機動戦士ガンダムAGE 第5話
- ジャンル:[アニメ・コミック]
- テーマ:[機動戦士ガンダムAGE]
『魔少年』
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≪あらすじ≫
ファーデーンへ無事到着したディーヴァ。ここで艦内に残った最後の民間人であるフリットたちは降りなければならない。自分が設計したガンダムで戦わなくてはいけないという強迫観念に駆られるフリットは、豪華絢爛な大型コロニーであるファーデーンに到着しても、どこか気持ちが晴れない。
一方、エミリーはディーヴァ艦長のグルーデックが私的に艦長の座を強奪し、さらに艦内のサーバーを誤作動させ自分に有利に働かせてその座を維持しようとしている事実を知る。そのことを指摘するエミリーだが、グルーデックは「そうしなければ市民は死んでいた」と主張。そのことを認めながらも、誰かを騙し続けるような手段は良くないとエミリーは出て行ってしまう。
その頃、一人ファーデーンの荒野を走っていたフリットは、そこで突然未知に飛び出してきた少年デジル・ガレットと出逢う――
≪感想≫
◇エミリーがウザい……と感じてしまうほどの幼稚な周囲のキャラクターたち
ほかの方の感想を観ていないので何とも言えないが、ヒロインとしては「エミリー、ウザッ」って声がそろそろ出てきそうなものだ。正ヒロインとしてはやっぱりユリンの方が適正値が高そうだし、どっちかっていうとエミリーは正ヒロインというより友達あるいは姉貴ポジションっぽい(まぁ、噂では次代主人公の髪の色から最終的にフリットはエミリーと結ばれる、というのが見え見えとも言われるが)。
確かに彼女の言動は、癇に障る。こう、まるで口うるさい小姑のような喧しさ。
でも、悲しいことに彼女の口にしていることが私には一番大人だとやっぱり思ってしまう。彼女が言うように軍人じゃないフリットが軍事機密の塊であるガンダムやディーヴァ艦内を我が物顔で悪くのはおかしいし、結果が大切だと言ってもそのためならば手段を無視して良いと言うグルーデックのやり方は確かに批難されてしかるべきだからだ。
というか、ハッキリ言ってエミリーだけが大人で後のキャラクターが子供過ぎて逆にエミリーの存在が非常に浮いてしまっているのが気になる。これじゃあまるで「正論? そんなことより周りの空気読めよ」という、いかにも日本的な「赤信号、みんなで渡れば、怖くない」みたいな風潮を、これを見ている視聴者に間違ったメッセージとして伝わってしまいそうなものだ。
(確かに正論ばかり振りかざすのが、どんな時でも良いとは思わないけどさ。それこそグルーデックと同じで結果(正論)さえ正しければ過程は軽視されても仕方ない、というのが間違っているのと一緒で)
エミリーが大人に見えるほど、この作品のほかのキャラクターは幼稚すぎる。それは『ガンダム』という冠を持つ作品だから批難するのではなく、少なくともバーチャルでゲームなモノではない本当の戦争を描く一創作作品に対する批難だ。そこに「大人向けとか」「子供向けとか」そんなチャチな要素の見方なんて存在しない。
本当に「戦争」(相手が人であれ未確認のUEであれ)とそれに携わる人たち(特に子供)の描き方はこんなもので良いのだろうか? もっと戦争は悲惨で、残酷で、それこそ『機動戦士ガンダムUC』の主人公バナージが言うようにどんな理由があっても人の命を奪う戦争に「正しい戦争なんてない」のではないだろうか。
原爆を落とされ、第二次世界大戦(太平洋戦争)に負け、過程はともあれ戦争を否定する国家として歩んできた日本とそこに棲む日本民族。もう、この国であの戦争の悲惨さを直接知る者は私含めてほとんどいないと言っても良い。しかし、だからこそ私たちはこの先も戦争の悲惨さを継承していかないといけないと思うのだけど、正直『AGE』という作品はむしろ戦争を推奨……とまではさすがに言わないが、そうした戦争がもたらす悲劇や逼迫した部分をまるで伝えようとしているとは思えない。
(もちろん、それは現時点の話である。折り返し地点を過ぎてどんどん仲間キャラが死んで、相手の正体が分かってフリットは戦うことに恐怖し、自分がいかに軽率に戦ってきたかというものを実感するかもしれないが、それは「かも」という可能性と過程に過ぎないのでここでは言及しない)
これならいっそバーチャル空間での戦争とかにしてくれた方がまだいいんじゃないかって思う。「全部バーチャル世界での出来事でした」とオチがあった方がまだ納得出来る。それくらい、登場キャラクターに戦争をしているという感覚と必死さは欠如している。それを持っているのはエミリーくらいなものだろう。
フリットは軍人でもないのに我が物顔でガンダムを動かし機密だらけの艦内に素性の知れない民間人を通した揚句にガンダムを奪われるなんて、軍人なら銃殺刑と言われてもおかしくないものだ。「いや、フリット軍人じゃないし、子供だし」という理由は軍人には通用しない。それならガンダム乗るなということになるし、ガンダムに乗りながら未だに民間人風情な方がおかしいのだ。軍の機密を知り、それを動かすなら彼にも責任があるのだから。
この辺を巧く描いたのは『SEED』の序盤だと思っている。立ち位置としてフリットと『SEED』の主人公のキラは似ている。「民間協力者としてのガンダムパイロット」としての姿を描きつつ、キラの周りには厳格さと優しさを兼ね備えた大人たちがいたから面白かった。今のフリットと周囲の大人たちの状況は『SEED』のそれとはまるで真逆だ。優しさだけで厳格さが足りない遊び半分のような大人たちしかいないからつまらない。
本音を言えば、もうこのまま先に進んでも良いからせめてフリットは軍人に志願させてほしい、と思う。彼がいつまでも民間人だったり、技術者だったり、パイロットだったりで立ち位置がフラフラフラフラしているから悪いのだ。なので、さっさと軍人入りして、以前と変わらず独断先行したところをグルーデックに粛清してもらえば良い。
そうなることを、今はただ祈るだけである。
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- at 11:34
- [アニメ(放送終了):機動戦士ガンダムAGE]
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- [Edit]
私はエミリーは常識人であると同時に、フリットに直接「ガンダムに乗らないで」と言えばいいのに嫌われたくないから直接は言えない『子どもっぽさ』もあるのかな、と思いました。
画面内のバルガスとディケの違和感がハンパないですね。作品ごとのキャラデザの大事さを改めて思い知りました。フリットもパイロットスーツ似合わないし。ユリン早く来てー