ペルソナ4 #10
『Real Me desn't Exist』
≪あらすじ≫
悠たちの先手も虚しく、マヨナカテレビに入れられてしまった久慈川りせ。彼女を追ってマヨナカテレビ二は言った悠たちは、幾つもの衣装に身を包んだ分裂したたくさんの“りせ”を発見する。
「本当のわたし」が何なのか掴めない本物の久慈川りせの強い反発で、シャドウ化した“りせ”。強力なアナライズ(解析)能力で、悠たちのペルソナの弱点を突いてくる攻撃に悠たちのペルソナは瀕死寸前。そんな中で、自分にも出来ることはあるはずとクマがりせのシャドウに突撃することで、なんとか窮地を脱した。
りせは、「『本当のわたし』なんていない。どのりせも、“りせちー”も全部わたしなんだ」と納得し自らのシャドウを受け入れ、ペルソナ“ヒミコ”を手に入れる。
だが、そんなりせの一言にあの場を救ったクマの抑圧された「自分は本当は存在していないのではないか」という不安感が増大。なんと、クマの中からも暴走したシャドウが出現して――
≪感想≫
◆本当の自分なんて存在しない-どんな自分も自分-
ある意味、この『ペルソナ4』と言う作品における真意であり、伝えたいメッセージなのではないかと思える回。りせが納得した「本当の自分なんて存在しない。どの自分も、自分なんだ」という答えは正しく『ペルソナ4』における真意だと思っている。
ペルソナと言う、自分自身に眠る本質や抑圧された精神を受け入れたことで制御する“もう一人の自分”は、普段肉体を持って行動している自分自身と何ら違いなどないのだ。
例えば、陽気でムードメーカーな陽介も、その内面に潜んでいたスリルを求める陽介も、どちらも“陽介”という人物の一部だ。どちらが本物でどちらが偽物と言うこともないし、ましてどちらが正しくてどちらが間違いと言うこともない。だって、それはどちらも陽介なのだから。
雪子にも、千枝にも、完二にも、りせにも、クマにもそれは同じことが言えて、そしてそれは私たち視聴者を含め全ての人間に該当することなのだと思う。
この記事を読んで下さっている皆様なら、それを誰よりも実感できる一人ではないだろうか? ネット上の自分と、実生活で生きる自分は同一人物ではあるが、多かれ少なかれその性格や考え方は微妙に異なるはずだ。
インターネットと言う架空で仮想の空間における自分は、パソコン画面や携帯画面の前から離れた自分とはどこか違っているのだと思う。普段は口下手な人がネットを介せば饒舌になったり、実生活では大雑把で荒々しい人がネットの中ではちょっとだけ周囲の空気を読める人だったり。
無論、そこだけではない。仕事服や学生服に身を包んで学校に通う自分と休日の自分、あるいはバイト先の自分はどこか違うだろうし、家族の前の自分と恋人・友人らの前の自分はきっと同じ“自分”なのに何かが異なるのだ。
でも、そのどちらかが正しい本物で、対するどちらかが間違った偽物ではないはずだ。どちら、あるいはどの場所で見せる他人もしくは自分自身に見せる“顔”は、全部その人のものなのだから。
そして、それは“演技”であったとしても変わらない。優等生な自分を演じる人もいれば、完二のように周囲の空気に応えてしまうように不良を演じる人もいるだろう。あるいは、りせのように周囲の望むままの造られたキャラを演じる人だっているはずだ。
だが、私は『演じられる』ことが重要なんだと思っている。
演じることが当たり前のように考えられているが、そもそもそれは当たり前ではないのだ。『演じることが出来ると言うこと』それ自体が本当はとても凄いことで、同時に『演じられる』と言うことはそれはその人の一部であるということ。
その人にかけらも存在しない要素を演じることはたぶん出来ない。その人に、優等生なり不良なりを演じる“要素”が自分の引き出しの中にあるから、それを引っ張り出してきて誇張し演出をして演技するのだと思うから。
だから、どんな自分も自分なのだ。
そういう意味では、「なるほど」と思わされる。
久慈川りせと言うマルチアイドルは、歌を唄う歌手としての自分、CMモデルを務めるキャラクターとしての自分、グラビアなどを行うアイドルとしての自分、演技をする俳優としての自分などが多数混在している。ストリッパーとして具現化した“りせちー”は、そうした日々の芸能界に嫌気がさすほど抑圧された自分自身を解放したいと願う、彼女の一部だったわけだ(その抑圧された精神のはけ口が、ストリップと言うのは雪子や完二の時のようにぶっ飛んでるなと思うがw)。
彼女ほどこうしたテーマを訴えかける上でベストな配役もないだろう。多数の自分を演じるりせだからこそ、「本当のわたしなんていない」と言う言葉にはこれ以上ないほどの重みがあるわけだ。
そして何より彼女(とクマ)が私たちに教えてくれた大切なことは、本当に大事なのは「本当の自分」だけでなく「自分の居場所」である、ということだろうか。
これはある意味、コミュニティと呼ぶことが出来るだろう。人は一人では生きられない。それは物理的な意味ではなく、精神的な意味で人は人と触れ合う中で自分の居場所(帰属出来る場所)を得ることに価値があると言うことなのかもしれない。特にクマに関する一連のやり取りは、そんなことを示してくれていたような気がする。
こうやって記事を書いている私の帰属意識の一部はきっと皆さんにあるのだと思う。この記事を読んでくれる、この記事から何かを感じてくれる、そう信じ実際にカウント数が加算され記事にコメントやTBが残る部分を見て一種のコミュニティに等しいモノを感じている。
インターネットの普及は良い面も悪い面もあっただろう。だが、こうして自分が帰属出来るかもしれないコミュニティを自分で築ける可能性があるのはインターネットないしBlogが持つメリットなのだろう。
話はかなり逸れてしまったが、そういう意味もそうだし、りせの水着回と言う意味も(ぇ)あって今回は他のどの話にも決して負けない神回だったと思う。
さて、これでりせはどう出るか。アイドルに戻るのか、それともあの街に残るのか。もちろん、犯人を捕まえるまではあの街に残って、悠の仲間であり後輩として振舞ってくれるのだろうけれど、いずれその答えを出さなくてはいけない日は来るだろう。
同じようなことが言えるのが、実は雪子だ。何度か書いているが、雪子もまた次期女将としての自分を演じていた部分と、そうしたしがらみから抜け出したいと言う部分が混雑している。次期女将としてこの街に残るのか、それとも全てを捨てて一からスタートを切るのか。
りせが加わって、悠を巡る争い(?)も含め事実上の三大ヒロインとなった『ペルソナ4』。今のところは大胆に腕を組んで「ここも私の居場所にしていい?」と小悪魔的な声と仕草を見せるりせが一歩リードしているようだが、似た者として決断を迫られる雪子や陽介と並ぶムードメーカーである千枝も、ここからまだまだ巻き返せるだろう。
でも、個人的にはりせに勝ってイチャイチャして欲しいwww
いや、だって悠とイチャイチャして一番ニヤニヤ出来そうなのは積極性の高いりせかなって。あとくぎゅVoiceは強烈です(笑
次回『Catch Me If You Can』
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