妖狐×僕SS 第3話
『ほんとうの契約』
≪あらすじ≫
いよいよ始まる高校生活。首席で合格した凜々蝶は、入学式とは別に用意された懇親会で入学生代表として挨拶をすることになっていた。しかし、名門学校だけにプライドの高い入学生も多く自分が首席ではないことに対して、自分の力の無さを棚に上げて凜々蝶に嫉妬の念を向けてくる者も少なくないのだが、そんな相手に対しいつも通り悪態をついて追い返してしまうため、ますます怒りを買ってしまう。
同級生だったカルタや同じ高校に通う連勝のおかげで、なんとか初日を乗り切った凜々蝶。あとは懇親会だけという時に、妖館の前で双熾が見知らぬ女性とキスをしている光景を目撃してしまう。
しかも、その女性と双熾は付き合っておらず、ただ「お願いされたから」キスをしただけだという。
「君は情もなく優しく出来るのか」
そんな機械的に愛想を振りまく姿が、実家の侍女たちの姿と重なって凜々蝶は勢いのまま双熾とのSSの契約を解除する。
契約を解除したまま始まった懇親会。会場には「せめて後任が決まるまでだけでも」と双熾の姿もあった。あと少しで首席挨拶という場面、凜々蝶はまたしても自分の悪態を悔いているシーンを、彼女の首席にまだ納得のいっていない生徒二人に目撃される。
浴びせられる罵倒を黙って受け入れる凜々蝶だったが、それに黙っていられなかった双熾は――
≪感想≫
◆才能とは
自他ともに認めて初めて価値のあるものである。
これは別に今に始まった持論ではなくて、もうここ十年近く前から持っている持論。別にとりわけ何かに影響されたわけではないのだけど、こんなことをだいぶ昔から価値観として持っていた。才能は自分が認めても他人が認めなければただの独りよがりで、逆に他人が認めても自分が認めなければそれは無価値なものなのだ。
今回の凜々蝶はまさしくそんな感じ。
彼女にとって両親の愛情というものは代えがたい価値のあったものだった。でも、周囲はそんな彼女の価値観を認めてはくれない。父親ですら、凜々蝶は恵まれているのだと勘違いしている。実際、凜々蝶は一族総出で希少価値の存在として持て囃し育てたが、凜々蝶からすれば白鬼院家と言う家柄も資産も何の意味もなかったに違いない。
彼女は白鬼院家というものに価値を見出さず、白鬼院家は凜々蝶の普通の子供としての感性に価値を見出さなかった。
実際、恵まれているってどういうことだろう。容姿が優れていることか、勉強が出来ることか、運動が出来ることか、話が旨く人気者でいることか、友人が多いことか、コレだけはと言える他人に負けない絶対のモノがあることか、家柄が優秀でお金持ちなことか、芸能人でいることか……。
凜々蝶の父親はその認識がまるでない。父親としてそれで良いのかと思う半面、凜々蝶が指摘したように彼は彼で父親として最低限のことはしたのだろう。凜々蝶に手をあげた。それが父親の特権とは言わないが、半ば崇め奉られるように育てられている彼女に、どんなものであろうと彼女を想っての「情」でぶつかってくれたのは今まで父親だけだったのだろう。
劇中で凜々蝶はそんな父の行動に「妹への情だけ」という解釈をしていたが、実際にはちゃんと凜々蝶への情もあると思っている。そうでなければ、家族の写真入りの封が凜々蝶のもとに届くことはなかっただろう。
無論、だからと言って凜々蝶が、どんな理由があっても娘を半ば放置している両親に好意を抱く必要性はないけれど。そういう好悪は別にして、そんな感情をちゃんと持ってる人自体が凜々蝶の周りでは皆無だということだ。
凜々蝶が本当に価値を見出しているのは「情」。凜々蝶ではなく白鬼院家にしっぽを振る大人たちや機械のように愛想を振りまく侍女にはない“感情”だ。彼女を心の底から想いやった上での感情。そこに本当の価値を見出している凜々蝶というのは、どこまでも屈折した人生を送りながらもどこまでも真っ直ぐな想いで生きているのだと再認識させられた。
個人的には双熾の行動に理解は示せないが(笑)、アレは……娼婦の男版的なことを彼はしてきたということか。まぁ、不潔云々は自業自得だから何とも言いようがないが、逆にああいう行動に対して「不潔」という感情を抱ける凜々蝶が、名家で生まれ育った割にその感性は実は庶民に近いんじゃないだろうか、ということ。
来週は新キャラ二人組。登場していなかった住人だろうか?
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