アクセル・ワールド 第7話
『Restoration ; 修復』
≪あらすじ≫
レベルアップの反動でポイントが枯渇状態のハルユキは、Lv.2までの限定でポイント安全圏まで護衛してくれる《バウンサー(用心棒)》と呼ばれるアクア・カレントというデュエルアバターを持つ謎の女性バーストリンカーの手を借りることに。
一方、タクムは黒雪姫から病室に呼び出されていきなりバトルを申し込まれてしまう。
突然申し込まれたバトル。攻め立てられるタクムは、黒雪姫から剣道部を辞め、ハルユキが一人前になったら《ブレインバースト》プログラムを自らアンインストールし、全てを捨てる気ではないかとその本心を見抜かれる。それを「ケジメだ」というタクムに、黒雪姫は「君を赦そうとしたハルユキ君や倉嶋君の気持ちはどうなる?」と問いかけ、タクムの行為は「完璧な自分に酔うことが出来なくなった《加速世界》から逃げようとしているだけだ」と断言する。
その頃、アクア・カレントと共に挑むタッグ戦。Lv.3とLv.4という格上の相手との戦いの中でハルユキは、相手から「タッグ戦で最も重要な連携が二人は取れていない」と言われる。しかし、ハルユキは「大切なのは連携ではなく信頼する心だ」とし、「新しく親友と踏み出そうとしている中で負けるわけにはいかない」として再び、《加速世界》唯一の飛行アビリティの力を遺憾なく発揮して――
≪感想≫
エンディングへの入りは良かったね。
こう一枚絵をアップから少しずつ引きながらエンディング曲が入っていくのは、『シティハンター』のGet Wildのノリがあって好き。もちろんそれ以前からこうしたエンディングへの入りはあっただろうけど、やっぱり『シティハンター』のイメージがとても強い。あのエンディングへの入り方は、至高だと思うんだよね。
もちろん、エンディング曲の歌詞に入る前の部分にそれが出来るだけの長さと雰囲気がないと出来ない手法ではあるのだけど。
エンディングってもちろん監督やスタッフ、キャストのクレジットを出す役割があるのだけど、個人的には本編の余韻をこの1分30秒くらいの楽曲の中で噛み締める時間だとも思っている。だから、本編の雰囲気や流れと全く合わないエンディング曲や演出だったりすると、とても萎える。そういう意味でこの作品はまず楽曲に恵まれ、そしてエンディングはただクレジットを提示する時間じゃないというスタッフの意図がしっかりあって好印象だ。思い返せば、本作はここまでずっと区切りのシーンは次が待ち遠しくなるような絶妙なタイミングで区切って来たわけだから、こうなってくるのは必然だったのかもしれない。
◆贖罪は誰の為に
さて、エンディング談議もそこそこに今回はタクムと黒雪姫。過去に過ちを犯した先達として黒雪姫がタクムへ指摘した事実は、的を射ていたと思う。
罪を償う罰っていうのは、被害者の為……と思われがちだが、実際は曖昧なところも多い。もちろん、被害者の為の罰っていうのもあるとは思うが、どちらかと言えば決められたルールや規則、それこそ法律を破ったペナルティとして与えられるもの――つまり、被害者の為ではなく加害者の為のもの。
だから、タクムがこれまでの悪事を反省しその罰としてハルユキを一人前にしようとする行為は、一見すればハルユキのためになっているが、その実その行為はタクム自身が自分で自分を赦すための自己満足に過ぎない。
たいてい、自分が自分に課す罰なんてそんなものなのだ。
だって自分に課しているわけだから、そこに多かれ少なかれ他人を想っての部分があったとしても、本質としては自分の為に過ぎない。これば罰に限らず、自分で自分に課した使命とかそういうのも同じことが言えるのだけどね。いくら相手の為だと言い張っても、その裏にはタクムのように自分で自分を赦すためだったり、あるいはその罪から目を背けるための免罪符のためだったりしてしまう。
(これは実は、某作品の某ヒロインに対して語りたかった内容ではあったが、まぁ本作の方が先に出てしまったのでw)
でも、だからと言って自分で自分に課す罰が根本的に間違っているものか、と言われるとそうとも思えない部分もある。自分で自分に罰を課すって大きな勇気だと思うのだ。それが例え、いずれ自分を赦したり逃げたりするものだったとしても、罰を課し続けている限り、相手に自分は間違っていたと言い続けることに等しい。その汚名を、侮辱を、受け続ける決意は凄いものだと思うのだ。
先週からタクムの好感度が右肩上がりなのは、本質としてこういう凄いヤツで良いヤツだと言う部分があるからだと思う。自分でもどうすればハルユキとチユリに贖罪が出来るか分からず、悩んだ結果の剣道と《ブレインバースト》引退。黒雪姫が言うようにそれはハルユキの為にも、チユリの為にもなっていないのだが、それでも彼が精いっぱい悩んだ結果だろう。
勉強も出来て運動も出来て、剣道が強くてイケメンで……完璧だった彼にはそれなりの苦悩もあったのだと思う。完璧を周囲から求められてしまうからこそ、彼はさらに完璧でなければならないと自分を追い込んだのだ。それは1~4話までのハルユキのタクムに対する言動を見れば、良く分かる。ハルユキが親友で幼馴染だと言うのなら、そんなハルユキですらそうタクムを評するということは、タクムと言う人間を良く知りもしない人間はハルユキ以上に完璧さを彼に求めるのは必然だろう。
(そう考えると完璧なタクムしか観てこなかったハルユキにも責任の一端があると言えばあると言えるのだろう)
そういう意味では、ハルユキのシルバー・クロウ、黒雪姫のブラック・ロータスとの戦いと敗北(? 結果負けてはいないのか? 良く分からないが、でも戦いの中身としては敗北に等しいだろう)は彼にとって大きなきっかけになったに違いない。
だって、もう彼は完璧である必要は無くなったのだから。いや、完璧ではない自分でも受け入れてくれる相手がいると、改めて知ったからというべきか。
完璧であれ、という自他の楔から解き放たれたタクム。彼がニューロリンカーの視力補正を使わず、メガネをかけていたのは、「自分の目で見たい」と言うことと同時に「完璧でなくても良い」と言う表れではないだろうか。メガネと言うのは、視力の補強器具。裏を返せば道具を使って補強しなければならないほど完ぺきではない表れ。メガネをかけたタクムは、周りからも自分自身からも完璧を求め続けた自分への脱却と言う意味もある気がした(まぁ、ファッションとしての意味合いもあるので、一概にメガネ全てがそうだとは言えないが)。
さてはて、そういう風にタクムを仕向けた黒雪姫。てっきり「私が(ハルユキ君を)育てようと思ったのに!」という八つ当たりだと思ったのだが、違ったようだw(当たり前 まぁそれは冗談にしても、このままタクムが彼の思い通りになってアインインストールしたら愛しのハルユキが傷つくのは目に見えていたため手を打ったのだろう。この辺り、口にはしないし推察するしかないが、黒雪姫のハルユキに対する愛おしさ(乙女心)が見え隠れしていい。
彼女の言葉は重みがあって良かったと思う。タクムの通ろうとした道は彼女が一度通って失敗だったと思った道だったのだろう。《加速世界》内部で形成されたレギオン。その意義を語る彼女に、ハルユキの加入まで仲間がいなかったというのは皮肉だ。いや、おそらくは彼女自身が《加速世界》最大の裏切り者となって姿を消したことで、彼女は構成していたレギオンも拡散してしまったのだろうが、そうなった時に改めて仲間の大切さを知ったと言うところか。
タクムは黒雪姫をマイマスターと呼んだ。これでネガ・ネビュラス陣営は、黒雪姫とハルユキとタクムと、少しずつ人も増えて来るのだろう。彼女は彼女なりに失敗から学んでいるのかもしれない。そうしたシーンがこれから描かれれば良いのかなと思う。
次回『Temptation ; 誘惑』 そしてハルユキのハーレムは続くwww いきなり自宅にロリ幼女って、主人公補正かかり過ぎだろ(爆
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いつも楽しい記事をありがとうございます
最近感想につられてアクセル・ワールド原作を読み始めました。現在刊行11巻中8巻まで読了しています。
今回はアニメオリジナル描写満載でしたが、タクムの内面描写を通じて黒雪姫のレギオンメンバーに対する考え方が見えたのがうれしかったです。過去の事件を含めてちょっとその辺の機微が原作でも描写されづらい人ではあるので。
親子(ペアレント)と軍団(レギオン)はどちらもバーストリンカーにとって加速世界における重要な道標です。
このゲーム恐ろしいことにまともな取説やチュートリアルなしでいきなりゲーム世界に放り出されるようなので、親切なリンカーに出会って助力を受けない限りまず生き残れません。
親を失ったシアン・パイルの断罪(加速世界からの追放)を免じた青の王、新たにレギオンの仲間とやり直すよう勧めた黒の王、どちらも「ひとりで戦う」むなしさをよくわかっているのだと思います。
この「ひとりではない」を自覚することが加速世界の戦いを楽しむ秘訣でしょう。
さて次回は幼女登場ですね。いやどんなリアクションが出るか楽しみです。なかなか破天荒な娘ですので。
え?ハーレム?ふふふこの程度ではまだまだですよ(笑)