アクセル・ワールド 第3話
『Investigation ; 探索』
≪あらすじ≫
ハルユキの幼馴染の一人・チユリ[倉嶋千百合(くらしま・ちゆり)]は、黒雪姫と呼ばれる美人副会長がハルユキにちょっかいをかけるから、彼がイジメられているのだと勘違いを起こす。しかし、黒雪姫はなぜかそんなチユリに説明することなく、「(自分はハルユキにとって)この学校で一番古い友達」と年月の積み重ねを語るチユリに、「なら優先順位は私が上だな。私は彼に告白して返事待ち。これからデートするところだ」と暗に自分とハルユキはこれから恋人になるかもしれないところだから、と挑発する始末。
二人の間で戦々恐々とするしか出来なかったハルユキに、黒雪姫はその本当の狙いと、自分が今置かれている状況を明かす。
製作者不明の《ブレインバースト》が誕生・一部で流通してから七年が経ち、このプログラムを利用するためには生まれた頃からニューロリンカーを装着していなくてはいけないと言う条件があること。故に、ニューロリンカーは十五年前に誕生したばかりのため、現在どんなに最初期から参戦している人物がいたとしても、その人物ですらまだ十五歳でしかないと言うこと。
何より、この《ブレインバースト》にはLv.10という製作者、あるいはその製作者の意図に触れることが出来るだろうことが示唆されながら、そのためにはLv.9を五人倒さなければならず、またLv.9同士の戦いは一度でも敗れれば強制アンインストールと言う過酷な条件が示されていた。
二年前、ほぼ同時期に《加速世界》において最高峰とされるLv.9に到達した少年少女たちがいたこと。その中に彼女、黒雪姫も「黒の王」としていたこと。他の六人がLv.9での停滞を望み不可侵条約を結び、領土を分割統治する道を選んだことに対して、黒雪姫だけはそれに異を唱え戦うべしと訴え、そして不戦を唱えた赤の王の首をはねたが、他の五人を倒すことは叶わず、現在黒雪姫は《加速世界》において最悪の裏切り者で、最高の賞金首になっていること……。
二年間、グローバルネットと接続しないことでその後の対戦から逃れてきた彼女。だが、最近になって彼女にやたらと戦闘を仕掛けてくる相手がいた。相手の名は、《シアン・パイル》、極めて純色に近い「青」の名を持つ近接型のデュエルアバターを持つその人物に、個人情報が漏れてしまった黒雪姫は自身の個人情報が他の王たち、あるいは賞金を狙う者たちに渡り、現実世界での暴挙に打って出ないとも限らないとし、逆に相手の個人情報を手に入れることでそれを抑制しようと考えていること。
全てを聞いたハルユキは、自分が黒雪姫に見出されたのはこの現状の打破だと理解する。そのためにハルユキに課せられる最初の使命は、相手の特定。《ブレインバースト》時に相手の方向を大まかに察知するコンパス、それを利用し彼と黒雪姫が二か所から相手の位置を知ることで、その延長線上で二つの線が交わる場所にいる生徒こそが、《シアン・パイル》である。
その作戦に、さらに黒雪姫は追加の情報を提供する。それは彼女がここまでの調査の中で最も怪しいと考えていた相手。それは、チユリ!?
あり得ないとして反発するハルユキは、チユリと直結し彼女の中にあるプログラムデータから彼女がバーストリンカーではないと証明してみせると意気込み、彼女のマンションへと向かうが――
≪感想≫
今回はEDクレジットに従った名前表記にしてみました。なのでハルユキたちはカタカナ表記。公式HPだとフルネームだけど、何か違いがあるのかね? 本当にどうでも良いんだけど、個人的には統一して欲しい。別にどっちでも構わないしwww
それにしても凄く理想的な修羅場でした(笑
なんて言うか、黒雪姫も黒雪姫でハルユキの力を借りたいし、それを抜きにしてもチユリの反応も見たいからとはいえ、随分と大胆な手に打って出たな、とw そのおかげで、修羅場は修羅場らしくなって、視聴者はニヤニヤしっぱなしのアバンだったのだろうがwww
まぁ、いろいろと上手いよね、黒雪姫。ハルユキたちとはわずか一年だけとはいえ、上級生で先輩と言う設定イメージを最大限に使っている印象。前回の「私が告白して、彼がフッたのだ」というのは、自分と壁を作り安易に自分の手を取らなかったハルユキへの皮肉かと思っていたが、今回もその設定は生きていて、確かにそれなら全部解決したあとも大して問題になる“ウソ”ではないな、と。これで「私たちは付き合っているのだ」と言ってしまうと、付き合ってから別れたと言うことになるので、その分だけドタバタやイザコザは増えるだろうが、付き合う前の告白段階だから、そこはまだ感覚的に違うのだろう。
1話、2話と終わってやたらと黒雪姫役の方の演技が指摘されていて吹いた。うーん、前回は私も指摘したけど私は前回も書いたけどあまり感じていない。感情の抑揚が少ないキャラだから、逆に感情が高ぶったシーンや声を張るシーンは、確かにもうワンテイクくらい、と思わないこともないがw
あと、ハルユキの理解力が高くて良いね。中学一年にしては理解力があり過ぎるような気もしないでもないが、彼の生い立ちと環境とここまでの展開を考えれば、この理解力と洞察力こそがこの先の彼の一つの武器になってくれそうだし、物語もサクサクと進んでくれる。何より、理解力って知性や理性の象徴のような部分もあるから(まぁ、本能で理解する人もいるだろうがw)、そうした部分が出てきてくれるのは観ていて楽しい。もちろん上には上がいて、先輩・先達として常に一枚上手なのが黒雪姫なんだろうけどw
彼が1話のサンドウィッチについて謝罪出来たのも良かった。まぁ、彼からすればこれはチユリと直結する絶好にして最高の“言い訳”で、チユリのプログラム履歴も確認出来るし、ついでに自分は自分でちゃんとチユリに謝れると言う一石二鳥な展開は、ラッキーボーイだなとw
◆怪しいのはチユリ? タクム?
そして今回本格参戦のチユリ。恋人(タクム)がいると言う驚きの設定もさることながら、それを進めたのがハルユキって言うのは、驚きと言うかある意味納得と言うかw 自分の容姿とスタイルに自身がないハルユキとしては、これしかあの二人と“繋がっていく”道がないと感じたんだろうな、と……とても悲しいけど、性別なんて気にせず「いつでもどこでもいっしょの仲良し三人組」ではいつまでもいられないと感じ、「お似合いで付き合う二人とそのキューピット」と言う関係でしか一緒にはいられないと……。
もちろん、別にハルユキがチユリに対して特別な異性としての感情を抱いているとは限らないわけなので、彼がチユリとタクムの二人の精神の機微に敏感に反応して、単純に背中を押した結果だけなのかもしれないが、まぁチユリの独白を考えればチユリがタクムと付き合っていたのも、それはハルユキの為と言う部分もありそうで、それをもしタクムが何らかの形で知っているなら彼は彼でハルユキに嫉妬しそうで、この三角関係、実は見た目ほど単純じゃないんだな、と(ノ∀`*)アイター
変化しないものはないと口にしながらも変わらない位置に居続ける自分がいるハルユキと、変化しないで欲しいと願いながらドンドン変わり続けてしまうチユリが対称的。
女性の方が精神的な発達は早いと言うけれど、チユリの場合はそうでもなかったようだ。この一点に関して言えば劣等感と挫折を繰り返すハルユキの方が精神的には大人びていて、普段の言動とは裏腹に直結した時だけは「変わらないものはないんだ」と諭す感じが劣等感を抱いて普段素直になれない彼らしい。
結局、チユリにはたぶん「異性」という概念がまだないんだろうね。ハルユキも、タクムも大切な友達でずっとこんな三人としての関係が続けばいいと願う。タクムとは付き合っているようだけど、あんまりそういう感覚がなかったのもこういうことなのだろう。
彼女には「異性」という知識としてそういう認識はあるけど、自分の中だけでの認識というか、感覚としてそういうものがない。とても純粋で、大人になればなるほどその人を「性別」ではなく「一人の人間」として観たいのになかなか出来ないことを考えると、ある意味では羨ましいほどの子供のような純真さ。まぁ、それに対してハルユキや、あるいは彼氏のタクムは異性として意識するからそうもいかないのことに、まだ彼女は気付いていないのだろうけれど……。
ただ印象的だったのは、黒雪姫との対峙で告白やらデートやらと言われて彼女が言い淀んだシーンだ。あそこでハルユキと黒雪姫が立ち去るのを見送ることしかできないと言うのは、無意識の内に彼女が「友情<恋愛」であるのを認めてしまったようにも見えてしまう。だから、彼女は理解はしていないけど、無意識の中でちゃんとそういう感覚や完成も少しずつ芽吹いてはいるのだろうな、と。まぁ、強引にハルユキと腕を組んで連れ去っていくシーンに、あの黒雪姫の宣言のインパクトで途方に暮れて追いかけられなかっただけなのかもしれないがwww
さて、アニメ視聴者としてはどう見ても一瞬、黒ーい一言をボソッと残したタクムがどう見ても怪しいわけなんだけど(爆 上記で挙げたように、彼は彼で抱えるモノ、悩むモノはあるのだろう。それはチユリが指摘した通りでもあり、もしかしたら上記の通り、本当にチユリがハルユキの話をするたびに彼女が付き合ってなお、彼を気にかけるウェイトの大きさから嫉妬しているのかもしれないし。
さらに彼だけ別の中学にいる、と言うのももしかしたら彼の中では引っ掛かる部分なのかもしれないね。ハルユキが対等な立場を望み、チユリが三人一緒を望んだことと同じように、彼は日々の日常で同じ空間で過ごしたいと言う望みがあったのかもしれない。その中で、三人バラバラならまだしも、ハルユキとチユリは同じ学校に通っていて、自分だけ違う学校に通うと言うのは、一種の疎外感を覚えるものなのだろう。そういう経験がないので何とも言えないが……。
謎の敵の名は《シアン・パイル》で青と言う近接型のデュエルアバター。ハルユキたちと同い年なら中学一年なわけで、それで剣道で将来有望な実力を持っているのなら、なおのこと彼は怪しいが果たして……。
◆バックドア
と言う用語が出てきて何かと調べると、どうやらコンピュータ用語のようだ。詳細は全然分からなかったのだが、要は相手に気づかれずに不正アクセスをするための通信接続機能を相手の機器に持たせること、でいいのかな。詳しいことは、詳しい人に聞くか、グーグル先生にお願いして下さいwww
チユリのニューロリンカーにあったバックドア。普通に考えれば、これは彼女の両親が彼女の日常を監視するために取り付けたものと考えられる。監視と言うと仰々しいというか、怖い感じだが、要は今の時代の携帯のGPSやアクセス制限のようなイメージ。こういう物語だと凄く相手の年齢が読みづらくなってしまうが、彼らは中学一年、黒雪姫で中学二年。今の時代も子供が使うPCや携帯にアクセス制限をつけたり、あるいは子供の居場所を知るためにGPS機能付きの携帯を持たせたりと言うのがある。その是非はともかく、そんな感覚でつけたと考えるのが普通。
でもまぁ、そんな普通のことならハルユキが驚くわけもないので、これは普通じゃない展開なのだろうw
バックドアと言うプログラムがどれくらいの難易度のものかはサッパリわからない。ただ、あそこまで無線ネットワークが発達した時代なら、当然セキュリティなんかも相応のはず。なら無線で相手(チユリ)のニューロリンカーの内部を改竄しバックドアを仕込むのは難しいのではないだろうか。と言うか、そんなことが無線で出来るなんて恐ろし過ぎるwww
そう考えると、ハルユキが黒雪姫から《ブレインバースト》プログラムをもらったように有線での直結しての改竄か。そして直結は本来恋人同士とかがするもの(by.ハルユキ)ならば、チユリのニューロリンカーと直結できる相手は当然“あの人”しかいないわけで。
次回『Declaration ; 告白』
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NoTitle
原作表記では『春雪』ではなく『ハルユキ』と言う表記が主に使用されていたので、自分はこちらの方が馴染みが良いかなと……
>それにしても凄く理想的な修羅場でした(笑
ある意味典型的なラブコメ系エピソードな一場面でしたね。(笑)
しかし、別の意味での修羅場な場面はもう少ししたら見られると言えるのかも……?
>ハルユキたちとはわずか一年だけとはいえ、上級生で先輩と言う設定イメージを最大限に使っている印象。
彼女の場合(と言うか高レベルリンカーの場合)、とある事情で精神年齢は異様に高くなる傾向がありますからね……
(低レベルでは1回の加速で体感30分だけですが、高レベルになると……)
後、次回での若干出て来るでしょうが……思考速度を1.8秒間だけ1000倍加速するだけが、ブレインバーストの“加速機能”ではありません。
この辺りに加速能力の恐ろしさがあり……シアン・パイルが被った枯渇危機の原因でもあるのでしょうが……
>この三角関係、実は見た目ほど単純じゃないんだな、と(ノ∀`*)アイター
ちょっとネタバレかもですが……
今後の物語の展開において、ハルユキ・タクム・チユリの三人の絆が良くも悪くも物語を動かす重要な起点の一つになっている印象があります。
(今回は、悪く働いた結果の出来事と言えるのかも知れない……)
>結局、チユリにはたぶん「異性」という概念がまだないんだろうね。
これは私もそう感じることはありますね。
>さらに彼だけ別の中学にいる、と言うのももしかしたら彼の中では引っ掛かる部分なのかもしれないね。
原作で少々言及されていますが、生後間もなくからニューロリンカーをつけられていると言う事実は、「親の愛情を満足に得られていない可能性」を示唆していると言う記述があります。
どう言う意味で得られていないかは千差万別ですが、タクムの場合……彼の通っている学校が進学校だった筈なので……
(まぁ、ここら辺は参考までにと言うことで……)
さて、次回は本作中でも指折りの衝撃的で感動的なエピソードが描かれる筈……
どの様に描かれるか期待と不安でドキドキしている所です……