ペルソナ4 #20
『We'll all meet at the AMAGIYA Hotel』
≪あらすじ≫
いろいろとあり過ぎて成功かどうかはともかくとして、文化祭の打ち上げと称してゆきこの実家である天木や旅館に宿泊することになった悠たち。菜々子も呼んで大人数で楽しくやることに。
温泉旅館イベントらしく(?)入浴シーンがあったり、何と男子の泊っている部屋には曰くがあったりと、なんやかんやでワイワイと楽しむ。
そんな中でも雪子だけは、『旅館の次期女将』という肩書を最も嫌っているはずなのに、気がつけばあれこれと旅館の手伝いに手を伸ばしていた。
自らのシャドウと向き合うことで得た雪子の答えとは……。
しかし、そんな中に水をさすように一連の稲羽市で起きた連続殺人事件のせいで客足の落ちた天城屋旅館を面白おかしく取材しようとするモラルのないマスコミがずかずかと踏み入ってきて
一方、実は誰にも話せずにいたが、悠の下には一通の脅迫状が届いていて――
≪感想≫
今回はやはり雪子メイン。
雪子はよく良く考えると、まだ17歳なんだよね。その多感な時期に、いろいろな要素や偶然が噛み合ってしまったとはいえ、次期女将として周囲に期待される中で逃げ出したいと言う気持ちは素直な17歳の本音だと思った。
その一方で、その多感な思春期をすでに通り過ごしてしまった私にはそうした次期には見えなかったものが見えている。そして、17歳にしてペルソナに関わる事件を数多くこなしてきたからか、雪子にもそれが見え始めている。
それは、自発的な意思。
自分が代々受け継がれてきた者を継承し、叶うならば自分たちの子・孫の世代まで護っていきたいと言う願いは(確かに自分の両親や親族の願いでもあるが、それ以上に)自分の胸の奥から発した意思であるということ。
かなり序盤にも書いたのだけど、私は男だけどキャラクターの中では一番雪子に近い。それはもちろん容姿・能力ではなくて、社会的な立場として――次代を担うものだと周囲に勝手に期待され半ば決めつけられているモノゴトが私にもある。そうしたモノを持つ人の中ではどうしても、この手の問題は壁として立ちはだかる。
多感な時期だとどうしても、「自分は親や一族の敷いたレールの上を歩いているだけなのではないか」と思いがちだし、実際にそういう側面がないわけではないだろう。雪子は自分を鳥、自分を取り巻く環境を鳥籠に例えていたけれど、彼女もまた周囲の期待に応える自分に果たして自発的な意思があるのかどうなのかと言う部分で悩んでいた。
その中で彼女はシャドウと向き合った。りせはシャドウと向き合うことで芸能人としてのりせちーもまた自分であるのだと受け入れたのとある意味逆で、雪子はシャドウと向き合うことで次期女将としての自分を受け入れた。一見して似ているのだけど、りせは自分が受け入れるべき部分がシャドウとして体外に出現したが、雪子は自分が受け入れるべき部分は実は雪子として体内に残っていたのだ(シャドウとして体外に出たのは自由に生きたいと言う表面上の雪子の願いの部分)。
おそらく今回の一件を契機に雪子は、天城屋の女将としての道を歩くことを決意しただろう。もちろんこの先、大学(田舎町だから近隣に雪子に合うような大学があるか分からないが)に進むこともあるだろうし、そこでまたいろいろな出逢いや経験に触発されることはあるだろう。それでもきっと雪子は、自分の原点と言うものがどこにあるのかをきっと忘れない。
もしかしたら、雪子のような代々受け継いできたモノを継承している子供たちは、何も知らない他人から見たらもしかしたら「親や一族に敷かれたレールの上を歩かされている不憫な子」に見えるのかもしれない。でも、それは違うのだ。そういう子供たちにとって、そうした受け継ぐべきモノが身近にある風景は当たり前であり、そして自分の心の原風景であり、原点なのだ。
そこに気づけた雪子は、主観的な感想になってしまうが本当に良かったと思えた。
◆事件は加速するか?
と言うわけで、実は悠には脅迫状が……。たった一通の脅迫状だが、ここで分かることがわずかにある。
1.犯人はマヨナカテレビを意図的に殺害のツールとして利用している
マヨナカテレビにいれることで、入れられた人間は自分のシャドウと向き合い受け入れなければ死ぬ。真犯人はこのプロセスと結果を知っている。
実はこれ当たり前だと思いがちだが、久保はおそらく知らなかった。テレビに入れることは知っているけど、おそらく入ったことや入った人がどうなるかは目にしたことがないのだろう。だから彼には、諸岡を殺害する時にテレビを利用すると言う発想がなかった。
でも真犯人はそうではない、ということ。
脅迫状の文面が「コレイジョウタスケルナ」だったことがポイントだ。「タスケルナ」と言うことは、真犯人は誰かが“助ける”ような事をしないと入れられた被害者がどうにかなってしまうことを意図的に行っているということ。これはつまり、殺意の裏付けと言えるだろう。
つまり、犯人は殺意を持って山野アナ、小西早紀を殺害したということだ。まぁ、その殺意も怨恨に根差すものなのか、突発的なものだったのかという部分はまだ曖昧だが。
2.犯人は鳴上悠をいろいろな意味で知っている
これはもちろん、脅迫状の宛てが悠だったことに起因している。が、これには実はいろいろな意味が含まれる。簡単に箇条書きに、含まれる意味合いとそれによって導き出される部分を記しておこう。
a)犯人は、意図的にテレビの中に入れられた人を助けるグループの存在を確信している
⇒犯人は偶然被害者たちが助かったのではなく、意図的に救出しているグループ(=悠たち)の存在を感知している。悠たちは、このことを現在の仲間以外で口にしているケースはほとんどないのに、どこで知ったのか?
b)犯人は、テレビに入れられた人を助けるグループの中心核が悠だと知っている
⇒犯人は救出グループの特定に成功している(どうやって?)。その上、そのグループの中心核にいるのが悠だと知っている。
c)犯人は、鳴上悠のことを詳しく知っている
⇒少なくともフルネームと住所は知っている。なぜならあの脅迫状には、悠の名前しか記載されていなかったから。つまり、郵便などを利用したのではなく犯人は自ら堂島家のポストに投函したことになる。郵便を利用しなかった理由が、もし堂島家の大黒柱である遼太郎が刑事だと知っているからだったとしたら、犯人は悠の周囲を念入りに調べ上げている可能性もある。
d)犯人は、稲羽市内もしくは近郊に住む可能性が高い
⇒堂島家を知っていた土地勘、直接ポストに脅迫状を投函出来たこと(見知らぬ人物が住宅街をうろついていれば怪しまれるがそういったことがない様子を考えると、近隣に住むか、あるいは夜間の実行と言うことになる。夜間ならなおのこと土地勘が求められる)などを踏まえれば犯人が悠たちの身近にいる可能性は非常に高い。
まぁ、これらの可能性が一通の脅迫状から分かるわけだ。重要なのは、真犯人が割と悠のことを知っていると言う点か。マヨナカテレビの一件は、犯人がテレビを通じて観ていたという可能性もあるし、あるいはテレビの中に頭だけ突っ込んで監視していた可能性もあるだろう(それが出来るかどうか分からないが)。だが、それ以上に不気味なのは、悠を知っている点。悠がグループの中心核だと知っている点。
普通に考えれば、ムードメーカーの陽介、不良として知られる完二、探偵王子として有名な直斗辺りがパッと見はリーダー格に見える。陽介はともかく、後の二人は有名で特に直斗の住所はすでに割れているはず。同様に住所が割れやすいのは雪子だ(旅館経営のため)。
でも、犯人はこれらの一見すればリーダー的な人たちや住所が割れやすい人ではなく、的確にグループの中心核である悠を見極め、そして住所を割り出しにくい悠(堂島家)へ脅迫状を直接投函している。
つまり、真犯人は悠たちのグループについてある程度熟知していると言うことだ。そうなると彼らのグループの身の回りにいる身近なキャラが最も怪しいわけだ。グループ内に裏切り者の真犯人が居ないのが唯一の救いではあるけれど(悠以外は自らのシャドウと向き合って殺されかけているので犯人とは言い難い。悠も自分のシャドウとは向き合っていないが、ペルソナを使えている時点で「向き合う必要性がない」と言うことなのだろうし、ここでは可能性は低いだろう)。
まぁ、描写がないだけでグループ全員に脅迫状を送っている可能性もゼロではないが、それならそれで犯人はグループ内の人物について熟知していることに変わりは無い。
ここまで来ると、もう犯人は身近な人物になりそうだ。悠の身近な人間が犯人ならそれだけで意外性のある人ばかりだから、驚きなんだけど……次回以降はそこにようやくメスを入れることが出来るのだろうか。
次回『DON'T SAVE ANYONE ANIMORE』
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NoTitle
脅迫状からの推理、なかなか鋭い点をついてらっしゃると思います
それと同時に以前の推理も照らし合わせると真実が見えてくるかと
原作でもですが真実が目の前にあるのに当人たちには見えてない、見ることを忘れてしまう状況に追い込まれるってのがあったり