Fate/Zero 第12話
『聖杯の招き』
≪あらすじ≫
イスカンダルの固有結界によって駆逐されたアサシンと、それによる言峰綺礼の脱落によって、遠坂時臣は戦局が第二面へ移行したと宣言。綺礼とアサシンによって収集された情報を基に、自らアーチャーと共に出陣し敵マスターとサーヴァントを討つことを決めた。
そのことでお役御免となった綺礼は、アーチャーと再開。以前アーチャーに言われ調査していたマスターたちの動機を報告すると、アーチャーは綺礼自身が掴んでいない彼の求める“愉悦”の形が見えたと口にする。だがそれは、人の苦痛や不幸に対して愉悦すると言う綺礼の信奉するモノとは相反するモノでしかなかった。
その現実にアーチャーは「ならば万能の願望器たる聖杯に願ってみれば良い」と囁く。だが、それは師と仰ぐ遠坂時臣を裏切る行為で……。
一方その頃、アイリスフィールとセイバーは放棄され手入れの行き届いていない武家屋敷を新たな行動の拠点とすることになった。いつもと様子の違うアイリスフィールの姿に疑念を抱いたセイバーが問いただすと、アイリスフィールの身体はもう――
≪感想≫
『Fate/stay night』を知る人からすると、「おぉー」と思わず感じてしまう一話だった。
話の内容的に言えば、この話の肝となる部分は、言峰綺礼の裏切りフラグを立てた部分だろう。アーチャー(ギルガメッシュ)との会話によって、綺礼は自分の持つ魂の求める愉悦の形が人のモノとはとても合致しないほど歪んでいることを知ったわけだ。
間桐雁夜という、余命一カ月もなく、生きているだけで苦痛を感じながら、まともに歩くことすら出来ぬ体で痛みに顔をゆがめそれでも聖杯を求める姿に愉悦を感じる綺礼の在り方は、確かにアーチャーの言うように歪んでいるのだろう。
「他人(ひと)の不幸は蜜の味」と言うが、それを究極まで突き詰めたのが綺礼の愉悦の形。そもそも不幸と言うのは、比較対象となるモノ(おもに自分自身)がなければ線引きや評価など出来るものではないが、綺礼はそれを無視した形で人の苦痛や、不幸と言うものを愛するわけだ。
まぁ、そんな綺礼の在り方はともかくとして、『Fate/stay night』を知る人からすれば今回セイバーとアイリスフィールが拠点とした武家屋敷に、十年後の繋がりを感じずにはいられないだろう。
『Fate/stay night』の内容をここで語ってしまうのがはたしてネタバレになるのか否かは解らない部分だが、一往年のため反転させておくと、
あの武家屋敷は十年後、主人公・衛宮士郎の棲家となっている。そして、今回アイリスフィールが6フィート径の魔法陣を引くといった場所は、衛宮士郎の魔術工房となる場所であり、そして第五時聖杯戦争でセイバーが召喚された場所でもある。
当然、『Fate/stay night』発売当時には『Fate/Zero』は誕生していなかったため、セイバーはこうした十年前との繋がりを『Fate/stay night』内では持っていない(見せていない)ものの、視聴者としてはニヤリとしてしまうシーンだろう。
あの武家屋敷の部屋の一つ一つは、おそらく『Fate/stay night』のものをベースにしていると思う。だから、実は一つ一つの部屋は『Fate/stay night』を知る人からすれば、それがどの部屋でどういう部分で重要だったかが解るのだ。
と言うこと。まぁ、ネタバレにならない程度に書いてしまえば、おそらく『Fate/stay night』を知る人へのファンサービス的な意味合いが強いカットだったな、と言うこと。
本当ならアイリスフィールの体調不良の原因も『Fate/stay night』をプレイしていると解ってしまうのだが、そこはさすがに後々解説されることがあるだろうから、ここではあえて触れないでおこう。
個人的には、切嗣の冒頭部分のパートがとても良かった。
徹底的に相手を分析し、戦況を判断し、大局を見て行動する。
これは、ある意味遠坂時臣と通じる部分だ。彼は大局を見て判断するための情報を綺礼とアサシンに担わせ、切嗣は魔術と現代的な機器(カメラなど)を多用してこれを補って見せた。
その結果として出した二人の結論はほとんど変わらないと言うのが、彼らが魔術師であり戦士であると言う部分を強く感じさせてくれるシーンだろう。
切嗣も時臣も、戦局は第二面に入ったと実感しているはずだ。アサシンの脱落はそれだけの意味を持つ。ここまで誰ひとりとして脱落しなかったサーヴァント初の脱落。当然、均衡は崩れる。そして、そこを見逃がす二人ではない。
考えられるのは、やはりキャスター討伐だろうか。切嗣vsケイネスがあったためやや曖昧になってしまっているが、未だに監督役からのキャスター討伐の勅命は続いているわけだ。ならば、キャスター討伐は同時に他マスター殲滅の絶好の機会であることを切嗣以外のマスターなら誰もが感じているところ。
時臣が自ら動いたところに、1クール目のクライマックスでの盛り上がりを期待したい。
◇現在の陣営
◆衛宮(アインツベルン)陣営
▽マスター
衛宮切嗣
▽サーヴァント
セイバー(アルトリア・ペンドラゴン=アーサー王)
▽その他
アイリスフィール・アインツベルン、久宇舞弥
『魔術師殺し』との異名を持つ衛宮切嗣は魔術師だからこそその裏をかき、魔術師としての規則の隙を突いて相手を抹殺する戦闘スタイルを得意とするが、呼び出したサーヴァント・セイバー(アルトリア・ペンドラゴン=アーサー王)は正面からの正々堂々を得意としているため相性は最悪。
それを解消するためアイリスフィールを偽りのセイバーのマスターに仕立て上げ、切嗣は助手の舞弥と共に後方からの支援と策謀に徹する戦略を取る。アイリスフィールには、セイバーを召喚した際の触媒である『全て遠き理想郷(アヴァロン)』を封じることで、セイバーの魔力が注がれる限りの疑似的な不死を体現している。だが、アイリスフィールの肉体は何かに侵されているようで体調不良が続く。
彼が目指す目的は「世界の救済」というとんでもないものだが、その目的に関してだけはセイバーも同意している。
セイバーの持つ宝具(宝剣)は風の結界『風王結界(インビジブル・エア)』に護られて見ることが出来ない。だが、セイバーはランサーの宝具により左手の腱に癒えぬ損傷を負う。
◆遠坂陣営
▽マスター
遠坂時臣、言峰綺礼
▽サーヴァント
アーチャー(ギルガメッシュ)、アサシン(???)
▽その他
言峰璃正
遠坂時臣と言峰綺礼による秘密裏の協力関係。時臣のサーヴァントはアーチャー。その真名は世界最古の王・英雄王ギルガメッシュで「世界の財宝を手中にするため」聖杯獲得を目論むが、高いプライドと単独行動スキルによって時臣は御し切れていない。
綺礼のサーヴァントはアサシン。アーチャーによって殺されリタイアしたように見せかけたが、実際にはアサシンは“単一”ではなく“群”の存在であり、まだリタイアしていない。中立のはずの璃正を抱え込み、リタイアしたように見せて戦況を探る戦略を選ぶ。しかし、切嗣陣営に加えライダーとウェイバーにもバレてしまった。
聖杯問答の最中、唐突に姿を見せるがライダーの固有結界によって返り討ちに遭い、アサシンは消滅。
ギルガメッシュの入れ知恵で綺礼は各マスターの動機を調べた言峰綺礼は、聖杯に選ばれ再び令呪を獲得。そのことを時臣に黙ったまま、彼は何をしようと言うのか……。
◆ウェイバー陣営
▽マスター
ウェイバー・ベルベット
▽サーヴァント
ライダー(征服王・イスカンダル)
魔術師の総本山・ロンドンの時計塔の学生。聖杯を得る目的は魔術師としての実力を他人に認めさせるため。
呼び出した英霊のクラス(役職)はライダー。その真名は征服王の異名を持つマケドニアの英雄・イスカンダル。世界征服を考えているが、その性根は豪快な豪傑。そんな彼にウェイバーは振り回されっぱなしだが……。
ウェイバーが突き止めたキャスターの陣地に突撃。そこでアサシンがリタイアしていなかった事実を知る。
◆間桐陣営
▽マスター
間桐雁夜
▽サーヴァント
バーサーカー(???)
間桐家の次男だが、魔術師になることを拒む出奔。しかし、遠坂家の次女だったはずの桜が間桐家に養子に出されたと知って出戻り。彼女を解放するために、自らを犠牲にしてでも聖杯を得ることを望む。余命一カ月。
呼び出した英霊のクラス(役職)はバーサーカー。真名は不明だが、漆黒の霧をまとっていることで相手マスターにステータスを悟らせていないようだ。さらに自身が手にした物体を宝具と同じように扱うことが出来る。しかもバーサク(狂化)状態でも精密な動作が可能。
しかし、セイバーを見て暴走したようだが……
◆雨生陣営
▽マスター
雨生龍之介
▽サーヴァント
キャスター(ジル・ド・レェ)
殺人鬼の少年と人の恐怖を最大の喜びとする狂った魔術師・キャスターの英霊のコンビ。目的は不明だが、龍之介にとって聖杯という存在はどうでもいいのかもしれない。現段階でマスターとサーヴァントの相性という一点において最高だと思われる。
キャスターの真名は、ジャンヌ・ダルクの逸話で有名な百年戦争でオルレアンを解放したフランスの救国の英雄の一人であるジル・ド・レェ。その目的は、後に異端裁判にかけられあらゆる凌辱を受け、その尊厳と奇跡を奪われて処刑されたジャンヌ・ダルクの復活。セイバー(アルトリア)をジャンヌ・ダルクだと誤認しており、セイバーにジャンヌ・ダルクとしての記憶を取り戻してもらおうと後先考えず行動を開始。子供たちを拉致し、アインツベルンの森でセイバーを荒療治でジャンヌ・ダルクとして復活させようと目論む。
拠点としていた地下貯水池からは移動しているようで、現在行方は不明。
◆アーチボルト陣営
▽マスター
ケイネス・エルメロイ・アーチボルト
▽サーヴァント
ランサー(ディルムッド・オディナ)
▽その他
ソラウ・ヌァザレ・ソフィアリ
マスターはケイネス・エルメロイ・アーチボルト。ウェイバーに召喚するための聖遺物を奪われたはずだが、どうやら別の聖遺物を手配しランサーを召喚。聖杯戦争に間に合わせ、参加したようである。
降霊科の天才としてケイネスは自らに令呪の契約を、婚約者のソラウ・ヌァザレ・ソフィアリに魔力供給の契約という本来のマスターの契約に細工し別々に契約を施すという手段でランサーと契約した。これによってケイネス自身の魔力を温存することが狙いだと思われる。
切嗣のビル爆破によって拠点を一時的に喪うが、自身の魔術によって全員無事やり過ごしており、すぐに立て直すとキャスター討伐を兼ねてアインツベルンの城に乗り込んできたしかし、切嗣の『起源弾』を受け、肉体も魔術回路もボロボロになる。
そのためケイネスは令呪をソラウに奪われ、ランサーは渋々ソラウをマスターとして聖杯戦争を続行することを決めた。
サーヴァントはランサー。真名はケルト神話に出てくるディルムッド・オディナ。二刀流ならぬ二槍流の使い手。その宝具は相手の魔術効果を打ち消す(削る)ゲイ・ジャルグと通常の方法では治癒しない傷を負わせるゲイ・ボーの二種類の長さの違う槍。
サーヴァントの意志を無視し結果を求めるケイネスと、騎士としての誇りを持つランサー、おまけにランサーに心奪われたソラウという三角関係が出来上がってしまっており、内部崩壊を起こしかねないのではないかと思うほどに相性最悪の状態。
次回『禁断の狂宴』
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