輪廻のラグランジェ 第10話
『さらば鴨川』
≪あらすじ≫
いよいよ始まった私立鴨川女子高等学校第86回文化祭――通称おらが祭。まどか率いるジャージ部は数えきれないほどの部活動の助っ人として準備から手伝い続け、まどかは「これら関わった全ての出し物が私たちジャージ部の展示物だ」と告げ、さっそく三人で自分たちが関わった部活動の展示物がどうなったのか確認しに行くことに。
一方、勝浦の山中にはヴィラジュリオたちがそれぞれのオービットを万全の状態で待機させる。しかし、地球人と触れあったことでキリウスたちは、地球人とウォクスを巡って戦うことそのものに疑念を抱き始める。自分たちは何のために地球まで来たのか? 自分たちの行動を果たしてユリカノは……悩む三人は、散々自分たちのリーダーのように振る舞ってきたヴィラジュリオに一つの決心を伝える。
その頃、なぜか校内に出没したアステリアに振り回されることになる。だが、盛り上がるおらが祭では各所でジャージ部の助けを再び必要とする事態に。ランが、ムギナミが、まどかと知らないところでまどかの知らない友人とまどかの知らない笑顔を浮かべている姿に、まどかは複雑な胸中に陥る。
そんな彼女の隣でアステリアは、地球に敵と思われる人工物が接近していること、その迎撃にランとムギナミが出撃しようとしていることを伝える。「自分も」と駆け出そうとするまどかに、アステリアは彼女のウォクス・アウラは凍結されており、まどかには「なにも出来ない」と告げる。
だが、それでもまどかは居ても立ってもいられなくて――
≪感想≫
まずは、第二期確定
おめでとうございますm(_ _)m
『ラグランジェ』が当初から分割2クールの予定だったことは、少しでもこの作品が好きで調べた人なら割と有名な話なので、これは当初から既定路線だった2クール目が確定したと言うことに過ぎないのだが、やはりまずはおめでとうと言うべきなのだろう。
2クールと言っても分割である以上、あまりに期待値から遠い結果しか残せないなら当然打ち切りの可能性だってあったはずだ。コレといって目ぼしいグッズなどが販売されていない状態で、果たして何を基準に決まったのかはよく分からないが(視聴率か? あるいはネットなどの反応か)、やはりこうして毎週感想を書いているアニメの続編が公式で発表されると言うのは、一安心するw
お話の方はサブタイの意味がサッパリ分からない内容w この『さらば鴨川』の意味は次週以降意味が分かってくる仕組みだろうか。
内容自体は、まどかの心情にスポットが当たっていた。前回、そして今回とまどかメインの話が続いたわけだが、序盤でラン、中盤でムギナミと来て、最後にして最初から登場する主役のまどかの心情がメインになるのは、とてもいい感じがする。
前回明かされたまどかの過去。間髪入れずに「まどかがずっと一人で活動してきた中でランとムギナミと言う仲間が出来たことで逆に何かを失う恐怖を想いだしている」と言う話に直結させるのはストレートだが分かりやすくて良い。
個人的には前回も書いたのだが、母親、ようこから受け継がれてきた“借り物”の信念であるジャージ部魂を、まどかなりにどう解釈し受け入れ作り上げていくのかと言う部分を見てみたかったのだが、ここまでを見る限り少なくとも今クール中にそういったディープな話にはならなさそうだ。それは少しばかり残念だが、別に当たったまどかの心情という焦点は、それはそれでとても興味深いモノであるのでとても期待している。
序盤視聴していた時は、ランやムギナミが他の生徒と仲良くしている姿に対してモヤモヤすると言う感情を抱くまどかのソレは、嫉妬や独占欲の裏返しなのかなと思っていた。また、彼女がアウラに乗って二人と一緒に戦えないことは数話前で分かっていたことで、それに対してまどかは「乗れなくてもジャージ部だから」と前向きに引っ張ってみせたはずなのに、どうして今更そんなことを言うのか? 脚本ミスか?と安易に考えていた。
でも、そんな私の浅はかな心情推理のさらに上を行く指摘をアステリアはしたわけだ。
誰よりも明るくて前向きなはずのまどかが、実は誰よりも孤独であることに慣れていたと言うのはとても皮肉だ。そして1話からこの10話まで、ずっとランやムギナミと言う共にジャージ部を構成する仲間を得たことで逆に彼女は、かつて母親を喪った時のような「喪失感」を再び味わうのではないかと言う恐怖に駆られている。
だから、まどかは自分の傍から離れていくランやムギナミに対して複雑な感情を抱いたのだ。劇中で彼女が口にしていたように、二人がまどか以外の同世代の子たちと仲良くしているのはとてもいいことなのに、それとは裏腹に彼女の心の内には常に「二人が自分の傍にいることでいざという時には絶対に自分がこの二人を守って見せるのだ」と言う意気込みがあったに違いない。だからこそ、二人がまどかから離れてしまうかもしれないシーンを目撃して、いざという時に二人の傍に自分がいられなくて守れないかもしれない――母親のようにまた大切な存在を喪ってしまうかもしれない、と焦燥感に苛まれているわけだ。
そんなまどかとは裏腹に、ランとムギナミの心には常にまどかがいる。何時だってまどかが自分たちの言動の中核にいる。違う星のひとなのに、二人にとってはもしかしたら兄や兄同様のヴィラジュリオと同等か、あるいはそれ以上にまで心の中でウェイトを占めている。なのに、当のまどかはそんな二人に対して不安を覚えていると言うのは、とても対称的に描かれていてとても印象が強い。
ランを、ムギナミを、みんなを常に笑顔で前向きに引っ張って来たはずのまどか。だが、その彼女が実はランやムギナミよりも、ずっと他の二人に依存してきていたと言う事実。
それをアステリアによって突きつけられて、それでもまどかは出撃していく二人を遠い海の上で見送ることしか出来ない。
最後に無人のウォクス・アウラはまどかの決意に呼応するかのようにシステムが起動したようだが、果たしてパートナーであるまどかを迎えるために無人での出撃と言う可能性もあるのだろうか?
◆写真の構図に見る三人の関係
「写真」という明らかにキーアイテムだろwと思わせる展開でやっぱりキーアイテムだった集合写真。本当は今回のサブタイから、三人がそれぞれの勢力の思惑によって離れ離れにされた時、その写真を見て三人一緒にいるべきだと決意するためのアイテムに使われるのだと思っていたが、もっとコアにその写真はまどかが立ち続けるために必要なアイテムだったのだ。
写真の構図を思い出すと、ランとムギナミが椅子に座り、その二人の中央に、二人の肩を抱き寄せるような形でまどかが映っている。
これは二つのことを暗示していると思っている。
一つは、今の物理的な現状。「椅子に座っている=コックピットに乗れる」と考えることが出来、愛機が凍結されていないランとムギナミはそれぞれ椅子に座り、愛機が凍結されてしまったまどかは座るべき椅子(=コックピット=アウラ)がないと言うこと。
もう一つは、今の精神的な現状に対する皮肉。椅子に座る二人の肩を抱き寄せて笑顔を浮かべるまどか一見すると二人を引っ張るリーダー格に見える。また一時期険悪だったランとムギナミを繋ぐ「橋渡し」的な存在のようにも見える。だが実は「椅子に座っている=安定している」とも考えられ、椅子に座るランとムギナミはそれぞれ他の二人のパイロットに対する信頼や気持ちが安定していることに対して、椅子がないまどかはそんな二人に比べて気持ちや信条が不安定でフラフラしていると言うこと。
まどかがこの写真を船の上で見つめ何を想っていたのかは分からない。だが、まどかは行くのだと決意した。決意させるだけの要素があの写真にはあったのだ。
あの写真にあるのは、二人の親友の姿だけ。
彼女が自分だけ安全な場所に避難して、親友二人を戦地に向かわせることに納得出来るはずもない。アステリアは言った「戦場は何かを喪うことを想わせる」と。なら、まどかがどうするべきと考えるか、なんて推理するまでもない。
「戦場が何かを喪うかもしれない場所なら、私が何も喪わないで済むように頑張るだけだ!」
まどか、頑張れ。
次回『鴨川絶対防衛ライン』 次回は丸々30分、ロボット戦闘かな? 久々の熱いけどどこか抜けた(?)味のあるロボットバトルに期待。
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