[新]ヨルムンガンド 第1話
『ガンメタル・キャリコロード』
≪あらすじ≫
世界の敵でもあり、味方でもあると言う矛盾をはらむ職業・武器職人――。
世界的な海賊王を父に持ち、HCLIヨーロッパ・アフリカ兵器運搬部門に所属し、世界の紛争地帯で“世界平和のために武器を売る”ココ・ヘクマティアルは、両親を奪った“武器”を憎みながらも銃を持って戦場でしか生きられない寡黙な元少年兵ヨナを自らの私兵部隊に引き入れる。
ココの私兵には、経験豊富な古参の傭兵レームや圧倒的な戦闘力を誇る女兵士バルメなど個性豊かなメンバーが揃っていた。新しい仲間ヨナを加えたココと部隊のメンバーは、タフな交渉や激しい戦闘を切り抜けながら、世界各地で“ビジネス”を展開していく――。
武器商人たちの非情な戦いを描くピカレスク・エンタテイメント状況開始!
(公式HP INTRODUCTIONより抜粋)
≪感想≫
原作は完結したコミック(最終巻がこの4月発売とか何とか)。原作未読。すでに分割2クールが確定済み(公式HPで発表)。コメントでススメられた作品でもある。
こんな私にわざわざコメント欄でススメて来る方がいる作品だけあって、非常に魅力ある作品だ。銃撃戦を中心としたアクションシーンの出来も良く、また綺麗事ではない非情な行動の数々の裏腹に、身内に対して親身で思い入れの強いココを中心とした私兵部隊たちのギャップに人間味を感じる。
個人的には元少年兵ヨナの抱える矛盾が一番魅力的に映った。両親を死に追いやった“武器”に憎悪しながら、自分はその“武器”を手に戦わなければ生きていけない。“武器”を憎みながら“武器”に少なからず信頼感を預けている自分がいる矛盾。
それはある意味で当然のことなのだ。“武器”は人ではない。ゆえに“武器”そのものに善悪の判断もなければ、価値観もない。あるいのは、ただ設計上求められた性能を発揮すると言う無機質なまでの機械としての性質のみ。だからこそ、“武器”そのものは善でもなければ悪でもない。それを使う担い手の善悪こそが重要なのである。
と言うのが、現段階での私の見解だ。
では、果たしてヨナは、この1クールあるいは秋放映の2クール目でどのように自分の中で“武器”という存在を咀嚼し、再構成し、解釈をしていくのだろうか。そこが一つのポイントになりそうだ。
そしてそのポイントを明確にする人間関係が、ヨナを自らの私兵部隊に引き込んだココとの関係。ココは新入りと言うこともあって、だいぶヨナにご執心の模様。その能力から自らの護衛を任せるなど信頼も早々においている(無論、そこに至るまでの綿密な調査結果から出した“結論”なのだろうけど)。
今はココと共にあることを選んだヨナ。だが上記のようにいずれ彼は、憎みながら自分や仲間の命を預けている“武器”と言う存在に彼なりの見解を示すことになるだろう。その時ヨナが得た結論はココと共にあり続けることが出来るものなのか、はたまたココとたもとを分かつものになってしまうのか。
まぁ、そんなことを気にかけながらも当分は迫力あるガンアクションを中心に楽しみたい作品である。視聴は継続、感想は……気が向いたらかなw 要望があれば毎週書いても良いかもしれないけど。
原作完結バンザイ
ありがとうございます。
出来れば感想も続けて・・・と思いますが、お忙しいのであれば時々、または総評でも構いません。
巷では『ブラックラグーン』と比較されてしまう作品なのですが、個人的にはこちらの方が好きです。
『ブラックラグーン』はド派手な喧嘩、『ヨルムンガンド』は国際謀略紛争といったイメージです。
キャラデザは癖があり、それが苦手に感じる方はいるかと思いますが、他のアニメにはない個性を出しています。
時折挟まれる乾いた感じのギャグも、作品に良い味を出しているように思えます。
このアニメが気に入ったのであれば、映画『ロード・オブ・ウォー』を見ることもオススメします。
ニコラス・ケイジが、実在した武器商人をモデルとした主役を演じており、武器商人というものが決してフィクションだけの存在でないことが分かる傑作です。
『峰不二子という女』や『坂道のアポロン』といい、今期は渋いアニメが多いように思いますね。
萌えも好きなのですが、最近はそれが極端に多すぎて食傷気味でしたから大歓迎です。