雑記11/23
「今のアニメはコピーのコピーのコピー」「表現といえない」 押井守監督発言にネットで納得と逆ギレ
(J-CASTニュース)
正直な話、この小見出しがそもそもダメだと思う(笑 だって逆ギレっておかしくないかw 「逆ギレ」っていうのは、要は本来怒られるべき人が怒った人を逆に怒り返すってことでしょ? 押井監督の発言で業界人が怒って、それに対して押井監督が逆に怒ったならそれは逆ギレだけどさwww 反応しているのは、ある意味第三者な私たちなわけだし。どちらかと言うと、「押井監督の発言に対するネットでの賛否両論」というタイトルにでもすべきだと思う。
いや、もしかして『逆ギレ』と『逆上』をごっちゃにしてるのか、この記事を書いた記者?
と、そんなことはどうでも良いのですwww 記事の内容は追記でどうぞw
「今のアニメはコピーのコピーのコピー」「表現といえない」 押井守監督発言にネットで納得と逆ギレ
世界中で大ヒットしたアニメ映画「攻殻機動隊」などの監督、押井守さん(60)が現在のアニメ作品について「オタクの消費財と化し表現の体をなしていない」と批判した。
ネットではこの発言に納得する人もいるのだが、自分達の好きなアニメを批判していると感じたアニメファンは「押井こそオワコン(終わったコンテンツ)」などと押井さんに対する盛大な批判を展開している。
ほとんどのアニメはオタクの消費財と化した
押井さんは1983年に劇場アニメ映画「うる星やつら オンリー・ユー」で監督デビューした。「機動警察パトレイバー」「攻殻機動隊(GHOST IN THE SHELL) 」「イノセンス」など数多くの作品をリリースしていて「攻殻機動隊」については95年にアメリカでホームビデオ週間売上1位を記録する快挙を遂げた。「マトリックス」など海外の映画にも多大な影響を与えている。
朝日新聞は2011年11月21日付けの電子版コラム「アニマゲ丼」で、押井さんの東京芸術大学大学院映像研究科での講演(11月12日開催)を紹介した。講演で押井さんは
「僕の見る限り現在のアニメのほとんどはオタクの消費財と化し、コピーのコピーのコピーで『表現』の体をなしていない」
と語ったという。つまり、制作者には新たな創造性や、作品を通じて訴える思想的なものが欠如し、過去にヒットした作品の焼き直しばかり。例えば「萌え」が流行すればそうした作品ばかりになっている。また、今のアニメはオタクと呼ばれるファン層に媚びたものが多く、こうしたことから「表現」が制作者から無くなった、という批判だ。
確かに11年9月から始まった20本近い新作テレビアニメを見ると、さえない男性主人公の周りに美少女が群がる「ハーレムアニメ」が驚くほど多く、過去にヒットした「ハーレムアニメ」作品と共通する内容がかなり多い。
宮崎駿監督も過去の作品のコピーに嘆いていた
実は、過去のヒット作品を真似たものが増えていることについては、以前から警鐘が鳴らされていた。宮崎駿監督はベルリン国際映画祭で「千と千尋の神隠し」が金熊賞(グランプリ)を獲得した02年2月19日、記者会見を開き、記者から日本アニメの世界的な地位を質問されると、「日本アニメはどん底の状態」とし
「庵野が自分たちはコピー世代の最初と言っていたが、それより若いのはコピーのコピーだ。そうしたことで(アニメ業界が)どれだけ歪んでいて薄くなっているか」
などと答えている。庵野というのは大ヒットアニメ映画「新世紀エヴァンゲリオン」の庵野秀明監督(51)のことだ。
今回の押井さんの発言についてネットでは
「萌えクソアニメの乱発は誰が見ても異常」
「アニメ業界が飽和しすぎで、コピー品を粗製乱造しなきゃ回らなくなってる」
「売らなきゃ食っていけないからな。安定して売れるのがオタク向けの萌えやエロ」
などと納得する人もいるのだが、現在主流となっているアニメのファン達は、自分達の趣味趣向、好きなアニメを批判するのは許せない、と激しく反発。しかし理論で立ち向かえないからなのか
「押井のアニメくそつまんねーんだよ」
「押井も信者向けの消費財じゃん」
などといった作品批判や、人格批判へと発展し、大混乱となっている。
(J-CASTニュース)
だそうです。というか、押井監督ってもう60歳になるのか、とそっちの方が驚きなんだけど(笑
まぁ、実際に押井監督の発言に私たちが激怒したってどうしようもないというか、彼の発言の矛先は私たちじゃなくて同業者であるアニメ製作スタッフ(監督やアニメーターら)だと思うので、何とも言えない。
何とも言えないと言いつつ、私がどう思っているのかを言わせてもらえば、独り賛否両論かなw 賛同できる部分50%、否定すべき部分50%の発言だと思う。
賛同出来る部分は、今のアニメは表現者としての媒介ではなく娯楽の一つと言うこと。アニメーションと言う主義や思想の代弁者ではなく、アニメと言う商売道具になっている。それが良いのか悪いのかは、人それぞれ持っている価値観やらなんやらで答えは変わるだろうけれど、少なくとも押井監督はそれが「悪い」と思っているのだろう。
私は、あまり良い状態ではないと思っている。でも、今のアニメを観て楽しませてもらっている以上「悪い」とは断言出来ない。だって、今のアニメも面白いアニメは面白い。そこは否定できないすすべきところでもない。
ただ、やはり今のアニメの多くが、放映以前に別の媒体(コミック、ラノベ、ゲーム)である程度の成功を収めたもので、それを「アニメ化しているだけ」という部分は否めない。だから、その作品に原作者と同等の、あるいはそれとはまた違うベクトルの思想やメッセージ性の表現が欠落するわけだ。だってアニメにしているだけであって、その話の中身やらその作品を通じて訴えかけたいものは全部原作頼みなんだから。
アニメーションに携わり作ってきた人たちにとって観れば、今の現状は必ずしも良い状態ではないのだろう。
◆アニメの在り方
ただし、アニメーションとは創作物であり表現者の訴えかけたいメッセージを伝えるためのものである、と断言出来るわけでもない。少なくとも今の「アニメ」は、ただの創作物ではなく一種のエンターテイメント。観ている人を少しでも楽しませようとする努力がある。良い形でハマった原作にはないオリジナルストーリーを持つアニメなどはまさにそうしたサービス精神に近いものがあるのだろう。
モノの在り方というのは時代によって変化していくのが常で、そういう意味では今の時代のアニメと言うのは前の世代のアニメとはやや赴きが異なっている。それこそ押井監督が言うように消費財。1クール3か月で終わってしまう、長くても2クール半年分で終わるようなアニメがほとんどの昨今において、作っては消費され、作っては消費され、ただ延々とその状態が非常に短いスパンで繰り返されている。
一つの優れた作品よりも、十の量の作品、という具合。
それが良いのか悪いのかっていうのは、私には良く解らない。質の良い作品を観たいと思うが、たくさんのアニメを観たいと言う人もいるだろう。そうした消費者たる視聴者に媚びている、と押井監督は嘆くのだろうが、媚びなければやっていけない状況が少なくとも今のアニメ業界には蔓延しているのだから、しょうがないのではないだろうか。
◆過去の負債
結局のところ、今のアニメ業界が「優れた作品」ではなく「売れる作品」を作っている現状は、その製作環境の劣悪さとコスト回収の手段が製品化された映像やグッズに限定されるためだ。
アニメを作る人たちも、普通の人間である。だから、彼らにも生活があるし、生きていくために必要な費用を稼がないといけない。生活費はじめお金を稼ぐためには仕事をしないといけない。仕事をするためには、スタッフとしてその作品を作る現場に関わらないといけない。
そうなると、スポンサーが望むのは「売れる作品」が作れる監督でありスタッフになるのではないだろうか。どんなに「素晴らしい、優れた作品」だったとしても売り上げが伸びなければ、スポンサーとしては頭を抱えてしまう。逆に言えば、作品としてはパッとしなかったとしても売れた作品ならば、それはそれでスポンサーとしては「良し」となるわけだ。
作品自体の出来の良し悪しとは別に、こういう業界だからこそ歌手たちと同じように数字として出てくる評価は大きな意味を持つ。「売上」と言う要素を、作品の評価とすべきではないという意見もあると思うが、売れる作品に仕立て上げたその手腕は、評価すべきモノだと思っている。
さて、話は逸れてしまったが、要は今は「売れる作品」が好まれる。そして「売れる作品」とするためには、DVDやグッズを買ってくれる視聴者にある程度媚びようとするのは、自然な流れだろう。
「良い作品を作ればおのずと売れる」と言うのは、ごく一部の極めて限られた恵まれた人たちだからこそ出来ることであり言えることに過ぎない。
そして、この「質の良い作品」より「売れる作品」を求める傾向が強いのは、この業界の持つ過去の負債だろう。
つまり、「売れる作品」を求めずとも「質の良い作品」を作り続けられるだけの環境が今の業界は整っておらず、それは昔から変わらないだろう、ということである。雇用がしっかりしていて、安定した収入があるのなら、「売れる作品」を目指す必要は減り、「質の良い作品」を目指せる。しかし、今はそういう状況は少ない。それこそ先に上げたように、アニメを作る人たちも人であるから、生活費を稼ぐ仕事が出来るようにより良い成果が出るようにするのは自然なことなのだと思える。
要は押井監督やら宮崎駿監督やらが記事で名前が挙がっているが、彼ら影響力ある人たちが次の世代のことを考えて環境を整備することが出来れば、彼らが嘆くような今の状態は出来ていないとも言えるのではないだろうか、と言うことである。
「これだから若いやつらは」と言うのは、ある種の定型句のような言葉だが、勘違いしてもらっては困る。そうした今の状況がある原因の一端には、問題を解決せずに次世代にバトンを渡してしまった過去の世代にも問題はあるのだ。
ただし。
押井監督が、その講演でどんなことを言ったのか分からないので、何とも言えないのだ。一語一句逃すことなく記事が紹介してくれるなら良いが、こういう記事は読者が食いつきそうな部分だけチョイスしてくるので、その前後の文脈がないと何とも言えないのだ。
押井監督はもしかしたら、私がここまで書いたようなことを丁寧に説明し、自分ンの力不足を踏まえたうえで、記事のような発言だってしているかもしれない。それが分からないから、何とも言えにのだ。
ちなみに宮崎駿監督は、私が挙げたような問題に対して自身の製作スタジオである「ジブリ」のスタッフを正社員として雇用する、という手段を用いて解決を図ろうとしているのは有名な話だろう。ただ、悲しいことに「宮崎駿」という名前を持ってしても、それが業界全体に広がるほどの影響がなかったのが残念。「ジブリ」の作品が売れて資金があるから出来た芸当だと思うし、なかなかこのスタイルが普及するものでもなかったのだろう。もし、宮崎駿監督に賛同するスタジオが続々と出てきて、スタッフが正社員として雇用されていれば、生活が安定し「売れる作品」ではなく「質の良い作品」はもっとこの世に顔を出していたように思える。
(尤も、力のある監督やアニメーターは正社員で雇用されると自由に身軽に動きが取りづらくなるので、それが100%と良いとも言えないのだろうけれど)
というより、現状が良く解らないんだよね、視聴者でしかない私にとっては。もしかしたら私が知らないだけで割と正社員だらけの業界で、作品一本ごとの契約で携わってメシを食ってるっていう人は少ないのかもしれない。
だから、同業者の方々がどう反応するかの方が気になるわけです。
◆どうして押井監督?
最後に押井監督に対して全面的に批難をするなら、「今のアニメ」と全体を括るのは辞めるべきだと思う(これは、この記事を書いた記者にも言いたいが)。記事にもあるが、11年9月で週20本近い新作アニメが放映されている現状で、それを全部1話逃さずチェックしたのならばそうして全部をひと括りにして発言することも出来るだろうが、そうではないのだろう(もし、それが出来るのなら、こういうのは失礼だがよほど時間に余裕があるのだろうと思ってしまう)。
そういう、何でもかんでも「どうせこんなもんだろ」と思って幾つかチョイスして観てみたらやっぱりその程度だっただけで、「今のアニメは~」なんて全体を語ることは辞めるべきだ。それは、押井監督自身ですら結局どうにも出来ていない過去の負債が残った業界で、それでもアニメを作り続けている同業者に対して失礼だし、ネットで激怒している人たちはそれに対して怒っているんだと思っている。記事にもあるが「自分の好きな作品は、少なくともそんな作品じゃない!」と言いたいのだろう。
というわけで、私の見解はこんなところです。ぶっちゃけ、同業者同士の発言問題にこれと言って意見するつもりもああだこうだと口にするつもりもないんだけどねw 逆に言うと、この発言に対して同業者であるだろうアニメ製作スタッフがどう反応するかが気になる。
もしかしたら反応すらしないのかもしれないけれどね。大御所と言うこともあるだろうが、その発言が今の週刊アニメを製造している現場からすれば、現場のことを何一つ理解していない机上の空論としてしか扱われないかもしれないし。
結局、こういう時に名前が挙がる押井監督や宮崎監督って、劇場アニメが主体だからねー。なんで、TVシリーズの現役監督とかのコメントが出てこないのかが不思議(まぁ、一般的に有名な人がいないからなんだろうけど)。TVシリーズ未経験と言うわけではないけど、週一の週刊アニメとなるTVシリーズから遠ざかって長いだろうから、現状をどこまで把握しているのかも不鮮明かもしれない。
だから、ここで小見出しにつけたタイトルのように「どうして押井監督?」なのだ。劇場アニメに生きてる人なら劇場アニメを批難すればいいのに(劇場アニメ化が増えてるんだし)、どうして消費財となっているTVシリーズの方を批難するのか?
もしかして、アレか? 私たちがこの発言に対して勝手にそう思ってるだけで、押井監督は昨今のTVシリーズから劇場化する流れが増えつつありながら劇場アニメすら消費財にしようとしている業界に対して批難しているのであって、TVシリーズの作品自体は批難していないのか?
……いや、そんなわけないか(苦笑
でもまぁ、これだけ有名な方の発言である。それに対し賛否どちらであったとしても、業界人はもちろん視聴者でしかない私たちも、一つ今のアニメに対して考えてみるのはいいことかもしれない。
NoTitle
事実ですねハーレムモノもそろそろ飽きました。
今は質より量が求められているんですかね
深夜アニメだと長くても半年くらいで終わってしまいますからね。
アニメーターの待遇も酷い状態らしいですね。
名のあるひとたちがなんとかしてもらいたいのですが。
それでもまだまだおもしろい作品はあると思います。