劇場版 ハヤテのごとく! HEAVEN IS A PLACE ON EARTH 感想

《あらすじ》
夏のコミケも無事終わった、夏休みの終わり。コミケに全力を尽くした反動で三千院ナギはいつも以上に堕落し切った日々を送っていた。あと数日で二学期が始まるという中で、ナギの執事・綾崎ハヤテはなんとかしようと考え、西沢歩の故郷へ行って気を引きしめなおそうとすることに。
同行するのは桂ヒナギクら白皇学院の同級生たち。
だが、歩の故郷は何もない! ゲームショップもコンビニも、携帯電話の電波すら入らない!? あるのは、一年に一度、想いを叶えてくれるという伝承だけ。
都会の生活に慣れ過ぎたナギには地獄のような空間。そんなナギの姿に苦笑するハヤテは、ことあるごとに銀髪の着物姿の女性の影を目にするようになる。
そんなある日、深夜にその女性を見つけたハヤテは追いかけるのだが――
《感想》
限定版コミック31巻付録のDVDでようやく視聴。
一時間の映画ではこれが限界か、と言うのが本音。
正直、かなり突貫工事というか特急運行な感じ。流れが急展開過ぎて何とも言えない。なんかこう「劇場版だから特別なことをやってみたけど、時間足りなくなっちゃった(テヘッ」な感じ。原作者の畑健二郎さんがプロット組んだとかそういう噂もあるが、コミックで面白さを出すのと劇場版で面白さを出すのは違うんだなと思った。
実際、畑健二郎さんは長期連載で力を発揮する気がしている。『ハヤテ』は「何気ない日常をやりながらそこで伏線や布石を積み重ね、気がついたら凄く壮大なストーリーや感動する展開になっていた」という感じだからね。一時間(アニメ実質二話分)でイチから何かを組み上げるというのは難しかった気がする(オリジナルのプロットから時間の都合でかなり削られたのかもしれないが)。
これがファンの間で黒歴史化しないことを祈るばかりである。
でも、コレ。原作者が絡んでいるだけあって今後も“正史”として扱われるのだろう。そうでなければ、ルカはもちろん、コミック派の人からすれば未登場のカユラを出すわけがない。
そして、これが正史ならここから幾つか推察することができる。
・六月の同人誌即売会で失敗したナギは八月のコミケである程度の成功を収めた
(⇒冒頭の描写より)
・八月時点でナギは三千院家に復帰している?
(⇒クラウスがいたであろう三千院家に、ナギと生活していたタマやシラヌイがいた。クラウスからナギに電話がかかってきていた。ただし、田舎に行くためにペットをその日だけ三千院家に預けたとも考えられる)
・八月時点で天王州アテネの記憶&能力喪失問題は解決済み?
(⇒アテネが登場していないため。もし解決していなければ幼女一人放置というわけにはいかないだろから、一緒に旅行に行くだろう)
・綾崎家は名門?
(⇒この映画のストーリー自体を推察すれば必然的に。またハヤテやその兄がロイヤルガーデンにことごとく絡めたのも、かつて綾崎家が三千院家に並ぶ名家であったと考えれば筋が通る)
まぁ、この辺りか。これはこれでなかなか推察し甲斐がある。本筋でキーを握るあの女性については伏せておこう。かなりのネタバレだし。
個人的には、内容には満足していないが、千桜の出番が多く可愛かったのでそこは満足。あとヒナギクとマリアもかなり可愛く描かれていて良かった。ルカのライブもあったし、カユラのコスプレが個人的にツボ(鉄火面やハルヒ、Fateのセイバーなど)だったのも。
というわけで私としてはストーリーは良くないけどネタとしては面白かった、というのが簡潔な感想だろうか。
何度も言うがネタとしては面白いと思う。こういう細かいネタの部分が面白いのは畑健二郎さんが絡んでいるからこそなんだろう、と思った。
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