偽物語 『かれんビー 其ノ陸』
『かれんビー 其ノ陸』
≪あらすじ≫
中学生たちの間で悪意ある“呪い”を流行らせていた貝木泥舟(かいき・でいしゅう)に“囲い火蜂”という怪異を宿された“大きい妹の方”こと阿良々木火憐(あららいぎ・かれん)の毒を自分に移すことを考えた暦。その方法は……なんとキス!?
兎にも角にも毒を自分に移すことに成功した暦だったが、全ては無理で半分を移すのが精いっぱいだった。それでも吸血鬼の時の名残りの治癒能力で翌日には動けるまで回復した暦は、ひたぎの下へと向かう。その道中、真宵と遭遇した暦は、妹たちの正しさとそれを応援したいが納得できない部分があると伝えると真宵は「それは子供なのに、子供であることを自覚していないから」と暦の納得出来ない部分を見事に言い当てる。
真宵と別れた暦はひたぎの家へ。そこではやたら鋭利に削られた鉛筆が無数に……。明らかにひたぎが貝木と対峙しようとしていることを理解した暦は、恋人を犯罪者にしないため、そして恋人を護るため彼女が一人暴走して選考しないようなんとか「二人で一緒に貝木に立ち向かう」と約束を取り付けることに成功した。
貝木との約束は午後五時。それまでいったん帰宅し睡眠を取り体調を少しでも万全にするようひたぎに言われ素直に従う暦。しかし、帰宅するとそこには「火憐ちゃんがいなくなった!」と酷く動揺し混乱している月火が。
すぐ探しに出た暦も表面上冷静に対応しているが内心は焦っていた。火憐の行動を何とか先読みしようとする暦。その時、彼の影から忍が姿を見せて――
≪感想≫
マジで翼はどんな調教を施したんだろう(マテ
いや、純粋に興味がある。まぁ、あれでツンデレてってる部分も意図的に本心の上から纏っている鎧のような部分があるひたぎだから、その辺り正論をぶつけてくる翼には弱いのかもしれないが(苦笑
そんなわけで今回のテーマは“天敵”である。
◆ひたぎの天敵
それが翼であり、そして貝木であるというのは、前回の記事で二人は似ていると書いた私からすれば苦笑以外の何物でもない。
それは、ひたぎはああ見えて実は暦寄りの非常に感情に行動の指針を預けているタイプの人間と言うことだ。そして翼と貝木はそんなひたぎや暦とは裏腹に、行動の指針は感情ではなく客観的事実であるタイプの人間と言うこと。少し考えれば誰でもわかるが、大人になればなるほど人は一般的に客観的事実を知り認めていく傾向があるから、こうした感情で動くタイプの人にとって事実を盾にする相手と言うのは天敵と言えるだろう。
もちろんどちらであることが正しい、だなんて言うつもりはないし、そんなことは決められないだろう。ただ力関係で感情で動くタイプは事実を武器にするタイプとは相性が悪いというだけだ。それも、ある意味吹っ切れて開き直った場合は感情で動くタイプが、相手を凌駕するパターンもあるから一概に不変の力関係と言うわけでもないと思うし。
そんなわけで、大枠で分類するとひたぎと暦が一緒で、翼と貝木が一緒。そして細かく分別するとこの四人はさらに別々になるわけだ。
ひたぎと暦の最大の違いってなんだろう、と考える。考えたところで、(これが正しいかどうかまだ分からないのだけど)それはきっと“過去”なんだろうなと思いいたるわけだ。
暦は過去を背負って生きていくタイプだ。過去を振り返りながら生きていくタイプ、とも言える。決別なんて絶対にしない。今の自分があるのは、それが仮にどんな出来事であったとしても――それが、自分が人間ですらなくなったコトであったとしても、過去の積み重ねがあるからだと考えるのが暦だと思う。
だからこそ、彼は忍との関係を絶対に清算なんてしないのだ。死ぬまで彼女との関係を背負って生きていく……それが、二百年三百年という知人友人家族が誰ひとりいなくなるような悠久の時間を生きることになっても、である。
翼に対してもある意味そうだと言えるのだろう。翼に対して暦がどうしてそこまで恩義を抱いているかは分からない(おそらく時系列を考えれば、彼が忍と出逢うことになった最初期の出来事(『傷物語』?)が原因だろうけど)。でも、その感謝と恩義を彼はきっと死ぬまで持ち続ける。
生きれば生きるほど背負っていくものは増えていくわけだから、これはキツイ生き方だ。
対してひたぎは過去とは決別して生きていくタイプだ。過去を振り返らず前を見据えて生きていくタイプとも言える。もちろん、後悔することがあれば立ち止まることも振り返ることもあるのだけど、基本的な指針として、ね。
彼女としても何でもかんでも決別して切り捨てるのではなく、大切なことは持ち続けて、そうでないことは切り捨てるわけだけど、自分が新しい一歩を前に踏み出すに必要ならば、その過去とは決別出来る決断力を持った生き方がひたぎだと思う。
決別とか、決着とか、区切りとか。
それはよく耳にするけど、本当の意味でそういった線引きが本当に出来るのかと言えば難しいところもあるのだろう。仮にひたぎがここで貝木をフルボッコに出来たとしてもそれで終わるわけではない。貝木を仮に殺害したとしても、貝木と言う危険を退けただけでその後には貝木を殺害したという新しい背負うべき過去と共に歩まなくてはいけなくなる。
だから大切なのは、その“線引き”が出来るかどうかということ。それが出来ないとこの生き方って、実は全部を抱えて背負って生きていく暦よりもずっと難しい生き方な気がする。
ちゃんと自分の中で理解も納得も出来る線引き。それが果たして彼女の中で出来るのか。
とはいえ、彼女は「どんな結果になろうとも」と口にしていたので実はその辺はあまり心配はしていないんだけど。彼女がそんな台詞を口にしたということは、彼女にとって重要な“線引き”は貝木との決着ではなく、その前後にある決意だったり、事実だったりするのだと思うから。
彼女が線引きをするその“儀式”めいたコトが何なのか、って言うのは正直予想できるw まぁ、放映前に新規描き起こしのキャラデザを一度でも見たことがあって、今回のひたぎの台詞を耳にすればそれが何なのかは誰でも想像がつくだろうけど、でもそれは線引きの為の儀式としては良いのかなってちょっと思った。まぁ、その辺は実際にソレが行われたときにまた考えてみたい。
◆とはいえ
暦は相変わらず行動がことごとく裏目に出るらしいw
まぁ、『化物語』の頃は裏目に出る、というのとはまたちょっと違ったニュアンスではあったのだけど……でも、火憐を救うつもりで半分引き受けた毒のせいで火憐が回復してしまい、また動き回れるようになってしまったというのは裏目以外のなにものでもないだろう。
もちろん、だからと言って身内が高熱で魘されているのを見て「これでしばらくまともに動けないだろうから、大人しくさせるにはちょうどいい」なんて思うようなら、そんな主人公こっちから願い下げではあるが(笑
実際しょうがないんだよね、暦の場合。今回もそうだけど、命に別条がないと断言出来る状態ではないわけだから、少しでも症状を回復へ向けさせたいと願うのは自然なことだ。暦としては「もしかしたら火憐は病を押して動くかもしれない」と予想出来ていただろうし、だからこそあの置手紙を残したのだろうけど、かと言ってそれが予見できているからと言って自分がやられたように手錠で監禁状態にするわけにもいかないわけだ。
こういうところは、まさしく真宵が指摘した通り火憐には自覚と言うものがないのだろう、と思わされる。それは彼女が病人である、という自覚であり、そして正義を行おうとしている者であるという自覚だ。彼女は自分の身を粉にしてでも貝木の目論見を止めたいと願い、止めるべきだと判断したのだろう……その結果、自分がどうなるにせよ。
それはとても立派だと思うが、その一方でそんな行動を平気でとれる人間を私は最近になってようやく軽蔑出来るようになった。「軽蔑」ってのはちょっと攻撃的な語彙選択かもしれないけど、「立派」だと認められる半面それが出来てしまうことを「残念」だと見下すというのが正しいか。
どうしてそう思うのかと言えば、そうした人たちは視野が狭過ぎるからだろう。もっと簡単に言えば自分が傷ついて、あるいは死んで悲しむ人のことを全く考慮していない点において見下すに値する行為だと認識している。
“正義の味方”なんてのはその最たる存在で、そういう存在は助けを求めている人たちをとにかく救う。でも、当然救えない人たちだっているわけだ。そんな時、“正義の味方”は救えた人ではなく救われなかった人を憐み嘆く。
“正義の味方”に限って人の命は平等だ、と口にするくせに救えた命に見向きもせず救えなかった命ばかりを気にする矛盾。
火憐にしたってそうだろう。彼女の想いは正しくて「力がないからといって見過ごせない」「負けを認めない限り負けじゃない」というのはとても立派だ。だが、それに付き合わされて無茶と無謀を繰り返す姿を見せられる側からすれば、それがどう映っているのかを“自覚”していない。正義を口にしながら、その実、身近な人たちに対してその正義に反した行動を取るわけだ。
正義とは、人の道に適って正しいこと。だから火憐が詐欺師である貝木をどうにかしたいと思う気持ちは正義だが、それ故に病人が事件解決のために身を削って出歩くと言うとても人の道に適っているとは思えない、正義と反する行動を取るのだ。
だから彼女は“ごっご”であり“偽物”なのかなとも思う。本物の正義の味方ならきっと暦が口にしたように「心配」すら周囲にさせないのだ。その点で言えば暦の方が本物に近いようには見える……もちろん、それは暦の場合は身内などの周囲には伝えずに極秘裏に関係者だけで立ち向かったと言うだけで事実としては何も変わらないのだけどw それに暦が怪異以外で正義マンなところを発揮している部分を見かけてないからでもあるし。
……と、まぁここは私の持論であるので、この『偽物語』あるいは執筆された西尾維新さんがこうしたことにどう考えているかは分からないけれどw
◆正義の天敵は悪?
正義やら正義の味方やらと言葉を使ってきたが、そういえば今回もそんな単語が出て来たシーンがあった。正義と悪と、そして偽善のくだりである。この辺りの表現は面白いなと思った。
正義は偽善には強くて、悪に弱い。なら偽善は悪に強くて、正義には弱いという三角関係が成り立ったりするのだろうか?
正義は悪に弱い。それはつまり道徳的に正しいことである正義よりも、悪いことである悪の方が強いってこと。どうしてそうなるのかと頭を捻ってみれば、正義は事実でしかなく悪は欲望であるから、と思い至る。事実と欲望ならどちらの方により強い情熱やエネルギーがこもっているかと考えると、やっぱり人間欲望の方がエネルギーとしては強い気がするのだ。
だから全く同じ同等の力でぶつかり合う正義と悪は、悪の方が強い。故に、正義は常に悪よりも強くなくてはいけない。それは暦が口にした「正義には力が必要」と言う言葉にも当てはまる部分だろう。
だがそんな悪に対して、もし偽善が強いとしたらどうだろう? 偽善とは「うわべをいかにも善らしく見せかけること。またはそういう行為」と調べることが出来る。つまり、うわべは“善”なんだけどその中身は違うと言うことである。一般的には、うわべは“善”なんだけど中身は“悪”と言う形だろうか。そうなると、うわべは“善(正義)”を装いながら、その中身は“悪(欲望)”と言うこと。
そうなると全く同じ力でぶつかり合う偽善と悪は互角……、だがうわべとして纏っている“善”がある分だけ偽善の方が強い。それはそうだろう。悪一辺倒なコトよりも表面上は正義で繕ったコトの方が一般的に良く見えるし正しく見えるのだから。
そして、そんな偽善は正義に負けるのだ。偽善は所詮うわべだけの“善”なので、外も中も“善”である正義の前ではうわべをあっさりと剥されて、正義の方が強くなる。「うわべを剥いでも中身が悪なら偽善が勝つんじゃね?」と思うかもしれないが、うわべを剥されるというのは鎧がなくなるのではなく皮膚を剥されると言うことに近い。つまり、剥されるコト自体にダメージがあるので、同等の力はその時点で削り取られるため正義の方が強いのである。
もちろんこれらは全く同等の力を持った正義と偽善と悪がぶつかり合った結果でしかないわけで、そして全く同等の力でぶつかり合うことなんて滅多にないわけだけどね。
ただ、言葉遊び的な部分があったにせよ、こうした表現は聞いてても考えても面白いなと思った。
追記
録画していた『ひだまりスケッチ』を視聴していたらアサガオが花を開くシーンがあって、そこが完全に一致していて「おっ」と思った。こういうところで系譜を感じるね(ぇ
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NoTitle
「偽物語」……アニメ本編とこちらの記事には一応目を通させて頂いています。(その伍は、きちんと見れなかったのですが……)
ともあれ、ちょっと書く場所が違う気もしますが、作中の羽川さんの行動やこちらの羽川論(?)を見て思ったことをちらほら書かせて下さい。
以前、父に紹介された本の内容に……
人間の特質を「徳」と「才」に分けた際……
「徳」に優れる者を「君子」
「才」に優れる者を「小人」
と昔は区別していたという話を聞きました。
「君子」と「小人」と言うと人間の格とかの上下を指すような印象がありますが、元々は「文系・理系」とか「頭脳派・肉体派」みたいなタイプ分けのニュアンスがあったらしいのです。
(この話で出た例に、勝海舟は「徳」も高いが「才」の方が優れるで「小人」、西郷隆盛は「才」も秀でるが「徳」の方が高いので「君子」と言う者がありました。)
この区分けで言えば、羽川さんと言う人物は「小人」タイプの人間なのでしょう。
善悪の判断がない(もしくは著しくズレている)上に、正論以外の対応を基本行わない彼女のそれは「才」は非常に高いものの、それに反して「徳」の要素をほとんど持たない人物と言う印象を持ちます。
(言ってしまえば、普通の人間なら(貝木の情報を持っていたとしても)、火憐達への協力を拒否するとか、質問に答えないと言う対応をとっても良い場面に思えるからです。)
一方で主人公の暦さんは、吸血鬼の能力を有する点などは高い「才」の要素と捉えられるかも知れませんが、そこに彼の本質がある訳でない辺りに……むしろ、敢えて怪奇に襲われた人たちを救おうと奔走する部分に彼の本質が表れていると感じられる所から、彼が「君子」タイプの人物だと思えるのです。
そして、その妹達(特に火憐)は……多分「君子」タイプなんだろうなと思います。ただし、「才」の部分が低目なんだろうと……(少なくとも、本物の怪異を相手にするには不足する程度には……)……と同時に「徳」の要素のそんなに高くないのかも……?
とは言え、現代日本における人物の評価に「才」の大小は非常に重要ですが、「徳」の大小は軽視(無視)されがちですので……自分の行ったこうしたタイプ分けがどの程度正確かは正直自信はありませんが……(苦笑)