ペルソナ4 #07
『Suspicious Tropical Paradise』
≪あらすじ≫
普段の完二からは想像も出来ないマヨナカテレビの映像に絶句する一同だったが、それは雪子の時も同じこと。改めて全員で完二救出のためテレビの中へと潜入する。
しかし、熱気に包まれたその世界と完二のシャドウと思われる存在の発言に、同性の悠と陽介の方が貞操の危機を感じる始末。
それでもその最奥には、やはりシャドウと対峙する完二の姿があった。完二のシャドウは、裁縫や絵画が好きで得意な完二を周囲の女子が“男らしくない”と言って否定するから、自分は男が好きなのだと告白する。「男子は女子のように「男らしく」なんていわないから」と。
そんなシャドウを否定する完二。否定されたシャドウは、その力を利用しいよいよ暴走状態へ。悠たちも対抗するが、本体から分離した二体の強力なシャドウに邪魔されてなかなか本体まで辿り着けない。シャドウはいよいよオリジナルである完二に迫るが、その前に立ちはだかったのは悠とワイルド。
悠は完二に「(可愛いモノが好きな完二も)可愛いよ」と彼の在り方を受け入れる。その言葉に、膝を折った完二は再び立ちあがって――
≪感想≫
◆シャドウを説得する完二www
普通なら、シャドウがその人の抱えていた心の内を露わにして、それをオリジナルが認めることで一件落着になるのだが、完二の場合はシャドウの露わにした内心に対してさらに渇を入れて説教するというトンデモな展開に(笑
実は全部完二が劇中で口にしていたので、今更内面を掘り下げて語るまでもないのだが、完二が本当の意味で求めていたのは「『男らしく』なんて言わない男たち」じゃなくて、「こんな自分でも受け入れてくれる人たち」だったわけだ。陽介も口にしていたが、要はシャドウの言動は本人の内面の一部ではあるが全てではないということ。
結局、完二のシャドウが「男が好き」って言っていたのは、「女が嫌い」とか「肉体的に男の方が興奮する」とかじゃなくて、単純に「女は自分を変だとか、男らしくだとか口うるさく文句をつけてくるからメンドクサイ」って思ってたから。まぁ、実際にこういう人いるよね。異性なんてメンドクサイって言って恋愛せずに同性の友人と遊ぶ方が楽しいという人。それはそれでその人の価値観だし、アリだと思う。完二の場合は、それが特に助長された形になっていたというだけ。
あんな風貌だから完二に求められるのは、“男らしさ”なのだと思う。でも“男らしさ”って何かって言われれば分からない。だって、それはそこに明確な定義なんてなくて、それぞれ個々人の持つ価値観によって微妙に、あるいは大きく異なるモノだからだ。
でも、そういうモノに対して私たちは過敏に反応するのである。それは、私たち人間が自己の確立だけでは満足しきれず、あるいは自分自身というモノを“視る”ことが出来ず、そのために他者の評価を知ることによって自己というものを知り、満足する存在だからだ。人が一人では生きられない本当の理由は、自分を評価してくれる他者がいなくては自分で自分を評価し見つめることが出来ないからなのかもしれない。
『今の宇宙は私たち人間が観測することで初めて存在していると言うことが出来る』と言う理論もあるがそれに近いのかもしれない。私たちは他人に観測されて評価されることで、初めて「その世界に私は存在している」という実感を得るのかもしれない。
話は逸れてしまったが、完二は自分を正当に評価してくれる人がいないことに苦悩していた。実家は染物屋で、女物の反物や生地を取り扱っていたせいか、可愛いモノが好きで、手先が器用だから可愛い人形とかも作れる。
でも、それは完二の風貌にそぐわないから他人はそのことで評価してくれない。
なら、他者が完二を評価するのはどんなことか? 答えは簡単で周囲が完二に求めている「荒くれ者としての不良」としての姿を演じることだ。だから、他人相手にメンチを切って、不良としての“選完二”を演じる。
そうすることで、(それがたとえ最低の評価だったとしても)他人は“選完二”という人物を認識し評価してくれる。他人から認識し評価されることで、完二はその世界に、その街に、その学校に自分が存在出来ると言う実感を得る。
だが、所詮それは演技に過ぎないからどこかで大きな負荷がかかってしまう。それが結果としてマヨナカテレビに入れられた時にシャドウとしての自分を生み出してしまったわけだ。
その辺が分かっているのか偶然なのかはわからないが、悠は完二の趣味や感性に理解を示した。男が可愛いモノが好きでも良い、そんなのも可愛いじゃないか、と。
悠って本当にその辺の感性がニュートラルだと思う。「~~のくせに」とか「~~らしくない」とか、立場や印象でその人の本質を決めつけていない。原作ではハーレムルートもあるようだが、こんな主人公だったらそりゃあモテると思う。
逆に言えば、散々完二の趣味やシャドウの在り方に「選完二らしくない」と言っていた陽介や雪子たちは、自分たちの時の教訓を生かし切れていないかな、という印象。「ジュネスの店長の息子のくせに」「旅館の跡取り娘のくせに」「千枝らしくない」といった、他人から押し付けられた評価に苦しんでいた似た者同士だったが、その教訓が活かされていなかったのは少し残念に思う。
余談だけど、こういう「男らしい」「女らしい」って今は禁句だと思う。実際、今回は完二に対して女子たちが「男らしくない」と評価していたようだが、自分たちだって「女らしくない」なんて評価されたら辛いはず。実際、そんな性別でいろいろと決めつけるような評価はもう古いってこと。評価をするなら性別でなく、その人となりでなければならない、という当たり前のように見えてまだまだ難しいメッセージがあるのかな、と思ったりもする。
さて、全体的に完二が相手だったからコミカルに描かれていた7話は非常に面白かった。もしかしたら、今までで一番面白かったかもしれない。シリアスとコメディのバランスが良くて、文字通り笑いあり、バトルあり、(涙はないけど)感動ありと、いろいろな要素が詰まっている良い話だった。
次回はまた日常回? 予告を観ると、雪子と千枝の水着回かな?
次回『』
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