Another 第3話
『Bone work -骨組-』
≪あらすじ≫
人形館で出逢った鳴にその眼帯の下を見せてもらった恒一。そこには、鳴にそっくりな人形と同じ碧色に輝く義眼があった。彼女は「普段見えなくてもいいものが見えるから」という理由で眼帯をしているらしい。
場所を変えて一階のソファで、恒一は鳴から夜見山北に残る26年前の3年3組の話を聞く。
クラスの人気者だった子が突然亡くなった。
その後、「その子は死んでない。そこにいる」と言い出した人がいたこと。
そのことで連鎖的に3年3組は卒業までその子が生きているとして振る舞っていたこと。
卒業式の日、最後に取ったクラス写真に死んだはずのその子が映っていたこと。
だが、この話には続きがあるという。しかし、恒一はお世話になっている祖母からの心配の電話で帰ることに……。恒一はクラスメイトや副担任、さらにOBである怜子にもその話の続きを訪ねるが誰もが話をはぐらかしてばかり。唯一知れたのは、恒一の母もまた3年3組だったという事実だけ。
クラスメイトが鳴を無視していると思っている恒一。だが、当のクラスメイトの一人・勅使河原は「見えない者の相手をするのはやめろ」とおかしな忠告を恒一にし、「来月になったら教えるから」とやはり話をはぐらかすだけだった……。
夜見山北で定期試験と個人面談が始まった。一年後には父親が帰国することもあって恒一は東京の私立高を受験。なぜか夜見山という街からを離れたがっていた赤沢泉美もまた「その手があったか」と恒一と同じ高校を受けるような素振り。
普段からの努力の成果か他のクラスメイトよりも圧倒的な速さで試験を終える恒一。だがそんな恒一よりもさらに速く終えて教室を出ていくのは鳴だった。今なら何か訊けると思った恒一は、廊下で鳴に疑問をぶつける。そんな恒一に鳴は「見えているのは貴方だけだとしたら?」という意味深なセリフを残す。
動揺する恒一だったが、その時何やら教師に呼ばれて突然教室から出て来た桜木ゆかり。慌てて廊下の傘立てから自分の傘を手にすると廊下を駆けていこうとするが、なぜか鳴の姿に踵を返してわざわざ逆側の階段へ回り道を選んだ。しかし、階段で足を踏み外したゆかりは手に持った傘で――
≪感想≫
遂に出た犠牲者。というか、犠牲の瞬間の描写が生々しいんですけど(痙攣しているところとか)。これ『ひぐらし』の時みたいに、放送中止とかになりませんよね(苦笑
虚ろな人形に関する描写はなかなか良かった。つまり人形は中身が空虚(空っぽ)なのだが、人はそれに魅入られてしまい“何か”を吸収されるようだ、と。暗に「鳴が、魅入られた多くの人から何かを吸い取られ中身がいっぱいになって動き出した人形」という風に捉えさせることも出来るわけだし。
で、風見が凄い。こう、「実は女の子でした」という展開だったら萌えるなーと勝手に思ってしまう。というか、意図的に風見って可愛く描かれてないか?(マテコラ あと、赤沢泉美役の米澤円さんって『けいおん!』の憂や『ストパン2』のお姫様の印象があるんだけど、全然違う声質でいい演技するなーと。
さて、感想はさておいてここからは今週の推理。
◆桜木ゆかりの死
来週描かれそうではあるが、突発的には事故にしか見えない。というか、事故。足を滑らせてたまたま手に持っていた傘で……というだけなのだ。だから事故なんだけど、これは物語的にも呪いや祟りとして扱われそうな予感はある。
やはり疑問になるのは「どうしてゆかりは試験中に教師から呼び出されたのか」。感覚的には家や家族で何かあって教師に言われて試験を中断し帰ろうとしていた、ということなのだがその辺りは来週にならないと分からないだろう。
ただ、その死に鳴が間接的に関わってしまったことは間違いない。あそこでゆかりが踵を返さずあのままあそこの階段を下りていればこんな事故は起こらなかったかもしれないのだから。だが、裏を返せばゆかりには「鳴が見えていた」ということ。というか、後述するが全員見えているんだろうけどさw
一応ミステリー作品なので、「殺人」という選択肢も頭の中にはあるのだがかなり無理があると思っている。そうなると怪しいのはあの教師か、あるいは何らかの理由でゆかりを呼び出させることが出来た人物(家族、ないし家族になりすませる人物)ということになるが……まぁ、所詮無理がある推理だw
今の段階ではこれは事故で、でもその事故を呪いや祟りとして捉えてしまう風習がある夜見山北で恒一が鳴の謎と、伝承の真実を探っていくという形になるだろう。
死んでしまった彼女についてこういう言及をするのはアレなのだが、彼女は夜見山から出たいけど出られないと思っていたようだ。世見山で生まれ育った者は、夜見山から出られないという仕来たりでもあるのだろうか。まるで『ひぐらし』のようだが、あれと同じように理由があったのだろうか。
個人的に「人形」という要素や上記の「出たくても出れない」という状況から、この死が実は偽装という可能性も数パーセントながら考えている。ほら、『BLOOD-C』みたいな展開もないとは否定できないわけで……。
◆鳴は実在するのか・其の参
もしかしたら最終話近くまでこの考察、しないといけないんじゃないか?(苦笑
鳴は実在する、と今週も断言。理由は後述。
が、やたらと鳴の実在をはぐらかすような描写が多い。結局あの人形館は鳴の実家ではなかったようだ。確かにそうなると、受付の女性が「客はいない」というのには不自然さがある。あと可能性としてあるとすれば、人形を作っている工房に詳しかったことから人形師の関係者、ないし人形師そのものという可能性もあるだろう。
恒一が知った「亡くなった一人娘の女の子」の本名は藤岡未咲。見崎鳴とはとりあえず別人のようだ。もちろん、「見崎鳴」という名が偽名だったという可能性も捨てきれないのだが。
ただ、重要なのは鳴と未咲は知りあいで友人だったらしい、ということか。「前はもっと近くに繋がっていた」ということからも鳴にはちゃんと友人がいて、そして普通の女の子だったという可能性が見える(このことは、3年3組の伝承はあくまで「3年3組」の内部で適用される者であって、昨年度までは鳴も普通に扱われていたと推察出来る)。
鳴は自分の存在を希薄にさせようとしているが、その随所で「見崎鳴」としての存在の自己主張があるようにも見えるわけだ。何かと自分に声をかけてくる恒一を、最初は忠告に近い拒絶で突き放していたのに、人形館を案内し眼帯の下を見せると言うことが何よりの証明だろう。それでもすぐに恒一に全てを話さないのは、夜見山北二残る3年3組の呪い染みた伝承は私の想像するよりもはるかに重いものだからなのかもしれない。
気になるのは鳴の義眼か。義眼ということは、それ自体は視力として機能してないという風に考えられるわけだ(義眼について詳しくないから、低視力のものを矯正するタイプがあるのかもしれないけど)。でも、彼女は「見えなくていいモノが見える」と口にした。義眼を使って見えるものなどないはずなのに、だ。
これがどういう意味を持ってくるのかは(まだ記事に載せられるようなものは思いつかないけど)考えてみたい。あと、ぶっちゃけ思ったんだけど「義眼を使ってる」って自体でもう幽霊じゃないよね(苦笑
◆3組の伝承
1)伝承の“続き”
続きはなんだろう、と考える。
だが桜木ゆかりらの反応を見る限り、伝承において最も重要なのは初年度のことではなくその翌年以降の出来事のようだ。「死んだはずのクラスの人気者」が卒業式のクラス写真に映っていただけなら良くある心霊話であり、人によっては心温まる話とも捉えるかもしれない。
だが、それだけではないようだ。現役生はもちろんOBですら口を閉ざす伝承。もし「その後も3組にはその死んだ子の霊が彷徨っている」程度の続きならばここまでにはならないだろう。むしろ、OBですら口を閉ざす現実は何らかの理由でこの伝承には実害が発生しているという証なのかもしれない。
実害が発生し口を閉ざしたくなるような伝承……。そうなると、そこにはただ呪われたり祟られたりするだけではなく、それこそ桜木ゆかりのように死人が出るような伝承なのかもしれない。
2)来月になったら教えてくれる?
嘘だろ(笑
来月という部分にまるで意味が見えないのだ。これがもし卒業間近の三月だったら分かる。卒業して三月いっぱいで中学から高校へと在籍も変わって「3年3組」でなくなれば教えることはやぶさかではない、と。だが、この物語……まだ春なのだ。まだ5月。確認できた日付だと物語中盤が5月22日、定期テストが5月25日・26日。
6月になったら教えてくれる……その真意はどこにあるのか?
もし本当に教えてくれるのだとすれば、5月というのはその人気者のクラスメイトの死んだ月で、その5月さえ乗り越えられれば伝承は影を潜めてくれる、とかそういう理由なのだろうか。
3)鳴は人柱?
仮に2)の通りだったとして、つまり4-5月の間はクラスメイトの誰か一人を人柱とし26年前から使っているボロボロの机(だからボロボロだったのだと思う。つまり鳴は物理的なイジメではなく無視されるだけの精神的イジメ状態。まぁイジメられている事実は変わらないが)を使わせ、クラスメイトはそれを無視することで、伝承による呪いか祟りを防ごうとしている。ゆえに人柱。
勅使河原が「見えない者を相手にするのはやめろ」というのは、鳴を存在しないように扱わないと伝承どおりの呪いやら祟りやらが発現してしまって、クラス全体に災いを招くからという風に考えられるわけだ。そして鳴もそれを理解している。おそらく鳴だけでなく夜見山で育った誰もが、呪い(祟り)を発現させずに無事卒業するためには誰か一人の犠牲が必要なのだ、と。もちろん、それが一人で済むとは限らないわけで……だから恒一は遠ざけられようとしているのか。
だが、それならどうして恒一には何も教えられないのか。最初から教えておけばいいだけの話だ。早く伝えることで恒一が人柱(鳴)と関わるようになったら元も子もないわけのだから。でも、それを実行に移せなかったということは、つまりクラスメイトたちにとって恒一に伝えても受け入れてもらえないと確証出来る、後ろめたい事情があるのか?
しかし、この無視状態、いつまで続くのかは不明。本当に4-5月だけで6月になったら開放されるのか、あるいは卒業までこの状態をやっぱり強いられるのか。
……もしかしたら赤沢泉美の“対策係”ってこの呪いや祟り対策ってことなんじゃ?
4)クラスの人気者の死は飛行機事故? 交通事故?
26年前の出来事の割には話があやふやだ。もっと……例えば戦前から続いている伝承で、そのために調べようとしても調べられないというわけではないだろう。飛行機事故なら26年前なら1972年ということになる。飛行機事故に詳しくないのでWikipediaなどネット調べで申し訳ないが、どうやら1972年に死者の出てしまった飛行機事故は実際に何件かあるようだ。
だが、鳴によればさまざまな説があるらしい。交通事故やら何やら……26年前の出来事で説も何も調べれば分かるはずなのに、どうしてそれは「説」として扱われるのか。検証すれば分かることではないか。
そこから逆説的に考えれば、これはさまざまな説が飛び交う伝承ということ。つまり、この伝承自体が真実を基にしたものではなく、何者かによって何らかの目的で意図的に流布されたものである可能性もあるということ。
5)恒一の母親は3組出身?
怜子の話だと、3組らしい。恒一の母親がちょうど伝承の初年度である26年前の3年3組だったかは明言されていないが、公式HPのあらすじでは完全に26年前の3年3組の生徒であったと明記されていた。伝承の始まることとなった初年度の3組の子である恒一がこの一連の出来事に関わるのは、ある種の宿命なのだろうか……。
これでもし、「死んでない」って最初に言い出したのが恒一の母親だったらもしかしたら恒一の家系に何か呪いやら何やらに関わっている可能性も考えられるが。
◆ナース水野の兄弟
水野、やたら学校の事情に詳しい。けど、学校の事情に詳しい割には3組の伝承については一切触れてこない。むしろ、恒一が伝承に近づいても構わないと言わんばかりに情報を提供している。
そうなると、水野は夜見山の出身ではないと考えられるが、その一方で彼女の兄弟は夜見山で暮らしているのでは?とも思える。水野が「そろそろテストじゃないの」といえたのは、兄弟がテストを受けることを知っているから、と考えられる。そうなると、水野は夜見山出身じゃないけど兄弟は夜見山で暮らしているという不可思議なことに。
水野が兄弟あるいは家族で高校以降引っ越してきて暮らしている、ということなら不思議でもなんでもなく普通なことになるが……。
あるいは、やはりやたら恒一に好意的な水野にはウラがあるのか?
今回は推理というより考察だったかな。現状の提示された事実に対して裏付けをする考察という感じで、提示された事実からその先を推理するというものとはちょっと違うかも。でも、来週は物語が大きく動きそうで、この3話で知った事実や現状を改めて自分の中で整理しておくの良いだろう。
≪TB先 参照リンク(URLアルファベット順)≫
赤字はTBが現在弾かれてしまっているBlog様です。
現在、nifty系、so-net系はほぼ全滅。livedoorは調子がいいと送れます。
・http://adria7.blog92.fc2.com/blog-entry-1158.html
・http://ai-mugi.blog.eonet.jp/aimugi/2012/01/
---03bone-work--1190.html
・http://ameblo.jp/brook0316/entry-11141013599.html
(http://plaza.rakuten.co.jp/brook0316/diary/201201240002/)
・http://ameblo.jp/gintoki-sakata-vol2/entry-11146768003.html
・http://animedouganews.blog44.fc2.com/blog-entry-2122.html
・http://animetureduregusa.blog65.fc2.com/blog-entry-1519.html
・http://animumeso.blog101.fc2.com/blog-entry-2973.html
・http://beyondloop.seesaa.net/article/248524060.html
・http://blog.goo.ne.jp/allen77/e/68c9018935308db3e86eba
01afbe8c69
・http://blog.livedoor.jp/rin20064/archives/52246357.html
・http://crystalcage1102.blog.fc2.com/blog-entry-726.html
・http://dokuatari.blog137.fc2.com/blog-entry-550.html
・http://gomarz.blog.so-net.ne.jp/2012-01-30-1
・http://hakuheisen914.blog6.fc2.com/blog-entry-2291.html
・http://hienkyaku.blog50.fc2.com/blog-entry-2497.html
・http://junkheadnayatura.blog24.fc2.com/blog-entry-1816.html
・http://khstar.blog110.fc2.com/blog-entry-362.html
・http://luvnail.blog46.fc2.com/blog-entry-1223.html
・http://marixanzu.blog60.fc2.com/blog-entry-144.html
・http://mikihara.blog70.fc2.com/blog-entry-2853.html
・http://nikkananilog.blog.fc2.com/blog-entry-338.html
・http://picoro106.blog39.fc2.com/blog-entry-5574.html
・http://plutor.blog83.fc2.com/blog-entry-1499.html
・http://scriptor.blog54.fc2.com/blog-entry-1461.html
・http://seigenjikan.blog2.fc2.com/blog-entry-2236.html
・http://seraraku2.blog59.fc2.com/blog-entry-6418.html
・http://shino134.blog22.fc2.com/blog-entry-2817.html
・http://shirokuro585.blog109.fc2.com/blog-entry-929.html
・http://sigerublog.blog137.fc2.com/blog-entry-738.html
・http://soraxcan.blog59.fc2.com/blog-entry-3126.html
・http://spadea.jugem.jp/?eid=14452
・http://strawcat.blog12.fc2.com/blog-entry-3470.html
・http://subcul.jugem.jp/?eid=2366
・http://tdragon2000e.blog7.fc2.com/blog-entry-2518.html
・http://ttyuasa.blog69.fc2.com/blog-entry-311.html
・http://vnr2034.blog133.fc2.com/blog-entry-1494.html
・http://waitingfrofresong.blog.fc2.com/blog-entry-69.html
・http://yamitarou.blog75.fc2.com/blog-entry-3202.html
・http://zspecium.blog.fc2.com/blog-entry-187.html
もしよろしければ、拍手ボタンをポチッと押して下さいm(_ _)m 管理人のモチベーションが上がります(ぉ
Web拍手に頂いたコメントは後日『Web拍手レス』にてお返事させていただきます。
Comment
Comment_form