流れてオヤシロ様のお祭り。遅れてきたレナを全員で出迎える。それはレナの仲間であり、レナの『還る処』。皆で祭りを回る時、その背後には1人の人影が。
大石。
刑事である彼の鋭い視線は、間違いなく5人に向いていた。
<感想>
何となく、いつものひぐらしとは雰囲気が違う。なぜ?? 殺される人に多少の同情を抱き、殺した人に嫌悪感を覚えたのが最近の「ひぐらし」。でも、今回は殺した人に同情を覚え、殺された人にまったく同情出来なかった( ̄∇ ̄;) 別の意味で、恐るべし、間宮リナ・北条鉄平。
にしても、「ひぐらし」のヒロインたちは基本的に敵には回したくない存在ばかりですが、「綿流し編」と今回のお話で一気にレナが頭1つ抜けた感じがします。ある意味、魅音や詩音よりも絶対に敵にしたくない(((( ;゚Д゚))))ガクガクブルブル あれ、そう言えばどうしてレナは金庫を開けられたんだ?
<MVC>
前原圭一
圭一が、ヘタレではないからでしょうか? 言っていることは偽善に聞こえなくないけど、でも「レナのしたこと(殺人)は最悪」と正論を言い切っている辺り、単なる偽善ではないのがそう感じさせる要因なのかも。中の人ネタですけど、今回は余計に某種の主役に聞こえました。最後にはきっと「守りたい仲間がいるんだ!」とか「守りたい世界があるんだ!」とか「僕たちの……未来は……」とか「どうして僕たちは……こんなところに来てしまったのだろう」とか(ぇ)言ってくれるとちょっと期待しちゃいました(マテ
<私的推理>
なんかやたらと推理するものが少ないです(´・ω・`)ショボーン
○大石の存在
まぁ、火のないところに煙は立たないわけで、何も無いところから大石は目星なんてつけないはず。何かしら要因があると思われる。
可能性1 大石の自力調査
警察の、と言うべきかも。最後のシーンが殺害から何日経っているかが判らないが、普通に考えれば失踪して誰かが捜索願いを出せば警察は動く。特にリナの場合、「車」でゴミ山に来ており、そういった意味でもし車がそのままなら証拠となる。つまり、リナの失踪(殺害)直前の足取りとして確認出来る最後の場所として、車の発見場所が証拠となるだろう。レナがゴミ山で宝探しをしているのはどうやら結構有名な話のようだし、加えて最近リナが竜宮家に出入りしていたことやレナの父と付き合っていたことなども考えれば、警察の視線が竜宮一家に向くのは至極当然。そこから、大石が接近しての調査を開始しようとしたと考えられる。
可能性2 裏切り
5人の中での裏切りの可能性。5人の中で超法規的処置(情報提供による免罪、あるいは罪の軽量化。日本でやられていたかは不明ですが)を狙って、警察への情報漏えいを行ったのではないか? 出は、仮にそうなると誰がしたのだろうか?
・前原圭一の可能性
話の展開として圭一ならかなり面白いと思うのだが、ああ言っている手前、可能性としては一番低いだろう。
・古手梨花の可能性
一番何を考えているのか判らないが、圭一に次いでレナに手を差し伸べたことを考えれば可能性は低いか。ただ、最後の「恐らくその日は、一生かけても来るか来ないかわからないと思いますが……」と言うセリフが意味深で可能性を残している。
・北条沙都子の可能性
トラップマスターの異名を持つ沙都子。沙都子にとってはリナのおかげで、鉄平まで死亡することになったので、一応万々歳と言ったところだろうか。ただ彼女の場合、鉄平の虐待に耐えることを試練としているのでもしかしたら、諸手を挙げて賛成出来るものではないのかもしれない(もうこのときには沙都子とは別居してるけど)。そういった意味では可能性はなくはない。
・園崎魅音の可能性
園崎魅音個人としてレナに賛同しても、魅音の場合は園崎家次期頭首としての立場が表に出て来る場合があるため、可能性としては高め。レナへ手を差し伸べたのも最後だったし。
あと、ここまで考えると深読みし過ぎなのだが、あれが詩音だった可能性もないわけではない。詩音ならば、警察へ情報を流すかもしれない。編によってだいぶ異なるのだが、魅音やましてや圭一ほどレナと親しいわけでもなさそうだし。
・竜宮レナの可能性
レナの場合は警察に超法規的処置を求めたとしても、殺害を実行したのはレナなのでたぶん意味が無い。レナの場合は、そうではなくて逆に自分独りで罪を被ろうとする自虐的な意味があるので、そういった意味で可能性があるのではないかと思う。ただ、そうなると結局レナは仲間の大切さを理解できていないと言うことになるのだが……いや、理解したからこそ仲間を守りたいと思ったのかもしれないが。
他に推理できるようなものが無かったような……。
次回は34号文書。サブタイの意味が原作未プレイ者には意味不明なんですが( ̄∇ ̄;)
<TB先 参照リンク(URLアルファベット順)>
・http://aaillnv.blog16.fc2.com/blog-entry-379.html
・http://blog.goo.ne.jp/sweet-lovely/e/babcff1f2cbb8506e26aa4b881278904
・http://blog.livedoor.jp/koubow20053/archives/50619279.html
・http://blog.livedoor.jp/natsu_ki00/archives/50424756.html
・http://blog.livedoor.jp/paprika200502/archives/50701909.html
・http://blog.livedoor.jp/radical_weapon/archives/50690861.html
・http://blog.livedoor.jp/xenon44/archives/50550327.html
・http://endless-space.jugem.jp/?eid=1057
・http://firelife.blog55.fc2.com/blog-entry-278.html
・http://hagimagi.blog36.fc2.com/blog-entry-385.html
・http://hakuroupunk.blog56.fc2.com/blog-entry-250.html
・http://koali.blog43.fc2.com/blog-entry-680.html
・http://maruton.blog55.fc2.com/blog-entry-515.html
・http://omochiyasan.blog69.fc2.com/blog-entry-193.html
・http://takoyaki-tako-tako.de-blog.jp/takotako/2006/09/post_3183.html
・http://tamayuru.blog21.fc2.com/blog-entry-302.html
・http://twodimension.blog59.fc2.com/blog-entry-122.html
・http://www.todasoft.net/blog/archives/2006/09/_23_1.html
・http://zdryeo.blog43.fc2.com/blog-entry-211.html
- at 23:55
- [アニメ(放送終了):ひぐらしのなく頃にシリーズ]
- TB(15) |
- CO(0)
- [Edit]
- Tag List
- [ひぐらしのなく頃に]
Comment
Comment_form