輪廻のラグランジェ 第12話(終)
『またいつの日か、鴨川で』
≪あらすじ≫
自分たちの戦う真下で大怪我を負ったようこの姿を観て再びウォクスを暴走させてしまうまどか。再びアウラから放たれる光に鴨川は包まれて――
それから二週間。まどかは、ランを見送ることになった。最後のジャージ部の活動は、ジャージ部らしい頼まれての映画出演。よほど文化祭で上映した映画の評判が良かったのだろう。
全てを終え、送迎会も済ませたまどかはランを“とある場所”へと連れて行く。そこで誓い合う「三人で、またいつの日か、鴨川で」と言う願い。
あの戦いの最中、まどかは見知らぬ海岸で見知らぬ女性にエールを送られ、暴走するアウラを制御し巨大な輪廻の花を咲かせようとしていた。しかし、ようこが無事だったことを知って突如アウラはその全機能を停止する。ここをチャンスと言わんばかりにまどかのアウラを破壊すべく突撃するヴィラジュリオ。
だが、ヴィラジュリオは寸前で光の槍のような攻撃を受けて致命傷を負う。それはレ・ガリテのウォクス回収団であり、ランの兄・ディセルマイン率いるレ・ガリテ製オービットの大部隊だった。
このままではヴィラジュリオと、彼をかばうムギナミは兄に殺される。
ランは、ヴィラジュリオと彼の乗るアルヴィリウムを抱え、イグニスと共に地球を脱出するムギナミを敢えて見送り、まどかにもそのことを理解して欲しいと告げたのだった……。
レ・ガリテの船団到着で戦闘は一気に終結し、そして今に至る。
完全に機能を停止したアウラは地球に残されることになり、まどかも地球に。ランは兄と共に母星へ帰還、ムギナミはヴィラジュリオと共に宇宙のどこかへと消えた。
バラバラになるジャージ部。再び一人になったまどかは――
≪感想≫
たぶん、誰も想像しなかったに違いないw
でも、BAD ENDにならなかったことは大きな救い。
賛否両論……になるかなぁ(苦笑 個人的には内心複雑というか、自分の中でも賛否両論分かれてるんだけどさ。
っていうか、あらすじがグチャグチャw でも、本当にこうだったんだから仕方ない(´・ω・`)ショボーン
◆まどかが得たもの-本作が描きたかったモノ-
正確に言えば「物語の中心にいたまどか・ラン・ムギナミが得たもの」と言うべきか。
特筆すべきはまどか、ラン、ムギナミの三人は最終話の最後で一話放映前と同じ境遇に戻ったことだ。まどかはまた一人で唯一のジャージ部部員として東奔西走し、ランはレ・ガリテの姫として生活し、ムギナミはキッスの一員として宇宙を飛び回る。これは全部一話放映時ないし放映前の彼女たちと同じ境遇だ。
でも、そこにはその時にはなかったモノがある。
それは三人の絆。
それぞれが、それぞれを常に思い続けている。ランは約束通りムギナミを見つけたようで、ムギナミもどういう手法を使っているかは不明だがまどかに現状を手紙で伝えていた。まどかが間に入った結果とはいえ、敵対していたレ・ガリテとデ・メトリオの二人が今ではまどか抜きでもしっかりと絆が芽生えていることは大きな意味がある(喧嘩するほど仲がいいとも言うしw)。
そして、この絆の意味が一番大きいのはまどかなのだろう。一話までのまどかは、何も失うものもなく独りだからこそある意味孤独にも耐えられていた。その孤独に切なさを覚え、ランとの別れで涙を流したと言うことは、まどかには独りに戻ることへの悲しさがあると言うこと。そして、まどかは独りでいることのツラさを知ったと言うことだ。
一話までのまどかは独りでジャージ部を切り盛りすることに悲しさも寂しさも感じていなかっただろう。そうであることが普通だったはずだ。でも、ランと出逢い、ムギナミと出逢い、喧嘩もして仲直りもして、いろいろなことを一緒に体験して乗り越えることで、独りではないことの素晴らしさと独りでいることの寂しさを覚えた。
状況的には一話と変わらない。でも、その内面はまるで違う。それが成長なのか、進化なのか、それとも衰退なのか、劣化なのかはまだ分からない。だが、そういう変化があったと言うのは事実だ。
本作は言うまでもなくまどか・ラン・ムギナミが主役だ。ならば、この三人の内面の変化、心境の変化が一つ、この作品で描きたかったことを紐解くカギになることは間違いない。
遠く離れた――それこそ惑星間レベルで――その中でも、互いを思い合える絆とその強さ。それはもしかしたら、青春時代に酸いも甘いも、苦楽をも共にしたからこそ得た絆なのかもしれない。
「高校時代の友人は一生の友人」とも言われる。それは、多感な十代後半と言う高校時代に「友達」と呼び合えるほどの相手とは、その多感な時代を良いことも悪いことも共に経験し乗り越えているからこそ、その絆は他とはまた違うのだと言うことでっはないだろうか。
幸い、私にもそんな友人がいてくれる。数はそんなに多くないが、今でも時々飲み会や食事会をしている。楽しかったことはたくさんあるし、今も昔も迷惑をかけたりワガママを聞いてもらったりしているが、思い返せばそういうコトが出来るのはあの友人たちだからだろうなーとシミジミと実感する。
この物語にはウォクスを始めオービットと言うロボットが出てきて、宇宙人も出てくる。ジャンルで分類されるのならば「SF」になるのだろう。だが、おそらく本作を描きたいモノで分類するならきっと「SF」ではなく「青春モノ」になるのだろう。
出逢って、共通の目的が出来て、でも喧嘩をして、それを謝って、許し合って少しずつ絆を育てていく。
もしかしたら、ランとムギナミは宇宙人である必要はなくて普通に外国からの転校生でも良いんじゃないかな―、ロボットがなくても描けたんじゃないかな―と思ってしまう第一期だが(苦笑)、それくらい第一期はこうした主演三人のごくごく普通だけどとても強い絆に焦点があてられていた作品だったのではないかと思わされる。
まぁ、もっと主人公らしかったのはダメトリオの三人だけどw 結局、地球に残ったのか……っていうか、バイト先がまどかの居候先っていろいろ大丈夫なのか?(ノ∀`*)アイター
いや、ツッコむべきはキリウスたちは執事服なのに、アレイは結局メイドのままな点か……。これはアステリアの最大の罪(功績)はアレイを女装に目覚めさせたことだな(爆
◆とはいえ、批判要素もないわけではなく……
とりあえず、上記でも書いているがこの三人の絆の育成を描くなら、宇宙人である必要性もロボットである必要性もなかった。むしろ出てこない方が、「鴨川」という地域を活かす分には都合が良かったような気もする。
これは多くの方がすでに指摘していることだが、現時点で「鴨川」という地域性を活かすことが出来たのは3~40%と言ったところか(これでも甘い評価な気もするが)。序盤は鴨川であることに対して意識的な演出が多く見られた気がする。まどかがやたらと周囲の地元の人の土地や農地に詳しかったのも、それだけまどかが鴨川と言う自分が生まれ育った町を愛していたからだと考えると納得も出来るが、それ以上の「鴨川」らしさというものを発揮出来たかと言うと、悩みどころだろう。
(だからこそのOVA版な気もする。たぶん『鴨川デイズ』と言う名称を考えれば、鴨川を最大限に生かした日常回になるだろう。あくまで予想だけど)
あとは、前回の記事のあとコメント欄で舌戦したのだが(笑)、規模が巨大化したことは好ましいことだと個人的には思っていない。ここにきていきなり国連だ何だと出てくることが良かったとはまるで思っていない。そんなものが出しゃばってくるのならもっと早くに出しゃばってきていただろうし、今さら感は否めない。まして、国連なんて組織はあるがてんでバラバラな世界各国があるこの今の地球では、ね。
まぁ、でもこの辺りはその後に名前が一切出てこなかったことを考えればおまけ程度なものなのかもしれない。最悪、この作品ではノウムンドゥス財団というチート組織があるので「国連は財団に買収されて管理下です」と言われてもたぶん普通に納得するし、これほどの未知の存在が出てきながら国連以外の世界の動きがまるで見えないことを思えば、まぁこの辺りは今後も描かれることはないのだろう。それだけは安心(これ以上風呂敷を広げても描き切れないだろと言う想いがある)。
最大の批判要素は、全然謎が解明されなかったことか(笑 謎もそうだし、結局ディセルマインやモイド、ヴィラジュリオ、そしてアステリアがそれぞれ持っていた真の目的やそこに至る動機がほぼ誰ひとりも描かれなく終わったこともだけどwww
結局ディセルマインらは当初の目的通りウォクスを回収しただろう(たぶん、ウォクス・リンファはレ・ガリテで回収されたはず。アウラは機能停止したこともあって地球に残されたようで、当然ムギナミと共に旅立ったイグニスはデ・メトリオ側とも言えるキッスにあるわけだから、当初の予想通りこの三機は三勢力に分散(分断)されてしまったわけか)。
で、それを使って彼らが何をしたかったのかは全然分かってないし、ヴィラジュリオのウォクス破壊の目的(どうやら破壊することでデ・メトリオの民が枕を高くして安心して寝れる=恐怖が取り除かれる?らしい)も良く分かってない。もちろんアステリアも最後にやや匂わせた感じはあるが、それとここまでの暴走に対して強い危惧をしている感情は一致していないのでやっぱり全然分かっていない。
ただ、これに対しては擁護意見も持っていて、「第二期ではおそらくそちらに重きが置かれるのでそれまで待つべきだ」とも考えている。上記のように、第一期は主役三人の絆の育成がメインだった。言ってみれば謎要素の解明は二の次・三の次の要素だったように見えるのだ。あくまでウォクスというものがどういうもので、どういう機能を持っているかを視聴者に分かってもらうのが第一期。
ならばその謎の解明に向かっていく方向性が第二期ではないか、と。
と言うか、すでに第一期で十分な絆の育成がまどかたちの間で出来ている。ここで今更、第二期でもまた絆の描き直しと言うことにはならないだろう(……たぶんw)。そうなれば、アステリアが匂わせたように第二期では謎の解明――輪廻とは、ウォクスとは何なのか――を中心に描かれるものだと期待したい。
まぁ、個人的に本音を言わせてもらえば、せめて「ディセルマインたちやヴィラジュリオ、アステリアがウォクスを通じて何を目論んでいるのか」くらいは知りたかったし、明示されずともこう匂わせる何かは欲しかったなとは思うけどねwww
なにはともあれ監督以下スタッフの皆様、第二期は七月、その前にOVAがあることを考えればすでに製作は突入していることだとは思いますが(苦笑)、まずはひとまず第一期お疲れ様でした。
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