戦姫絶唱シンフォギア EPISODE2
- ジャンル:[アニメ・コミック]
- テーマ:[戦姫絶唱シンフォギア]
『雑音と不協和音と』
≪あらすじ≫
突如としてシンフォギアシステムの奏者として目覚めた響。スクランブル出撃をしてきた翼にノイズを任せ、自分は取り残された少女と共に撤退することに。だが、その途中で響はノイズを一体葬り去り、自分もまたノイズを倒すことが出来る力を得たことを知る。
ノイズが沈静化した後、響は私立リディアン音楽院高等科地下に強制連行される。そこは、特異災害「ノイズ」に対抗するための組織・特異災害対策機動部二課だった。
二課の司令官・風鳴やシンフォギアシステムの開発者・櫻井に歓迎で出迎えられた響。簡単な説明と、メディカルチェックの末に、彼女の胸には奏が使用していたギア・ガングニールの破片が埋まっており、それゆえに彼女がシンフォギアシステムが使えることが判明した。
そのことに激しく動揺する翼。だが、その直後ノイズ発生の一報が入って――
≪感想≫
あぁこうなったかー、という感想。
まぁ、ある程度予想通りの展開ではあるのだけど、翼が思いのほか負の感情をぶつけてきているな、という感じ。翼とすれば、響のせいで奏では死んだという認識になるのだろうから、そこは仕方ないか。逆に響からすれば翼はあこがれの存在で、そして響に対して好感度MAX状態の未来と、この辺りの人間関係は愛憎がドロドロに渦巻いていて面白い構図になっているのかもしれない。
でもまぁ、なんて言うかこんな人間関係を初期状態で作っちゃって、1クールで果たしてどこまで出来るのかというは素朴な疑問であるが。
さて前回の感想でも書いたが「唄」をテーマに描いているが、結局のところ「唄」は「唄の振動でならシンフォギアシステムが発動してノイズを倒せる」程度に収まりだ。これではとても「唄」をテーマにしているとは到底言えないかな、個人的には……。
唄いながら戦うというシーンも個人的にはまだ違和感バリバリ。唄いながら戦っているのに、戦いに「唄」という要素が決定的に欠けている。例えば、必殺技を使う時には唄うことで共鳴現象によってパワーが増大して使えるようになるとか、シンフォギアシステムを纏った奏者による唄の音波で敵を行動不能にするとか、もっと展開の仕方はあっただろうに、と思ってしまう。アレではただよくわからない口パクが追加されただけの、ごく普通のただの戦闘シーンでしかない。
なんとかここから盛り返して、「じゃあ、どうして唄の振動ならシンフォギアシステムが発動するのか」「そもそも謎の聖遺物とシンフォギアシステムの関連性は」「聖遺物とノイズの繋がりはあるのか」「シンフォギアシステムとはつまるところなんなのか」という部分に踏み入ってくれれば、「唄」をテーマにした甲斐も出てきてくれると思う。
◆歪な主人公たち
今回言及されたが、本作の主人公二人はともに歪な精神構造の持ち主である点は興味深い。
翼に関してはもう言うまでもなく、他人(奏)への依存度が半端ではない。まぁ、それを抜きにしたとしても今回言及され、響に対しても「これから向かう先にほほ笑みは不要」と口にし、すでに公式サイトで既出になっているように、幼少期から育成され任務に対してクールだという反面、響に対して憎悪に近い感情を抱き、剣を向けた。彼女に憎悪と剣を向けたのは、彼女が素人だからではなく彼女が響の聖遺物を使うからという、酷く個人的で私的な理由でしかない。
そう、彼女の歪さは「矛盾」だ。ある種のダブルスタンダードとも言えるだろう。自分にも他人にも任務に対する、ある種に徹底さを求めるが、その一方で奏が消滅した今貴重な戦力である響に対して個人的な憎悪で剣を向けるのだ。
翼からすれば、響の存在は奏が死ぬ原因になった存在と言える。だが、それは同時に響が死にかけ今日常から強制的に引き離している原因を作ったのも奏や翼であり、同時に実験を行っていた二課全員のせいでもある。櫻井はこのことを「置き土産」なんて良いことのように告げているが、響本人からすればたまったものではないはずだ。いずれ、このことに気づけばまた翼の中でこの矛盾に苦しむ時もくるだろう。
また、一見して快活で一直線な響もまた精神構造は歪だ。「誰かの助けになるなら」という理由で戦いに赴けるのは、劇中で言及されたようにとても普通ではない。普通の人ならば、自分の身の安全や何らかの技術的・経験的裏付けが土台にあって、その上の余力で誰かを助ける。だが、響は身の安全も保障されず、翼のように技術的・経験的な裏付け(訓練)なしで戦場へ自ら足を運び、誰かの助けになるのならと戦うのだ。
彼女の歪さは「自己の欠如」である。誰もが、(状況に応じて例外はあるが)一番大切なモノは自分自身(の命)でなければならないのに、それが欠如している。例えば、響が自分の両親や恋人や、あるいは未来と言ったかけがえのない友人を救うために自分の命を掛けるというのであればまだ理解出来る。だが、彼女は訓練すらしないまま、状況すらよくわからないまま見ず知らずの他人のためにその命を掛けるのだ。
これを歪であると言わず、何というのか。『Fate/stay night』の衛宮士郎に近い歪さだと言えるだろう。
そうした結果が1話アバンのシーンのはずだ。その果てに未来が泣き崩れる姿は、彼女の歪さが生んでしまった負の遺産だと見える。あのシーンの前後にどういう意味を持たされるのかは現段階では何とも言えないが、彼女はもしかしたら翼と違って苦悩することなく逝くのかもしれない。 この辺りは最後まで翼とは対照的に描かれるのだろうか?
まぁ、そんな二人の歪な少女。二人に共通しているのは、シンフォギアシステムを使えるということ。歪な精神構造を持つ二人だから、シンフォギアシステムは同調したのだとするならば、そこは考察要素としては興味深いだろう。なぜなら、もしこれが事実であるなら“あの”奏もまた、どこかに歪な精神構造を宿しているということなのだから。
さて、最後に今後の予定を。かなり期待感を込めて感想を書いているが、それも今回までにしようと思う。
さすがに木(アマガミSS+)・金(ペルソナ4)・土(化物語)・日(輪廻のラグランジェ)は他の作品の感想を書いている分だけ、感想継続は難しかったです(苦笑
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NoTitle
戦闘では一般人に犠牲が出たり、ノイズやシンフォギアシステムの目撃者に対しては国家権力をかざして黙らせたりと、汚らしい大人の描写がある。
そういった描写が、このアニメに妙なリアルを与えていると思う。
このアニメに、子供達が憧れるようなヒーローはいない。
あるのは歪な心の少女と、それを取り巻く人間達による泥臭い戦いのドラマなのかもしれない。
・・・と、偉そうに書きましたが、今のところ、このアニメに“唄”はいらなかったのではと思います。
歌いながらの戦闘シーンはなんだか、ギャグにしか見えないんですよね(汗)
これからの展開次第で、“唄”がどのような役割を作品内で持つかが重要になってくると信じたいです。