Another 第11話
『Makeup -惨劇-』
≪あらすじ≫
赤沢泉美の謝罪要求と和久井の救急搬送で一気に殺伐とした空気に包まれた夏合宿。恒一が鳴からその眼によって感じ取る“死の色”を感じ取る死者の正体を聴く直前、鳴の部屋に勅使河原が駆け込んでくる。
「俺、やっちまったかもしれない」
そう呟く彼は、「最近様子がおかしかったから問い詰めた」という風見のことを話し出した。幼馴染の勅使河原は昔の記憶が風見にあるかどうかで“死者”かどうかを判別しようとして、風見は覚えていなかった。そして誤って彼を……。
もしそれで自分以外の人間から風見の記憶が消えていれば彼が“死者”と言うことになる。だが、恒一の記憶にも鳴の記憶にも風見の姿はある。そのことに落胆し絶望する彼に恒一は「まずは生きているかどうか確かめよう」と慰める。
階下に降りると、全身血まみれのクラスメイト・前島。脅える彼の言葉から、恒一は食堂で管理人夫妻の夫・が全身に食用ナイフを突き刺されて絶命している姿を目撃する。
「逃げよう!」
そう進言する恒一。だが、続いて聞こえてくる悲鳴は同じくクラスメイトの杉浦多佳子。親友の赤沢と一緒に部屋へと向かうが、そこには血で赤く染まったベッドがあるだけ……。さらに、勅使河原が突き落としてしまった風見の死体もそこにはなかった。
二人を捜している途中で出逢った望月は、風見が泥だらけになりながら「勅使河原の様子がおかしい」と言ってきたため松永のテープの存在を打ち明けてしまったと言う。望月と一緒に自室へ戻るとそこには風見の姿もないが、テープそのものもない。
そして、事態は最悪の惨劇へと発展する――
≪感想≫
え? 俺ここまでヤれって言ってないんだがw(By.現象さん)
そんな声がもしかしたら聞こえてくるかもしれないくらいの惨劇(苦笑 まぁ、そうなる要素は前回からちりばめられていたわけだ。というよりも、最終的にここへ行きつくためのここまでの布石だろう。
携帯電話・固定電話の両方が繋がらないクローズドサークル状態の合宿所、クラスメイトや担任、血族が死ぬ中でギリギリまで削られた参加者たちの精神状態、赤沢泉美の発言によってその殺意は、偶然か必然か、実に巧みに鳴へと向かうように仕組まれており、そして解決法を知ることによる生徒たちの暴走による虐殺行為はもはや起こるべくして起こったと言うところか。
ここまで来ると“現象”が直接手を下すまでもない。“現象”に意思があるなら、上記のように「うはっ、今年は思いのほか、ハマっちゃったなぁ」と思っただろう。ここまでの事故死は“現象”による意図した部分が大きいが、逆に久保寺や今回の小椋・杉浦たちは“現象”が直接携わっておらず間接的な干渉で最大限の効力を発揮している。
人の精神状態(自分が殺されるかもしれないと言う極限状態。同時に誰が死者か分からないことによる疑心暗鬼)と集団状態での精神(いわゆる「赤信号 みんなで渡れば 怖くない」状態。悪いことも集団なら黙認してしまう状態)を上手く利用している……まぁ“現象”がそこまで考えてこういう状況を招いたのかどうかは分からないが。
鳴が、未咲のことを話していれば多少状況は違ったかもしれない。でも“多少”だろうな、とも思う。鳴が四月の時点で未咲のことを告白しその可能性を語っても、結果的にもう“現象”が始まっている事実は変わらない。
今この時点で仮に全てを打ち明けたとしても、あの精神状態で信じる人間の方が少ないだろう。つまり、鳴による未咲の告白は恒一など一部の生徒や謎を解こうとしている私たちにとっては有益な情報だが、それ以外の赤沢ら大多数の生徒たちにとってはまるで意味のない情報と言うことだ。
ただ、もうここまで来るとさすがに恒一と鳴以外は全滅ENDは八割くらい確定かな(汗 もちろん合宿所を離れた千曳は別だけど。
運が良ければ望月、勅使河原の二人は精神的に考えてももしかしたら生き残れるかも。赤沢さんは半々と言ったところか。あの状態から復帰できるのかね……。
というか、もう仮にこれで“現象”を止められたとしてもクラスが致命的に人数不足で二学期以降結局成り立たない気が(汗
(以下、犯人の犯行手段を明確に特定する考察です。当たっているかどうか分からないものの、当たっていたら申し訳ないので、そういった事件の真相に関わる推理や考察を嫌う方は閲覧しないことをオススメします)
◆推理パート --
赤字が今回語られた部分。
-概要-
・二十六年前の三年三組の出来事が原因の天災に近い“現象”である
・死者を招き入れた結果、クラスメイトが一人増えることになった
・その増えた一人を特定することは出来ない(記憶が改竄されるため)
・死者の手は冷たいという噂があるが、真偽は定かではない
・記録もそれに合わせて書きかえられる模様(クラス名簿も書き換えられる)
・改竄された記憶と記録は卒業後、元に戻る
(そこで記録が戻ることで本来居ない“死者”が誰なのかが分かる)
・紛れ込む“死者”は、過去にこの“現象”で死んだ人である
・紛れ込む“死者”は、生前と同じ名前を使う(意図的な名前の改竄はない)
・一度死人が出ると、毎月死者が出る(二十五年前は生徒六名、関係者十名)
・“現象”は四月から起こるとは限らない?(今年は五月から)
・“現象”の被害候補者は三組当事者と夜見山市内にいる二親等以内の親族
(担任・副担任も三組当事者に含まれる)
・“現象”が起こると当事者とその家族が夜見山から脱出することはよくある
・“現象”は「三年の三番目のクラス」に起きるため「C組」にしても無意味
・“現象”が起こったのは二十五年前、十五年前、五年前、二年前、今年
・“現象”が起こらなかったのは十年前、一年前
・“現象”が唯一止まったのは十五年前だけ(怜子・松永が三年だった年)
・“死者”を居ない者にしても意味がない
(一度“現象”が起きたらその方法では止められないと鳴は推察)
・“死者”を死に送り返す(殺害)することで“現象”は止まる。その際に記憶と記録は、卒業後と同じ状態になる(改竄が起こる)が、“死者”に関する記録は消滅する(そのため、十五年前だけ“死者”は判明していない)
-二十六年前(72年度)-
・三年三組だった夜見山ミサキは七月に両親と弟含め家が全焼し全員焼死
・クラスの人気者だったこともあり、クラスは一人の「あいつはここにいる」発言に呼応しクラス全員で卒業まで“居る者”として扱う(当時の校長の計らいで卒業式にも席が用意された)
・二十六年前の三組は、担任が千曳。クラスメイトは、リツコのみ判明
-二十五年前(73年度)-
・“現象”が“ある”年だったと思われる
・昨年度の三組の行動のせいで死者を招きやすい場所となり、三組と言う存在が“死”に近い場所となってしまう
・結果本来居ないはずの“死者”を招く
(クラスメイトが一人増え、座席が一つ足りなくなる)
・毎月、クラス関係者とその二親等以内の親族が死ぬ“現象”が発生
-十五年前(83年度)-
・“現象”が“ある”年だった
・恒一の母・リツコが死んだのは三組の“現象”の可能性が高い
・その十五年前は途中で死人が出るのが止まった(リツコを入れて八名死亡)
・その年の八月八日~十日の合宿が契機になったと思われる(何があったかは不明)
・合宿中に夜見山中腹にある神社に参拝したが、効果なし
・参拝後の下山途中に二名死亡(浜口、星川)
・下山直後、松永は“現象”を止めるため何かをした
・下山直後、松永は口論で一人の生徒を殺害してしまう。
しかし、その生徒が実は“死者”だった
・“死者”を死へ送り返したことでその後の現象は止まった
・しかし、“死者”に関する記憶は急速に改竄された
・松永は懺悔と後輩へのアドバイスとして詳細を語ったカセットテープを三組の掃除ロッカーの裏に残す
・死亡したのは「怜子の姉・榊原リツコ(女、7月)」上記「浜口(男、8/9、落雷による感電死)」「星川(女、8/9、事故による転落死)」と、「生徒の妹・杏子(女、4/12、病死)」「名前不明(6/6、事故死)」「名前不明(6/13、事故死)」「生徒の妹・郁美(女、7/23、病死)」が確認されている。また怜子の発言から「ケンタロウ」「ナツコ」という生徒が死亡していることが確認済み。
-十年前(88年度)-
・“現象”が“ある”年だったが下記手段の成功によって“回避”した年
・増えた一人に対して一人減らす対策が講じられ“現象”の回避に成功
・以後、この対策が唯一の有効策として“ある”年は実施される
・ただしこの対策の成功例も完全ではなく五分五分
・この対策が失敗したときも明白な理由がある時とない時がある
-五年前(93年度)-
・“現象”が“ある”年だった
・死亡したのは「浅倉麻美(女)」が確定。
-二年前(96年度)-
・“現象”が“ある”年だった
・判明しているクラス関係者は担任だった三神と赤沢和馬(泉美の親族(兄か?))
・“居ない者”が役割を放棄したため“現象”が年度後半から起こる
・死亡したのは「赤沢和馬(男、10/1、事故死?)」「池乗彰吾(男、9/20、病死?)」「奥津亜美の姉(女、11/3)」「小野忍(男、1/29、他殺)」「山本輝(男)」は確定
・紛れ込んだ“死者”は「浅倉麻美(上記93年度の“現象”被害者)」
-今年(98年度)-
・“現象”が“ある”年である
・今年はクラスの人数と座席の数は一致していたが恒一の転入でやはり足りなくなった
・鳴が“居ない者”にされたのは五月一日から(一応拒否権がある)
・今年の“現象”は五月から始まった?
・鳴の双子・藤岡未咲(鳴から見て二親等)が四月に亡くなっており、実は“現象”は例年通り四月から始まっていた
・死亡したのは「藤岡未咲(女、4/29、病死)」「桜木ゆかり(女、5/26、事故死)」「桜木ゆかりの母(女、5/26、事故死)」「水野猛の姉・沙苗or早苗←EDクレジットと名簿で名前が違う。誤植?(女、6/3、事故死)」「高林郁夫(男、6/4、病死)」「久保寺(教師・男、7/13、自殺)」「久保寺の母(女、7/12~13、他殺)」「中尾順太(男、夏休み、事故死)」「綾野彩(女、夏休み、事故死)」「綾野彩の父(男、夏休み、事故死)」「綾野彩の母(女、夏休み、事故死)」「小椋由美の兄(男、夏休み、事故死)」「小椋由美(女、8/8、転落死)」「杉浦多佳子(女、8/8、事故死)」「王子誠(男、8/8、焼死)」「沼田謙作(男、8/8、他殺)」。
情報が多過ぎだったので年度別に再整理したつもりが、被害者を列挙したらとんでもないことにwww
三神が殴られたが、あれが即死だったのかまだ生きているのかにもよって推理は大きく変わる。即死だったら、その時点で“現象”は止まるべきだが止まらなかったのはおかしい。まぁ、上にも雑談のように書いているが合宿所の一連の事件について“現象”は間接的に手を出しているだけで直接的には人間の心理状態に寄る、彼らの自発的な行動(暴走)なので、“死者”を死に還せてもすぐには止まっていないだけなのかもしれないが。
あとは合宿所のあの夫妻がどうして犠牲になっているのか。千曳の言うことが本当なら彼らが犠牲になるのはおかしい。いや、もしかしたら例えばあの夫妻の子供か孫が実は三組の構成員とかなら話は分かるが……。
ちなみに勅使河原と杉浦は明確な間違いを犯した。それは記憶改竄に対する認識だ。勅使河原は風見が幼い頃の記憶を覚えていなかったため、杉浦は自分の記憶にある鳴と今の鳴が異なっていたため、それぞれ“死者”だと決めつけたが両者には、その真偽以前の問題がある。
それは記憶改竄がどの部分に対して起こるのか、と言うことだ。
「改竄はそもそもなぜ行うのか」と問えば、当然そこに「改竄しなければマズイ情報があるから」だ。裏を返せば、改竄とは知られても問題ない情報や事実に対しては行われないのが普通だ。おそらく“現象”における記憶改竄も同様だ。故に、一年半前の恒一の記憶、十五年前に“現象”を止めた松永の記憶は改竄されていたのだ。
勅使河原の場合、風見が幼い頃の記憶を持たないからと判断したが、幼い頃の情報が“現象”にとってマズイ情報とは考えづらい。また、もし幼い頃の記憶がないことで“死者”だと判断されるのであれば、そこで辻褄を合せるために勅使河原に記憶の改竄が起こる(恒一の父親が恒一との会話で後天的に記憶の改ざんをされたように)。だがそれが起こらないのであれば、それはアウトではなくむしろセーフ。
杉浦の場合はさらに分かりやすい。もし鳴が“死者”なら杉浦の記憶は真っ先に改竄されなければならない記憶だ(だってそこからバレてしまうわけだから)。でもそれが起こっていない。つまり、杉浦が持っている記憶は“現象”にとって何の不都合もない、“死者”には繋がらない情報ということだ(実際、杉浦が観たのはたぶん未咲であって鳴ではない)。
むしろ、このことが鳴は“死者”ではないと言う証明になってしまっているわけだ。鳴の情報に関して記憶の改竄の必要がないと判断されている、と考えることが出来るわけだからね。
まぁ、あの極限状態で仮に恒一や鳴が論理的にこう説明したところで聞き入れてもらえたとも思えないが……。
◆最後の推理-“死者”はコイツだ-
来週は最終話。次回予告を観ても、おそらく“死者”を死に還そうとした鳴を止め、恒一が自らの手で決着をつけるのだろう(そうなると、相手が誰かなんて言うのはおのずと分かってしまうが)。また、恒一と思しき男子生徒が携帯電話で話している様子もあった。あれが恒一なら、おそらく記憶改竄が中途半端な父親に電話をし“死者”の確証となるような情報を引き出そうとしている……ようにも見える。
まぁ、それらはともかくとして次回が最後なら今回ちゃんとここまでの推理を結実させて私なりの推理の答えを記しておこうと思う。せっかくだからね、投げっぱなしと言うのもアレだし。
結論 今年の“死者”は「三神怜子」である。
この理由と根拠について説明する。ちなみに理由とは「三神および怜子が“死者”であると言う理由」、根拠とは「劇中別人と扱われた三神と怜子が同一人物であると言う根拠」を示すものとして読んでもらいたい。
理由1「今年の“現象”の開始時期」
前回の鳴の告白と推理によって、今年も例年通り四月から“現象”はスタートしていたことが判明した。おそらく書類上は転入が決まっていたであろう榊原恒一だが、クラスまでは直前まで決まっていなかったのか、あるいは実際にクラスに登校しクラスの構成員に認知されなければ「三組の一員(構成員)」にはならないのか不明だが、どちらにせよ四月から始まったのである。
ここから分かることは二つ。一つは「榊原恒一は死者ではない」ということ。彼がクラスの一員になる前に“現象”はスタートしているわけだから、恒一が死者である理由は無い。
もう一つは「今年の“死者”は生徒ではない」ということ。四月の時点で三年三組の生徒数と座席数は一致していた。にもかかわらず“現象”がスタートしたと言うことは、四月の時点で“死者”は三組の構成員としてすでに紛れ込んでいたことになる。しかし、上記のとおり生徒数と座席数にズレはない。そうなれば、残りの構成員は担任と副担任しかいない。
担任・久保寺はすでに死亡しているが、“現象”は止まっていない。よって“死者”は三神である。
理由2「榊原恒一の記憶改竄」
榊原恒一が“死者”ではないことは上記の通りである。その彼が記憶の改竄を受けていると言うことは、当然改竄された部分は“現象”にとって不都合な部分だから改竄されたと考えるのが自然だ(意味のないところまでわざわざ改竄はしないだろう)。そして“現象”にとって不都合な部分とは、当然“死者”の正体と言うことになる。
恒一が改竄されている記憶は「一年半前の夜見山訪問」である。恒一にはそれ以外に夜見山へ来た記憶は無い。つまり一般的な盆暮れ正月に行う帰省を榊原家はしていなかった、ということだ。そんな恒一(榊原家)がわざわざ夜見山に――しかも一年半前となると、9~10月の秋口――わざわざ帰ってくるとなると、それはよほどの事情と言うことになる。結論から言えば冠婚葬祭、さらに具体的に言えばおそらく親族の葬儀。
恒一が参列しなければならないであろう“身内”にカウントされる夜見山市内の親族は、母の妹である怜子、そしてその両親である祖父母だけである。
だが、その記憶を恒一は“現象”によって改竄されてしまっている。つまり、この三人の中にも“死者”はいる、ということになる。
矛盾する理由1と理由2だが、それを以下の根拠によって同一人物であるとすることが出来る。
根拠1「リツコ、怜子、三神の容姿」
二十代後半のリツコと十代半ばらしく怜子の映った写真があった(前回)。それに対して二つのことが分かっている。一つは二十代後半のリツコは三神と瓜二つと呼んでも差し支えないほどよく似ていること。もう一つは、鳴曰く「リツコと怜子はとてもよく似ている。小さい頃なんか特に」と言うことからリツコと怜子も年の離れた姉妹であるが双子かと思うほど似ているらしいと言うこと。
そして今、怜子は二十九~三十歳で写真に映ったリツコとほぼ同年代であるという点を考慮し、三段論法になるが、これを「リツコ」という要素を使って繋げることが出来る。
つまり「二十代後半の怜子と二十代後半の三神はとてもよく似ている」ということ。
もちろん、こんな「似てる」だけが根拠ではないけれどw
根拠2「鳴の『“家で”絵を描くんだ』発言」
これも前回、写真を観た鳴が「叔母さん(怜子)、“家で”絵を描くんだ」といった発言がある。
ここでおかしいのは“家で”と言う鳴の言及である。通常、趣味で絵を描くならば家で描くのが普通だ(さすがにデッサンやスケッチは外でするだろうが)。だが、ここでわざわざ“家で”と言及したということは、通常怜子は家の外で絵を描くことが普通であると言うこと(それは恒一も暗に肯定している)。そして、それを鳴が知っていると言うことだ。
鳴がそのことを知っているのであれば鳴と怜子の間に接点があると言うことになる。しかも怜子が絵を描く場面を知ることが出来る接点だ。鳴のコミュニティの範囲を考えれば、当然想定されるのは美術部。鳴は美術部員である。そこで怜子が絵を描くと言うのであれば、怜子は当然美術部の関係者と言うことになるが、劇中で外部から招いた指導員というのは聞いていない。つまり、怜子は美術部の関われる学校関係者となる可能性が高い。
そして、三神は美術担当教諭であり、美術部顧問だ。
根拠3「恒一の『本人いわくそっちが本業らしいよ』発言」
これは上記の発言直後に恒一が返した言葉である。これを具体的に示すと、「怜子曰く『絵を描くこと』が本業らしい」ということだ。裏を返せば怜子は絵を描くこと(画家)だけでは生計が立てられないため、他に(周囲から見ればそちらが本業と見える)仕事をしていると言うこと。
根拠2で示したように、その仕事は鳴と関われる仕事でないといけない(そうでないと矛盾する)。美術部のためだけに学校が大枚をはたいて指導員を雇っているとは考えづらい(私立校ならともかく)。おまけに怜子には悪いが、売れずに別に職業を持っているような画家に、生計が立てられるほどの大枚をはたいて雇う学校はたぶんないだろう。
そうなると、怜子は外部から招かれる形で美術部にいるのではなく内部にいる形で美術部に携わっている可能性の方が高い。そんな人物は美術部顧問くらいだろう。そして、その美術部顧問は三神であると明言されている。二人も顧問がいるとは考えにくい。そうなると、おのずと答えは一つである。
三神と怜子は同一人物である。
それならば怜子は画家としてだけでは生計が立てられないため、その経歴を活かして美術教師として就職し美術部の顧問も務めている、と考えられる。
根拠4「望月の言動」
実は劇中で、三神と怜子は同時期に共に体調不良を訴えている(怜子は頭痛、三神は描写がないので不明だが少なくとも自ら不在で三組の美術の授業を自習とした/この点からも夜見山北中学には美術を担当できる教師は三神以外いないことが伺える)。
その際、望月は恒一に三神の容体を訪ねるシーンがある。通常、これはおかしい。転入したばかりの恒一と美術部員で接点の多い望月なら、三神について詳しいのは恒一ではなく望月自身だ。にもかかわらず望月がわざわざ恒一に三神のことを尋ねたのであれば、恒一に望月以上(クラス副担任+同じ部活の顧問と生徒)の接点と関係があると言うことになる。
現状、恒一の周囲で二十代半ばから後半と思しき女性の影は「怜子」と「水野早苗」だけ。後者は残念ながら事故死してしまっていることを考えれば、怜子だけになる。つまり、三神と怜子は同一人物ではないかと考えられるわけだ。
また望月は海水浴のシーンで、やたらと怜子の世話を焼いていた描写が多い。彼の性格を考えれば見ず知らずの年上の女性と親しく出来るとは思えないが、これも「怜子=三神」であるなら望月は三神に淡い恋愛感情を抱いていたわけだから、彼の親しげな対応や気配りも納得がいく。
根拠5「赤沢らの反応」
これは望月と同じ。海水浴へ向かうシーン、集合場所はどうやら恒一が居候している怜子の家だった。そこに集まった面々は、誰ひとり怜子と「はじめまして」の挨拶も自己紹介もしていない。通常、恒一以外の三組のクラスメイトが怜子と知り合いとは考えづらく、普通なら自己紹介の一つや二つあるべきだ。
だが、それがない。ないどころか、どの生徒たちも親しげに怜子と話したり、あるいは怜子の判断(バーベキュー用に海産物を取って競い合った判定など)にも素直に従ったりしている。怜子もまた初対面のはずの彼らとまるで違和感なく会話し、こちらも自己紹介の類などはしていない。
つまり、怜子と三組生徒には接点があるのではないかと考えられる。これが「怜子=三神」なら赤沢たちの反応も頷ける。だって、赤沢たちにとっては毎日逢っているクラスの副担任なのだ。普通の「おはようございます」くらいの挨拶くらいはするだろうが、今さら自己紹介をするわけがないと言うことになる。
想定される反論に対する反論「三神は今回死んだのでは?」
三神は今回殴打され出血して昏倒した。これで三神が仮に死んでいた場合、それでも“現象”による被害は止まっていないのだから「三神は“死者”ではないのでは?」という反論は当然予想される。
これに対する私の反論は二つ。一つは「明確に死んだと決まったわけではない」ということ。実際、二階(?)から突き落とされてしまった風見もあの描写で生存していることが判明している。それこそ今回の小椋のように頭から落下して明確に首の骨が折れてるとか、杉浦のように首吊られ状態で即死と分かるとかではない限り、三神が今回死んだとは断言できない。
もう一つは“死者”を死に還すため、鳴が階段を登って行ったという点。つまりすでに“死者”の目星がついている鳴は、“死者”が上にいるのだと分かっていることになる。館内の見取り図がないので具体的には分からないのだが、おそらく今の鳴や恒一たちのさらに上の階にいる人物は……。
これらの理由と根拠から、今年の“死者”は以下のようなものだったと結論づける。
『三神怜子は、画家を目指していたが生計を立てるためその経歴を活かして美術教師として数年前に夜見山北中学に赴任。美術部顧問を任される。
二年前、三神は自身も十五年前に経験した“三年三組”の担任になる。年度の前半は居ない者対策が講じられて被害が出なかったが、いない者役の生徒が役割を放棄したことで“現象”がスタート。秋口(九~十月)に“現象”の犠牲者となる。
母の妹(叔母)の死に際し、恒一は父親と共に葬儀に参列するため夜見山へ帰省。そこで同時期に兄を亡くした赤沢泉美と何らかの形で知り合う(このことを感覚として赤沢は覚えている)。
そして今年、“現象”は生徒ではなく教師として“死者”を紛れ込ませる。席なき構成員への登用は“現象”にとって新たなルール作りか、あるいは“現象”を止められるヒントとして用意されたのか……。
しかし今年に限って転校生・榊原恒一がクラスにやって来たことと、見崎鳴が四月の犠牲者を黙っていたことによって事態は複雑化。結果的に五月の犠牲者から表面化したことにより、今年の三年三組は真実から遠ざかる結果となり、そして今に至る。』
こんな具合ですね、私の推理は。まぁ、これが当たっていても外れていても正直どちらでも良いです。ただ一つ、せめて恒一と鳴だけは無事に生き延びて卒業してくれれば……。
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