輪廻のラグランジェ 第6話
『風と火と水と鴨川と』
≪あらすじ≫
ムギナミを切り捨てたヴィラジュリオに激怒し、「かたき討ちだ!」と意気込むまどかとラン。一方のムギナミは兄と慕ったヴィラジュリオから切り捨てられた現実に未だ泣くことしか出来ずにいた……。
夜明けの宣戦布告。田所は非戦闘員の即時避難と安全海域の選別を急がせ、同時に同時刻に航行する全ての船舶と旅客機への根回しも忘れない。「ウォクス三機を撃破したところでそれは対抗手段を失うだけ」というモイドの言葉を信じ、田所は「徹底抗戦だ」と戦って地球を守る決意を固める。
夜明けと同時に出撃するウォクス・アウラとウォクス・リンファ。無数の敵無人機・トリロクを破壊するが、あまりの数にらちが明かない。その時、モイドによって極秘裏に勧誘されていたムギナミは最後の一機である“火”の名を冠したウォクス・イグニスによって出撃する。
ウォクスを奪取した自分を、それでも切り捨てるのならその時はお兄ちゃんと……
そう決意したムギナミの乗るイグニスに容赦なく高火力砲弾を撃ち込むヴィラジュリオ。まどかのおかげで直撃こそ避けたそれを見て、まどかはヴィラジュリオの乗るアルヴィリウムに殴りかかろうとするが、割って入ってヴィラジュリオの盾となるムギナミ。
「ジャージ部とか言って、貴女のしていることは全部自分の為じゃない!」
まどかの信念をそう切り捨てるムギナミに、まどかの気持ちに呼応したウォクス・アウラは突如として“輪廻”を咲かせて――
≪感想≫
さすがに安易に仲間にはならなかったムギナミ。ウォクス同士の戦闘と言うのも、おそらくこの序盤だけでその後は三人で協力していくことになるのだろうから、貴重なシーンになるのかもしれない。
しかし、それ以上にヴィラジュリオとモイドが何を企んでいるのかが黒いwww
結局、今はどれだけあがいたとしても女子高生三人(? ランとムギナミを女子高生に換算していいのか分からないが)が大人たちの手の上で良いように弄ばれているんだよね。
ある意味、ここの展開はお約束と言ったところだろうか。
高校生と言う多感で未熟で、そして何よりエネルギッシュな彼女たちを巧みな策略で利用している大人たちと言うのは見ていて狡猾だと思うが、その一方でそんな論理的な狡猾さを打ち負かせるのはきっとそれ以上の策略ではなく、そんな論理さえ超えるエネルギッシュな情熱なのだと信じている。それがあってこそのお約束ってヤツだよねwww
演出としてはようやくウォクスが武器を持ってくれた部分かな(笑 でも最初から装備させてやってほしい。
……あぁ、ウォクスはピアサー形態が基本だから手持ちの携行兵装は装備して出撃出来ないのか。なんて面倒な(爆 というか、それならそれで内蔵式の固定武装が欲しいね。
ウォクス・アウラの剣劇シーンはなかなかにカッコよかった。剣道すら楽々こなしていた1話のシーンはちゃんと伏線としてここでも生きているようだ。
そして演出。
「敵を斬り裂いたシーンで溶断された敵のパーツの裏側に、敵を溶断したロボットの顔が見える」という演出はロボット物ではお約束だろう。
最近だと、『ガンダムOO』のエクシアやダブルオーの戦闘シーンの演出で似たような部分は見ることが出来て、ある意味剣をカッコ良く構える“勇者パース”、独特のミサイル回避演出の技法である“板野サーカス”に肩を並べる演出に今後なるのかもしれない。
どうしても良くも悪くも決め台詞のあるまどかたちのキャラクター性や、鴨川と言う地域性に目を惹かれがちのこの作品だが、ロボットの描写は堅実だと思っている。ウォクスの出撃シーンのシークエンスから発進後の一回転してからの加速シーンに至るまでなんかは“バンク”が前提のせいかとても丁寧に作られていて何度見てもカッコいい。
そんなわけで本作のロボット描写は堅実にカッコよくて、その中で戦い方に特殊性を持たせることで他との差別化を図っているように私には見える。
とはいっても、次回はどうやらムギナミの過去回想話のようだし、今回あんなことになってはウォクスの出撃なんて当分なさそうだけどw
◆まどかの行為は自分の為か、他人の為か
ある意味、正義の味方的なキャラクターが出てくる作品にとっては永遠のテーマのような気がする。似たように今期は『偽物語』『シンフォギア』辺りでも似たような論議は出来るだろう。
実際に、他人の為に命をかけて戦えると言うのはとても正常ではないのだ。正常ではないから、正常な一般人から見るとそうした人たちは特異に見える。特異に見えた結果がプラスに働けばその人にとってその特異性はヒーロー性となり、マイナスに働けばその特性は所詮ただの自己満足でしかないという卑屈な結論に至る。今回のムギナミは後者。
結局、コレの答えなんて出しようがないんだよね。
今回を例に出せば、(真意は定かではないが)ムギナミにあんなことが言えてしまうヴィラジュリオをムギナミから切り離すというのは客観的に観れば正しく見えるが、その一方でムギナミはまだヴィラジュリオを慕っており本人の意思を無視する行動がどんなにその人のタメになる行動だったとしても正義と言えるのかと言えばそれはまた疑問なわけだ。「善意の押しつけは悪意でしかない」と言う意見もあるように、その人の意見を尊重しない善意なんて自己満足の悪意にしか見えないと言われても仕方ない。
だからこれは正義の味方――この作品では、“ジャージ部”と呼ばれるお助け精神が、必ず向き合わなければならない壁だと言える。『偽物語』では阿良々木兄妹が今、ちょうどこの問題とぶつかっているのと同じように、だ。
私の持論としては、やっぱり「他人を助ける」のは助けている人の為だと思っている。つまり、まどかは自分の為に他人を助けている。でも、それはムギナミが考えているような利己的な理由じゃない。
目の前で苦しんでいる人や困っている人がいて、自分が手を差し伸べることが出来るのなら手を差し伸べたい。
それは自分の為であり、そして他人の為だ。他人の為に何か行動を起こすという自分の強い意思。求めるのは助けられたという結果と、その結果に満足する自分自身であり、その満足さを糧に次の人を助ける原動力にしてもっと多くの人の助けになるという輪廻の循環。
だから、まどかはやっぱり自分の為に他人を助けているのだと思う、もちろん前述のようにとてもいい意味で。愛する鴨川の為に、愛する人たちが一人でも笑顔でいられることを報酬に彼女はジャージ部としてロボットまで駆って宇宙人と戦ってしまうのだ。
結局、今回は何やらウォクスのシステムが発動してムギナミの指摘に対するまどかの結論は聞くことが適わなかった。やっぱりウォクスの原動力はメモリアしたパイロットの精神なんだろうなぁ、というのを予感として感じながらも、まどかがムギナミから指摘された部分についてどう考え、どう結論付けるのかというのは楽しみだ。
次回はムギナミの過去編。そして同時にまどかがムギナミと改めて向き合い、ムギナミの指摘に対して答えを見せる話になることを祈っている。
次回『曇り のち 鴨川』
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NoTitle
今のところ、劇中では何も言及されていないため、もしかしたら制作スタッフが流行らせようと考えているのでしょうか?
正直、聞いていると冷めてしまいます。
実際、まどかやランの口癖に対して周りの大人達は何の反応も示していません。
内心では「痛い子だなぁ・・・」と思って無視しているように感じます。